日本経済新聞2009/10/27 文化・レコード針 感動刻み続け���長岡秀樹

 吉井和哉が「ナガオカのイヤフォンがよい」と紹介している、というのを聴いて初めてナガオカを知り、もちろんiPod touchのイヤフォンはナガオカ製を愛用しているのですが、日経最終面にナガオカの社長が。

 現在、総売り上げに占めるレコード針の割合は10%程度にすぎない。
 それでも、人はナガオカを「レコード針の…」と言う。この事実を私たちは誇りに思う。

 レコードはいつか消えてしまうかも知れないものだけど、レコード針製造を事業として持ち続けるのは、看板としてただ残しているというのではない。「針は大本の技術の枝葉でしかないはずだ」という冷静な言葉も。数字に直ちに結びつくのではない事柄をどれだけ考え抜いているかで、その企業の自力が鍛えられているのだと思う。言い換えれば経営力が。

 まったくの偶然、最近、ドリコムがブログ事業を他社に譲渡することを知った。ネットバブルを通り抜けてきた僕らの世代にとっては、ドリコムと言えばブログというイメージがある。ドリコムにとってブログ事業は売上ですでに10%以下になっていたらしい。ナガオカとの比較に、何を思うべきか���