街の本屋で本を買う - 2020/09/12 蔦屋書店 奈良『Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2020年 9月号 [大人も読みたいこどもの本100] 』/カーサブルータス編集部

小学生初めての夏休み、帰省すらままならない状況で夏休みらしい体験が何もできなかったので、せめて一泊外泊で旅行気分をと、近所にできたマリオットの最高級クラスと言われているJWマリオット奈良へ。GO TO TRAVELは政策的にはそのお金の使い方からして納得できないけれど、それを責めることと、それを使うことは連動する必要がないと最近考えが変わったので、というのはそこで孤高潔白の立場を取ったところで得られるものを得なければ最後の勝負に負ける確率が高くなるし、責められるような為政によってでも得られる利得を得ることは共犯になるのではないと言えるし、ということでGO TO TRAVELを利用。この考え方の変化は自分なりに一歩踏み出した感。

で、JWマリオット滞在は殊の外楽しかった、いろいろな要素があるけれど、併設されている蔦屋書店、あれは有り勝ちだと言われがちだけれど僕はああいった店の作りの楽しさを再認識した。メガ書店ともちょっと違う、ビレバンとももちろん違う、買うつもりがなくても面白い場所。子どもにはどんな形でもいいから本には親しんでほしいし、本と「なにか」興味をひかれるような様々な物品が、襲いかかってくるような勢いではなくてそこかしこに点在している、というような。思想の文脈で何かあったような…バザールだっけ?パサージュだっけ?そういうことを思い出した。こういうのも新しいトラベルの形なのかも知れないな、と。



街の本屋で本を買う - 2020/09/09 啓林堂書店 新大宮店『美術手帖2020年10月号』/美術出版社 『なくなりそうな世界の言葉』/吉岡 乾

ひさしぶりに外出することがあり空き時間に本屋に立ち寄ってみて初めて、在宅勤務になってマイナスだったのは立ち寄り立ち読みの時間がなくなっていたことだと気づいた。amazonで本が買えるようになってから、本屋に立ち寄ることは以前よりは減っていたものの、外回りのついでに意識的に立ち寄るようにしていたのが、在宅勤務になると完全になくなってしまっていた。本屋に立ち寄るというのは、現代のリアル書店がどれだけ売れ筋ばかりを並べるようになったとしても必要なこと。 まとまった時間だったので、自分以外に他にお客さんはいても一人、という状況のなか、入念に店内をうろつき周り、買おうと決めたのが、特集的にディスプレイされていた『なくなりそうな世界の言葉』と、もう1冊が『美術手帖』。『なくなりそうな世界の言葉』は、最近、バスク語が主題のひとつだった『アコーディオン弾きの息子』を読み終えたところで、言語に関する興味がまた高まっていたので。『翻訳できない世界の言葉』とかなり迷ったけれど、今は『なくなりそうな世界の言葉』で。もう一冊の『美術手帖』はテーマが「ポスト資本主義とアート」というど真ん中だったから。綺麗事を言うな、ではちょっと済まされない状況になってきていると思うので、アートの視点からみたポスト資本主義を勉強したいと思ったから。マルクス・ガブリエルのインタビューが掲載されているのもポイントだったけど、一読したところではこちらはいつものガブリエル節だった。

街の本屋で本を買う - 2020/07/31 旭屋カルチャースクエア イオン奈良登美ヶ丘店『一人称単数』/村上春樹

まさかこれを知らなかったなんて、本に対するアンテナが相当相当鈍っている。

歯のブリッジが外れて噛み合わせが狂っていって吐き気を伴う頭痛が酷くなって慌ててかかりつけの歯医者へ。ついでに本屋に立ち寄って、何気に入り口付近に大画面モニターに流れていた『本当の自由を手に入れる お金の大学』という書籍の販促ビデオを眺めていて、ふと平積みに目を落としたら聞き覚えのない村上春樹のハードカバー。吃驚して手にとってレジに直行。

ここ数年、書評を読む機会も減り本に対するアンテナは鈍っているなと思ってたけどまさかここまでとは…。村上春樹は次作どんな形を出すんだろう、このまとまった時間を極端に取りづらい細切れ瞬発力の夜の中で、と思っていただけにこの新刊はすごく納得して読んだ。

旭屋カルチャースクエア イオン奈良登美ヶ丘店


街の本屋で本を買う - 2019/01/04 KUMAZAWA BOOKSTORE +Stationery(なんばパークス)『1兆ドルコーチ』/エリック・シュミット他

これは旬のものだし。

初買いで難波に出向いたついでに。タイトルがあざとくてどうだろうと思っていたところに、広告記事を読み通したら存外中身がありそうだったので。タイミング的にも今読まないと。去年はCEOご推薦の『FACTFULLNESS』だったな。

