LOSTAGE "Kill Surf City vol.3"@心斎橋Live House Pangea 2011/06/24

ビワイチのレポート、早くエントリしたいんだけど一週間経っちゃって、その一週間の間にまた新たな事件が。

 

6/24、心斎橋Pangeaに行ってきました。お目当てはLOSTAGE。ツイッタで見ると前日の横須賀かぼちゃ屋は五味兄さんがハイテンションだったりダイブしたり『手紙』大合唱したりとか、そうとう盛り上がったらしく、めちゃめちゃ期待して行きました。こないだ買ったLOSTAGEティーシャツ着てくかどうか相当悩んだ末、主催がLOSTAGEではなくThe Yasuno N°5 Groupだし、会場もたぶん、僕みたいなオッサンは未経験なくらいちっさいとこなんだろうし、持っていくけど着るの止めとこう、と思って会場入ったら予想以上のちいささ加減ファミリーフレンドリーな雰囲気で、嗚呼良かったそこまで気合入れなくて、と思ったりしてたんですけど、いざLOSTAGE始まったらそんなことあまりにささいってくらい大変なもの見てしまいました。

演奏開始前、やたらと首やら頬やらパンパン叩いてる五味兄さん見て、「前日横須賀でやって、夜移動してきて、プレス用の写真選別とかして、吉川尚弘さんの取材受けたりとか、やっぱ過密スケジュールで疲れてるんだろうなー」と少し心配に。ちょっと目が腫れてるのは飲んでるのか?とか思ったんですが、1曲目始まったら飛ばしてったので「おお。やっぱやるなあ。」と思ってたら。

残り2曲くらいの時間を残したMCで、五味兄さん:

「なんだこの空気は。」

「なにか言いたいことがあるのか。」

おいおい。なんだその不穏な空気づくりは?

「おまえか何か言いたいことがあるのは。」と拓人さんに振るも、「オレはない。」とすげない答え。

「最近は、こういう躁鬱激しい状態で…」

おいおい。昨日は偉い盛り上がったらしいじゃんよ。なんで今日こうなるよ?

五味兄さんは結局、拓人さんの「言いたいことがあるなら、そのまま言えばいいと思う。」という助け舟に乗ることができず、言いかけたことを言いきれず、「今日はもうできません」とベースを置きそうになり、拓人さんに「わかった。言えへんやったら無理にゆわんでもええ。けど、今日こんなに来てくれたお客さんを前にして、やめるはあかん。ちゃんとやれ。」と叱られ、1曲削って最後の一曲をやって、へたり込みました。

音源流出事件があって、だいじょうぶなんかなと思ってて、かぼちゃ屋は盛り上がったので大丈夫かなと思ってたらこの顛末。ほんとにいろいろ思うことはあるのですが、

  • 23日大丈夫で24日あかんくなったというのは、この間に、音源流出に関して何か新しいことが分かったということなんだろうか?それがいちばんの心配。
  • お客さんを前にしてパフォーマンスを飛ばすというのは、やっぱりあってはならないことだと思う。コンディション調整不足だけでもどうかと思うのに、目の前のことをきちんとできないようでは、どんな音楽がいいとか言う以前の問題だと思う。これは、「仕事」をする人間として思う。理不尽なこと言ってるお客さんがいるなら別だけど、僕らはチケット買ってパフォーマンス見にきてるだけだ。
  • もうひとつ、自分達が主催じゃないんだから、主催のバンドに対しても迷惑をかけたんじゃないかと思う。
  • その上で、たぶん、この原因は音源流出だと思うんだけど、そうだとして、やっぱりかなりのショックを受けるんだろうなあと改めて実感した。拓人さんもちょっと涙声だったし。
  • ましてや今回は自主製作で頑張ってきはった訳だし。
  • ITの側にいてる人間としては、デジタルと複製のメリット・デメリットというのはいつも考える問題で、技術的には極力これを防ぐ方法というのはいくらでもあるけれど、これを防ぐ方法というのは取りも直さずユーザの利便性を損なう方向に行くので、一般的にはあまり広まらない。ましてそれほどITに詳しくなる必要もないアーティストがそこまで技術的に武装することも考えにくい。テクニカルにはこれを解決していく道筋は、普段からユーザがある一定の不便さを受けて入れていく(=常にセキュリティが意識される)ようにするしかないけど、それは望めない。
  • とにかく僕たちファンは、『CONTEXT』をきちんと買うしかない。そして、6曲のミニアルバムなのに¥1,680もすることに対して、よくない作品だったら、「なんじゃこりゃ!金返せ!」というだけの勇気を持っていたい。

という訳で、僕は7/3の奈良NEVERLANDで『CONTEXT』をフライングゲットします!

