独走会 - 2014/05/06 東大寺戒壇院ー工場跡事務室

"裏"東大寺は連休中でもこんなに落ち着いた佇まいです。

改めて独走会について、独走会と言うのは富雄の超絶カッコいい自転車屋TRANSITの走行会「おいしいポタリング」の参加者の(すごくカッコよく言うと)スピンアウトで、「独りで走る愉しさ」を知る大人の集団、ということにしています。独りで走ればそれでもう「独走会」。

GW連休最終日、少し走る時間が取れたので、思い立って東大寺戒壇院へ。戒壇院は「独走会」を思いついた記念の場所です。戒壇院は「戒を受ける」施設、つまり出家者が正規の僧になるために戒律を授けられる施設。それは制度によって認められるという言い方もできるけれど、「独り立ちする」ということでもある。そして戒壇院で戒律を授けるため唐から招かれたのは鑑真、5回の渡航失敗にも屈せず渡航を成し遂げた鋼の精神。その6度目の航海で嵐に飲まれた際、鑑真の船を救うべく船に現れたのが戒壇院に祀られる四天王。去年戒壇院を訪れた際、戒壇院に纏わるこれらの伝承を知って、これは私が自転車に惹かれる核心にかなり近いものがあると感じました。

時を同じくして、スッタニパータの「犀の角のようにただ独り歩め」という言葉を知ります。もちろんこれは孤立せよということを言っているのではなくて、かなりの程度修行が進んだ僧に対する言葉なのですが、ロードバイクでツーリングするのは、道中何があっても自分の責任、誰のせいにもせず言い訳もせず自分の選んだ道を走っていく愉しみというのは、この「犀の角のようにただ独り歩め」という境地に近づけるものなのではないか、そう閃いたとき、「独走会」の骨格が固まったのでした。


戒壇院北側の門です。少し段を登ります。


戒壇堂の正面。昨年、戒壇院を訪れた際御朱印を書いて頂いた方がいらっしゃって話が弾みました。その方も、自転車を趣味にされているそうで、クロスバイクで約20kmを走って戒壇院に詰めておられるそうです。いつか一緒に走ってみたいなと思っています。

「戒壇院」の文字がシブい。当たり前なんですけどあらゆる品に、お堂の名前とかお寺の名前とか描かれてるんですよね、寺院って。ちょっとユーモラスでさえあります。


御朱印。四天王って言葉は誰でも知ってると思いますが、その像はあまり見ようとしたことがないのではないでしょうか。戒壇院でお会いされることをオススメします。


戒壇院の北すぐにあるカフェ「工場跡事務室」。昭和50年代半ばまで乳酸菌飲料の研究及び製造が行われていた建物、なので工場跡なんですね。木造の味が存分に活かされたレトロな喫茶で、コーヒーもトーストもすべて美味しいオススメの場所です。このエントリが"裏"東大寺の堪能のきっかけになれば幸いです。