独走会 190415 津 95.7km/732m elev.gain

"どこでも行ける きっと行ける"
(『ねがい』/B'z)  

敵は退屈だった。忍耐力のない自分自身。 

今日もまた家族に十分な時間をもらえて、天気予報も心配なし、あれこれ行きたいルートが浮かんだりするけれど、ここはひとつ「100km走り切る」というのを自分に課そう、とコースは全く迷う余地のない163号で津。ロードバイクへの情熱は衰えていないけれどロングライドへの情熱は消え始めている気がして、100km走ることで気持ちを確かめようと。 

走る前からなんとなくわかってはいたのだけど、もちろん50km過ぎで足がなくなってしまってペースが落ちるとか、トレーニングできていないからフィジカルも強くなっていないというのはあるんだけど、一番の問題は「飽きてしまう」こと。体も頭も疲れてくるので、50km過ぎてまだあと2時間同じことをただやるのか、2時間ペダルを回転させるというただそれだけのことをやり続けるのか、本当に耐えられるのかオレ、もう充分走ったしこんくらいで止めて他の事して遊んだほうが休日として充実するんじゃないのか、みたいなことを考え始めてしまう。 

しかし今回はよく知ったコース、その50km過ぎたあたりから長野峠までだらだらと登りが続くことがわかっているので、Xperia Ear Duoを投入して音楽で自分をブースト。単調な登りも気持ちを切らすことなく淡々とこなす。足裏が痛くて、指をぎゅっと握るように曲げたいけどシューズをきっちり締めすぎて余裕がなくて握れず辛かったりしたけど、ごまかしごまかし無事長野峠を登りきる。 

やり切るためにはどうしても時間が必要なので、短期間で結果を出すためにやらずに済むことは切り捨てて直線的に進む思考が身についているけれど、それではやせ細っていくだけというもよくわかっていて、かけないといけない時間は耐えられるように、あれこれ目移りせず、今やろうと思ったことには終わるまで集中できるように。ちょっと前から心がけていることで、今回のライドで更にその意識を強くできたと思う。 

恒例の箇条書き: 

  • 今回は「1時間に1回休む」というペースにすることを決めていたので、今までだと休まないような中途半端なところでも休んだけど、ペースを刻むというのは自分にあっていると思った

  • Pixel3持って行ったけど、相変わらずあんまり写真を撮らない。 

  • 5時間を切れたのは自分にとって非常にデカい。気候がよければ気持ちよく走れるんだなと自信になった。長野峠を下った後も、それほど辛くなかった。 

  • とはいえ、足が攣って止まってしまったポイントがあって、「あれ?ここいつかも足が攣ってこうやって止まって対処したなあ」と思ったら、これはどうも長野峠の急な下りから緩い下りになった後、ギアを下げ忘れて知らない間に強く踏みすぎているからだと気づいた。 

  • 右のシューズのクリート調整。 


独走会 - 2018/12/29 大柳生 56.3km

"ゼロがいい ゼロになろう もう一回"
(『ZERO』/B'z)

今日は戻り時間の制約がまったくないのでいろいろなチャレンジを考えていたものの、ある日突然「いつも通りの行きっぱなし帰り輪行は、帰省ラッシュのさなか無理なんじゃないか」ということに気づき一気にテンションダウン。そして先週末あたりから、どうも今日あたりは寒波がやってきて雪が降るかも、という予報でさらにテンションダウン。それから毎朝起きるたびにメンタルシミュレーションするものの、やっぱり朝は全然気合が入らないので、これはどうせ当日起きたらやる気なくして走らないんじゃないか、という感じで更にテンションダウン。

そうこうして迎えた当日、さすがに走らないという選択肢はないな、と思い直せて7:30頃無事出発。一日中西風がきついという予報だけどだからと言ってより混雑してそうな大阪側に出てもなあ、ということでひとまず般若寺から369号線の登りへ。

ブランクは否めなくて全然いいペースではなかったんだけど、なぜか不思議と全然辛くはなくて、結構楽しく登れるじゃん、と思いながら登りをこなしてた。輪行ができない以上、どこかで引き返して帰らないといけないし、だけど時間は今日はたっぷりあるので疲れたら十分休んでまた走れる、という余裕がフィジカルにも影響していたのだと思う。いつも帰り輪行で遠出するときは、帰りの電車のタイムリミットは調べて頭に入っているから、少しのペースダウンで間に合わなくなりそうになったりすると凄い悲壮感が襲ってきて、回してても疲労感が気持ち悪さを誘発して行のようなサイクリングになるけれど、今日はタイムリミットとか全く気にせず走れたので、その余裕の分、登りも楽しかったのだと思う。


