「何も変えなくていい」岡田前監督

W杯サッカー:日本、北朝鮮を降す アジア3次予選 - 毎日jp(毎日新聞)

終了後、BS1の放送を見続けてたんだけど、岡田前監督のコメントがすごい気が利いてた。「修正点は?」というアナウンサーの問いに、

”特にないと思うんですよ。良いときは無理に変えなくていい。良いときに、無理に直すところを見つけて修正して、とやっていると、悪くなることが多い。良いときは、良いところを伸ばそう伸ばそうとやっていくほうがいい。”

これ、ほんとに大事なことだと思う。人間、どうしても変えられるところを見つけて変えたくなる修正がある。弄りたがる。特に「改善」が好きな日本人は、悪いところを見つけては消したがる。パーフェクトは必ずどこかにあるからそこに辿り着こう、という発想だ。でも、変えた方がうまくいく保証はどこにもない。うまくいっているなら変えない方がいいことのほうがよっぽど多い。変えるか変えないかというとモンティ・ホール問題を思い出すけどそりゃ前提が全然別。パーフェクトなんて頭の中だけの話、だったらよいところをよりよくするほうが、空想のパーフェクトに少しでも近づくよりよい方策なんじゃないか?この発想。

同じように、「悪いときには必ず手を入れたがる」というのも人間の習性。特に企業というものは、結果が出ていないときは何も手を打たない訳には行かない宿命を背負ってる。例え、それをよくする方法などそう簡単に見つからないと判っていようとも、何か手を打たないといけない。なんて言ってると、いい時も悪い時も何もしないほうがマシって結論に見えちゃうけどそうじゃない。

放送のほうは、その後、遠藤がインタビューで、「”敢えて”修正点は?」と聴かれて、「今はまだ終わったばかりなのでビデオを観て考えます」と答えたあと、インタビュアーが「スタジオには岡田さんがいらっしゃいます。岡田さん、遠藤選手に何か言葉を」と振って、岡田さん、「遠藤!直すところなんてないって思ってるだろう!直さなくていいんだよ~」と吹っかけて遠藤苦笑い。おもしろかった。