独走会 2015/06/07 宝山寺

時間は誰に対しても平等に流れない。であるが故に必ず有効に使える訳ではない。

少しの時間が出来たので、玄関出て1分でスタート地点の宝山寺クライムへ。距離にして2km弱、獲得標高約150m、つまり平均斜度約7.5%というなかなかでほどほどのクライムコース。20分あれば行って帰ってこれるこのコースでも、20分が生まれたときに即出発できる準備が整ってないとその時間を有効に使うことはできない。時間がないないというのであれば、時間が生まれたときに即座にその時間を有効活用するだけの迅速さがないといけない。時間が出来たときに限って、何をするでもなく時間をやり過ごしてしまうのも人の性根という感じはする。だから有効活用するためにスケジュールを立て調整を図るという慣習が生まれるけれど、それを人は誰しも心がける訳ではない。不確定要因に逆らおうとしない人間もいるのである。時間は自分の努力だけで、必ずしも有効に使える訳ではない。そう思い知るからこそ、わずかな時間でも有難いと思い、より活きた時間にしようと心から思うものである。だから、わずかなその20分を、心拍数を限界に上げる辛い時間にしてまで坂を登るのである。


独走会 2015/05/30 馬見丘陵公園

独走というのは、決して、他人を受け付けないということではありません。むしろ、その逆なのです。

富雄のスーパーかっこいい自転車屋さんTRANSITのマスコットキャラクター・ヨシダさんから「明日走りませんか?」というメッセージ。ちょうど時間が取れていたので走るつもりだったのでお受けしまして8:30にTRANSIT前に集合、サコウさんと3人で富雄から馬見丘陵公園の往復約46km走りました。家を出てからフロントのブレーキシューが削れ切ってることに気が付いた整備不良の私を、なんでも出てくる四次元カバンを持ってるサコウさんがシューを出して救ってくれました。

何のために独走を掲げるのか?それは、究極的には「誰とでも走れるようであるために」なのです。生きるのは独りでは生きられない、というけれど、独りでやれることは独りでやろうとする人間の集まりでなければ、助け合って生きていくこともできないはず。それほど熱心に練習できる訳でももともと体力自慢な訳でもない自分は、こういうお誘いを在り難く頂いたときに出来る限り足手まといにならず楽しく走れるように、そのために日頃独走を心がけるという次第なのです。

富雄から馬見丘陵公園のルートはとても気持ちいいです。馬見丘陵公園は美しく整備された公園で、ツーリングの目的地に向いてます。


独走会 - 2015/02/08 生駒市総合運動公園

朝から走ろうと思ってたらいつもの如く雨に降られたので、夕方、近場のちょっとした登りを。16倍速の擬似タイムラプスで。

手軽なクライム練習コースと言えば宝山寺、なのですがあれでもちょっとキツいな、と思う弱気なときは総合運動公園へ。1km・8%でいい気晴らしできます。登り始め地点まで3kmあるのでウォームアップ・ウォームダウンもできて30分でお手頃。

この日も風がきつくて煽られ煽られ、登りで路肩に寄せてられなくなったことも(遅いからですが)。どの車もクラクション鳴らしたりはなくて、とてもありがたかったです。安全運転。

タイムラプスって凄く難しいことだったんですね~。動画があればコマ飛ばせばそれっぽくなるのかと思ってました。成らん(笑)。

独走会 - 2015/02/01 大神神社

さすが大神神社の朔日参りは大変な人出でした。想像以上でした。

生駒に住んでいますので朔日参りと言えば宝山寺、なのですが多少時間がまとまって取れたこともあって、ネットで調べたら朔日参りの風習が大神神社にもあると判ったので大神神社に参拝に。片道30km、1時間30分を目標に。法隆寺から田原本に抜けて24号線に出るところまではすこぶる快調だったのですが、大神神社を24号線沿いと勘違いしていてここから迷走が始まり、一時は真逆に曲がったりして結局相当タイムロスして1時間45分かかってしまいました。後ろの時間もあったので参拝も御朱印もままならず、鳥居で写真だけ取って退散するハメに。

残り時間が1時間30分を切っているので、自走で戻ると間に合わないかも知れない、なのでスマホで電車を検索してみても、場所が大神神社なのでJR、本数が少ないし近鉄にどこで乗り継ぐねん・・・と思ったら天理で乗り換えるというルートが。なるほど天理か、天理だったらJRを待たなくてもそこまで走って行けるなあと40分あるし、と、大神神社から天理駅までの10km強を走ったのですが冬の午後の北風にまともに煽られ、道は遮るものの何もない田畑の中の田舎道、ときどき吹き飛ばされそうになりながらぎりぎり天理駅に辿り着いたのでした。

