街の本屋で本を買う - 2025/01/30 丸善博多店『死の貝:日本住血吸虫症との闘い』/小林照幸

仕事で千里中央に行った際、イオンSENRITOに入ってる書店で見かけ、気になったけどそのときは買わなかった(読んでいる本が多数あったから)。で、今日、博多出張で空き時間に丸善に寄ってみたら「話題の本」の棚で再び見かけて今回は購入。

それにしても、この丸善は購買欲をそそる。難波のジュンク堂のように、静寂と書籍群の圧倒という、メガ書店の迫力ではなく、敷地は確かに広大でまだ奥に行けるまだ奥に行けるという探索の喜びはあるのだけど、それよりも雑多感からくる高揚が楽しいのだと思う。中央側が割と背丈の低いつくりで視界がごちゃごちゃとなるのもいい。

そうして見つけた『女の子のための西洋哲学入門』。完全に買う気になったけど出張中で鞄に入り切らないと思ったので泣く泣く断念。週末に地元で買うか。売ってないかな...

https://amzn.asia/d/f5tmRQA

街の本屋で本を買う - 2024/11/08 Readin' Writin'『IN/SECTS 本をつくって本を売る』『現代思想+ 15歳からのブックガイド』

IN/SECTS vol.13で紹介されている書店巡り@東京!

機会があったら行ってみようと、IN/SECTS vol.13で紹介されている書店はGoogle Mapにピン打ってマップにしてあって、この日まとまった空き時間があったので上野あたりを巡ってみることにし、訪れたのがReadin' Writin'

紹介されている紙面で写真を見て、それが「東京」とか紹介されていると、どれだけ賑やかなところにあるのかなって勝手に思い込んでいたけど、もちろん奈良に比べたら人出の数は比べ物にならないんだけど、「この通りのそこを曲がったその通りにほんとにあるの?」ってくらい、言ったら普通の路地みたいなところにあったのが驚きでした。恐る恐る入店する感じ。逆に緊張する感じ。

ちょうど入ったときに、先のお客さんが会計終わったところで、ご主人の「ありがとうございました」って柔らかい声が聞こえたので、「あ、ここ、いやすい」と思ってゆっくり陳列を見て回りました。エッセンシャルワーカーや北朝鮮関連の書籍に惹きつけられたのですが、『IN/SECTS 本をつくって本を売る』が目に入ったので「この旅で買わなきゃいつ買うねん」と手に取った近くに『現代思想+ 15歳からのブックガイド』があり、娘がパラパラ目を通して、何か見てはいけないようなものを見た感覚になって、少し背伸びしてみようと思ってくれたらいいなとこれも購入。

レジで「PayPayだけ使えないんです」と言われ、 PayPayを拒絶している私は不便なかったのですが、その理由に始まるお話を聞いて、自分が思ってることに近い感じがして、書店という器のフィーリングがあってたら、そこの人ともフィーリング近いのかも、なんて思ったり。

街の本屋で本を買う - 2024/09/23 啓林堂書店生駒店『燕は戻ってこない』/桐野夏生

文庫本が出たというネットニュースを見て、まず本作自体聞き覚えなくて、NHKでドラマ化されてるくらいなのに知らなかったのが情けないのと、代理母というテーマに強い興味を引かれ、ひとまず最寄りのこの書店へ。改めて探してみると、この規模の書店だと書籍数が少なく感じてしまう、ということ。でもふと、本屋が元気だったと言われる90年代の、自分が中学・高校のときの、当時の田舎の書店の記憶を思い起こすと、この啓林堂書店生駒店のサイズと対して変わらない。なのに、あの当時、書店に足を踏み入れることがあんなにわくわくしたのは、自分の好奇心の強さの違いからではないのか。同じ棚のサイズなら、並ぶ書籍の種類・数は同じに決まってる。読んだことのある本の率もそうは違わないはず。だとすると、「つまらない」と決めてかかる率が年々上がってるだけじゃないのか。そんなことを考えながら本著を探したら、文庫本出たてということもあり、3冊入荷されているのを見つけた。

街の本屋で本を買う - 2024/05/26 鴨葱書店『CONTEXT DESIGN』/Kotaro Watanabe

大学来の親友が伝えるためだけにDMを打って教えてくれた鴨葱書店。私の本好き書店好きを知っているので(年一,二で飲む機会に、行きたい本屋に付き合ってくれたこともある)教えてくれた。娘の中学入試のための見学会で京都に行く機会ができたので、あわせて行ってみた。