思えば運動嫌いの僕が自転車を始めたきっかけは、県立図書情報館ができたとき、あの距離に毎回車出すのも大仰だなと思い、最初は原チャを買おうと思ったのだけど気に入るスタイルのがなくて、それなら電動アシストがいいんじゃないかと思って電動アシスト自転車を買ったことだった。そう思って買ったのに当時は図書情報館まではおろか、学園前くらいでも行くのがおっかなびっくりだった。バッテリ切れたらどうしよう、みたいなことでびくびくしながら乗っていた。そうこうしているうちに、どうも電動アシストよりロードバイクのほうがバッテリの不安がない分、純粋に遠出ができるぞと気が付いて、たまたま賞与が多かったタイミングと重なったのでロードバイクが買える資金があったのでウェブや雑誌やお店やらを調べまくって買ったのが今の愛車。それから少しずつ練習して道具も買って距離を増やしてしまなみ街道のイベントに出るという目標も立て、少しずつチャレンジして走るのが、あの時は本当に楽しかったなあと、それを思い起こしてたら全く下調べもしていなかった大柳生から沓掛に抜ける県道47号線にチャレンジする気分が沸き立っていた。

いろんなタイミングで、いろんなアクシデントでいろんな理由で、サスペンドしたりペンディングしたりウェイトを余儀なくされたりするのはしょうがない。できるときに思いっきり楽しむのがなによりだし、もしも失ってしまったものがあったらまた積み上げていけばいい。誰に強制されている訳でもないのだ。

”敗北感に悩んでるなら全てを認めまた始めりゃいいだろう”
(『銀の翼で翔べ』/B'z)

恒例の箇条書き:

  • Raphaのトップチューブバッグは容量が大きくて重宝。ただ、もっときつく縛り直す。
  • 平地で巡行速度を上げるより、登り続けているほうが向いてるかもとちょっと思った。
  • このルートはちょうどいい!いいルートを見つけたと思った。
  • リモートシャッターは使い方をもう一度確認すること。
  • 低速格安SIMを入れている旧アンドロイド端末は、Maps Goで行先指定していると結構役に立つ。通常表示だとGPSがついていかなくて結構な確率で見失っている。


独走会 - 2018/11/24 ZWIFT

巡り合わせというか、いよいよ本当に「頑張った遠出はもういいや」と思い始めてきたというか。

今年に入ってから、ほんの少しの自棄な気分とともに「自転車なんて趣味、やめてしまったほうが人生うまく行くのではないか」と思うことが多くなっていた。ツーリングは遠くに行きたくなるので時間がかかるし、かと言って近場で済ませると不完全燃焼な気分になるし、せっかく予定を立てても止めざるを得ないこともあってフラストレーションは溜まるし、おまけに天候には勝てない。イライラする種をわざわざ抱えるくらいならいっそ…と、最近はライド中にも思うことが多くなっていた。

で、ZWIFTは前々から知っていたけれど、結構な機材を揃えないといけないというイメージを持っていたのと、「なんでわざわざ室内で画面見て1時間も2時間も走らないといけない?1時間くらいなら外に出て走ればいいじゃん」という疑問とで、あまり詳しく調べてなかったんだけど、ふと「そう言えばZWIFTって一体どうやってデータを飛ばしているんだろう?」と疑問になり、調べてみたら、その過程で、ローラーもスマートトレーナーが必須というわけではないことがわかり、じゃあサイコンはどうやって何で通信するんだろう?そうは言ってもWifitかBluetoothしていないEdge800じゃあ通信しようがないし、と思って調べてみたら、ant+対応していればできる!正確にはant+センサー(僕が買ったのはこれ)をPCに着ければ、ZWIFTアプリがケイデンスセンサーからのant+での通信を受け取って、ZWIFTサイトにインターネット経由でデータを飛ばす、ということ。