インディーといえばリバティーン

オレはフダツキだけど、ヒモツキにはならないぜ!!(逆)

 

こないだ、「やっぱインディーだな。スポンサーやタニマチつきは信用ならねえ」みたいなツイートをして、そのとき「インディーと言えばリバティーンズだよな」とふと過り、久し振りに聴いてみようと思ったらCDがない。iTunesにも取りこんでない。ということで、CD買おうと思って

amazonで探してみたものの、せっかくなので奈良にあるRecord Shop Djangoさんにツイッターでストックを尋ねてみました。残念ながらないとのことだったので、amazonで買っちゃうかなーと迷い中。

さてThe Libertines。改めて調べてみたら、「インディー・ロック」ってのは、けして自主独立でやってるバンド、というのではないことがわかる。ブラーだってオエイシスだって「インディー・ロック」に分類されてる。要は、「インディー・ロック」てのは、その時の流行や音楽的主流等に関わらず、自分達の音楽を貫いている姿勢のロックのことを「インディー・ロック」という訳で、清貧の思想を至上のものとしてる訳じゃない。自分たちのやりたいことを貫いて、それが広く受け入れられて成功したならそれでよい。

自分達のやりたいことを貫く、というのは容易ならざることなのは言うまでもなくて、まずそれでも食っていかなければならない以上、おのずとその足取りはindependentでなければならない。自分達のやりたいことをやるために、スポンサーやタニマチを得るというやり方は、independentではないし、どこかで自分達のやりたいことを貫けていない。それに自覚的であるかどうかは別として。今、僕は会社員として職を得ているからそんな上から見た言い方ができるけれど、もし、今この職を突然リストラで解かれたら、やりたいことを貫くどころの騒ぎではなくなってしまう。そういう状態に陥ったとしても、今自分が考えているようなスタンスを、生きるために食っていくために断腸の思いで曲げることがあったとしても、どう考えをおさめるべきか考えに考え抜いていけるかどうか、それが自分の値打ちを決めていくような気がする。だから、やっぱり「インディー・ロック」のアティチュードに惹かれてしまうのだ。スポンサーやタニマチやヒモツキは、どこまでいっても信用ならない。信用してるフリは、大人だからできるけどね。気づかれない自信も、あるけどね。

B000XJ5U5S Libertines
Libertines
Rough Trade Us 2005-01-25

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吉井和哉 Flowers & Powerlight Tour 2011@グランキューブ大阪 2011/05/13

まさに大人、貫録のライブでした!!
(ネタばれありありです) 

何が「大人」なのか、何が「貫禄」なのか。一言で言うと、「全編通して全力でなくても、ここという要所を押さえることですばらしい仕事をすることができる。それがベテランというものだ」ということになるかな。ほとんどのアーティストがたぶんそうだと思うけど、吉井ももちろん、ライブの後半に東日本大震災についてMCで触れた。そのMCまで、ほとんどMCらしいMCはなくて、オープニング数曲後のMCでは「純粋に音楽を楽しんでいってください」と言ったり。

ライブは、新譜『The Apples』を中心に、どちらかと言うと淡々と、確かに純粋に音楽を楽しむペースで進む。いつものような、茶化すカンジのMCもなし。確かに純粋に音楽を楽しんでるライブだけど、ほんとにどちらかと言うと淡々と進んでるカンジ。

でもそれを、たった一曲で変えてしまう、持っていってしまうところが、さすが。まさに大人、まさに貫禄。それは、『LOVE&PEACE』の前のMCで、東日本大震災について触れたところ。

東京で暮らしてて地震に遭って不便な生活を強いられて、ここ関西でも阪神大震災があったけど、あの時、親身になって考えられてなかったなと反省しています

『LOVE&PEACE』という曲は地震の前に創ったんだけど、ほんとうに平和で幸せな毎日を過ごせていられている、それに感謝しているけれど、このままずっといられるかな、いれるといいな、もしかしたらいられないかのかも?そんな思いを抱きながら創った

