僕が梨を買った理由 #jbnsgt3k

「自分の仕事」を考える3日間”(以下奈良3)仲間の斉藤さんとこの梨を買いました!

斉藤さんは奈良3で最初に話をした方で、僕が「アフター奈良3」をやりたいなと思い、実現するに至らせてくれた張本人なのですが(笑)、最初に話をしたときに、実家が千葉で、梨園を経営されて(鈴木貞治園)て、という話をお伺いしてました。そのときに、その梨園のHPも少し拝見してました。先日、ツイッターでめちゃめちゃ綺麗な梨の写真とともに、今年収穫分の出荷が始まったことを知ったので、通販してもらえるか確認し、取り寄せさせてもらったという次第です。幸水を8個。とりあえず冷蔵庫に入れて冷やして、1時間くらいで待ちきれず剝いて食べたんですが、瑞々しくて糖度がよい加減でとてもおいしいです。お勧めですよ!

ところで、僕が鈴木貞治園様の梨を買ったのには、アフター奈良3つながりの他にも、理由があります。

鈴木貞治園様は、千葉県市川市の梨園です。つまり、関東にあります。今、僕の住む関西地方で関東・東北と言えば、京都五山送り火の一連の騒動を例に挙げるまでもなく、放射線被ばくの風評被害の問題があります。今朝の日経朝刊に掲載されている「各地の放射線量」によると、市原市の地上1m地点の放射線量は0.070マイクロシーベルト毎時。大阪市は0.092マイクロシーベルト、岩手の値は掲載がありませんが仙台が0.069マイクロシーベルト、秋田が0.050マイクロシーベルト。福島は地上1m地点は未観測で、モニタリングポストが1.230マイクロシーベルト。だいたいこういう値でした。放射性セシウムが検出されることがどれくらい悪影響のあることなのか、勉強不足で理解できていませんが、放射線量という観点だとこういう値になり、少なくとも市原市を僕たちの住む関西と異なるものだとして線を引く明確な理由は見出せません。

と、調べられる情報や地理的な事実を元に、「口で言う」のは簡単です。でも、実際に、それを選択することができるのか?そのことが、こういった問題にとっては最も重要なはずです。なぜなら、「確かに放射線量の数字では大差ないようだけど、計れる値以外に何か悪いことがあるんじゃないの?」という恐怖心が風評被害の元だからです。選択的にやっていないことでは、たくさんの関東産物や、東北産物を食していると思う。コンビニの食品や、外食した際に。でも多くの人は、「それは避けようとしても避けられないから」と、消極的な理由で不問に処します。そして、選択的にどうにかできるところは、無暗に避けようとします。

だから、「口で言う」のは簡単なのです。「口で言う」だけのことを、僕は信じる気にはなれないし、かと言って大上段に構えて行動してそれをアピールするような人のことも、信じる気にはなれない。僕は、市井の個々人が、誰か憧れの人についていったりなぞったりするのではなく、せめてそういうものを取り入れながら、それぞれに考えを持ち、それぞれに行動することしか、社会が進歩し進化する道はないと思うので、自分の中にあるかもしれない「恐れ」と対峙するために、鈴木貞治園様の梨を買う、というアクションを取りました。

こうやって書く程のことでもないし、何を大袈裟なことを書いているんだという気に自分でもなります。そんなこと関係なく、鈴木貞治園様の梨はほんとにおいしかったので買って食べればそれでいいのですが、僕の大好きな哲学の道というのはこういうところにしかないんだと、改めて自分に言い聞かせる意味を込めて書きました。かつてのイデオロギズムのように、自分の信じる道だけを振りかざして周りをなぎ倒していくようになるつもりはないし、かといって柔軟だとかしなやかだとかいって結局ご都合主義に陥るようなみっともない哲学も持ちたくない。いろんな情報を得たり人脈を得たり権益を得たりしたところで、「で、オマエはどう思うんだ?」「で、オマエはどう行動するんだ?」という問いに答えられなければ意味がない。僕はもう、それなりの年月を生きているので講釈には興味がなくて、「で、オマエはどう思うんだ?」「で、オマエはどう行動するんだ?」という問いに答えられる人に興味があるし、その問いに答えられるようになることに興味があります。