一時間前後で手ごろなライドと言えば、私の住む生駒には「宝山寺」と「暗峠」という、泣く子も黙る二つのヒルクライムコースがあるのですが、さすがに登りきる自信がありませんでしたので、控えめに生駒総合運動公園まで登ってきました。
控えめとは言え、GARMINを見るとときどき斜度12%だったりしてリハビリにはもってこいでした。先週から時間があれば少しでもと、できる日はローラーを10分でも回していて、追い込んでも全然心拍も息も上がらなくて、「なんか調子よくなってるのかも」と喜んでましたが実走は甘くはありませんでした(笑)。向かい風でぜんぜん進まなくなる貧弱な脚。
ロングライドが大好きな自分ですが、この1時間足らずのご近所ライドで心底思ったのは、「自転車乗るのがほんとに好きだなあ」ということ。少しの時間でも、特に変わり映えのしないコースでも、ゆっくりでも休み休みでも、自転車で走るということが自分にとって無上に楽しいことなんだと改めて実感したライドでした。
帰りはHannaに寄り道して食パン買って帰りました。奈良はパン屋が多くて、それがライドの目的にもなって楽しい限りです。
ド平坦を走りたくて走って走りには爽快大満足だったのに苦々しい気持ちを残してしまったノスタルジーライド。
日経の映画評で『少女は自転車にのって』というサウジアラビア初の女性映画監督の映画が上映されていることを知り、電車の中で誰かが読んでいたニューズウィークのページに『少女は自転車にのって』が取り上げられていることを見て、ぜひこの映画を観たいと計画を練り始めたのが先月の頭。行ける現実的な範囲でいちばん早い上映が名古屋の名演小劇場で1/4だったので、ロードバイクで観に行こうと計画を練り上げたのに出勤予定が入ってしまい流れてしまいました。そうこうしているうちに大阪でも上映が始まったのですが、折角一度計画したことを、やらずに終わらせてしまったらなんかモヤモヤしたものが残ってしまうと思い、名古屋に向かって走ることに決めたのでした。
とは言え、1/4は14:40上演が現実的な回だったので、これに間に合うように、14:15頃には名演小劇場に着くことを考えると、自宅から約150kmを自走とすると過去実績上8~9時間はみたい。すると朝5~6時に出なければならず、冬場であることを考えるとこれはちょっと危険。なので、思い切って辛い山越えをカットしてしまおうと、八木まで25km走って特急に乗って伊勢中川へ、そこから名古屋まで90km、と計画してました。しかし今は14:40の上映がなく、16:40上映が現実的なので、そんなに早く着く必要もなく、十分自走できる時間でもあったのですが、無理しないように、平坦を楽しむ計画のままで行きました。
八木10:05発の特急で伊勢中川まで行く予定だったのが、なんとまさかの満席。この時点でかなりテンションが下がってしまったのですが、待てよ、と調べてみると10:04発名古屋行のアーバンライナーがあり、これだと中川には停車しないものの津で降りれる。20kmくらい更にショートカットしてしまうけど、今回はとにかく楽しんで走りきろうと思ってたのでこれに乗車。
津駅に来るたび何とも遣る瀬無い気持ちになります。もう少しまともな学生生活を送ればよかった、もう少しまともな人生を歩んで来ればよかった。ここで過ごした日々。そういうのは単なるノスタルジーだと振り切って前を向こうと(いつものごとく)思いながらバイクを組み上げていると、「こんにちはー」という声が。
見ると高校生と思しき男の子二人が話しかけてきた。元来、見知らぬ人に話しかけられるというのはあまり得意なほうではなかったのを少しずつ矯正してきたつもりでそんなに厭わないつもりだったのに、その学生の胸についていたバッジかワッペンに「キリスト教云々」というのがあったので即座に怯んでしまった。結局、彼は単に興味本位で声をかけてきただけのようで、特に無礼でもなく感じのよい少年だったのに、ただ宗教に関するものを見ただけで勧誘か何かと思って身構えてしまった。もしかしたらそうだったかも知れないけれど、その時はその時で丁寧に会話を畳む術だって持っているはずだ。
