『MOONDUST』/the pillows

”僕は後どれくらい キミと会えるだろう"

(『MOONDUST』/the pillows)

同世代のアーティストが現役でやり続けてくれるというのは本当にありがたいことだと思います。35歳になったとき、70歳まで生きれるとして人生半分過ぎたんだなあと思ったときの寂寥感なんてまがい物だったと思うくらい、42歳の今、人生の残り時間はどのくらいなんだろうと思う真剣さは鋭い。いろんなことの残り時間が少なくなっていて、あと何回できるんだろうという事態に陥っていて、この真剣さを分かち合えない世界のもどかしさにもんどりうっている。

残り時間が少なくなって年を取って忙しくなって時間をかけるところも興味の対象も情熱の質も中身も変わり、好きなバンドの新譜のタイトルが青いカーネーションのことを指していてその花言葉が「永遠」だから今の自分たちに相応しいと思ってなんて由来を調べることもしなくなり、20周年のときは武道館まで行ったけど25周年の今、どんな記念イベントが開催されているのか全然知らなかったり。

だけどそれはそういうもんなんだろうと最近では認められるようになってきている。決してそれは老いではないし後退ではない。たとえどんなに理解を得れない世界に住んでいたとしても、腐らずに成熟していく道を歩まないといけない。知ったことが多い分だけ、できることも増やせるはずだ。仮に残り時間がなくなってしまったとしても。稀有なアルバムでした。

"The Last Period 
破れかけた飛行船で行こうぜ"

(『Clean Slate Revolution』/the pillows)


B00MUP8IVQ ムーンダスト (CD+DVD)
the pillows
avex trax 2014-10-21

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