Sid Vicious My Way [Official] - YouTube

auの「未来は選べる」CMで聴いて、懐かしかったので。

Sid Viciousと言えばパンク精神の体現と言われているし僕もそう思う。でも「パンク」って何だ?破滅的なことがパンクなのか?無政府主義がパンクなのか?反体制がパンクなのか?

Sid Viciousの"Vicious"はJohnny Rottenが付けたらしいが、Rotten曰く「Sidから最も遠い名前を付けた」。Sidがどんな人物なのか追求したことはないけれど、ありのまま振る舞った結果がああいう人生だという訳ではなさそうだ。極度の麻薬中毒だったというのも、快楽主義や安直な手出しというよりは、Sid Viciousとしての振る舞いの皺寄せを麻薬でごまかしていたくらい、「まとも」な精神性を持ち合わせていたのだろう。

初期のパンクは、政治的な反権力ではなく、音楽的な反権力を志向していた。ロックがどんどん複雑になり権威主義に陥っていくことに逆らったのだ。もともと権威など纏わない、純粋な音楽の楽しさを愛する人間が、その権威と対峙しようとすれば、ただの純粋な音楽好きのままでは戦えない。勢い、自分の素の姿ではないかも知れない、「反権力的な」振る舞いで戦わなければいけない。

僕がパンクを愛するのはそういうところなのだ。求めるもののために、自分の生来を曲げて無理をしてでも反権力を貫こうとする、そういうところ。