なので、本当に本当に最低限、ということなら、ant+対応のケイデンスセンサーはたいてい使っていると思うので、あとはPCとPCに接続するant+センサー(USBで接続)があればZWIFTできるということ。

それくらいの出費なら、ということで思い立ったが吉日。早速amazonで注文し、ZWIFTのアカウントを作成。毎晩10分程度のローラー台の時間に早速試してみる。

初めてやってみた感想は、「時間が経つのが早い!」。ローラーに乗っているときのいちばんの課題は、気になることがいろいろあって時間が経つのが遅く感じて、たった10分でも早く切り上げがちになること。それを解消するために、骨伝導イヤフォンで音楽を聞きながら回すようにしてみて少しマシになっていたけれど、ZWIFTはその比じゃない!グループライドとかレースとかに参加してるわけじゃないので単に景色が流れてるだけなんだけど全然違う。あっという間に時間が経つ感じがする。

スマホアプリのZWIFTコンパニオンを使うと、画面の視点を切り替えたり(後ろから見たり横から見たり、完全に自分視点にしたり)、その写真を撮ったりすることもできる。ちょうどスマホホルダーをステムに着けたところだったのでいい具合に手元で操作できる。

これは確かにハマるわ。ZWIFT内のレースとかグループライドとかにも参加したくなる。あれに参加しようと思うと、ZWIFTのコースデータを受信して負荷を変えてくれるので坂道とかもリアルになるスマートトレーナーが欲しくなる。そして大画面モニターも欲しくなる。すごく気持ちがわかった。当面そこまで設備を揃えられないけれど、室内トレーニングはかなり楽しくなりそうだし、「もう遠出はいいや」というのがより確たるものになってしまうかもしれない。

独走会 - 2018/11/11 多気 104.0km (166号経由)

”昔のことだけ輝いてる そんなクラい毎日は過ごしたくない”
(『さよならなんかは言わせない』/B'z)

めずらしく天気の心配は全然しなくてよい予報で、それなりに忙しい一週間だったけど毎日少しずつ整備して準備もして、行先をああだこうだ考え続けるとそれだけで当日身動き取れないメンタルになるので早々に「今まで走ったことのない166号で松阪まで走ろう」と決めてルートラボでコースマップ作って愛用のGarmin Edge800に読み込ませた。途中、三重との県境近くに「近畿のマッターホルン」と言われるらしい高見山という山があって、その眺望が素晴らしいそうなので、ちょうど最高到達点になるしそこをメインイベントと目してイメージトレーニング。


ちょっとズルして八木まで輪行。


女寄峠越えて道の駅宇陀をやり過ごして榛原街道熟して伊勢街道に入って、まだ高見トンネル前の最後の登りに掛かる手前でちょっと膝の裏が痛み、なんだかおかしな動悸がして、疲れて結構メンタルが変な感じになって、毎度毎度思うんだけどもうこんな疲れるライドいいや時間もったいないし、最初30分かけて輪行して持ってきて帰り2時間輪行で使うくらいならその2時間30分も代り映えしない道だけど走るっていうルートのほうが他のことする時間も取れるしいいじゃないか、とか後ろ向きなモードに入る。

369号で御杖経由で東を目指したときもきつかったけど、あの時はまだもっと回せてた。まあロードバイクが楽しかったときもあったし、もうトレーニングも思うようにできないし、近場でお茶を濁すようなライドで今後はいいんじゃない…と思っていると高見トンネル前の最後の登りが出てきて、その高さがはっきりわかる道の構造にちょっと感動しながら登る。


結局、どれが高見山かわからないままトンネルに突入して三重に出て、そこからしばらくはひたすら下り基調。ただ道中コンビニは一切なくて、民家兼お食事処みたいなのがあるくらいで休憩が取り辛く、ちょっとばて気味で飯高の道の駅にたどり着いて休憩。この時で12:00なので4時間30分。70kmちょっとのポイントなのでめっちゃ遅くてそれでもテンションが下がる。


さらに追い打ちをかけたのはあと20kmくらいのポイント、道の駅茶倉に向かう分岐点で、通行止に食らったこと。示された迂回路は自動車用なので、簡素な図で描かれているけれど結構な大回りで10kmは余分に走らないといけない。これでもう止めを刺された感じで、なんとか迂回せずに地図上にある川べりの道を行けないかと突っ込んでみるもののダートだしぬかるんでるし見える先には倒木があってそこに何か動物が倒れているのか鷹か鷲かみたいな大きな鳥が群がっているし、これは行っちゃいけないと思って引き返し、しぶしぶ迂回ルートを見極め、松阪駅ではなく多気駅に出ることに。