みんなのエネルギーをもらって、必ず今年中に東北でライブをやってきたいと思います

ほんとに悪ふざけなしでした。ちょっと悪ふざけようとする関西のオーディエンスを、うまくあしらいいなして、このMC。そして、『LOVE&PEACE』。『LOVE&PEACE』は素晴らしかった。この日は(というか思い返してみれば最近の吉井のライブは毎回そんな気がする)出だしちょっと声が出てないのかと思うようなとこがあったんだけど、『LOVE&PEACE』は素晴らしかった。『LOVE&PEACE』を書いたときの吉井の思い、地震が起きその影響を受けたときの吉井の思い、そして地震後に『LOVE&PEACE』を思い返したときの吉井の思い、そういう時間軸が全部眼前に立ち上るかのような、そんなパフォーマンスだった。

という訳で、ほんとに『LOVE&PEACE』だけでもこのライブを観る値打ち十分、という、抑えるとこを抑えた大人の仕事っぷりでした。感服。

その他箇条書き:

  • 次点は『ONE DAY』。
  • 『バラ色の日々』がまた聴けるとは。イエモンの曲のなかでいちばん好き。
  • 前日、前代未聞の「メンバー紹介忘れ」をやらかしたそうで、代わりに今日は二回メンバー紹介をやります!と言って、メンバー紹介した後、ほんとに続けて二週した。
  • しかも、そのメンバー紹介の際、バーニーが、両手に耳をあててオーディエンスを煽るパフォーマンスをしたら、吉井が「オマエ、古っ!!」と爆笑し、それ以降、ことあるごとに耳に手をあてて「バーーーーニィ!!」と振ることに((笑)
  • 『ビルマニア』、ボーカルが始まるまで「やっぱ金曜やしWeekenderやんなー」と本気で思った。

『The Apples』/吉井和哉

平々凡々選んでも運命の指令はドSです
何かしら起きては治まって自分との戦いであります 

『VS』/吉井和哉

相変わらずエロい。そして、相変わらず愚直。楽勝楽勝、ではアルバム創らないのね、この人、やっぱり。

B004IRQBOA The Apples (初回限定盤)(DVD付)
吉井和哉
EMIミュージックジャパン 2011-04-13

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「ほとんどすべての楽器を吉井自身が演奏」と前知識があったので、『at the Black Hole』みたいに、吉井の陰鬱なフィーリングはどっぷりだけどグルーヴというかビートというかノリというか、そういうのは二の次になっちゃうのかなーやっぱり、と心配してた。やっぱり、Dragon Head Miracle Tourのときのジョシュ・フリーズは忘れられないし、それぞれのパートはそれぞれのパートの専門のスキルのほうが、バンドサウンドとして好みのものが出てきそうな気がするし。『VOLT』はそういう重厚感満載だったし。

で、聴いてみたら、確かに一度目は『LOVE & PEACE』がぐわっと前面にくるカンジだったんだけど、二度目からはそれぞれどの楽曲も前に出てくる。それと今回は歌詞がかなり書き込まれているというか、「このくらいの言葉遊びでいいだろう」的なのがない。どれもなんかちゃんと言おうとしてる。それが嬉しい。いちばん最初に耳にグッと来たのは『HIGH & LOW』。でもって、最初に引用した『VS』。『VS』の歌詞は年食った人間の味がめいっぱい出てる。

同じように歳喰った人間の味がめいっぱい出てて好きなのが『CHAO CHAO』。ちょっといつもの言葉遊びで埋めてるところもありつつ、どこまでも果てしなく目指していかなければいけない人生のタフさにめげそうになったとき、気力をくれるようなことを歌い上げてくれるカンジがいい。

the pillows HORN AGAIN TOUR@Zepp Osaka 2011/4/16

燃え尽きました!「”音楽”ってものを見せてやるぜ」という、ピロウズの魂がビリビリくる熱いライブでした。

(ネタバレありありです)

