世間に認められない状況というのはLGBTQ+に限ったことではない。これがLGBTQ+の話だったら読み手の想像力の働き方が一段単純になるところだけど、そうではない状況で組み立てられているところに惹きつけられて一気に読んだ。周囲に絶対理解されないということと、理解だけではなく法律的にも自然の摂理的にもNGであることは別のことで、主人公の立場はその両方にある。そして主人公はいわゆる「強い」女性であり弁護士であり、自分の強さに対するそれまでの周囲の「無理解」に対する不満が、自分自身が周囲に対して(身内に対しても)見える範囲で判断していたという「無理解」に気づくことが起こり、第3篇の「ハッピーエンド」につながる。「ハッピーエンド」という章タイトルを見たとき、不穏な印象を受けるけれど、その不穏さがどこまであたっていてどこまで間違っているかも、自分が何をどこまで見ているのかの物差しになるような気がした。
お客様先に、駅から徒歩で向かうにはちょっと早過ぎたのでブックファーストへ。店内撮影OK!と書かれた案内を、私は初めて見た気がします。これまでも何度か立ち寄ったことがあるんですが今回初めてこの案内に気づきました。
ちょうとNHKでやってるドラマを観てるので、買うのは読み返す用に『神の子どもたちはみな踊る』かな〜と思ってたら近くの『かわいそうだね?』が目に入る。娘はいろいろ日々忙しそうで、自分の好きな本しか読む時間がなさそうだけど、こういう小説を読んでほしいものだなあと思って購入。
#ブックファースト
予防歯科通いのついでに立ち寄って、娘に新しい国語辞書を買おうと吟味して買ったあと、店を出る段になって入り口のプッシュで目に入った一冊。もう出て半年近く経つ本なんだーと、自分のアンテナの鈍りに軽い失望。ネットのブックレビューだけだと、意識して頑張って偏りをなくしたとて流入量が絶対的に少ないので書店に立ち寄るの大事。
仕事で千里中央に行った際、イオンSENRITOに入ってる書店で見かけ、気になったけどそのときは買わなかった(読んでいる本が多数あったから)。で、今日、博多出張で空き時間に丸善に寄ってみたら「話題の本」の棚で再び見かけて今回は購入。
それにしても、この丸善は購買欲をそそる。難波のジュンク堂のように、静寂と書籍群の圧倒という、メガ書店の迫力ではなく、敷地は確かに広大でまだ奥に行けるまだ奥に行けるという探索の喜びはあるのだけど、それよりも雑多感からくる高揚が楽しいのだと思う。中央側が割と背丈の低いつくりで視界がごちゃごちゃとなるのもいい。
そうして見つけた『女の子のための西洋哲学入門』。完全に買う気になったけど出張中で鞄に入り切らないと思ったので泣く泣く断念。週末に地元で買うか。売ってないかな...
IN/SECTS vol.13で紹介されている書店巡り@東京!
機会があったら行ってみようと、IN/SECTS vol.13で紹介されている書店はGoogle Mapにピン打ってマップにしてあって、この日まとまった空き時間があったので上野あたりを巡ってみることにし、訪れたのがReadin' Writin'。
紹介されている紙面で写真を見て、それが「東京」とか紹介されていると、どれだけ賑やかなところにあるのかなって勝手に思い込んでいたけど、もちろん奈良に比べたら人出の数は比べ物にならないんだけど、「この通りのそこを曲がったその通りにほんとにあるの?」ってくらい、言ったら普通の路地みたいなところにあったのが驚きでした。恐る恐る入店する感じ。逆に緊張する感じ。
ちょうど入ったときに、先のお客さんが会計終わったところで、ご主人の「ありがとうございました」って柔らかい声が聞こえたので、「あ、ここ、いやすい」と思ってゆっくり陳列を見て回りました。エッセンシャルワーカーや北朝鮮関連の書籍に惹きつけられたのですが、『IN/SECTS 本をつくって本を売る』が目に入ったので「この旅で買わなきゃいつ買うねん」と手に取った近くに『現代思想+ 15歳からのブックガイド』があり、娘がパラパラ目を通して、何か見てはいけないようなものを見た感覚になって、少し背伸びしてみようと思ってくれたらいいなとこれも購入。