今回、ウォーキートーキーハンドセットというアイテムを実戦投入。

要はスマートフォンに接続するスピーカーマイクなんですが、ボタンを押している間は相手の声が聞こえない(こちらが話す)等々、ちょっと「なんとかかんとか、オーバー!」的な気分のオモチャで、ちゃんとこれだで着信に対応できるというところがおもしろいなと思ってamazonで買いました。

でも、これを見ていちばん「これだ!」と思った使い道は、「Googleマップのナビを喋らせること」!
こんなふうに首元にクリップしておけば、Googleマップのナビゲーションが聞こえるんじゃないか?と。

目的地ゴールまでの道のりはルートラボでつくってGARMINに入れてるのですが、到着した後、その近辺で2,3立ち寄りたいお店(主にラーメン屋)がある訳です。私のGARMINは英語版Edge 800なので、スポット名等全部ローマ字で直感的じゃないので結構迷うことが多く、市街地の目的地へはスマホ片手に、というパターンで時間を無駄に食うことしばしばなので、いっそナビが聴けるようにすればいいのではという発想。ならばあのグーグルのCMみたいに「ここからどこそこまで」みたいに音声検索で、音声検索の起動も「オーケーグーグルで」、そしてナビは音声で、と考えたらこのウォーキートーキーは使えるんじゃ?と思ったのです。

今回、実際に大神神社から天理駅まで使ってみました。走行中は風の音でナビ音声が聞こえないんじゃ?と不安でしたが、だいたい、曲がらなければいけないところでは速度が落ちてるので十分ナビは聞こえます。カーナビと同じくらいの要領と思えばかなりスムーズにルートを走ることができます。日本のGoogleマップは自転車ルートに対応していないので、徒歩ルートを使うことになるので、稀に「ほんとにここか?」というルートを案内されたりもします。なので自動車ルートで検索するほうがよいかも。いずれにせよ、ウォーキートーキーはなかなかおもしろいアイテムでオススメです。

独走会 2015/01/25 若草山・手向山八幡宮・東大寺

世間ではグラベルライドというのが流行ってるそうですが、お試しグラベルに若草山はよいと思います!

奈良公園の鹿はみんな保護されているはずですが…まるで野生みたいな小鹿にも出会えたり。

登り口から約3km、登ればもちろんこんな清々しい光景が。言うことなしです。
ただ、23c履いていると下りはそれはそれは怖いです。登りと同じ速度で下ってました。

山焼きの次の日だったので、春日大社と東大寺に詣でるのがよかったんですが、春日大社は初詣に来たところだったので、と思いながら流していると知らないうちに手向山八幡宮の前に。名前は知っていたのですが詣でるのは初めてでした。少し古びて人気の少ない境内が、三月堂のすぐそば。これからは近くに来たら必ず寄りたくなるように思います。

大仏様を観ていつも「こんなデカいもの作ろうと思ったって凄いよなあ…」と感じ入るのですが、この日は「奈良ってなんでこんなデカいもの作ろうと思った人が住んでた地域の子孫なのに、せせこましくて怠惰で、でっかいことやろうって感じじゃないのかなあ」とふと落ち込んでしまいました。


手向山八幡宮と、東大寺大仏殿の御朱印。大仏殿は「無心」という御朱印も貰えるそうで、今度行った際は「無心」を頂こうと思います。

「チャリロゲ生駒」参加してきました!

教訓:ビンディングは偉大。


先週の12/21、チャリロゲ生駒に参加しました。チャリロゲとはフォトロゲイニングを自転車でやるイベント、じゃあ「フォトロゲイニング」って何?と言うと、配布される地図を頼りに制限時間内にチェックポイントを回り写真を撮り、各チェックポイントに割り当てられたポイントの合計で順位を競う、というイベントです。詳しくはこちらhttp://photorogaining.com/event/kinki/2014-12-21.html。地元生駒で自転車イベント開催とあって、喜び勇んでエントリしました。

でも、「フォトロゲイニングってどんなもんやろ?」とサイトを見てみた感じ、結構アットホームな感じのイベントだったので、参加する人みんなリラックスムードで、中にママチャリとかあったらどうしよう・・・対して走れもしないのに格好だけ本気なのカッコ悪い・・・とうだうだ悩み、結局、スピードプレイにはフラット変換を履かせて会場に。


9:00受付開始で9:00に飛び込んだんですがもうほぼほぼ参加される方は到着しているような状況。車載で現地入りされてたり、もうやる気満々な感じでみんなビンディングでした・・・。

肝心のフォトロゲイニングは、渡される地図がこんな感じ:

普段、自分がいかにグーグルマップに頼りっきりかが判ります。

なんにもランドマークのない地図ってほんと見るのが大変。今回、まだ自分の地元だったので、確実に場所のわかるスポットに行ってそこからの相対位置で進めていけたけど、知らない土地だと難しそう。地元でも、この辺なのに~と思いながら見つけられなかったスポットがあるし、徒歩と違って自転車って結構進んでしまうので、微調整が難しいというところもあってその難しさが面白さに繋がってました。