当日になってやっと発券したチケットは整理番号Dだったので、18時過ぎにZeppへ。物販に並んでみたものの、寒い寒い!風吹きすさぶ、南港の寒いこと寒いこと!おまけに列は全然進まない!買う人がもたついてるのか、スタッフがもたついてるのか…18:20にはなんと「AからDまですべて呼び出し完了しております~」のアナウンス。当日券出てるらしい、とか聞いたし、それって呼び出しかスムーズなのか、前売りが少ないのか!?と若干心配しつつ、会場にやっと入れたのは18:50。50分も物販並んだの初めてだよ、B'z以外で…。

さて会場は「これで当日券出てるの?」と僕は思いました、いつも通りに入ってたんじゃないかなあ。ぎりぎりに入ったものの、うまく隙間をついて、フロア後方の機材?エリアの真ん前、どセンターでさわおさんライン真正面に陣取りました。

セットリストは、BIGCATのときとずいぶん変わってた印象。でも見比べてみると、そうでもないような、いや結構変わってるような…。BIGCATのときは『サードアイ』と『RUNNERS HIGH』と『LAST DINOSAUR』があって、どれも好きな曲でZeppでも演るって思い込んでいってたんで、演らなくて「あれー?」ってカンジだったんだけど、その後半の盛り上がりはBIGCAT以上のものがあったと思う。BIGCATのとき、「大阪にはこの後Zepp Osaka 2daysでもう一度来るから、リクエストを募集しようと思う」って言ってた「懐かしの名曲リクエスト」をほんとにやって、選ばれたのが『Nowhere』!僕はまったく予想もしてませんでした。この『Nowhere』からの畳み掛け方はハンパじゃなかった。まったく息を継ぐところがないカンジ?そして『LITTLE BUSTERS』!煽るだけ煽って、もう一回『Doggie Howl』で畳む!!病み上がりのオッサンにはキツいです(笑)。

たぶん、初めて正対してさわおさんのアクトを観たんですが(笑)、ライブを見始めた頃よりも、ここ最近どんどんソリッドになってる印象があります。ソリッドってのは尖がってるって意味じゃなくて、ものすごい真剣って意味で。ちょっと前は、「オレ天才だから、こんなくらい余裕で出来んだよ~ちょっと遊び持たせてさ~」みたいな空気をちょっとまとって、めいっぱいではやらないような(やってるんだけど)、そんなカンジを受けることがあったんだけど、今は、もちろんシャカリキにならないといいものが出せないという訳じゃぜんぜんないんだけど、ものすごい真剣に歌詞のいっこいっこも放ってくるカンジがあります。

ダブルアンコールは、ツイッタなんかでちょっと見ちゃっててなんとなく『No Surrender』が来ることは判ってたんだけど、判ってたんだけどあのカッコいいド真面目なMCと重ねられた日にゃあ、やっぱちょっと泣けますね。「5,6,7,8!」と叫んだあと、オッサンはちょっと心臓に不安を覚えたくらい、全力で楽しめたいいライブでした!

セットリスト(頂きものです)

01.Limp tomorrow
02.Give me up!
03.Hello,Welcome to Bubbletown's Happy Zoo(instant show)
04.YOUR ORDER
05.Biography
06.Purple Apple
07.Moon is mine
08.Sad Fad Love
09.Nobody Knows What Blooms
10.Comic Sonic
11.オレンジ・フィルム・ガーデン
12.Lily, my sun
13.EMERALD CITY
14.Nowhere
15.Brillinat Crown
16.Sweet Baggy Days
17.Movement
18.その未来は今
19.LITTLE BUSTERS
20.Doggie Howl
(encore-1)
21.TABASCO DISCO
22.HEART IS THERE
(encore-2) 23. No Surrender

目指すは次の世界 明日はもうここにはいない

鏡で自分ばっか 眺めて恨み節 うたうのはやめます
そして出てゆきます

(『さよなら傷だらけの日々よ』/B'z) 

もう何も言うことないです。力強いとかそんな一面的な言葉じゃ言い切れない。

B004OVDJ68 さよなら傷だらけの日々よ(初回限定盤)(DVD付)
B'z
VERMILLION RECORDS 2011-04-13

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この曲にはB'zファンにはおなじみの、稲葉の歌詞の2大要素が入ってる:

  • 自分を台無しにするのは、いつだって誰かのせいじゃなくて自分自身のせいだっていうこと。
  • 現状に満足するのではなくて常に次のステージを。そのとき、現状は捨ててしまおう。しがみつくのはやめよう。

