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オー!ファーザー 新潮社 2010-03 by G-Tools |
四人の父親がいる高校生・由紀夫が、徐々に徐々に事件に巻き込まれて・・・というか絡んでいく。
小気味よい台詞回しと、重層的なストーリー展開。好きな人間なら誰しも「これが伊坂ワールド」と納得する構成なんだけど、僕は「なんかもうひとつスムースじゃないなあ…」と思いながら読んでたら、後書で本作が新聞連載だったと知って、それはそれで納得。そしてもうひとつ、「これが第一期伊坂幸太郎最後の作品」と書かれていて、それもそれで納得。
随所に張り巡らされた複線、ちょっとだけ斜に構えてるがゆえに本音の温かい部分を受け入れやすいキャラクター達、何が起きているのか簡単には掴ませられないミステリー部分、娯楽小説としては確かに「第一期終幕」を飾るに相応しいと思います。ただ、「伊坂幸太郎を読みたいんだけど何から読めばいいかな?」と誰かに聞かれたら、僕は本作はオススメしないです。そう考えると、これはやっぱりファン向きなのかなーと思いました。