独走会 - 2017/11/12 松阪 75.1km

独りで死ねないのなら、死なないほうがきっといい。


とにかくこの日は朝から調子が悪かった。そもそも、時間は家族からたっぷりもらっていて帰りの時間もあまり気にしなくてよかったのに行き先が数日前から例によってうだうだ悩み続けていたし、松阪に行こうと思い定めて起きることはできたものの、本当に走りきれるのか、自信がないので輪行して八木スタートにしようとか、それでも100kmあるしとか、全然テンションが上がらない。

橿原神宮前行急行に乗っているとき、急に「八木から165号でゴミゴミしたところを抜けるまでにまた時間を食うし、いっそもうちょっと東まで輪行してしまえばいいのでは」と、長谷寺も越えて、休日ダイヤで乗換なしで行き着けた榛原まで輪行。組み上げて8:30スタート。


だけどとにかくテンションがあがらない。ほんとにちょっとした下りが怖いし、ほんとに今のこの足で青山峠を越えられるのか、止めといたほうがいいんじゃないのか、色々面白くない感情が渦巻いて、オレやっぱりロードバイク向いてないんじゃないかなあとずっと落ち込みながら165号を東進。


ところが名張を越えたあたりから不意にテンションが変わるというか無心になるというか、あまり何も考えないまま走っていた記憶に。途中、165が通行止めの箇所に出くわしても、行けないならここで引き返そうか、という気も起こらず、迂回路と示された道に迂回し、程なく合流した後「これで峠回避できてたらいいな~」と甘く思ったのがすぐに打ち砕かれても黙々と回し、まだかまだか頂上はと思うけれど嫌になる訳でもなく、峠を抜けた後の下りも飛ばしたけど全然怖くない。


165号は勝手知ったる道なので、どこでリタイアすれば近鉄に乗れるかとか頭に入ってるんだけど、そんな気は全く起こらなかった。50km越えたあたりからやっぱりちょっと足が切れて空転するようになったけど、予め考えた通りのインターバルで休憩したら回復し、好天の初秋の午前中の峠跨ぎという、気温とコンディションの目まぐるしく変わる中、今までで一番気持ちよく走り切れたんじゃないかと思う。


人とのつながりはとても大事だし、人は独りでは絶対に生きていけないし、気持ちを打ち明けたくなることも時には絶対にある。だけど、やるつもりのないことを口にするとそれは必ず自分に返ってくる。もし、その気持ちを「使い捨て」で打ち明けたいのなら、それは自分の中の自分に対して打ち明けたほうがいいと思う。自分の外の誰かに打ち明けてしまったら、その「使い捨て」と同じように自分も「使い捨て」ることになってしまう。自分のその大事な気持ちに相応しい打ち明け先はきっとある。その打ち明け先を見極められるのは神ではなく仏でもなく自分しかいない。その打ち明け先がどんなに重苦しい打ち明け先だったとしても、その重苦しさからは逃げないほうがきっといい。この日のライドの前後半のコントラストは、そんなことを思い起こさせた。


いつもの箇条書き:

  • 50km足切れの原因は食べ足りないんじゃないかということで、今回は休憩ごとに必ず何か食べたし、ちょっとお腹すいたと思ったら走りながらすぐ何か食べるようにした。これは結構正しかったと思う。
  • もう一つ、足切れは有酸素運動になるからで、有酸素運動になる原因は心拍数の上昇だという基本的なことを改めて読んで、4分間インターバルトレーニングを週何度かできるときはやるようにしていた、その成果が出たのかも。
  • 凄くバイクが多かった!なんかイベントでもあったのだろうか。
  • テールライトが充電切れ。充電すること。
  • QUOC Nightは絶好調。
  • La Passioneのビブはやっぱりパッドがちょっと弱いかなーと思ったけどそれは疲れで姿勢が崩れたときの問題だった。
  • 松阪牛最高。