2020年の初買本はこちら。
実家から自宅に引き上げて、特に何するでもなく近所の近鉄の本屋をぶらぶらしてたら魔の「100分de名著」コーナーへ。最新号は今までの文学系・宗教系とまったく趣を異にする学問系。帝王学ってだいたい何言ってるか検討つくし、別に自分には必要ないと二の次だったんだけど、ここで出会ったのは何かの定めと思いお買い上げ。やっぱり出口氏というのはポイント高かった。
2020年の初買本はこちら。
実家から自宅に引き上げて、特に何するでもなく近所の近鉄の本屋をぶらぶらしてたら魔の「100分de名著」コーナーへ。最新号は今までの文学系・宗教系とまったく趣を異にする学問系。帝王学ってだいたい何言ってるか検討つくし、別に自分には必要ないと二の次だったんだけど、ここで出会ったのは何かの定めと思いお買い上げ。やっぱり出口氏というのはポイント高かった。
信仰なき「祈り」は可能か?にやられた。
信仰と道徳心や倫理観は繋がっているのか、信仰は必須なのか、というのはもう長い間自分の中の課題。自分は強いて言えば仏教の影響下で育った訳だけど強い信仰心がある訳ではないし、外国の哲学の領域では宗教バックグラウンドは甚大で感覚的に掴めてないんだろうと思うことが多い。そこに「信仰なき「祈り」は可能か?」と見せられると読まざるを得ない。このガイドを読み終えたすぐの感想は、しかしそこよりも大江健三郎の実践的な姿勢とそれを読む自分の息苦しさだった。なんだろうこの息苦しさは?ストーリーが考えさせるテーマには違和感はまったくない、けれど何か「もう止めたい」というような息苦しさが迫ってくる。
若林さんは「さよなら」好きなのか?
そんなこと思いながら『さよなら未来』のときの自分の読書メモ見返したら、『さよなら未来』を読むきっかけも五味さんだった。この『さよならインターネット』も五味さん。五味さんもさよなら好きなのか??
それはともかく、ポスト構造主義の悪用で歪んでき続けた状況に「さよなら」しないといけない、という問題意識は通底しているように見える。「何かよさげなもの」と決別するのは今までは何がどうあれ後退で、確実に敗退する道と思われたけれど、この2冊を合わせて考えると、このままではまずい、という意識が強くなる。まさにゆでガエル。
単純に「虐待は連鎖する」と言って、じゃあそれを誰がどう止めればいいんだ、ということを考えさせられる稀有な小説だったと思う。著者がインタビュー記事で語っている通り、事実を元にしたフィクションとして、変な価値観や説教を持ち込むことなく、物語を物語として書き切られているけれど、それだからこそ、「じゃあそれを誰がどう止めればいいんだ」という考えに至らされる。子どもがどうしようもないところに追い込まれたとき、そこからどうやって助けるのか。小説は親子2代に渡る不幸な生い立ちが描かれるけれど、そこから逃げても立ち向かおうといてもうまく行かなかったという結末を読んで、「じゃあそれを誰がどう止めればいいんだ」と思わない「男」がいるのだろうか。
印象的だったのは、2児の母が世話になっていた風俗店の支配人である男が、2時の母の母に言った台詞:
「あの子たちが、いったい、どういう世界に身を置いていたか御存じないんですか?あなた、無知過ぎるよ。いいですか?彼女たちの過去も未来も、彼女たちだけのものなんです。他の人間が関われるのは、その時に現在と呼ぶことの出来る、ほんの一瞬だけなんだ」
きっかけは、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』。
日本語版が出るのを知らずに、(読めもしないのに)英語版を買おうと考え、そうすると選択肢は自ずとKindleということになり久し振りにKindleの出番となったのだけど、まずやっぱりhontoアプリよりKindleアプリのほうが読書体験はスムーズだと思う。いちばんはKindleで購入した書籍で目次が中途半端なものがない。hontoアプリは、目次が「章」レベルしかないものがあったりする。これでは立ち戻ってとある記載を読みたいと思ったとき、スワイプスワイプして送っていくか、ブックマークを確実にやるしかない。また、マーカーの機能なんかも、hontoは使える書籍があったり、使えない書籍があったりする。だけどKindleは確実に使える。
そして日本語版も発売されるとわかって日本語版をKindleで買って気づいたもう一つの難点、それは・・・
「スクリーンサイズ」。
あまり認めたくはないものの、40歳も中間地点を過ぎて50歳に近づいてきて、視力が衰えてきているのは否めなくて、スマートフォンで読書をするというのはフィジカルに結構ツラい状況になっていると最近急に気づいた。いろんな理由は思いついていたのだけど、電子書籍での読書(特にいわゆるビジネス書系)が捗らない一番の原因はこれだと思う。そしてそれに関連して、スマートフォンで読むとすべての書籍の「外観」が一緒なので、なんというか読書がのっぺりとした行為に脳の中で記憶されているような感覚がある。
それを考えるとハードウェアのKindleはよくできた端末だったなあと改めて感じる。僕が電子書籍に求めていたものは可搬性と検索性で、それはハードウェアは専用でなくても、むしろ専用ではないほうが望ましくて、スマートフォンでもPCでも読めるならそれに越したことはないという結論だったんだけど、事ここに及んで読書の質に影響を与えるという話になると、専用ハードウェアを持つKindleでこれからは購入しようかなあ、という気分になってくる。
ただ、Kindleでも「のっぺりとした行為」には変わらないので、書籍によっては紙形態で購入することも必要だと特に最近感じる。実際、『さよなら未来』は紙の書籍で購入した。同じ内容のテキストをデータと紙で二重持ちして何か意味があるのか、という感じだけど、必ず意味があると最近確信し出した。テキストがどのようなメディア上にあるのかは、利便性は印象に影響を与えて結果読書体験にも違いを生み出す。それならばデータと紙の両方で読むほうが、テキストの読解という点では望ましいはずだ。だから、「データ+紙購入で価格は1.1倍分」みたいな値付けで売るストアが出てきたら、確実にそちらに乗り換えると思う。