確か369号の時も伊勢に出ようと思って出られず多気に迂回したんだよな…と思いながら、でも道が違うので当たり前なんだけどそのときと全く違う風景全く違う道の印象で、余計なルートを踏んでしまった無駄骨感と相まって心細くて仕方なく、これでたどり着いた先が実は思っている駅じゃなかったらどうしようとか悪いイメージばかりがぐるぐる回る。

それでも最後の1~2kmくらいは369号のときと同じ道になって、無事多気駅に到着。まさかツーリングで多気駅にもう一度来るとは全く思っていなった。前回「自転車なんてやめてしまったほうがいいんじゃないか」と少し離れそうになったところに多気駅に導かれた。多気駅は、三重に住んでいた学生時代にも来たことはない、けれど紀勢線と参宮線の合流する、名前はよく知っている駅。津と同じで、やっぱり三重に来ると感慨深いというか、時間の使い方と心の持ち方と人との接し方を、疲れ痺れた頭と体に圧し潰すように考えさせられる。


”もしも縁があるなら また逢える日まで
気を付けて Yes, I'm here"
(『Queen Of Madrid』/B'z)

以下恒例の箇条書き:

  • 今回も「もう走らなくてほんとにいいや」と思ったのは事実。そして、こんなふうに一日がかりになるようなライドをどうにかして計画しようという気持ちは薄まったような気がする。
  • 左の入力が遅い、というのを最近のローラーで意識するようになったので、今回気を付けてペダリングしていたのだけど、前半の体力のあったときは平地で入力を意識することで巡行は確かにあがった。しかし膝裏の腱?が痛くなった。何かペダリングに不足していることがあるのだと思う。
  • 使い古しのスマホをステムに取り付けてみた。メインはGoogle Mapを見るためだけど、これはすごく役に立った。Garminの地図よりやっぱり数倍見やすい。難点は入れているSIMが格安なので、画面がついてこないことがあるのと進行方向を向かないということ。これは一時的に高速化できるようなオプションがついてたらそちらを活用するほうがいいかもしれない。
  • トップチューブバッグがへたりすぎ。買い替え考えたほうがいいかも。
  • knogのriderはプログラミングをちゃんとやること。
  • 水分補給を意識するのを忘れ、後半足が攣りまくった。
  • それでも今回の収穫は、2回通行止めにあって道に迷ってタイムロスしたり、練習できてないので10%の登りがほんとにゆっくりでしか登れないとかありつつも、結局104kmを6時間ちょっとで走ったということ。練習してないから伸びないけど、逆にそんなにダメにもならないから、これくらいなら半日で行けるんだ、というのがわかったのが収穫だったと思う。
  • ちょっとサドルが低いか?

独走会 - 2018/08/17 奈良

”この河を辿ってゆこう 悲しみのルーツを探して”
(『ROOTS』/B'z)

パッキングも周到に済ませ、新しいジャージを新調し、ウェア類もすぐ着れるよう準備し、GARMIN Edgeにルートマップも読み込ませておいたけれど、夏休みのスケジュール的に前日早めに就寝できないことは予め分かっていて、それでもロングライドできるように持っていこうとしたものの、起床はやはり万全には程遠くて相当逡巡した末に宛のない近場ライド。

そんなときにとりあえず向かうのは転害門。

害が転ずる、と意味ありげなのに実は元々はその字ではなくて後世の当て字、とか。意味を求めてしまうことの光の面と、影の面。ありのままをありのままで受け取れることと、受け取れないこと。

鴻池運動公園のスタバで一服しようと登ったらまだ開店前、とか。計画してもうまくいかないのに、無計画なら更にうまくいかないことが増えるばかり。

それでも南大門を見上げて、

皆目逃げない鹿に借景させてもらって、

浮雲園地を流しながら見上げる夏の空の美しさで、近場にこんな場所があるありがたさを再確認。


とてもありがたいことが多いのに、時間に追われて感謝の気持ちをすり減らして、習慣的に感謝の気持ちを表面に出せる人々に遅れを取り続けて、惨めな気持ちに追い込まれ、だから遠く離れた過去への感謝の気持ちなんて言うべくもなくなる。それを取り戻すための仕掛けがまだ見つけられないけれど、探し続けている。

