『NEW LOVE』/B'z

なにこのどん詰まりの"なさ"感。そして頻発する「同情」のワード。

30周年ツアーの千秋楽に翌年のニューアルバム&ツアー告知されたので、アルバムのテイストとしては『Loose』とか『ELEVEN』とかあの雰囲気かなーと思ったら、まあそうと言っちゃそうなんだけど違うのは突き抜け感。仕切り直し感が全然ない。『Loose』とか『ELEVEN』は立ち止まるというかリスタートというかそんな立ち位置の空気があると思うんだけど『NEW LOVE』はそういうの全然ない。なんでしょうこの疾走感。

稲葉さんって同じ言葉重複してあんまり使わないタイプの作詞家だと思うんだけど、今回ははっきりくっきり目に付く「同情」のワード。『DINOSAUR』のときは「孤独」がキーワードだったけど、今回は「同情」。『WOLF』で「吹けば飛ぶような/同情がちらほら」、『デウス』で「本気の同情 上辺の表情 どっちでもよい」、『トワニワカク』で「同情なんか必要ない 私はあきらめない」。これだけ並ぶと、やっぱり声でなかった際の外野とそれに呼応した稲葉さんのメンタリティを推測せずにいれない。だけどそれよりは、「同情」を「要らないもの」と撥ねつけているスタンスを学んで、何でもかんでもシンパシーを強要しシンパシーで済まそうとする現代に抗え、というメッセージに捉える。

そう考えると、ここしばらくの「成熟路線」からさらに一周回ってまた若くなった感満載なんだけど、でもやっぱり痺れるのは『俺よカルマを生きろ』。

痺れる自業自得の道

もう当面これ以上なんも要りません。頑張ります。戻るもんか!