そんなことを考えながら導いた今年のテーマは『アクティブ・ダブル・スタンダード』。矛盾があるなら消去法じゃなくて両方追いかけてみる。
なんで「街の本屋で本を買う」なのにamazonかというと、街の本屋どこも置いてなかったから。
最初、amazonで検索したら「現在在庫切れ」に続いて発送予定が4,5日後という珍しいシチュエーションで、それなら近所の本屋で買おう、この話題の書がない訳ないだろうと回ってみたのだけど、ない!最寄りの啓林堂書店生駒店、その次の啓林堂書店学園前店、そして西大寺のジュンク堂書店奈良店、どこもない。そういう訳で、街の本屋の状況がよくわかる事例だなと思って書いてみた。
今回、三件回って改めて思ったのは、本屋にある小説新刊の書棚の少なさ狭さだった。ちょっと前までは本屋と言えば小説新刊の棚が圧倒的だった。今ではほんとに見る影もない。三件本屋を歩き回って棚の配分についていろいろ思うことがあったのだけどすっかり忘れてしまった。
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オペレーションZ 真山仁 新潮社 2017-10-20 by G-Tools |
データサイエンティスト職だけでなく、あらゆる提案型業務に携わる人に役に立つと思います!
品川インターシティのくまざわ書店で見かけ、買うかどうか迷ってとりあえず図書館で借りてみたのですがこれは買おうと思いました。最前線のデータサイエンティストの方が実名で書かれているので非常にリアルでわかりやすいというのもあるし、「失敗を共有する」という、失敗を重視するスタンスにとても共鳴します。
例えば、「分析目的から外れた興味本位な分析をしてしまう」という事例で、克服法のところで「「アクション」「分析結果」「つながり」の3つを明らかにする」ということを、例を用いてわかりやすく説明されています。分析目的を、「アクション」と「分析結果」で説明するところまでは大体できていても、その「つながり」を明確にするというのは結構できていない。このフレームワークはデータサイエンスだけではなくて、提案型業務では大切な基本だなと再認識しました。
そもそも、この本の構成が「準備フェーズ」「分析フェーズ」「報告フェーズ」の3フェーズ構成になっていて、この3フェーズは見事に提案型業務の業務フェーズに合致していますし、それぞれのフェーズで起こしがちな失敗も自分のこととしてよくわかります。報告フェーズでの失敗事例と克服法は本当にデータサイエンスを離れて直接的に役に立ちます。オススメです。
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データサイエンティストの秘密ノート 35の失敗事例と克服法 高橋 威知郎 白石 卓也 清水 景絵 SBクリエイティブ 2016-11-12 by G-Tools |
読み終えて一番思っていることは、「我々はいずれ必ず死ぬのだ」、ということだった。この物語に登場するキャシー、トミー、ルースたちは特殊な事情で、特殊な生を受け、特殊な使命を負わされ果たしてそのとき死んでいくことが予め決定されていて予見もされていて、それが非常に辛く残酷なことだと感じるが、「死ぬ」ということ自体は彼らだけに特殊なことではなく、我々は皆、いずれ死ぬ。だから、死ぬこと自体はそれほど絶望しなければならないことではないし、しかしながら重大なものとして常に日々意識して生きていかなければいけないと思わされた。それは特にこの一文にたどり着いたときだ。
それは、時間切れ、ということです。やりたいことはいずれできると思ってきましたが、それは間違いで、すぐにも行動を起こさないと、機会は永遠に失われるかもしれない、ということです。
ひとつだけ、彼らは100%子供をつくることができない身で生まれている。そして、人を愛するという心に強く引き付けられているにも関わらず、相手は誰でも構わないからとにかくセックスがしたいという瞬間があるという描写がある。彼らがとにかく「生」を全うしたい、燃焼したい、という、生命体としての本能を無意識に全開にするところに触れるたび、逆説的に、自分も残り時間を無駄にしないように、時間切れにならないように生きていかなければならない、と繰り返し思った。
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わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) カズオ・イシグロ 土屋政雄 早川書房 2008-08-22 by G-Tools |
たったこれだけのことをメモするのが5日後になる、それくらい忙しい毎日を過ごしています。
仕事と仕事の合間で移動もできない時間ができた京都駅界隈で、書店を覗こうと少し離れたイオンモールの大垣書店に。フロアを歩いていると紀伊国屋書店出版部の60周年フェア「本は、原点」の棚が目に留まり、ラインアップを眺めていたらふとちょっと前何かの書評で見て気になっていた本著を思い出して購入。
本著を思い出すきっかけになった、「本は、原点」フェアに陳列されていた書籍もものすごく気になるものだったんだけど残念ながらメモを忘れていて、「本は、原点」で検索してもラインアップがわかるサイトもなかった。ので、近々また大垣書店イオンモール京都店に行かないと。
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「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか (ちくま新書) 浅羽 通明 筑摩書房 2016-02-08 by G-Tools |