ひとつめの「自分自身のせい」というのはこの辺に:

気づいてしまったよ ボクを傷つけたのは
このボクだったよ Baby そうさ So Sad

 (『さよなら傷だらけの日々よ』/B'z) 

ふたつめの「常に次のステージを。」というのはもう至るところに。「別れとは辛く 新しいものだろ」の一言なんかもそう。「初めの一歩は震えても」なんかもそう。そして、びっくりするのは「さよなら傷だらけの日々よ」という言葉が、「辛い過去から決別する」という印象を持たないこと。

普通、「さよなら傷だらけの日々よ」と言われると、「今までが相当辛く苦しい日々で、やっとそこから脱却できる、逃げ出せる、もうこんな生活嫌だ!だから新しい日々に行くんだ!」的な、逃走のような、そういう印象をまず受ける。僕も最初タイトルだけ知ったときはどんな展開にするんだろうと疑問だったけど、曲全体を聴いてみたら、「辛く苦しい日々から逃げ出す」みたいな印象はまるでない。むしろ、「いまこの場所でやるべきことは、もがきながらやりきった。だからここを出て行って、次の世界に行くんだ」という印象になる。一生懸命生きている人間にとっては、いつだって過去は「傷だらけの日々」のはず。その「傷だらけの日々」から、また新しい「傷だらけの日々」を過ごせる「次の世界」へ。果てしなく続く、挑戦の日々。

これが僕らB'zファンにとっておなじみの稲葉の歌詞のモチーフなんだけど、『さよなら傷だらけの日々よ』は、ラストに微妙に今までと香りの違う言葉が添えられる。「ありがと 悔いだらけの日々よ 今ならば言える」と前置きした後で:

人はたやすく変わらぬけど
いつの日か本当に戻るべき場所を知る

(『さよなら傷だらけの日々よ』/B'z) 

「いつの日か本当に戻るべき場所を知る」ここは結構、重要かなあと思う。「戻る」。すぐに連想できるのは『HOME』のモチーフだけど、もちろんあれだけじゃないと思う。

B'z 『Brotherhood』の圧倒@4/1 ミュージックステーション 

4/1のMusic Station。一ファンとして、どんな姿を見せてくれるのか、待ち侘びていました。

僕は自他共に認めるB'zファンです。ほぼデビュー直後からのファンです(さすがに、デビューアルバムの『B'z』だけはオンタイムで買ってませんが後は買ってます)。B'zファンというと、いわゆる「音楽通」的な人たちから、「ははは」と嘲笑されるような、そんな時代も生き抜いてきました(一部では今でもそうかも知れないけど)。もう、臆面もなく「B'zファン」と言い切ってます。ライブももちろん毎回行きます。大阪のチケット事情はマナーの悪さからファンクラブ優先でも厳しく、『ACTION』のとき抽選で全滅した際は、とにかく手当たり次第申し込んで、仙台まで観にいきました。できる限り遠征もします。欠けているアイテムは、シングル・アルバム・ソロ・映像作品含めてありません。そのくらいファンです。

何が好きかというとあの人達はほんとうに「プロ」だと思うからです。毎回ドーム公演を完売して、どの公演でもパーフェクトなアクトをする。「ライブは生き物だからいろんな調子のときがある」みたいなことを言うミュージシャンは、はっきり言ってそうやって寝言を言っとけと思う。お金を払って、時間を費やして、対峙しようとしてくれている人たちに、ベストを尽くすのがパフォーマーとしては当たり前だろう。その「当たり前」のことを、23年もの間粛々とやり続けている人達を僕はほかにほとんど知らない。

僕は、稲葉の書く歌詞が大好きです。稲葉の歌詞は、ぜんぶ自分のせいだと歌う。ぜんぶ自分のせいだと歌うんだけど、そこに重苦しさだけが漂う訳じゃない。辛い時はちょっと休んだらいいし、自暴自棄のときは自暴自棄になっても構わない。でもそれ全部自分のことなんだよと、自分でしょってちゃんとやってこう、と歌う。そして、それを絶対に誰にも強制しない。「僕はこう思う。君の参考になれば嬉しい。」常にそういうスタンス。あの哲学を、ほとんどまるまる鵜呑みにして今までやってきてるような気がするくらい、彼の歌詞が好きです。その世界観はあまりに崇高過ぎて、自分の実生活で実践しようとしてもほとんどできずにボロボロになって打ちひしがれるばかりだけど、それでも諦めたりはしません。

