奈良先端科学技術大学院大学公開講座2013 「ビッグデータが世界を変える あなたに迫る超大規模データ」 10/19

夜勤前の土曜の昼下がり、頑張って受講してきました。今回も非常に有益でした!前回受講時も書いたけど、やはり自分の仕事に関する情報を改めて講義で学ぶのは非常に有益でした。

今回の二講義は、教授の講義スタンスも好対照でそこも興味深かったです。「複合現実感とビッグデータ」の加藤博一教授は、「一般の市民の方が対象なので難しい数式とか使わないでください、と事務局に言われたので」と冗談交じりに仰られてましたが、「ビッグデータと機械学習」の池田和司教授は「前回も数式をたくさん出して、難しいという声が多かったですがアンケートでは”難しかったけれど面白かった”という声もたくさん頂いたので、今回も懲りずに数式をどんどん出していきます」と仰られてました。そしてどちらの教授の講義もその意図が成功していたと思います。「複合現実感とビッグデータ」は、複合現実の実際と可能性を、それこそ高齢の方々にも伝わるように実機を用いて見せてくれましたし、「ビッグデータと機械学習」は機械学習の何たるかを根本から理解するために最低限必要な一次変換について基礎から丁寧に説明してくれました(それでも105分では短くて私はついていくのがやっとでした)。一次変換の応用の話は有名なグーグルの話だったんですが、いくつもの記事を読んでいるので知識としては持っていましたがやっぱりその数式を講義として説明してもらうと実感が全然違います。

以下、恒例の箇条書き:

  • 相変わらずご高齢者の多いこと。ただ、これは私くらいの世代は、日常生活で十分学べているということなのかとも思う。
  • そして相変わらず質問が、講義の内容とはほとんど関係のないジェネラルな内容。でも教授は全く戸惑うことなくすらすらと答えていらっしゃった。
  • 加藤教授の、「若い人向けには少し難しい内容でやります。そういう意味でキーワードはミステリーですかね」という回答に驚嘆。まるで準備していたかのよう。
  • 同じく加藤教授の、「ユーザ・スポンサーの立場の対立」という指摘、少し前のキュレーターばやりと問題意識が重なる。これはユーザがどうにかして情報を「タダ」で得ようとすることのデメリットだと思うけど、その認識に留まらずに先へ先へ考える必要がある。
  • 『電脳コイル』おもしろい。
  • 「機械学習」の意味が非常によく判った。今まで機械学習と聞いたとき、機械的に学習する、というくらいの認識しか持っていなかったけれど、機械的に学習するためにどういう数学理論を用いているのか、問題意識から解法に落とし込むために知識が必要ということがよく判った。
  • 「何を省略するか」というのがビッグデータと機械学習のキモのひとつだとしたら、それは民主主義のIT的な表現と言えるように思う。けれどその民主主義は利点ばかりを生むだろうか?歴史上、マイノリティは必ず必要で、マイノリティは必ず反撃し、反撃が革新を生んでいる。
  • 加藤教授の、今どきの若者に対して「ケータイがつながらなかったらオマエたちはダメなのか!絆の時代とか言ってるけど、ケータイごときがなかったら友情も育てられないのか!」という突っ込みに非常に受けた(笑)。