『新・戦争論』/池上彰・佐藤優

期待通りの面白さで一気に読みました。最も関心を持ったのは、安倍政権が北朝鮮に対する制裁を緩和していることに言及している部分で、最近の右翼的な人たちは、この点をどう考えているのだろう?
  ①北朝鮮国籍保有者の日本への入国禁止、日本から北朝鮮への渡航自粛などの規制、②10万円超の北朝鮮への現金持ち出しの届け出と300万円超の北朝鮮への送金報告の義務付け、③人道目的の北朝鮮籍船舶の入港禁止、の3項目を解除

単純に考えると、これは「右翼」的な考え方に照らすと100%批判の対象にしかならないと思う。日本人を拉致しており、その解決を図らない国に対する制裁を緩和するというのは、完全に「反日」な政策に違いない。けれども、「右翼」的な考え方の筋から、あくまでネット上で見るだけでだけれども、安倍政権をこの点で批判する意見には出くわさない。これは、

  • 北朝鮮は、「右翼」的な人々から見た場合、日本の同盟国的な扱いで、制裁はどんどん解除すべきと考えている

か、もしくは、

  • 拉致などそもそもないか、もしくは解決しているというのが「右翼」的な人々の認識

のどちらか、ということになると思うけれど、ちょっとすぐには納得ができない。

4166610007 新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)
池上 彰 佐藤 優
文藝春秋 2014-11-20

by G-Tools