魂の健康

いつかの会報のQ&Aで、「歌詞を書くのに大切なことはなんですか?」と言ったような質問があって、それに対して稲葉さんは:

「魂の健康」

と答えていて、う~んと唸ったことを覚えている。

稲葉さんの歌詞って、弱くて情けなくてふがいないけどそれでも頑張ろうとする主人公を歌われたりもするけれど、とても悲劇的で辛い状況や心境の歌詞もたくさんある。ああいう追い詰め(られ)方をした言葉を紡ぐのって、実際にそういう境遇じゃないと無理なんじゃないの~?でもそんな境遇ばかりだったらしんどくて持たないんじゃないの~?って思ってたところにこの会報のQ&Aで、「そうなんだ、やっぱり」と納得した記憶がある。

どんなに悲劇的で辛いことを書くにしても、ある意味それが自分にとってフィクションとして書けないと、いいものは書けないし、長くは続けられない。私小説的なやり方は、どういう訳かはわからないけれど、長く続けると破綻する。やっぱり魂の健康が大切なんだな、と、最近改めてよく思う。まず平常心。