”誰もが同じものを 同じとき 同じように 愛せないけれど" (『ROOTS』/B'z)

その仕掛けをもしかしたらこの自転車という趣味が阻害しているのかもと最近思い始めている。思うように乗れず、練習もできず、もうかれこれ8年もやってこれくらいしか伸びないし、思うように乗れないことがストレスになるくらいなら、そんな趣味は捨ててしまったほうが良い人生を送れるのではないか。

”この河を辿ってゆこう 悲しみのルーツを探して”(『ROOTS』/B'z)

独走会 - 2018/07/01 津 95.6km

覚えてもらえているというのは、どういうことか。

 思えば本当に人とのつながりを粗末にしてきた人生で、人生のステージが変わる度にそれまでの人間関係をばっさり絶ってきた。中学生から高校生になったときもそうだし、高校生から大学生になったときもそうだし、大学生から社会人になったときも、社会人で転職したときも。より現在に近いステージの人間関係はまだそれでもいくつか保ってもらっている人たちがいるけれど、学生時分は本当に酷かった。保育園の頃からの友達で、高校進学で別々の高校に進んでしばらく疎遠になっていたマエちゃんから社会人になったかならないかくらいの年に不意に年賀状をもらい、そこに「返事はいいよ!永遠に友達!」と書かれていたのを読み、返事を出そうかと思ったものの「返事はいいよ」と書いてあるのだし出したら却って迷惑なのだろう、などと考えられない薄情さでそのままにしてしまったり、中学生時代、MSXでゲームづくりに夢中だった僕は、同じようにゲームづくりが好きなドンちゃんとゲーム制作グループのマネごとをやっていて、PCを持てなかったどちらかというと厳しい家計の家庭で育っていたドンちゃんにゲームシナリオを描いてもらい、それを僕がプログラミングするということをやっていたのだけど、中3も夏休みをすぎると流石に時間が追いつかなくなり、それでもドンちゃんは毎月律儀にシナリオを書いて渡してくれ、一向に出来上がらない状況にも「いいねんいいねん楽しいから」と何も言わず、そうこうしているうちに受験も終わり、ドンちゃんとも違う学校に進むことになり、その少しの罪悪感も新しい高校での仲間に馴染んでいくうちに薄れていって忘れてしまった。

 流石に社会人になって何度か転職してしばらくして、この人間関係の粗末さ加減は取り返しがつかないと気づいたものの、そのときはもう本当に取り返しがつかなかった。周りはみんな、人間関係というものをビジネスでも十全に利用していた。それは至極当然のことだった。ビジネスは人と人がやるのだから。中途半端にテック界隈を過ごしてしまった己の勘違いを恥じた。それでもせめて並のテックスキルがあれば渡っていけただろうけど、もはや僕にはコーディングのスキルすらなかった。

 どれだけSNSが浸透しても、会わなければ関係は希薄になる。ところが、僕のことを覚えてくれている人がいる。例えば、TRANSITで出会った向井さん、ヤッさん、キンコさん。去年は不意に昔の会社の恩師が連絡をくれたりもしたし、当時のビジネスパートナーで一緒に仕事をさせてもらっていた方からも連絡を頂いたりした。

 覚えてもらえているということは、どういうことだろう?

 もう二度と会わなそうな人なら、もうどうでもいいじゃないか。僕の薄情さは、紛い物の潔さと根っからの無精で成り立っていた。だから、一期一会とか、まったくよくわからなかった。だけど、そんな薄情さを全面に出している僕を覚えてくれている人たちがいる。

 自分を思い出してみようと、100km走れる、故郷を辿るルートを選んでみた。


 笠置。いつか早朝に事故に遭ったことを思い出す。


 上野。母校の周りに並ぶ家庭教師の幟。あそこにも間違いなく僕の人生の分岐点があった。


 長野峠。大学生の頃から未知に挑まない性分だったから、完全に地元と言える場所なのに知ったのはほんとにロードバイクで走ってから。


 津。今、間違いなく僕は再び人生の分岐点にいる。いい加減にやり過ごしてしまった時間は取り戻せない。それでも僕のことを覚えてくれている人たちがいる。もうマエちゃんやドンちゃんは僕のことを忘れているだろうし、僕の後悔なんて朝露よりも小さい、気にも止めないようなことだろう、だから僕から声を掛けることはもうできないだろう、だから、だからこそ、僕は今まで僕と関わってくれた人々に感謝の気持ちひとつを忘れずに生きていこう。