11:00の開店間もなく入店したので、日曜の朝だしお客さんは他におらず入っても来なかった。店主もいるのかいないのかわからないくらいの気配の消しよう。他の日はそうではないのかもしれないし、京都独特な「一見客対応」のように感じるのもこちらの偏見なのかもしれないけど、しかし、この書店の接客としてはぴったりだったと思う。

入口入るなり眼前に並ぶ思想書哲学書。比較的思想書哲学書好きなほうなのでいろいろ目に入れてるつもりだけど見たことのない書物がわっと目に来る。サイン本なんかも並ぶ。新刊で読みたいと思っていた書籍も揃う中、ほんとにここで出会った一冊を買うのがやっぱりいいだろうと決めたのが『CONTEXT DESIGN』。2019年に刊行されていたと全然知らなかった。自身の生来のテーマに重なる内容でほんとにいい一冊に出会えた。親友に感謝。

鴨葱書店 京都府京都市南区東九条東岩本町11-4

街の本屋で本を買う - 2024/05/06 紀伊國屋書店京橋店『スピン 7』/河出書房新社 『方舟を燃やす』/角田光代

家族で出かけた帰りの京橋駅で京阪モールに立ち寄り、千房でおひるしてぶらぶらしてたら紀伊國屋書店に突き当たる。我が家は本屋でほしい本があったら買うのは私の財布からになっているので、家族みんな張り切って棚を巡り始める。

今朝、おはよう日本で『方舟を燃やす』に関する著者インタビューを観たところで、実書に出会ったら買いたくなるに違いないけど、先日『DJヒロヒト』を買ったところで連日この金額の書籍を購入するのは厳しいなと思っていたところ、行き着いたエリアには文芸の棚がなく、よかったよかったと目についた見たことのない文芸誌『スピン』を買って帰ろうとし、家族が持ってきたアイテム(本ではなかった)を抱えてレジに向かったら、レジの向こう側に文芸棚群が…。家族も文芸棚を求めていたようで、もうちょっと探すと言ってそちらに行ってしまい、勢い自分も棚をウロウロしてしまい、結局『方舟を燃やす』を見つけてしまった。

でも気になってたんだからこれでよいのだ。

街の本屋で本を買う - 2024/05/02 啓林堂書店学園前店『DJヒロヒト』

なにかの書評で見て、「時間のあるGWに読むのはこれしかない」と思い、ついでのあった学園前で購入。高橋源一郎氏の著作はほとんど読んでこなかったのだけど(ちょうど、本作における「井上靖」のような感じかもしれない)、このタイトルが、私が抱いている高橋源一郎氏の著作のスタイルのイメージど真ん中で、おまけに去年から思いがけないことで身近になりつつある「DJ(と言っても本作でのDJはラジオのディスクジョッキーではあるけど)」と、「天皇」をミックスしているという、いったい本作のなかで何がどこまで縦横無尽になるのか、という、読む前の期待感がとても高い購入でした。

街の本屋で本を買う - 2024/04/14 啓林堂書店生駒店『空中ブランコ』/奥田英朗 『文藝春秋オール読物3・4月号』/文藝春秋

娘が塾の国語のテキストに出てきた小説を結構な頻度で気にいるのだけど、『空中ブランコ』の名が出てきて、今までと少しフェーズが変わったなと感じ、この機会を逃さず読んでみてもらおうと近所の啓林堂書店生駒店へ。首尾よく文庫本が棚にあったのでゲットし、ついでに芥川賞か直木賞かを…と思いつつ棚をブラウジングしていたら文芸誌の棚が。『言葉の繭』で、島田氏が文芸誌のことを対談で語っていたのも記憶に新しかったので、全文掲載されている訳ではないけれど直木賞2作が掲載されている『オール読物』を。

文芸誌はもう数十年遠ざかっていたが、なんとなく今気分な気がする。文芸誌の戦略上、続き物が多いというのはあるけれど、なんとなく多種多彩な著者の、ボリューム満点の活字がてんこ盛りになっているメディアって今の気分な気がする。