レジで「PayPayだけ使えないんです」と言われ、 PayPayを拒絶している私は不便なかったのですが、その理由に始まるお話を聞いて、自分が思ってることに近い感じがして、書店という器のフィーリングがあってたら、そこの人ともフィーリング近いのかも、なんて思ったり。
文庫本が出たというネットニュースを見て、まず本作自体聞き覚えなくて、NHKでドラマ化されてるくらいなのに知らなかったのが情けないのと、代理母というテーマに強い興味を引かれ、ひとまず最寄りのこの書店へ。改めて探してみると、この規模の書店だと書籍数が少なく感じてしまう、ということ。でもふと、本屋が元気だったと言われる90年代の、自分が中学・高校のときの、当時の田舎の書店の記憶を思い起こすと、この啓林堂書店生駒店のサイズと対して変わらない。なのに、あの当時、書店に足を踏み入れることがあんなにわくわくしたのは、自分の好奇心の強さの違いからではないのか。同じ棚のサイズなら、並ぶ書籍の種類・数は同じに決まってる。読んだことのある本の率もそうは違わないはず。だとすると、「つまらない」と決めてかかる率が年々上がってるだけじゃないのか。そんなことを考えながら本著を探したら、文庫本出たてということもあり、3冊入荷されているのを見つけた。
大学来の親友が伝えるためだけにDMを打って教えてくれた鴨葱書店。私の本好き書店好きを知っているので(年一,二で飲む機会に、行きたい本屋に付き合ってくれたこともある)教えてくれた。娘の中学入試のための見学会で京都に行く機会ができたので、あわせて行ってみた。
11:00の開店間もなく入店したので、日曜の朝だしお客さんは他におらず入っても来なかった。店主もいるのかいないのかわからないくらいの気配の消しよう。他の日はそうではないのかもしれないし、京都独特な「一見客対応」のように感じるのもこちらの偏見なのかもしれないけど、しかし、この書店の接客としてはぴったりだったと思う。
入口入るなり眼前に並ぶ思想書哲学書。比較的思想書哲学書好きなほうなのでいろいろ目に入れてるつもりだけど見たことのない書物がわっと目に来る。サイン本なんかも並ぶ。新刊で読みたいと思っていた書籍も揃う中、ほんとにここで出会った一冊を買うのがやっぱりいいだろうと決めたのが『CONTEXT DESIGN』。2019年に刊行されていたと全然知らなかった。自身の生来のテーマに重なる内容でほんとにいい一冊に出会えた。親友に感謝。
鴨葱書店 京都府京都市南区東九条東岩本町11-4
家族で出かけた帰りの京橋駅で京阪モールに立ち寄り、千房でおひるしてぶらぶらしてたら紀伊國屋書店に突き当たる。我が家は本屋でほしい本があったら買うのは私の財布からになっているので、家族みんな張り切って棚を巡り始める。
今朝、おはよう日本で『方舟を燃やす』に関する著者インタビューを観たところで、実書に出会ったら買いたくなるに違いないけど、先日『DJヒロヒト』を買ったところで連日この金額の書籍を購入するのは厳しいなと思っていたところ、行き着いたエリアには文芸の棚がなく、よかったよかったと目についた見たことのない文芸誌『スピン』を買って帰ろうとし、家族が持ってきたアイテム(本ではなかった)を抱えてレジに向かったら、レジの向こう側に文芸棚群が…。家族も文芸棚を求めていたようで、もうちょっと探すと言ってそちらに行ってしまい、勢い自分も棚をウロウロしてしまい、結局『方舟を燃やす』を見つけてしまった。
でも気になってたんだからこれでよいのだ。
娘が塾の国語のテキストに出てきた小説を結構な頻度で気にいるのだけど、『空中ブランコ』の名が出てきて、今までと少しフェーズが変わったなと感じ、この機会を逃さず読んでみてもらおうと近所の啓林堂書店生駒店へ。首尾よく文庫本が棚にあったのでゲットし、ついでに芥川賞か直木賞かを…と思いつつ棚をブラウジングしていたら文芸誌の棚が。『言葉の繭』で、島田氏が文芸誌のことを対談で語っていたのも記憶に新しかったので、全文掲載されている訳ではないけれど直木賞2作が掲載されている『オール読物』を。
文芸誌はもう数十年遠ざかっていたが、なんとなく今気分な気がする。文芸誌の戦略上、続き物が多いというのはあるけれど、なんとなく多種多彩な著者の、ボリューム満点の活字がてんこ盛りになっているメディアって今の気分な気がする。