 ”いくら舌打ちしても 戻らない日々よ”
 (『ミエナイチカラ』/B'z)

 そう思いながら到着の写真を2,3枚撮っていたら、おじいさんが話しかけてきた。「遠くからおいでですか?」一期一会の意味を少しだけわかった僕は、おじいさんの奥さんであろうおばあさんが「おじいさん、早く」と横断歩道の向こうから急かすまでの五分ほどを、淀みなく会話することができた。

 知っている道でも走る度に新しい道になる。独り走るのはどの道を走るのであっても、新しい道を探すことに同じ。

 以下、箇条書き:

  • 今回は本当に調子がよかった。60km過ぎからのいつものペースダウンも乗り越えることができた。後半も、太ももの痛みで回すのが嫌になることなく、走り終わってもまだ体力に余力があった。
  • この好調に思い当たるのは毎日のストレッチか。ハムストリングスが硬いのはよくないと分かっていたので、ここしばらく就寝前の運動はストレッチとブリッジにしていた。
  • ストレッチとブリッジにできたのは、毎日のローラーを4分インターバルから普通の10分間走に変え、体重コントロールはこっちでいいかなと思ったから。もちろん、ペダリングの改善にも繋がっていたと思う。
  • 今回の課題は向かい風。伊賀上野抜けて長野峠までの20km、平均3%くらいの登りがだらだらと続くところをずっと向かい風で辛かった。それでも気持ちが萎えることなく登りきれた。
  • 休憩のタイミングで毎回しっかり補給するようにしてみた。塩おにぎり1個とエナジーチャージ系のゼリー1つ。28kmの笠置と50kmの伊賀上野で。伊賀上野ではメイタンも。これがよかったのだと思う。
  • SUEWを今回始めて完璧に装着できた気がする。
  • チェーンが、特定のギアのときにカシャカシャいってる気がする。抵抗はないし速度も問題なく出てるので支障はないんだろうけど一度チェックする。

独走会ランナバウト・街のサテンで豆を買う - 2018/06/17 ROKUMEI COFFEE

美容院行くついでに富雄まで。身軽で気軽なご近所ライド。

とは言え、平均斜度5~6%の上り・下り路なので、行きも登るし帰りも登る、という加減良いルート。帰路はいつも文字通り帰路でしか通らない、つまりライド熟して疲れ果ててる状態でしか登ったことなかったので気持ち億劫だったんだけど、体力がある状態ならさすがに普通に登れた。

やっぱマンデリンですよマンデリン!ビターストロングをガンガン飲む!と言いつつ、開店一周年記念の10%増量カードをもらってたので、グァテマラCOEも一緒に購入。フルーティフレイバーと言われるような種類の中では、グァテマラぐらいまでが好み。ちなみに今回は体力も気持ちも余裕があったのでバイクラックは正しく使えました。

最近、大型のサドルバッグをだいたい使っているので、ロードバイクを日常使いするときちょっと手間だなと感じてたりしてたところに、ふと思い出したウィングナット・バイシクル・バックパック。ときどき街でも見かけますが、バッグの位置が腰くらいまで低いタイプのバックパックで、前傾姿勢を取ったとき背中に背負わないので負担が少なく暑さも少ないという機能性。何かを背負って走るというのがどうもカッコよくないなと思って最近全然使ってなかったけど、やっぱりこのバックパックよくできてる。で、さっと家を出て走り出せるように、リペアツール類はこんなふうに、
100均とかでよく打ってるツールケースに、スペアチューブ・タイヤレバー・マルチツールの3点セットを詰めて合って、大型サドルバッグのときはこのまま詰める、バックパックのときでもカバンにこのまま放り込んで出発、と、煩わしさのないような工夫。いよいよシーズン本番、お使い程度でもこまめに乗るようにするぞ。

