吉井和哉 Flowers & Powerlight Tour 2011@グランキューブ大阪 2011/05/13

まさに大人、貫録のライブでした!!
(ネタばれありありです) 

何が「大人」なのか、何が「貫禄」なのか。一言で言うと、「全編通して全力でなくても、ここという要所を押さえることですばらしい仕事をすることができる。それがベテランというものだ」ということになるかな。ほとんどのアーティストがたぶんそうだと思うけど、吉井ももちろん、ライブの後半に東日本大震災についてMCで触れた。そのMCまで、ほとんどMCらしいMCはなくて、オープニング数曲後のMCでは「純粋に音楽を楽しんでいってください」と言ったり。

ライブは、新譜『The Apples』を中心に、どちらかと言うと淡々と、確かに純粋に音楽を楽しむペースで進む。いつものような、茶化すカンジのMCもなし。確かに純粋に音楽を楽しんでるライブだけど、ほんとにどちらかと言うと淡々と進んでるカンジ。

でもそれを、たった一曲で変えてしまう、持っていってしまうところが、さすが。まさに大人、まさに貫禄。それは、『LOVE&PEACE』の前のMCで、東日本大震災について触れたところ。

東京で暮らしてて地震に遭って不便な生活を強いられて、ここ関西でも阪神大震災があったけど、あの時、親身になって考えられてなかったなと反省しています

『LOVE&PEACE』という曲は地震の前に創ったんだけど、ほんとうに平和で幸せな毎日を過ごせていられている、それに感謝しているけれど、このままずっといられるかな、いれるといいな、もしかしたらいられないかのかも?そんな思いを抱きながら創った

みんなのエネルギーをもらって、必ず今年中に東北でライブをやってきたいと思います

ほんとに悪ふざけなしでした。ちょっと悪ふざけようとする関西のオーディエンスを、うまくあしらいいなして、このMC。そして、『LOVE&PEACE』。『LOVE&PEACE』は素晴らしかった。この日は(というか思い返してみれば最近の吉井のライブは毎回そんな気がする)出だしちょっと声が出てないのかと思うようなとこがあったんだけど、『LOVE&PEACE』は素晴らしかった。『LOVE&PEACE』を書いたときの吉井の思い、地震が起きその影響を受けたときの吉井の思い、そして地震後に『LOVE&PEACE』を思い返したときの吉井の思い、そういう時間軸が全部眼前に立ち上るかのような、そんなパフォーマンスだった。

という訳で、ほんとに『LOVE&PEACE』だけでもこのライブを観る値打ち十分、という、抑えるとこを抑えた大人の仕事っぷりでした。感服。

その他箇条書き:

  • 次点は『ONE DAY』。
  • 『バラ色の日々』がまた聴けるとは。イエモンの曲のなかでいちばん好き。
  • 前日、前代未聞の「メンバー紹介忘れ」をやらかしたそうで、代わりに今日は二回メンバー紹介をやります!と言って、メンバー紹介した後、ほんとに続けて二週した。
  • しかも、そのメンバー紹介の際、バーニーが、両手に耳をあててオーディエンスを煽るパフォーマンスをしたら、吉井が「オマエ、古っ!!」と爆笑し、それ以降、ことあるごとに耳に手をあてて「バーーーーニィ!!」と振ることに((笑)
  • 『ビルマニア』、ボーカルが始まるまで「やっぱ金曜やしWeekenderやんなー」と本気で思った。