独走会 - 唐招提寺 幻うちわまき

早朝駆け出して、一時間並んで参加券までゲットして中止だって、それもまた一興、なのです。

うちわまきは覚盛上人の逸話に由来する、ちょっとユニークな行事。鼓楼の二階からハート形のかわいらしい形のうちわが撒かれ、それを皆で競い合うように受け止める、というもの。近年は危険なく行事を後世に残せるよう、やり方が様々工夫されているようで、今年は参加するための「参加券」を朝9時に先着400名に配布、うちわまきは400本撒かれるので、参加できれば必ずうちわはゲットできます。そのほか、色札の「抽選券」、あるいは1,000円で買うこともできます。買える、ということは、うちわまきと抽選券でもらえるのは、拝観料以外は要りません。

この日は午後から大雨になることは分かってたので、朝、参加券ゲットしたらその足で家に帰って、バイクは置いて唐招提寺へ。案の上雨はごうごうと降り、決行か中止かの発表時間だった14:30を待たずに中止のアナウンス。でも、鼓楼の周りで待ってた参加券持ちの人びとも特段何か不満を言うでもなく、じっと傘をさして、「形だけ」うちわまきするというのを待ってました。

時間は自分の為にある。忙しい、忙しいと思うのは、やれるときにやれることをやらずに過ごしているから。時間を浪費することも一種の興だという感覚はどうしても拭いがたいんだけど、やりたいことがたくさんあるからという言い草よりも、手抜きの無い時間を過ごしたいと、もし何もしない時間が必要でそれがあったとして、もし手抜きの無い時間を過ごしていれば、その何もしない時間さえも平穏に過ごせるはず、そうじゃないから何かしないと居心地が悪いんだと、雨に打たれた一時間半を思い返すとじんわり脳裏に浮かぶのです。