余計な気配り

 ずいぶん昔から気に入ってシャツを買っているお店から、オンラインショップがオープンしました、というダイレクトメールが届いて、ダイレクトメールと言っても本当の郵便で、最近シャツを新調してないし、オープンセールで送料無料で返品自由というので、さっそく買ってみた、二着。ひとつはホワイトだけど織の違う生地を交互に入れることでストライプのように見えるシャツ、もうひとつは極細のブルーストライプ。基本地味好き。

 僕は結構腕が長いので、シャツのサイズは慎重になる。袖が足りないのはスーツを着るとどうしても変、かと言って袖で揃えるとやけに首回りがスカスカになったり。そこへ来てこのお店のシャツは、首回りで揃えてもそれほど袖に違和感がないのと、袖丈長めという選択肢があるのもいいなと思いオンラインショップの品揃えを眺め、手持ちのこのお店のシャツを改めて来てみてサイズ感を確認し(同じ店のものと言ってもデザインによってやはり多少の違いはある)、結局、袖丈長めではない普通モノでいける、と普通モノでオーダー。

 ところが、実際手元に届いて着てみると、心なしかやっぱり袖丈が短い…。これは交換するか、と思い、交換の問い合わせメールを打ちながら、到着したシャツを箱から出して開封したときのことをちょっと思い起こす。「もしかしたら、サイズ合わないから返品するかも」と思い、できるだけ丁寧に開封。シャツの襟のところに嵌っているプラスチックとか、たたみが崩れないように入れられてる厚紙とか、留めているプラスチックのクリップとかを外しながら、無料で返品を受け付けるのは大変なことだよなあ、絶対気に入らなくて返品する人も何%かいるだろうし、でもその何%を見込んだ上で無料返品受け付けにしたほうが売上増につながるとシミュレーションしているということだよな、その手法でショップチャンネルとかは大きくやれてるんだよな、とは言うもののこのお店がどのくらいの規模かわからないし、例えばこのシャツを留めているクリップの1つ取っても、無料で交換を受け付けたら同じ売上でそこの部分のコストは2倍掛かってしまう訳で利益圧迫要因になるし、と言ってそんなもの回収して再利用するほうが、ちゃんと使えるものかどうかチェックしたりしてると余計なコストが掛かって余計利益圧迫か、だけどやっぱり少しでもパーツは無駄にしないほうがいいとオレは思う、と思って丁寧に包装を解いて、ひとつ残らず取っておいた。それがこの写真。

一着目試着して交換を決めたので二着目は未開封だったんだけど、問い合わせたら袖丈眺めがあるのは片方だけだったので、微妙な長さだしもう一方はこの長さで着ようと決めて一方だけ交換にしたら、未開封のほうが交換可能だったので、丁寧に包装を解いたほうはそのまま手元に残りました、というオチつき。