そして、4/1のMUSIC STATION。『さよなら傷だらけの日々よ』はもちろん良かった。

「さよなら傷だらけの日々よ 目指すは次の世界 明日はもうここにはいない」

次のステップを踏み出す時には、避けられない別れもある。でもその別れとは、いつも新しいものだろう。悲しむ必要なんてないよ。
できれば避けたいことだけど、でもそのときには大きく構えようと思わせる、大事な大事な哲学。

でも、やはり『Brotherhodd』だろう。

ネットでは『PRAY』を予想する声が多かったけど、僕は正直言って『PRAY』は曲調が被災して3週間の今の時点には、暗過ぎるような気がしてた。いい曲に違いないんだけど、あの曲はもう少し、平時でこそ強い思いを重ねられるような曲だと思う。

『Brotherhood』と聴いたとき、意外だったのと大きく納得したのと両方の感情が流れた。

B'zのファンのことを「ブラザー」と呼ぶ端緒となった曲、Brotherhood。

なんとプレイヤーはBarryとShane。

そして、これまでTV出演の際は場合によっては生音は稲葉のボーカルだけで、 演奏はトラックを流してることがあったのですが、今回はすべて生音。

松本さんまでもがコーラスに加わる。

「いざというとき手を差し伸べられるかどうかなんだ」で、マイクスタンドをガンガンと床に打ち付けて絶唱する稲葉。


稲葉はライブで観るとき、常に「プロのシンガー」としての稲葉の顔を崩さない。

けど、今回、歌い終わった後の稲葉の顔は、人間・稲葉浩志だったと思う。

言っては悪いけど、歳相応の、稲葉浩志が、そこにいたと思う。


もう本当に、特にアンチB'zだという人に、この演奏を是非聴いてもらいたい。すべてが終わった後、「元気が出る応援ソング」みたいののベスト3が残ってたけど、スタジオはそんなものは霞んでしまい、ただただ圧倒された空気だけが残った、あの演奏を。

あれこそが、「音楽にできること」だと思う。

そして、どんな仕事でも、全力でやっていれば、「その仕事にできること」が、自分の力になって返ってくるはずだ、と。

行けなかった「3月28日 奈良ネバーランド 東北地方太平洋沖地震チャリティーイベント」のその後

3/28、奈良ネバーランドで実施された東北地方太平洋沖地震チャリテイーイベント、待ちわびていたのですがなんと間の悪いことに当日重症扁桃腺炎に陥ってしまい、諦めざるを得なくなったのです。

ライブは見れなくても、せめてチケットだけは買いたい、募金したい、ネバランならここから30分もあれば、と思うのですが、重症扁桃腺炎というのは本当につらくてとてもじゃないけど行けそうにありません。

そこで、ダメモトで、ツイッタで、五味兄さんとネバーランドのアカウントに、ツイートを飛ばしてみたのです。こんなカンジ:

今日の整理番号16番の者です。楽しみにしていたのに扁桃腺炎と高熱でいけなくなってしまいました。でも五味さん&ネバランの活動に参加したく、後日ネバランにチケ代持ってってもいいでしょうか?いつまでなら間に合いますか?

予想では、五味兄さんは、返してくれたとしても「その分他で募金してください。同じことです。」というにべもない答えだろうなーと。ネバランの方は、ひょっとしたら真面目にいつまでって答えてくれるかな?と期待したんですね。ただ、ツイッタなので、あんまり人目に触れたら収集つかなくなるし、答えもらえないかな、と思ってたら、ネバランの方からdを貰ったのです!

