よしもとばななの小説は、いつも「登場人物は正直に話す」その言葉の丁寧さにほとほと感心し、そして「時期が来るまで待つ」という、忍耐強い姿勢の大切さを再認識する。物事には、常に然るべきタイミングというのがあると思う。そのタイミングを逃してしまうのも自分の責任、だとは思うけれど、そう言い切るには現代経済の動きはあまりに苛烈すぎるようにも思う。その苛烈すぎる流れのなかで、自分はどういうタイミングで生きていくのか、いつもより少しだけ真剣に考えさせられた。
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サウスポイント (中公文庫) よしもと ばなな 中央公論新社 2011-04-23by G-Tools |