社内コネの弊害

仕事をする上で、自分の権限ではどうにもならない課題は当たり前のように出てくる。そう言った問題は、エスカレーションと言って上司に相談するのが通例。要は、より権限に持っている人に、対応をお願いする。

この時、自分が、社内の上層部とコネを持っているか、そのお客様が上層部とコネを持っていると、話も対応も早くなるというのはよくある話。何か具体的な仕事を通じて上層部とリレーションが取れているのなら問題ないが、飲み会等の「業務外」のコネでなんとかなることについてはよく考えないといけないと最近思う。

と言うのは、それで問題解決に繋がったとしても、それは、会社のキャパシティを増やした訳ではなく、誰かが使えたはずのリソースを、自分が単にぶんどっただけのことだから。ということは、会社全体での業績が向上するかどうかは、その融通を差配する上層部の判断にかかる。普通は、そういうエスカレーションを受け付けて特別対応するのは、より大規模な案件に限られると思うし、そうすることで会社全体の業績が向上する。けれど、よくわからない「コネ」で融通を聞かせるようなことが常態化していると、本来、別の、全うな案件に使われるべきリソースが、特別扱いするべきではない案件に使われてしまう。単に融通しているだけで、その分、どこかの誰かの売上が沈んでしまう。

その沈んだ誰かというのが、社内ルールと規律に則った、全うなアクティビティを行っているセールスパーソンだとしたら、早晩、そのセールスパーソンは会社に見切りをつけるだろう。たいていのセールスパーソンは、会社のレベルについていけずに辞めていく訳だけど、その中にこういう全うなセールスパーソンが全うな理由で退職するケースが紛れ込んでいて、上層部というのはなかなかそれに気づけないか、手を打てない。こうやって、悪貨が良貨を駆逐していく。