街の本屋で本を買う - 2013/07/26 三省堂書店京都駅店

参院選も終わった今こそ、原発について読み繋がなければと思わされる本に出くわしました。
なかなかハードな仕事の中休憩、食事ついでに立ち寄った三省堂書店で見つけた『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』。巡航してるサイトで紹介されたのを読んで、これはと思っていたので、手に取って即購入決定。本著はゲンロンの『思想地図β』の第四号だけど、第四号は1と2が刊行されるとのこと。2は福島を取り上げるそう。

ダークツーリズムというのは、アウシュビッツとか広島とか、歴史の悲惨な面を目の当たりにする場所・土地を観光することで、今、観光の世界で脚光が当たっているらしい。その流れは肌で理解できる。人間の歴史に失敗がつきものなら、その失敗を活かすためにはその失敗を忘れないことで、そのためのアクションとしてダークツーリズムの意義がある。そして、観光される側は、観光者が興味本位であれ物見侑山であれ、実際にその場を訪れるという行為に積極的な意義を見いだす。これは、アウシュビッツや広島のような、言い方は変だが「判りやすい」ダークサイトだけでなく、一見そういう話のない場所の、悲惨な面を炙り出すということも意義があるように思える。観光資源を多く有する奈良にとっても、知らなければいけない潮流だと思う。

あの、がれき搬入に「オレたちのxx県を守れ!」と叫びまくった人たちは、参院選ではもちろん自民党「以外」に投票したのだろうか?福島でさえ、支援の待ち疲れで、物事を「決められる」「多数勢力」の自民党を勝たせたと聞く。そんな人々にとって、ダークツーリズムはどういう意義を持つだろう?

チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β vol.4-1
  vol4-1 東 浩紀 津田 大介 開沼 博 速水 健朗 井出 明 新津保 建秀

ゲンロン 2013-07-04
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