いつかのブリコルール

facebookで山本あつしさんがブリコラージュと名につく団体のページをオススメしてくださったのを見て、「そう言えばオレがブリコルールって書いたのいつだっけな」と振り返ってみたら2年も前だった。

ブリコルール

 I'm a bricoleur.

どっかの誰かがまた生半可に言い出しそうなので、たまには先手を打って言ってやる。唾を飛ばして言ってやる。根性なくても言える。

オレはブリコルール。

確かにシステムは概念だけれど記号でもある。そしてシステムエンジニアというよりもシステムブリコルール。

物言いとしてはよくないけれど、なかなか勘のいいこと思いついてるな、と珍しく昔の自分に感心した。

『ワーク・シフト』/リンダ・グラットン

要は、「今後、最も潰しが聞かなくなる職種は営業です」ということ。

Social Book Reading With Chikirin」で取り上げられていることもあって、ジュンク堂本店で目にして直感的に読まねばと思い東京出張時に丸善本店で買って帰りの新幹線で読んだのですが、正直言って、読まなくてもよかったかな…という内容でした。「未来の働き方」を考えるなら、こないだ奈良で買ってきた『チャルカの旅と雑貨と喫茶のはなし』のほうがよほどプラクティカルでためになります。もちろん、本著のように、学究的なアプローチも知り学び理解しなければいけないのですが、「生きていく」という意味での「食っていく」ためには、何より重要なのは実際的であることです。「「やる」ことは「考える」ことより大切だと思われがちだが、私はそんなことは信じていない」それはそうだし大切なことだけど、考えるだけでは食っていけない人間にとっては、「やる」ための実際的なことが優先されるのです。

そう、本著は、言うなれば「「考える」なら、「考える」の一流になれ」と説く訳です。ITが一層進展し、グローバル化が一層進展する未来の世界では、専門性に磨きに磨きをかけなければ、生き残っていけません、都市部に住んでても貧困層に落っこち、孤独な老後を迎えます、縮めていうとそういうことを言われます。それに関しては何の異存もない。けれどそれは、1990年と比べて、革命というほど大転換したことなのかな?そういうと、「変化のゆっくりさに、変化に気づけない凡庸な一般人」みたいなレッテルを貼られるけれど、1995年に社会に出たIT業界人として、例えば旅費精算一つでも昔はどうやって運賃申請してた?と思いだせないくらい、IT化が進行していることは分かっている訳です。それで、「専門性を磨け。世界と対峙せよ。」と言われて、「おおそうだ。世界と対峙だ。やるやる。」という人間が、どれだけいるのか?と思う訳です。

ましてや、専門性を磨けない今の勤務形態では、あなたは近い将来、ダメになります、と言われても、更に、専門性を磨いて事を起こすためには、今の職は残したまま、ちょっとずつお試ししてみろと言われても、「そりゃそうしたほうがいいって判ってるけどさ~」って誰もが言うと思います。なんかそれだけの中身の本、と纏めてしまいたくなります。それはもちろん、僕が昨年来、いろんな「働き方」の考えに関する書籍を読んできているからであって、今まであまり考えたことのない人にとっては、有用な内容だとは思います。

大きなポイントは、専門性を磨く=高額な金銭的報酬に繋がる、とはどこにも書かれていないこと。専門性を磨くのは、自分の充足感を高めるためだ、という、「第3のシフト」を謳っています。理想論とか空論とか言われてきたけれど、これは実際にこうならないとこの先世の中がほんとうに行き詰ってしまうと思うし、そうなっていく気配は確かに少しずつ感じられる。でも大事なのは、やはりそこには金銭という交換価値は必要で、かつ、金銭的成功を収めたいという人が、倫理観や道徳観に反することなくそれをなし遂げようとするならそれを批判したり嫉妬したりしてはならず、かつ、そうやって富が集中することに対して、富を集積した人が、社会的な活動をする人に「寄付」をすることが至極当然という社会を作っていかなければ、これはうまく回らないと思う、この考えは本著を読む前にすでに自分の中では組み上がっていたことで、本著ではこういうことには触れられていないので、やっぱり自分にとってはそれほど大事ではなかったと言ってよさそうです。

4833420163 ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
リンダ・グラットン 池村 千秋
プレジデント社 2012-07-28

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「自分の仕事」を考える3日間 1/10

”言った後で急に 僕は何故だかわからず泣いた”
(『FRIENDS』/B'z) 