街の本屋で本を買う - 2020/01/02 啓林堂書店近鉄生駒店『100分de名著 貞観政要』/出口治明

2020年の初買本はこちら。

実家から自宅に引き上げて、特に何するでもなく近所の近鉄の本屋をぶらぶらしてたら魔の「100分de名著」コーナーへ。最新号は今までの文学系・宗教系とまったく趣を異にする学問系。帝王学ってだいたい何言ってるか検討つくし、別に自分には必要ないと二の次だったんだけど、ここで出会ったのは何かの定めと思いお買い上げ。やっぱり出口氏というのはポイント高かった。

街の本屋で本を買う - 2019/11/21 メトロ書店(アミュプラザ長崎)『岩波文庫的 月の満ち欠け』/佐藤正午

出張から帰ってきてテレビをつけたら長崎が取り上げられてる(Eテレ・デザイントークス+)。

出張先で思わぬ時間ができたので、駅の近くのショッピングセンターで本屋回遊。しっかり歩くと気になる本がジャンルを問わずいくつも見つかって、でもこれからお客様先訪問なのであまり嵩張る本は鞄に収まらないので選択肢から外して、最終的に仕事に関係する5Gの解説本とどちらにするか悩みに悩んで、出先で買うなら小説だろうということで選んだのが『月の満ち欠け』。最近、直木賞とか賞モノにもずいぶん疎くなった…そして佐藤正午と歌野晶午がごっちゃになっていた。これを書くためにamazonで調べるまで、「『葉桜の季節に君を想うということ』の人だよな」と思っていた。

広い本屋を巡るのはこうやって興味の引く本に出会える良さがあるんだけど、今日は、現在地点は(書籍に限らないけれど)本という本の背表紙がどれもこれも「オレを読め!」と叫ぶためだけの言葉があてがわれているような、そういう押しつけがましさが襲ってきたような感じだった。あざというというか。何かを伝えたいというよりも、選ばれやすさを最重要視している。

レジに並んだら前に3人待っていてレジ自体は3台あったのだけど、なんと10分弱待った。クリスマスプレゼントの包装を頼む人が多かったのもあるんだけど、お年寄が圧倒的に多く、そしてレジでの支払いも現金小銭をゆっくり出すというような。もちろんこれに苛立ってはいけないのだけれど、着実に空気の違うところが日本の中でできているんだなと痛感した。

街の本屋で本を買う - 2019/04/17 JR京都駅・八ツ橋の杜『上野千鶴子のサバイバル語録』/上野千鶴子

何その店名。
徳島からバスで京都に移動して新幹線で名古屋というまあまあハードなスケジュールで、何の気なしに発車前に本屋をぶらぶらしてたら見つけたのがこれ。話題の人なので飛びついてみるが吉、と即購入。こういうのって確かにamazonはリコメンドしてくれないんだよね。最近、amazonで買うものも結構フォーマットが決まってきてて、驚きのリコメンドもほとんどないし。ちょっとなんかのインターネットニュースからamazonに飛んでしまっただけで、全然馴染みのない芸能人関連の書籍がずらっと並んだりするし。
それにしてもあの書店、そんな名前って。「本」って書いてはいるけれど。


街の本屋で本を買う - 2018/11/22 恵文社 西大路店『ヌメロ・ゼロ』/ウンベルト・エーコ

恵文社と言えば一乗寺店が有名だと思うのですが、西大路店が馴染みがあります。
何故かと言うと商用で数年前からよく西大路駅に行くのですが、ここ1,2年で駅前の喫茶店のクーズコンセルボがすごくきれいになり席数も増え、めっちゃ美味しい鶏系の麺屋一空ができ、どんどん良くなっていくのですがずっと前から変わらずそこにあるのが恵文社。いつも駅に早く着いたときは少しでも仕事をしようとクーズコンセルボに入るのですが、今日は一空で鶏ジャンクを食べたあと待ち合わせまで少しあった時間を恵文社で。

ちょっとカルトな系統のムックを眺め終わって棚移動し始めたところに目に飛び込んだのが『ヌメロ・ゼロ』。こないだジュンク本店をぶらぶらしたときに目に入っていて、ウンベルト・エーコってまともに読んだことなくてかつこれが遺作と聞いて気になっていたところなので躊躇なく購入。手にとっている間に聞こえてきた店員さんと他のお客さんとのお取り寄せのやりとりー出版からなんで一週間はかかります…構いませんわ一週間かかっても、それでお願いしますわ…ーがすごく印象に残ってる。

 『ヌメロ・ゼロ』/ウンベルト・エーコ 河出文庫

街の本屋で本を買う - 2018/10/01 ジュンク堂書店大阪本店『現代思想 2018年11月号 特集「多動」の時代 ―時短・ライフハック・ギグエコノミー 』/青土社

