『39歳までに組織のリーダーになる―活躍スピードを加速する」���柴田励司

39歳までに組織のリーダーになる―活躍スピードを加速する
柴田 励司
かんき出版  2005-04

by G-Tools


38歳で人事コンサル会社 マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング株式会社の日本法人社長に就任したリーダーシップ論。

本書は、”リーダー”を、明確に「社長」と想定している場面と、”リーダーシップ”を、肩書きによって与えられるものではなく、人を動かすことのできる「推進力」として説明されている。なので、本当に「社長」を目指す人間にとっても、ポジションに関わらずリーダーシップを身につけることで仕事のステージを向上させた
い人間にとっても有用な内容になっている。説明は非常に平易で、流し読みするだけだと、今までどこかで読んだことのある「お説教」くらいにしか読めないが、真剣に読みこむと、実は現状の自分ではわかっているようで見えていなかった「リーダー」の視点、というのに気付いてくる。これを身につけ実践するのは簡単なことではないが、真剣な意味で「気づき」を与えてくれる、素晴らしい文章だと思う。

p16 「部分最適」に奔走する幹部たちに「全体最適」の視点を持たせるために、リーダーたちの業績賞与を決定する指標に全体の業績指標を加える、という工夫がなされることがあります。しかしそれは、あくまでも、賞与に影響が出るから仕方なく「全体最適」も考えた、という発想にすぎません。
p24 口癖は「なぜ���」
p78 時間配分の秘訣���①時間のスケジュール化・②集中時間の確保・③懸案事項の洗い出し
p80 会議���①性質とゴールを事前に明らかにする②ファシリテイターの活用③ラップアップ���ゴー
→ファシリテイターは、自分が本当にリーダーの場合
p90 プロジェクトを上手く回すための基本原則
 ①プロジェクトの計画をきちんと立てる②進捗管理をきちんと行う③臨機応変に計画を修正する
p92 RACIチャート

http://ja.wikipedia.org/wiki/RACI%E5%9B%B3


  • Responsible���実行責任者��� - タスク達成のために働く責任者。複数のリソースについて責任を持つことがある。

  • Accountable���説明責任者��� - タスクの正しい完了について外部からの問合せに対して責任を持って対応する。各タスクの窓口は1つでなければならない。

  • Consulted���協業先��� - 意見を求められる者。双方向の対話。

  • Informed���報告先��� - 進捗を常に把握している者。一方向の通信。
  • p102 疑似経験力���課長クラスまでは、さほど求められない能力ですが、部長クラス以上で活躍しようとすると、欠かせない力の一つ
    p133 高い報酬を示しさえすれば、人は仕事に励むという誤解
    人事コンサルの視点では普通のことらしい。それでも敢えて「カネで買っている」という意思があるのかどうか���
    p150 顧客との関係を短期的な経済性だけで判断するようになります
    p162 NPOに移る人も出てきました
    p170 ���つの集団
     ①リーダー②参謀③フォロワー④パラサイト⑤キャンサー⑥エイリアン
    p174 そんな状況になってしまうのは、権限委譲が足りないからです。
    リーダーでなくとも、よかれと思って自分がするべきではない仕事をやりすぎていないか���仕事を面倒がって敬遠するのではなく、やるべき領域をやるように推進することが必要。
    p193 撤退は、利害関係者の思惑が渦巻くなかで、いかに残存利益を確保しつつ、コストをかけずに事業を閉めるかとう実に難しい状況です


    柴田励司 


    カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
    取締役COO���最高執行責任者���

    デジタルハリウッド株式会社
    代表取締役社長

    経済同友会幹事