B00005F5BX FRIENDS
B’z 
BMGルームス 1992-12-09

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自分の出不精を差っ引いても不思議なもんで、
初日当日の朝、「参加者同士が話し合うように進行する」などといった、前年の記録を思い出しながら、「あーめんどうなもんに申し込んでしまったなーそれも3連休3日とも使ってー」と思っていたのが、昨日のセッションが終わる頃には既に「祭りの後」「宴の後」を思ってメランコリック。

しかしこのイベントは参加した場で刺激を受けたり楽しい時間を過ごしたりするのが狙いのイベントじゃない。だからこのイベントが終わってしまうことを残念がるのは少し筋違い。なにより寂しさに感けて今日のセッションを台無しにしたら意味がない。 

最後のまとめで西村さんが仰っていた、「こういうものは区切りをつけてなければならない」という言葉の意味は痛いほどよくわかる。痛い程、というのは心中お察ししますという意味じゃなくて残念で仕方がないけれどそうでなければならないという意味で「痛い程」。何かを感じ意欲が湧いたら、「やってる人じゃないと」とか「思いだけじゃないくて実際にやりだしやり続ける工夫」とか、大事なヒントはいっぱいもらってる。

  • 皆川明さん
    • 僕に取っては、昨日の中村さんのお話以上に、最高にリアルなビジネスの深いところが聞けた。
    • リレーするとき、「最高のスピードで」というところが印象に残ると(西村さん始め)たくさんの方が仰っていたが、僕は「苦しくてもノリノリで繋ぐ」と仰った言葉のほうがより鮮明で感動した。
    • 価値の下がらないもの、ゴールはない、100年続くブランド→100年でいいのか→創業15年経った今も「ここから最低100年は」
    • ミナペルホネンのオマージュは意味がない。
    • ロングスパンでみた大量生産。質量。
    • ガンジーセーター
    • 皆川さんは計算に強いと言っておられた。中村さんは計算が苦手と言っておられた。

ほんとうになんだかよくわかんないんですけどこのタイミングで僕はなぜか涙ぐんだんですよ。

  • 伊藤ガビンさん
    • 訳わからん。と人には言わざるを得ないほど、自分がどう解釈したかを伝えるのが誰にとっても難しいセッションだったと思う。
    • 西村さんはガビンさんをラストに持ってくることを最初から意図してたような気がする。最後にありきたりの結論にならないよう、引っ掻き回したんだろうか?
    • 口ロロは知ってたけどいけすかん感じで聴いてなかった。聴こう。
    • 歴史にマッピング vs 答えの出ていないものが好き
    • それぞれの人がどこに意識を分散するか もしくは集中するか

関心空間のたかはしさんと話が出来たり、得難い体験を得難い質量でぎゅうぎゅうにインプットした3日間。最初にも書いたけどこれが今日だけのことで終わってしまっては意味がないし、単に楽しいというだけでこのイベントはもちろん関係性をつなげていくだけでは何にもならない。僕が仕事上で悩んでいることは分かりやすくはないけれど表に出しているので、仕事に関する行動や考えの記録をオープンにしていこうと思う。

今日の自分に向かって手を振ろう。

"問題は依然、解決しない 
うまい話も基本的にない
明日怖い?怖いのは自分 
そんな毎日を生きるのも自分
今日の自分に向かって思い切って

手を振ろう さぁいま 手を振ろう"
(『手を振ろう』/稲葉浩志) 

B003UIUBT4 Hadou
Koshi Inaba 稲葉浩志
バーミリオンレコード 2010-08-18

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「自分の仕事」を考える3日間 1/9

いやこのすばらしいイベントがあと1日で終わりなんて。
そして全3回の第3回が終わるということで、もう今後参加できることはないなんて。
参加するだけでは意義はないことは判っていても、なくなるってことは寂しいもんだよね。

元来、早め早めに目的地に移動してしまう性で、
今日は昨日の実績を活かしていくらか遅く家を出たのにそれでも8:20くらいに到着してしまって、駐車場開門の列に並ぶ(8:45開門だった)。休日朝の阪奈道が空き過ぎてんだよ!(笑)

昨日の行きはラジオが流したのがミスチルの『未来』でなんか暗喩的で格好いいのでそれをリンクに貼ってみたけど、今日は帰りのラジオが流したのが槇原敬之の『もう恋なんてしない』でなんかなあ。なのでそれはリンクせず、会場の朝カフェとランチでお世話になってる「庭禾」さんのリンクで。撤収前でディスカウントになったピタサンドを買って帰りました~。