それは、「立て替えておきますから、体調がよくなったら持ってきてくださいね。」という趣旨のものでした。

もう僕はびっくりして、速攻お礼のdを打ちました。案の定、五味兄さんからはほぼ予想した通りの(ほぼというのは、「気持ちだけ頂いときます。ありがとうございます」という、意外と優しい言葉が添えられてたから・笑)リプライがあったのですが、ネバランの方も五味兄さんと話はしてくれたみたいでした。

その時点で、僕の体調が完調するのは金曜以降だろうと予想されていたので、「金曜か土曜には必ずお返しにあがります」とdしました。

そして、昨日、無事立て替えて頂いた分をお返しすることができた訳です。

残念なことに、dでやり取りしてくださった方は、そのときたまたま不在にされていたのでお会いできなかったのですが、スタッフの方にほんとに心から感謝の言葉を伝えさせて頂いたつもり。もちろん、実際にお会いしてお礼を申し上げないことには礼儀が立たないので、近々、またネバランに行くつもりです。


僕はそれほど音楽好きという訳でもないし、しょっちゅうライブハウスに行ったりする訳でもないので、近所なのにネバランに行ったのは今年1月のLOST IN TIMEのツアーが初めてでした。このときはLOSTAGE目当てで行って、案の定LOSTAGEに完全に当てられて、数年前からネットの友達が「LOSTAGEいいよ。奈良出身だよ。」と勧めててくれたのですが、目の当たりにして完全にハマりました。そして、LOSTAGE本拠地のネバランは、スタッフの方がとても元気がよくて、爽やかでいいライブハウスだなーと思いました。受け付けなんかも丁寧です。ドリンクは栓を開けて渡してくれたりします。そして今回の出来事。完全にネバランのファンにもなりました。

3/10 GRAPEVINE tour 2011@神戸WYNTERLAND 3/10

書いてなかった活動を遡って振り返る!まずは3/10 GRAPEVINE@神戸WYNTERLAND。
と言っても自分としては別のところで書いてるので、書いてないって感覚は全然ないんだけど。 

今振り返れば、これって東北関東大地震の前日だったんだなあ…田中くん、頻りに「神戸は雪になるらしいですよぉ~大丈夫ですかぁ~」と言ってたけど、まさか翌日にあんな大きな災害が起きるなんて、ほんとあの晩は思ってなかったよなあ、という、嘆息にならない嘆息が出てくる。当日は開場時間くらいから雨が降り出して、傘を持ってなかった僕は、WYNTERANDが初めてだったこともあり、かつ、スーツのままで行かざるを得なかったこともあり、かなりの悪印象だったんですけど、そんくらいで文句言ってたのが情けなくなります。

セットリスト(拝借ものです)

01.Silberado
02.This town
03.Suffer child
04.ミランダ(Miranda warning)
05.ピカロ
06.インダストリアル
07.冥王星
08.おそれ
09.Dry November
10.411
11.夏の逆襲(morning light)
12.風の歌
13.ランチェロ'58
14.Neo Burlesque
15.Sanctuary
16.VIRUS
17.GRAVEYARD
18.真昼の子供たち

En.
01.Come On
02.スロウ
03.その未来

田中くんがMCで「ストレンジランドはみんで盛り上がっていこうってカンジのアルバムじゃない」「ストレンジランドの深いところに降りていく」と言ってたように、セットリストもかなりストレンジランドムードに沿ったつくりだったと思う。そもそもバインの進行はどの曲も大抵スリリングだし、単純にテンション上げていくようなノリじゃないと思うけど、今回のはみんな複雑な揺れ方してたなあー上級者だなーと観ながら思ってました(どこ見てんだ)。

僕は、ピロウズ・グレイプバイン・トライセラトップスといういわゆる「売れそうで売れない御三家」を、結構昔から聴いてるクチなんですが、とりわけバインはいちばん売れそうで売れないというか玄人好みというか、繊細で、「簡単に分かってくれるな、そんな安易なメロディラインにするか!」みたいなところがあると思ってて、そこがまたオシャレでセンスな部分だと思うんですが、ストレンジランドはそれが前面に出てて僕は好みです。もっとパワフルでエネルギッシュなのもあってそれがバインだと、根っからのファンの人は言うと思うんですけど、ふつうのリスナーにとっては、やっぱりバインは通好みの洒落た音を出すバンドというイメージじゃないかなと思うんです。

こんなときに、こんなときだから、こんなときでも LOSTAGE五味さんの「自主」の話 #jbnsgt3k #lostage

こんなときになんなんですが、去年からLOSTAGEというバンドをしっかり聴くようになって、大好きなんです。

五味兄弟が奈良出身で、なんだかよくわかんないけど、声とか、顔とか、メロディとか歌詞とか、ものすごいシンパシーを感じる訳です。 

この画像は、前後の状況がよくわかんないんですが、調べてもいないんですが、とにかく2010/10/2の4:00AMに仙台駅前で、ゲリラ的に演奏して撮影したもののようです。「あしたタワレコでライブ」みたいなこと言ってるのが聞こえるので、インストアライブ前に、レコード会社の人と企んで、撮影したもんじゃないかなと思います。アップしているアカウントがflakerecordsオフィシャルのようなので。

五味さんは、今、仙台を思い出してるんだろうか?