街の本屋で本を買う - 2024/04/06 さくらマルシェ@奈良県立図書情報館『夏葉社日記』/秋月圓 『言葉の繭』/桜美林文学会

年を取ると年々「お、おもろそうやんか」という勢いだけで動いちゃうということがなくなってくる。近所に新しいラーメン屋ができたと聞いて「ちょっと試そう」とかいうのですら、「そんなわざわざいかんでもなんかついでがあったらでええやん」的な気分にすぐ陥る。なので、年を取って初めて、クラブやサークルといった、「やらないといけない感」のある集いがモチベーションになる、という感覚を実感することになった。たいていの人は、生まれたときからそれに納得していて何かに所属することに抵抗することがないのだろうと今になって初めて気づくことになった。恐ろしいことだ。

そういう訳で、ふうせんかずらでお友達になった棚音さんがどこかに出店するというのは、僕にとっては行動を起こすスイッチになっている。何も考えず「会いに行って一冊買いたいな〜」という気分が湧いてくるし、そこに買いたい一冊があると確信しているからなのだ。今回は、Instagramで『夏葉社日記』を取り置きしてくれるという案内が出てたのでイチもニもなく取り置きお願いして、満開の桜並木の佐保川を新大宮からレンタサイクルで駆け下りて受け取りにあがりました。そしたら、なんとこのタイミングで夏葉社を取材したという桜美林文学会発行の限定500部無償配布の『言葉の繭』をお譲り頂いた!! これはもう家宝です。大事に大事に読みたいと思います。

大事にしたいものを大事にするために、時間を大事にしないといけないし、時間を大事に過ごすためには健康の維持も大切だし、体だけでなく心も健康に過ごすためには無為な時間も大事。一切手を抜いている暇なんてない。

街の本屋で本を買う - 2024/01/24 ジュンク堂書店難波店『小山さんノート』/小山さんノートワークショップ

ネットの書評で見かけて今すぐにでも欲しくなり、その日の夜に近所の啓林堂書店に探しに行こうと思ったけれど、こんな感じのちょっと尖ったのは置いてなさそうな予感がして、翌日出社の予定ができたのでジュンク堂難波店で購入。かつて、近所に本屋が3件あったときには、もしかしたら三軒回ったらそれぞれ趣向が違うところがあるので一軒くらいは…という期待も持てたけど、そういう期待は効率性の名のもとにかき消された現実を再実感。ジュンク堂でも探すのが難しそうだったので、時間が限られていたので蔵書検索を久しぶりに使った。棚も、ぼんやり想定していた棚とはちょっと違う棚で驚いたけど、より驚いたのは「蔵書:2」で棚には1冊しかなかったこと。こういうタイプの書籍はジュンク堂と言えどもそれくらいしか在庫してないと初めて気づいた。

1991年から2004年まで東京のホームレス女性が書き続けたノートの抜粋を、有志が書き起こし編集した一冊。女性は既に亡くなっており、女性の知人たちが火葬の際にその膨大なノートも一緒に火葬しようと思ったがノートの内容を見て思いとどまりワークショップを続けられた。女性の「書き続ける」という執念に惹きつけられて購入したけれど、書くことと生きること(稼ぐことではない)がニアリーイコールになっている人の書いている文章からこちらに襲ってくるのは執念どころではなかった。


街の本屋で本を買う - 2024/01/01 蔦屋書店 周南市立徳山駅前図書館『決めつけてはいけません、他人を。何より自分を。--気楽さとやさしさの倫理学』/秋田道夫

直近はみやこのあと地図部で遊んでもらっているやまもとあつしさんとの出会いのイベントの来賓だった秋田道夫さんの書籍、買おうかどうしようかとぼんやり過ごしてたら、元旦の徳山駅でまさかのどでかいポップアップに遭遇し、これは機会だとサイン本を購入。

1枚1箴言、という構成で一気に読めます。氏のブログが出典のようで、ちょっとアリバイ的に「誰にでも言えそうなことですね、と言われますが、それを毎日欠かさずブログで続けてきました」というようなことを書いてたページもありました。自分もあと20年足らずで70歳になる訳で、今のところ何歳になっても仕事を辞めるという意味でのリタイアは考えてないけれど、どこかの地点を目標にするというやり方は苦しくなってくると本能的に感じていたので、毎日を生きるという感覚も直感的な実感がありました。この本の言葉の書かれ方を真に必要とする人は自分ではないかなと思ったりもしました。