ロングスパン-長い目

アメリカ大統領選を見るたび、いつも、「アメリカは物事を短期的にしか見ない、日本は何事も長期的視野に立って考える」っていうの、嘘だろうと思う。

僕は外資系に勤めているので、世間が「外資系は短期的なモノの見方をする」と見ているのが判っているし、自分もそう思うところはあるけれど、アメリカは何と言ってもその国の根本のところである大統領は、4年に1度選挙かつ三選禁止。だから、アメリカは国の方向性をいったん選んだら、とにかく4年はそれでやり続ける。そして、腐敗を避けるため、三選は禁止している。それに引き替え、日本は、気に入らなかったらすぐにも辞めさせるし、気に入らないと言ってすぐに辞める人も出てくる。こんなんで、日本は長期的視野に立つ国民性なんて、恥ずかしくて絶対に言えない。

長い目かどうかは、絶対的な日数年数ではなくて、それぞれの物事に対して適正な期間というのがあって、それに対しての相対的な評価のはず。日本の「長期的視野」というのは、往々にして、やっていることが成功するアテもないけどそのアテを真剣に考えるのも面倒だから、単に時間稼いでるだけじゃない?ということが多いんじゃないか。要は、「いつ見切るか?」という判断がない。あたかも何事も永遠に続くと思ってるかのように。

でも、そうじゃない。国のトップは8年以上続くと硬直するし、知事が何回でも再選できるなんて、腐敗に対する自衛意識が低い国ということだと思う。「問題だと思うなら、選挙人がその候補者を当選させないはず」なんて言うのはほとんど詭弁だと思う。そんなこと言いだしたら、ほとんどの法律が要らなくなる。どんな犯罪にだって、犯す側にも応分のリスクがあるのだから。その一方、ビジネスマンは年単位ではなく一刻も早く成果を出すことを要求される。これもまた、時計の針が違うことを意味している。