『プロジェクトジャパン』来た

レム・コールハースの『プロジェクトジャパン』到着!

今この時なら当然「プロジェクトジャパン」というと東日本大震災の復興復旧を思い起こしますが、この本のタイトルである「プロジェクトジャパン」は、主に戦後日本の建築界を席巻した「メタボリズム」とその周辺を指してます。レム・コールハースは、コンペに際し「ブックレット」という資料集を作るそうですが、この『プロジェクトジャパン』も正にそんな感じ。分厚いブックレットです。

『プロジェクトジャパン』という著名がなんとなく商売上手に感じもしますが、「戦後日本の復興」のシリアスさは、東日本大震災からの復興復旧のシリアスさに勝るとも劣らないと思いますし、そのシリアスな局面で生まれたのがメタボリズムだとしたら、東日本大震災における復興復旧にとっても振り返るべきものだろう、少なくとも比較検討に値する、というのは頷けます。

僕は、気をつけないといけないのはやはり人口減かなと思います。本著でも繰り返し出てきますが、戦後日本の復興局面では、経済成長と人口増加への対応策が主軸だったと思います。キャパシティの確保・増強をいかに保証していくか。東日本大震災における復興復旧は、一見、メタボリズムの柔軟性・拡張性が有効そうに思えたけれど、その性質が「何に」対する回答なのかを考えると、相応しくないかもしれないと思います。

 

Project Japan, Metabolism Talks… Project Japan, Metabolism Talks…
Hans-Ulrich Obrist Rem Koolhaas

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