見栄え

 昔からよく言われることではあるけれど、見栄え重視のプレゼンテーションというのがあまり好きではありません。世の中はいつからか「プレゼンテーション至上主義」で、いかに上手に見せるか、が最重要であるように叫ばれて久しいですが、どうしてもその風潮が肌に合いません。もちろん、自分の考えや想いを人に伝えるために、プレゼンテーションは工夫に工夫を重ねなければならないということは理解できています。そういう仕事をしていた時期もあります。そういう意識を高く持てば持つほど、「見栄えはいいけれど、中身は実はほとんどないな」というプレゼンテーションが判るようになるのです。

 特に自分が所属しているIT業界では、日本は昔から、導入後のITシステムの効果を計測することは稀中の稀なので、提案段階ではROIなんて言いたい放題でやっている人がいたりします。そして言いっぱなしで、実際にそのROIが達成できたかどうかは確認されることなく、最初に謳った人は担当が変わっている。そういう繰り返しに毎度毎度やられる企業側にも問題があるのかなあと、つまり、担当している人もそれほど長期的に物を見ていないか、今までと大して変わらなければとりあえずよい、という事なかれ主義か。パフォーマンスを継続して確認しないことで、大きなロスが生まれるものだといつも思います。