瀬戸暮らし日記

via niwakalife.exblog.jp

昨日の御三方は「社会活動」「公人」的な色合いが濃淡はあれ共通したところだったけど、今日の御三方はそういう面は少なく(中村さんは「社会問題的な面はあんまり」と仰っていたし)、そういう意味で昨日のように「大上段」に構えたことを考えずに済む分、自分の問題に引き付けやすかった。しかしながら、引き付けやすい分現実的で出口のない話になりがちで難しい面もあった。

  • 鈴木昭男さん
    • たどたどしく、離婚に関する剛速球質問をさせて頂いたが、少し困られた表情をされていらっしゃったけれど、鈴木さんは僕の目を一度も外さずにお答えしてくださった。お答え頂いた内容もさることながら、あの姿勢は心から誠実な人の姿勢だと思うし、一朝一夕に身につくものじゃないと思う。
    • でもやっぱり不躾な質問には違いないと思い、後からお礼とお詫びにいきました。そこで言葉を交わさせて頂いた空気感が極上。あれだけで僕の中では鳴ってます。
    • 「鈴木さんのような男性と結婚するのはどう思うか?」という素朴な問いが、まさか次の山本ふみこさんのセッションにつながるとはこの時点では夢にも思っていない。
    • でもANALAPOSはセックスかも知れないってことは僕は一目見たときから判っていましたよ。
  • 山本ふみこさん
    • 僕の中での「主婦=仕事か」議論にひとつの終止符。
    • いかに自分のアクティビティーにかかるストレスを減らすか。これは『グーグル時代の情報整理術』と同じことを言ってて面白かった。
    • 「成り行き」のこころは僕は完璧に理解できていると思う。
    • 3人組になった方の、図書館勤務の話はかなり重いテーマだった。
    • 山本さんはかならず質問者の正面まで移動されてた。
  • 中村好文さん
    • エンケルハウスのことも秋篠の森のことも、奈良県民なのに知りませんでした。情けない。
    • 中村さんの話を聞きたくて参加したという人を何人も聞きました。
    • 仕事に関するスタンスとしては、実際にそれを選択するかどうかは別として(背伸びもしないし卑屈にもならない、とか)、自分が一通り考えてきたことと最も合致する方だった。
    • 相性。相手が本来持っている能力を引き出せなかった。
    • 事務能力がなかったことが「有利に働いた」・・・ある種の戦略性
    • 計画性がないこと
    • クライアントに設計会社があるが、そう言えば中村さんのような物腰の方がほとんどのように思う。なぜだろう?

  •  

    「自分の仕事」を考える3日間 1/8

    待ちに待った”「自分の仕事」を考える3日間”。
    ミクシィで「奈良県立図書情報館」コミュを運営しているくらい(と言ってもほとんどトピックも立たないけど)溺愛している奈良県立図書情報館でこんなスゴいイベントをやってたことを、第1回の2009年に知れなかったことを残念に思いつつ、念願の参加です。

    車で阪奈道路に乗る前、fm802が流してきたのがMr.Childrenの『未来』で、なんか印象的な。

    「生まれたての僕らの前にはただ
    果てしない未来があって」
    (『未来』/Mr.Children)

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    全体を通じては、「自分の”働く”ということについて」引き付けて考えることが、多少はできたけどとにかく難しかった。ゲストの方の話の、ご自身の仕事の活動そのものを題材に考える面と、仕事で関わられた対象を題材にする面とがあって、何を主語にして会話すればいいのか、躊躇することがしばしばあった。

    • 広瀬敏通さん
      • 「 今、災害が起きたら何をするか?」という質問の仕方と、それに対する回答。
      • 参加者17万人というのは日本の人口の0.1%ちょっとで、社会に浸透しているとは到底言い難いと思う。その状態で、創業者が退いてよかったのだろうか?
      • 自分の目で確かめること
      • 誰かに仕事を頼むこと。広げること。
    • 坂口恭平さん
      • 社会化するということ
      • 説得力の生み出し方
      • 言語化しないで共感を生む方法-喋りに喋って仲間にすることは意外と簡単
      • 何をやって食っていくのか?突き詰め方
      • パス-人脈
    • 川口有美子さん
      • プロ観として自分にいちばん近かった
      • 川口さんのセッションまで聞いた時点で、「今日の3人には共通点がある」とグループディスカッションで言われたことが衝撃的
      • 稼ぎを生む働きと、稼ぎを生まない働き-今の自分の仕事は、いかにすべての時間を「稼ぎを生む働き」にするかということにフォーカス
      • ALSに財源が傾斜配分される-他の病気よりもALSということか、困ってるなら各々立ち上がれということか
      • 戦略性-どうすれば実現するのか、方法・手段を知る重要性
      • ここでも、他人に頼む仕事が出てくること=拡大=仕事になるという図式