『The Apples』/吉井和哉

平々凡々選んでも運命の指令はドSです
何かしら起きては治まって自分との戦いであります 

『VS』/吉井和哉

相変わらずエロい。そして、相変わらず愚直。楽勝楽勝、ではアルバム創らないのね、この人、やっぱり。

B004IRQBOA The Apples (初回限定盤)(DVD付)
吉井和哉
EMIミュージックジャパン 2011-04-13

by G-Tools

「ほとんどすべての楽器を吉井自身が演奏」と前知識があったので、『at the Black Hole』みたいに、吉井の陰鬱なフィーリングはどっぷりだけどグルーヴというかビートというかノリというか、そういうのは二の次になっちゃうのかなーやっぱり、と心配してた。やっぱり、Dragon Head Miracle Tourのときのジョシュ・フリーズは忘れられないし、それぞれのパートはそれぞれのパートの専門のスキルのほうが、バンドサウンドとして好みのものが出てきそうな気がするし。『VOLT』はそういう重厚感満載だったし。

で、聴いてみたら、確かに一度目は『LOVE & PEACE』がぐわっと前面にくるカンジだったんだけど、二度目からはそれぞれどの楽曲も前に出てくる。それと今回は歌詞がかなり書き込まれているというか、「このくらいの言葉遊びでいいだろう」的なのがない。どれもなんかちゃんと言おうとしてる。それが嬉しい。いちばん最初に耳にグッと来たのは『HIGH & LOW』。でもって、最初に引用した『VS』。『VS』の歌詞は年食った人間の味がめいっぱい出てる。

同じように歳喰った人間の味がめいっぱい出てて好きなのが『CHAO CHAO』。ちょっといつもの言葉遊びで埋めてるところもありつつ、どこまでも果てしなく目指していかなければいけない人生のタフさにめげそうになったとき、気力をくれるようなことを歌い上げてくれるカンジがいい。