微かに、微かにだけど積み上げできているかも、という実感。

帰社時間が昼休みにかかったのでジュンク堂に寄り道。今、どんな本が売れてるのかというのを表紙を眺めながら歩くのが楽しいので(買う気はなく)3Fをぶらぶらして「近いうちに読みたいな」と思ったのがタルディの『塹壕の戦争』。漫画なので少し立ち読みしてしまったのだけど、日本対どこか、じゃなくてどこか対どこかの戦争のイメージというのは本当に全くできていないものなんだなというのを思い知らされたショックが大きかった。

で、とぼとぼと歩いていると目に飛び込んできたのが「多動」「若林恵」「コンヴィヴィアリティ」。ここ最近気を取られているキーワード連発で思わずその『現代思想』を手に取って読み出す。目を取られた特集はドミニク・チェン氏と若林恵氏の対談なんだけど、「多動」はもちろんポジティブに取り上げられている訳ではなく、それはADHDというような多動をネガティブにとらえているということではなくて(そもそも例の「多動」が、そこを反転するような意味感で使ったところがやらしいしややこしくしている)、多動はテックがアテンションを強制するように差し向けた受動的な状態だからいい状態なはずではない、という認識から始まって、消費の強制のされ方とか主観の強制のされ方とかに話が移ろっていく。一度読んだくらいでは全然消化できない。もちろん買いました。

先日読了した『「待つ」ということ』でも問題意識にあった「所要時間を極限まで削っていく社会の行き先」みたいなものとももちろんリンクするし、ドミニク・チェン氏のことも民藝のことも、今まで興味を持ったら読んでいたことが積み重なっていっている微かな希望を見た気がした。

ジュンク堂書店大阪本店: 大阪府大阪市北区堂島1-6-20 堂島アバンザ2階~3階

街の本屋で本を買う - 2018/10/05 ジュンク堂書店難波店『バイシクルクラブセレクション  2018年 11月号 』/エイ出版社 『Software Design総集編2013-2017 』/Software Design編集部

ちょっと寄ってみたら、欲しい本のオンパレードで困った!

ほんとうに何の気なしに寄ってみたら、そんなときに限ってあれも欲しい、これも欲しい、ってなる。あれはたぶん、「本を探す」という行為は、頭の中が空っぽのほうが適しているということなんだろうなあ、と今振り返ってみて思った。暇つぶしに図書館に行ったときのほうが、目にした本に興味を覚えることが多い気がするし。

とりあえず足を運んだIT棚で、目に飛び込んだのがこれ。

Software Design総集編【2013~2017】

DVDに5年分収められてるそうで、「いくら?」と思って裏表紙見たら¥2,000。¥2,000!? マジで!?

買おうかなあ、どうしようかなあ・・・とうろうろしていたら次に目に飛び込んだのがこれ。

世界の終焉 ―今ここにいることの論理―

これは読みたいなあ・・・でも今図書館から一冊借りてきてるのがあるしなあ・・・とりあえずブックマークしておくか・・・とケータイ取り出してブックマークしながらうろうろしたら更に目に飛び込んだのがこれ。

「待つ」ということ (角川選書)

もう勘弁して。時間のかかることはすべて短縮もしくは無くしてしまうのが絶対正義みたいになった世の中で、これを押し進めていった先、時間に余剰が生まれたとしたらそれをどのように使うのか(そしてそこにまた短縮すべきもしくは無くしてしまうべき時間が生まれてくるのか)という命題と、押し進めていくことに幸せがあるのかという命題の狭間で悩み、「かけなければいけない時間」逆に「どうしようもない時間」これをそのまま「かけなければいけない時間」「どうしようもない時間」として扱える耐性というのは重要になるんじゃないか、と、つまり「待つ」ことの重要性を考えようとしていたところに鷲田清一氏で『「待つ」ということ」ですよ。うわー待ってくれーって思わず口走りそうになりましたよ。

で、「今日何冊買おうかなあ・・・」と思いながらぶらぶらしたらぶち当たったのがこれ。

明日の前に

難波店の店長に本気で一押しされたら買わない訳にいかない訳ですよ。『有限性の後で』も読んでないんですけど・・・とその2冊を手に取ってパラパラしてみたらもう全然ついていけません。もちろん今までもついていけなかったんですけど。これはちょっと思いつきで買っていかず読める時間をちゃんと確保したときに買おうと冷静に。

で、最終的に買うことにしたのが、『Software Design総集編2013~2017』と、これ。

バイシクルクラブセレクション ラクに走れるロードバイク術

奇しくも両方「まとめサイト」というか、過去記事のセレクション集。音楽でいうベスト盤というか全集というか。でも出版物としては、こういう「アーカイブ」をうまく組み立てて出してくれたらいいと思う。特にバイシクルクラブセレクションは、テーマに沿って過去記事をまとめているもので、これって結構ニーズあるなあと思いました。