非常に苦々しい思いのまま、向かい風でペダルを強めに踏み込まなければいけないたびに「あかんなあオレも」と唸りながら四日市を過ぎ、揖斐川・長良川を渡り、補給におにぎり買ったらおしぼりつけてくれた優しいコンビニに感謝し、名古屋につき、名演小劇場にもたどり着き、15:00だったのでいくらなんでも時間が余りすぎるし、名古屋までひとまずは来たということで、実際に観るのは大阪でもいいし、今日はこれで早めに帰ろうと近鉄名古屋駅の脇で輪行袋を広げ始めたら、ちょっと気になっていたホームレス?浮浪者?らしきおじさんが話しかけてきた。
「大将、大将、これ折りたためるやつか?」
一体、何がダメだったんだろう、「ああん?そうそう」と完全に追い払うモードで受け答えしてしまった。今の僕は決してそういう会話が苦手ではない。あまりに絡んで来たらうまく畳むこともできると思う。なのにあまりにも粗末に受け答えしてしまった。あれが自分の本来の姿なのだろうか。情けない。ほんとうに情けない。どれだけ独走で自分と戦っても、自分の性根は何も変わっていない。ロードバイクを収め終ったとき、おじさんは僕に背を向けて何かぶつぶつ言いながら煙草をふかしていた。
近鉄名古屋駅で17:00発のアーバンライナーに乗り込もうとホームを歩いている最中、大学時代からの親友との日々を思い出しながら、突然気が付いた。その時代の心躍る気持ちを、再現しようとしてももはやダメなのだ。心躍ることがほしいなら、今この年にふさわしい心躍ることを、それを見つけ出していかなければダメなのだ。それができるだけの自分を作り上げていかなくては、ダメなのだ。
乾さん、近く走ってたのに図書情報館に寄らずにごめんなさい、の走り初めでした。
年始というのはお店が開いてる開いてないが分からないので、「これ食べに行こう」という目的地決めがなかなかできなくてうだうだしてしまうのですが、とりあえず走り初めしておくか、という軽い気分に自分を持って行って走り出しました。奈良駅近辺にあるラーメン屋さんを一通り頭に思い浮かべて(笑)。
富雄川沿い南下→308号を東進して奈良へ、754号で南下して大安寺方面へ。するとNOROMAが開いてたのですかさず入りました。僕が入ったときはちょうど満席になったくらいで待つといういいタイミングだったんですが、そのあとみるみる待ち人数が増えて外で待つ人もできたので、やっぱり人気店なんだなあと感心。
今年はまあ、余裕を持ってのんびり走るのも楽しいじゃないか、という気分でNOROMAを選んだのですが、店内に貼られていたNOROMA Tシャツの謳い文句には「着るとすばやさが1上がるよ!」と書いてました(笑)。ノロマじゃないじゃん!肝心のラーメンは特製鶏そばを頼みました、めっちゃおいしかったです。あのスープは好みです。コクとサッパリが同居してます。隣のつけ麺を食べていたお客さんが「混んでるとこ悪いんですけど、追加注文していいですか?」と、鶏そばを注文したのにはびっくりしましたが、それくらいコクとサッパリが同居してるので、二杯もいけると思います。
「どれでも好きなん持ってってや~」「そんなん言わんとお姉さんがええと思うのん選んでや~」「そうやな~これええんちゃう?あ、これがきれいやわ」と美人ホステスたちが輪になって選んでくれたのがこれ。めっちゃ立派です。サコッシュに入れて背負って帰りました。
今春、新調した御朱印帳。
率川神社の御朱印。なんか得も言われぬ迫力があります。
丁寧に丁寧に、福笹を運んで走ったので、勢いペースものんびりしたものに。思惑通りの朗らかな走り初めになって大満足でした。今年も独走します!