以下箇条書き:
  • 右シューズのSPEEDPLAYの遊びが大きくなり過ぎているのでアジャストする。
  • 体幹を使った登りが少しわかってきた。
  • いよいよサドルがちょっと低いか?
  • 後輪が圧不足でパンク寸前だったので忘れず入れなおす。

独走会 - 2018/06/03 高の原-大津-京都 61.8km

ばらまいてよ Good News。
(『SUPER LOVE SONG』/B'z)

ネットが浸透して、何が一番大きな影響かってやっぱり流言飛語とかデマとかフェイクニュースの類の爆発力だよなあと、その昔は口コミで取り付け騒ぎが起こったりしたことを思い起こしながら考えることが多くて、やっぱり今までにない革新的なものが現れたとき、それを徹底的に利用しようとするのは善いことをしようとする人より悪いことをしようとするほうなんだなあと少し絶望的になったりもする訳で、そんなとき決まって思い出すのが「ばらまいてよGood News」という、あの曲に唐突に現れるフレーズ。やっぱり、悪いニュースに塗れて生きるより、グッドニュースをできるだけ伝えるようにして生きるほうが当たり前によい人生になるよなあとつくづく反省する。

なので、今回、できれば長距離走れれば走りたいけど家からだと行ける先が決まってるので、ちょっとでも輪行で帰ってきやすいところまで車で行こうと特急の止まる高の原まで車で7:00過ぎに行ったら当て込んでいた駐車場が軒並み8:15営業開始でのっけからテンションが下がったとか、それでも中途でやめるのはやめようと走り始めて最初の休憩地点と見込んでいた宇治田原のコンビニが潰れていて撃沈したとか、そのうちやっぱり喉が少し痛いような気がして今日は遠出は断念とか、そういうことはうだうだ言わないことにする。

QUOC NIGHTは相変わらず調子いい。

うだうだ言わないけど、それでもさすがに、遠出を断念したけれど大津から輪行はさすがにちょっとと思い、京都までは走ることにしたものの、大津ー京都間のルートだけはほんとに閉口!

一般的には1号線だと思うんだけど、追分あたりのルート変更がほんとによくわからなくってキライで、あの辺をパスするために今回は小関越ー琵琶湖疏水第一堅抗というルート。

ほんとにここからであってるのか…

疲れてまともに撮れてない琵琶湖疏水第一堅抗。

下ってきたところで出会った京阪京津線。四宮駅。

この辺まではよかったんだけど、この先、旧東海道を走った先で大迷走。

GARMINもGoogleも、渋谷街道では西に行けないと言う。GARMINは醍醐道に導こうとしてたようで、途中で「これあってる?」と気づいてさすがに怖くなってしぶしぶ1号線ルートを選択。あそこめっちゃ怖い…。

大津ー京都間のいい道があればかなり走る選択肢が広がるんだけど、みんなあんな怖い思いして京都から大津に出てるんでしょうか?もっと北側の峠で出てるんでしょうか?ちょっと調べてみよう。

極めつけは帰り近鉄特急で輪行しようとして特急券買おうとしたら、まだ12時台なのに案内される特急が15時台!「なんで!?」と思ったら日中の特急は高の原止まらないらしい…完全に誤算。でも日中の急行はそれほど混むこともなく、自転車担いでてもあまり人様にご迷惑かけることもなく無事帰ることができました。

マイナスに考えることはいくらでもできるし、悲観的なところを自分の特徴みたいに考えてきたけれど、この先自分がどんなことをしてあげられるかなと考えると、できる限り前向きで少しでも何かをよくする楽しくするほうが望ましいと心底思ったので、今回のライドも、短い距離だったけれど、口をついたのは「梅雨前の貴重な晴れに走ることができて嬉しい」だったのでした。

箇条書き:

  • 喉の痛みの不安はあったものの、走り自体は快調だったと思う。走っている間に疲れは一切出なかった。
  • 前日にフレイムで読んだ、「小指で握る」は結構効果あったと思う。
  • やっぱりもうちょっと食べないといけない。
  • 感覚的には、こうやって山道が好きになるんだろうなあという感じ。やっぱり、車が多いのは怖い。
  • 高の原案は今後却下。
  • ビブは3/4でもよかったかも。結構、ロング履いている人を見かけた。
  • 初志貫徹すること。計画を途中で変えるときはもっと細心の注意を払うこと。
  • 平地巡行30km/hを目指す。