アイ・キャッチャー

買ってきました!

営業として最も簡単なことは、アイ・キャッチすること。何故かと言うと、実際に売らなくてもいいかな。売らなくても、「お客様の気を引きました!」というだけで自分の成績になる。これほど楽な商売はない。

そして、そんな楽な商売をするために組織されたチームは、自分が「これ」と見定めたお客様に攻め込んで行けることが多い。こんなおかしな話はない。自分の担当という範囲も何もない中で、「ここ売れそう」という予想だけで、どこにでも行ける営業がいるのは、褒められた話ではないと思う。

アイ・キャッチするのが専門の人間に、お客様も通常なら心を開かない。なぜなら、長期間付き合える相手ではないと判っているからである。

お客様にとって、訪問されて意義のある人間というのは、最低要件として、お客様を担当している人間か、製品のスペシャリストかのどちらかで、いわゆる「遊撃手」のような、どこに行ってもいいし、何をしゃべってもいいんです、みたいな人間が訪問してきても、おもしろい話を聞けたと思ってくれるだろうけども、ビジネスが起こることは稀。それでも、えり好みをして訪問すれば、お客様側に切迫した要件があって、そんな「遊撃手」でもそれなりにお役に立てる可能性はある。

しかし、大前提として我々はお客様に何か価値をお届けしたい。お客様に価値を提供するためには長い期間のお付き合いが必要で、それには組織の人間は「お客様付き」か「製品付き」かのどちらかしかない。そのどちらでもない人間がどれだけいろんなことを語れても、それで勝率が上昇することはほとんどないと思う。