B'z 『Brotherhood』の圧倒@4/1 ミュージックステーション 

4/1のMusic Station。一ファンとして、どんな姿を見せてくれるのか、待ち侘びていました。

僕は自他共に認めるB'zファンです。ほぼデビュー直後からのファンです(さすがに、デビューアルバムの『B'z』だけはオンタイムで買ってませんが後は買ってます)。B'zファンというと、いわゆる「音楽通」的な人たちから、「ははは」と嘲笑されるような、そんな時代も生き抜いてきました(一部では今でもそうかも知れないけど)。もう、臆面もなく「B'zファン」と言い切ってます。ライブももちろん毎回行きます。大阪のチケット事情はマナーの悪さからファンクラブ優先でも厳しく、『ACTION』のとき抽選で全滅した際は、とにかく手当たり次第申し込んで、仙台まで観にいきました。できる限り遠征もします。欠けているアイテムは、シングル・アルバム・ソロ・映像作品含めてありません。そのくらいファンです。

何が好きかというとあの人達はほんとうに「プロ」だと思うからです。毎回ドーム公演を完売して、どの公演でもパーフェクトなアクトをする。「ライブは生き物だからいろんな調子のときがある」みたいなことを言うミュージシャンは、はっきり言ってそうやって寝言を言っとけと思う。お金を払って、時間を費やして、対峙しようとしてくれている人たちに、ベストを尽くすのがパフォーマーとしては当たり前だろう。その「当たり前」のことを、23年もの間粛々とやり続けている人達を僕はほかにほとんど知らない。

僕は、稲葉の書く歌詞が大好きです。稲葉の歌詞は、ぜんぶ自分のせいだと歌う。ぜんぶ自分のせいだと歌うんだけど、そこに重苦しさだけが漂う訳じゃない。辛い時はちょっと休んだらいいし、自暴自棄のときは自暴自棄になっても構わない。でもそれ全部自分のことなんだよと、自分でしょってちゃんとやってこう、と歌う。そして、それを絶対に誰にも強制しない。「僕はこう思う。君の参考になれば嬉しい。」常にそういうスタンス。あの哲学を、ほとんどまるまる鵜呑みにして今までやってきてるような気がするくらい、彼の歌詞が好きです。その世界観はあまりに崇高過ぎて、自分の実生活で実践しようとしてもほとんどできずにボロボロになって打ちひしがれるばかりだけど、それでも諦めたりはしません。

そして、4/1のMUSIC STATION。『さよなら傷だらけの日々よ』はもちろん良かった。

「さよなら傷だらけの日々よ 目指すは次の世界 明日はもうここにはいない」

次のステップを踏み出す時には、避けられない別れもある。でもその別れとは、いつも新しいものだろう。悲しむ必要なんてないよ。
できれば避けたいことだけど、でもそのときには大きく構えようと思わせる、大事な大事な哲学。

でも、やはり『Brotherhodd』だろう。

ネットでは『PRAY』を予想する声が多かったけど、僕は正直言って『PRAY』は曲調が被災して3週間の今の時点には、暗過ぎるような気がしてた。いい曲に違いないんだけど、あの曲はもう少し、平時でこそ強い思いを重ねられるような曲だと思う。

『Brotherhood』と聴いたとき、意外だったのと大きく納得したのと両方の感情が流れた。

B'zのファンのことを「ブラザー」と呼ぶ端緒となった曲、Brotherhood。

なんとプレイヤーはBarryとShane。

そして、これまでTV出演の際は場合によっては生音は稲葉のボーカルだけで、 演奏はトラックを流してることがあったのですが、今回はすべて生音。

松本さんまでもがコーラスに加わる。

「いざというとき手を差し伸べられるかどうかなんだ」で、マイクスタンドをガンガンと床に打ち付けて絶唱する稲葉。


稲葉はライブで観るとき、常に「プロのシンガー」としての稲葉の顔を崩さない。

けど、今回、歌い終わった後の稲葉の顔は、人間・稲葉浩志だったと思う。

言っては悪いけど、歳相応の、稲葉浩志が、そこにいたと思う。


もう本当に、特にアンチB'zだという人に、この演奏を是非聴いてもらいたい。すべてが終わった後、「元気が出る応援ソング」みたいののベスト3が残ってたけど、スタジオはそんなものは霞んでしまい、ただただ圧倒された空気だけが残った、あの演奏を。

あれこそが、「音楽にできること」だと思う。

そして、どんな仕事でも、全力でやっていれば、「その仕事にできること」が、自分の力になって返ってくるはずだ、と。