街の本屋で本を買う - 2015/04/10 ジュンク堂書店天満橋店 『日経ビジネス まるわかりインダストリー4.0』

惹かれたのは『りゆうがあります』だったけれど、「”トヨタが下請け”に!?」の釣りには抗えませんでした。

仕事終わりに少し立ち寄ってみたら、入り口にでかでかと紹介されていた『りゆうがあります』。買うかどうか悩みながら店内を一周していると目に飛び込んできた「インダストリー4.0」。製造業のお客様を多く担当しているので、IoTとかインダストリー4.0は拾い読むようにしているけれど、「”トヨタが下請け”に!?」はさすがにつられてしまう。

早速立ち読みしてみると、ポイントは非常に非常に明快で、深く頷けるものでした:

「トヨタさんがインターネットにつながせてくれない」
ネットに接続すると「生産ノウハウが社外に流出しかねない」と、トヨタが難色を示しているからだ。
故障したらその場で人がすぐに対応できるように「担当者が工場に常駐して見張ってほしい」とトヨタから要望されたという。

日本でITビジネスに関わっている人ならほとんどがこれを読んで頷くと思う。「どうすれば安全に接続できるか」という技術的議論には経営層はついていけず、ひたすら安全策に走る。何かと言えば「やっぱり最後は人です」式の発想になる。そりゃもちろん人間というインターフェースがいちばん優秀に決まっている。決められた手続き・プロトコルでしか仕事ができない機械やコンピュータに比べ、人は自然言語で指示ができる。でも、たかだかと言っては申し訳ないけれど、機械を一日中見張っているだけの「簡単なお仕事」に着く人に、いったいどんなキャリアパスが望めるというのか。3年見張ったら課長とか部長とかって、今時の企業でそんなキャリアパス確保しておけないのは周知の事実だと思う。なぜなら、グローバルでは実際にインターネットを使ってこの部分を機械化・自動化することが進んでいるからだ。

実は生産性なんて何も考えていないのではないか。いつまでたっても自社の生産性だけで、自社の生産性をあげるために、非効率を外部化しているだけなのではないか。確かに人がする仕事を残すのは重要なこと。でもそれは、一日中機械を見張るような仕事のことではない。

こうやって尻込みしているうちに、いよいよものづくりでもまた遅れを取ってしまうのか?

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