天気にも恵まれ、今年の走り納め。最も親近感あり親しみのある宝山寺・平城宮跡・転害門をまわりました。
家を出たら1分で宝山寺の登りが始まる絶好のポジションなので、いつもアップ不足で苦しみながら登ります。毎度、「アップは重要」という当たり前の事実を思い返すのが宝山寺。
平城宮跡はいつも通り、それほど人がいる訳でもなく、平和で無造作な広大な敷地でした。
そして転害門。なんでこんなに転害門に惹かれるのか、よくわかりませんが好きな場所です。この門、自転車似合うし。
という訳で、facebookにアップした写真以外の写真もほとんど撮らず、ただぶらぶらとご近所に挨拶巡りをしたような、そんな走り納めでした。来年も楽しく走れますように。
あ、相変わらずの西風の強さには閉口でした(笑)
昔の人はあんな過酷な道を通ってまでお伊勢さんに参りたかったんだなあとただただ感嘆でした。
奈良から163号でも165号でも津まで走ったことはあるし、23号線で伊勢まで走ったこともあるので、今回は伊勢本街道で伊勢まで走ってみることに。このルート、今までと違って途中でギブアップしようにもかなりのエリアで鉄道が近辺にないのでチャレンジと判っていたのですが、冬のライドの三重苦を嫌というほど味わうことに:
16:03五十鈴川発京都行特急がリミット、あともう少しというところでリタイアせざるを得なかったのですが、厳しい冬の気候の下のロングライドは走ってるときはただただ辛いだけなのに何故か病み付きになります。
今回は生駒からの135kmだと走り切る自信がなかったので八木西口まで輪行。7時に八木西口を出発したかったのですが、前日、木・金と一泊東京出張から23時頃に帰宅した身には朝5:30起きはムリでした。7時の電車にもタッチの差で乗り遅れ、結局八木西口に8時着、準備完了して出発したのは8:30過ぎ。
今回、伊勢本街道をルートに選んだもう一つの理由、それはFABUプロジェクトの奈良県近代化建築遺産巡りに指定されている、御杖村役場の写真を撮りたかったから。でも榛原の上り、宇陀の上り、曽爾の吹雪でボロボロになっていて、おまけに見る限り「これで合ってるのか?」という建物しか見つからず、もうどうでもええわと入り口の石碑に立てかけてスマホで一枚。カメラをバッグパックから出す気にもならず。
伊勢自動車道の勢和多気インター付近で14:00過ぎ。残り約20km。時間は十分ありそうだけど直近の自分のペースは20km/hを切ってるから、輪行の準備等を考えると微妙かも、と大事を取って伊勢市まで行かずにリタイアしようとするにも駅がない!最寄りはここから6km先の佐奈というJRの駅だとgoogleマップがいうので行ってみたら、薄々予想してた通り次の便は2時間後(!)。どうしたもんかと絶望に暮れたものの、もう少し先の多気駅ならあれは確か紀勢本線で、大学の頃使ってた経験からしてもう少し本数があるはずと思って多気駅を目指すことに。もちろんケータイで便を調べればいいものの、もし調べていいのがなかった時にダメージが大きすぎるので見れません。途中の分岐で念のため伊勢市までの距離を調べると14km。14:30なので1時間あればさすがに着くだろう、と甘い思いが過るも万が一があってはならないのでなんとか思いとどまり、考え通り多気駅を目指す。多気駅には14:45頃着、多気から松阪に出るか伊勢市まで行くか迷ってたものの、14:58という絶妙の鳥羽行きがあったので一応伊勢市に行くことに。
そしてこれが伊勢市駅での記念の一枚。もう反省点は山ほどあるのですが一番は練習不足で完全に足が落ちてることでした。ちゃんとケイデンスを高められるように地道にトレーニングしようと思います。一応恒例の箇条書き:
宝山寺獅子閣 生駒市門前町1-1 重文旧大阪電気軌道富雄変電所 奈良市富雄北1-1-1(現レストランテ・アコルドゥ)東洋民族博物館 奈良市あやめ池北1南都銀行本店 奈良市橋本町16日本聖公会奈良基督教会 奈良市登大路町44-2井上本店イゲタ醤油工場 京終町57仏教美術資料研究センター 登大路町50(現奈良県物産陳列所) 重文長寿会細菌研究所 芝辻町543鼓阪小学校 雑司町97旧奈良市水道計量器室 東之阪町少年刑務所 般若寺町18旧奈良県警察学校 西笹鉾町75(現天理教梅谷教会)旧奈良女子高等師範学校 北魚屋東町( 奈良女子大学内)旧国鉄奈良駅舎旧生駒町役場庁舎 生駒市山崎町391-3生駒山太陽観測所 生駒市西畑町生駒遊園地飛行塔 生駒市菜畑町JR桜井線京終駅舎佐保会館 北魚屋東町( 奈良女子大学内)奈良ホテル 奈良市高畑町1096森川ビル 大和高田市内本町12-27(旧産業銀行高田支店)旧宮城病院 大和高田市南本町8高田基督教会 大和高田市本郷町9-27八木基督教会 橿原市南八木町1丁目8-1旧六十八銀行八木支店 八木町1丁目2-13(現ラ・バンク)畝傍高校 八木町3 丁目13-2村嶋織布工場 橿原市膳夫町522-4旧高市郡教育博物館 (今井まちなみ交流センター) 県文中和農業共済組合 橿原市久米町922-2日本聖公会桜井保羅教会 桜井北新町70旧奈良県立図書館 大和郡山市城内町2-7大和郡山市民会館 県文杉山小児科医院 大和郡山市本町52天理図書館西館 天理市杣之内町1050石川歯科医院 御所市御国通り1丁目御所旧郵便局 御所市本町旧延壽堂製薬 高市郡高取町五新鉄道 五條市近鉄吉野駅舎 吉野町吉野山黒滝村旧役場庁舎 黒滝村歴史民族資料館 県文
旧菅野小学校 御杖村体験交流館
これの解消が目下の課題。何が悪いんだろう?5%を超える坂だと、「坂!」と目にもわかるし体もそれに対応するんだけど、緩い坂のとき、異様にきつく感じる。もうちょっと楽に上れるはずなんだけどな。
それにしてもあの疲れ方は初めて。登り、心拍は全然辛くないんだけど足が全く回らない。愛用のメイタン・サイクルチャージもあんまり効いてくれない。疲労回復力が弱いのか、そもそもペダリングがまずくて速筋ばかり使って回してるのか。きちんと分析して練習しよう。
なんとか永源寺に辿り着いて、もう日野に引き返して電車で帰ってしまおうかと思ったけれど、ここまで来て引き返してたまるか、養老の滝は行けなくても養老鉄道までは絶対に行って見せる、と意地を出せたことは覚えておいていいかな。
永源寺入り口のちょっとした滝。これで滝を見たつもりでお茶を濁しそうになったところ。
永源寺に向かう階段。もうまったく登る気力体力なし。御朱印帳持参でしたが全く気力なし。地べたにへたり込んでリアルゴールド飲んで15分休憩を決め込んだ後、「とにかく養老鉄道までは行く。多度までは行く」と奮い立つ。
鈴鹿峠越えの途中、心拍も息もまったく問題ないのにどうしても足が痛くて回せず、ちょっと止められるところがあったので止めて座って途中のコンビニで買ったローヤルゼリー入りの流動食食べてたらスズメバチに集られる!ぜんぜん休憩にならず慌てて再び走り出す。
八風街道の名所、石槫トンネル。元は「酷道」として中部地方で名高い石槫峠が名所だったそうで、その峠道を通らずして鈴鹿峠を越えられるトンネル。しかし、4kmの間、それほど路肩が広くないトンネルを走るのは結構な恐怖。下りでよかった。八風街道で何人かロードとすれ違ったけど、彼らはあのトンネルを登ってきたのか…でも登り側は路肩がちゃんとあったな。
養老鉄道多度駅。近辺に大きな鳥居の多度大社がありましたが目もくれず。いなべに辿り着いたとき、位置確認してると目の前を黄色いかわいらしい車両の三岐鉄道が走って行ってあれに乗るのもいいかな、とか、どうせ桑名から乗るんだからこのまま南下して桑名に行こうか、とか過るものの、意地を通して多度へ。このラスト10kmもなかなか堪えました。なんどアップダウンさせるのかと・・・。
ただ、総じてルート的には川辺あり、峠あり、抜けた後は平地だし、余裕をもってツーリングするにはうってつけだと思います。苦しければ苦しかったほど、振り返ると楽しかったと思うのがロングライドの不思議です。