なんで今LOSTAGEかというと、『自分の仕事』を考える3日間以来、「仕事」「働く」ということについて、一介のサラリーマンのスタンスで考え込み続けている僕にとって、とても、というか、あまりにも僕の考えをトレースして書いてもらったかのような、そんなエントリーを五味さんのブログで読むことができたから。

”最近のできごと、これから" - LOSTAGE 五味岳久の日記

エントリがある訳だからくどくどとここでサマリしたりするつもりは全然なくて、でも五味さんの「やり方」というか「進め方」というか、その律儀でバカ丁寧なやり方加減というのは、ほんとに共感するし、手を抜きそうになる自分の強い戒めになる。まとめるつもりはないと言いながら雑把に言っちゃうと「次のリリースは自主でやる。どうなるかはわからない。」ということを言ってて、引用すると、

自分達でやることでどれくらいの予算が必要で、どれくらいの労力、人手が必要で、それがどのくらい大変な事なのか、思い知りたいわけです。

「リリース」というフローを、最初から最後まで全部体験したい、と言ってる訳です。これは僕たちサラリーマンにとっても永遠の命題で、「スペシャリトがいいのかジェネラリストがいいのか」とか、「経営者は自社の業務プロセスに精通しているべきか、しかしそれでは外部から経営のプロを招聘できない」とか、「だから経営のプロは短期間で業務プロセスを把握できるような明晰でスピーディーな頭脳を持たなければならない」とか、「所詮そんなもの机上のもので本質に触れない」とか、いろんな議論が日々巻き起こってる訳です。でも僕は、やっぱり「経験」していないと、どこかで「歪み」を引き起こしているものだと思います。数字は大事ですが、数字で計れないものがちゃんとあることをわかって行動していないと、結局、その「計れない」失敗さえも、数字の暴力でごまかしていこうとするのが企業というものだと思うんです。

話が若干それてしまったけど、五味さんの、この「筋の通ったバカっぷり」が僕は本当に大好きで、もちろん音楽も大好きで。そして、この「自主で出す」ということについて、ちゃんと「お金」のことについてもエントリで触れているところもたまらなく好きです。僕は、「仕事」「働く」というのは、なんとしても、自分で食っていけていて初めてそれを「仕事」と呼んでいい、と思ってて、LOSTAGEがバンド活動を「仕事」と呼ぶかどうかは別ですが、創作系の人の感覚として時々出会うような、タニマチやパトロン(なんてどぎつい明言はしないけど、言ってしまえばそういうこと。スポンサーね、要は)がどこかにいて、自分の創作が生み出す収益とは無関係に、生活が保障され安定してなければ、安心していいクリエイションができないよ」みたいな、そういうのは断じて仕事じゃない、と思う訳です。それはそれで、「趣味として創作してる人」と名乗ってもらえばよい。それが産業であれ創作であれ、誰かにとって何かの「価値」を生み出すところに意味があって、その対価でもって生活を成り立たせてる人じゃなければ、僕は同じ「働く人間」としては認められない。そりゃいろんな問題はある、やりたいことが今の日本ではもうほとんど対価を貰えないようなことであったり、だけれども、やっぱり、自分の活動と関係ないところで、自分の生活が保障されることを、「働く」という状態とは言えないと思う。そういうコンテクストの中で、五味さんのこのエントリはかっこよすぎる、と思う訳です。

五味さんの最新のエントリは地震に関することで、「ああなるほど」と思うところがあるし、このエントリで触れている事柄に対するその筋の通り方も、ほんとに共感できて好きでたまらないんですが、あらぬ誤解をする人もいそうなので、ここでは引用したりはしません。とにかくシンパシーなのです。