オリジナル・ワーキング 高橋 宣行 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2007-03-20by G-Tools |
いわゆる「クリエイティブ」に仕事をしたい人にとって参考になる考え方とフォーマットが提供されていますが、それほど普遍的な内容ではないと、個人的には思いました。自分が所属する業界の人間が、この本に書かれていることを有効活用できるかと言えば、もちろん役に立ちますが、直接性は薄いでしょう。巻末に、独創的仕事を果たした企業の一例としてIBMが記載されていますが、IBMの復活劇は、経営によってもたらされたもので、従業員の自立的な行動でもたらされたものとは言えません。本著では、「企業は自立した人を求めている」とありますが、それができるのにも条件があります。個々人の「自立」を求める論を、経営によってもたらされた変革と同列に書かれると少し白けてしまいます。
- 何のために「新しい」のか?
- 何のために「他人と違う」のか?
- 「新しい」ことは価値があるのか?
- なぜ、「差異」を発するのか?
- 「差異」を達成することは、必ず社会貢献になっているのか?
こういった根本的なところには、本著は答えてはくれません。
ただ、これまでの経済社会での成果を挙げるための一定の「セオリー」パターンをきちんとフォーマットしてくれているところは有用です。