チェックポイントの案内はこんな感じ。これと同じ写真を撮ります。ゴール後、写真を見せてチェックポイント通過証になります。

自転車ということで一番難しかったのは、地図をどう扱うか、じゃないかと思います。あんなでっかい地図と思わなかった。ブルべでよく使われるような地図台をハンドルに取り付けていた人がいて、あれが最善かなと思いました。どのくらい進んだかも分からない中、進んでは地図を出して見、とかしてると自転車なのに歩いてるくらいのスピードになってしまうので。


最初の作戦は、とにかく脇目も振らず、帰ってこれそうな一番遠くのポイントまで走っていき、そこから戻る過程でチェックポイントを通る、だったんですが、途中、総合公園の歌碑というのがちょっと寄るだけで通過できそう、と思ったのが失敗で、どんなに探しても見つけられず、これだけで30分くらいロス。仕方なく方針を切り替えて、総合公園から至近距離で絶対わかる稲蔵神社を出発点に、宝山寺に向かう途中のチェックポイントを通過して宝山寺に行き、暗峠関連のチェックポイントを熟して後はゴールまでの道中にあるチェックポイントを通る、という方針にしました。

スタート10時で5時間制だったんですが、もともと5時間やりきるつもりはなく、14時で帰る予定だったので、この方針でちょうどいいくらい。


いくつかのチェックポイントは特典があったんですが、「あんぱん」では好きなパンを貰えるということで、あんぱんを貰って宝山寺登って生駒市街を見下ろしながら食べました。地元民ならではの発想です。

それにしても宝山寺、暗峠、フラットペダルだとあんなにきついのか~と思いました。昔はトゥーストラップであそこ登ってたことあるのにな~と思うと自分の衰えと、道具に頼ってしまっているふがいなさを嘆きます。暗峠は大阪側への下りのほうがよほど怖かった。下りを押して歩きました。足中攣ってたいへんでした。

「意外と場所が分からない感」がすごく楽しくて、チームで出たら燃えるだろうなあと思いました。主催の方と話をしたら、生駒はフォトロゲは5月で定着していて、チャリロゲも冬開催で定着させたいとのことで、次回もぜひ参加したいなと思いました。


街のサテンで豆を買う 工場跡

自分でドリップするようになって新しく自分に生まれた考えというのが、「効率的にやってはいけないことがある」ということ。

ペーパードリップは、豆を計量して、挽いて、サーバを温めて、ペーパーフィルタにお湯をかけて、お湯を沸かして、まず蒸らして…とたくさんの手順を踏むので、職業がSEの私は、どうやったら段取りよく最短時間で淹れらるか?と考えて工夫をし始めていました。そうやって何回か淹れていて、味に違いが出たのか出ていないのかなんて分からないんですが、でも、「あ、コーヒーってこうやってせかせか淹れるもんじゃないな」というのはふっと心底思ったのです。コーヒーを淹れるというのは、ひとつひとつの所作を落ち着いてゆったりやるということ。強いて言えば、落ち着いてゆったりやるだけの時間をきちんと確保するために、他の日常事をだらだらせず手際よく済ませていくこと。これがコーヒーを淹れるという生活かと思い至りました。だいたい、効率を追及しだしたら、豆だって大量にまとめ買いしたほうがいいということになるし。もちろんそんなことできません。直近で飲むだろう適量を都度買わないと。

それからは、お湯を沸かしながら豆を計量して…とか、何と何を並行させられるかとかは止めました。落ち着いてコーヒーを淹れることがひとつの瞑想になるようにしたいというところです。

さて今日は先日、東大寺戒壇院そばのお気に入りのカフェ工場跡で買ってきた豆で淹れました。工場跡でカフェオレ飲んで支払のときに豆が売られているのに気付いて、「どんな味ですか?」とお店の人に聞いてしまう自分も間抜けですが(今飲んだのがその豆で淹れてるだろうっていう)、「飲んだ後はすっきり」とお店の人が教えてくれた通りでした。ブレンドですがクリアで飲んだ後は確かにすっきりです。強い後味を残しません。ちょっと苦味が長続きするかな?という程度です。パッケージに「by 香豆舎」と書かれていたので、香豆舎の存在も知れました。今度足を延ばしてみようと思います。

街のパン屋でパンを買う - 2014/11/02 こはく。

久し振りに初めてのパン屋で買いました。馴染みのルート上にあるのに一度も行ったことのなかった人気のお店「こはく。」。

JR関西本線の法蓮の踏切近く、というよりも「くるみの木」の道向、というほうが通りがよさそう。こじんまりとした佇まいですが、店に入った際の目移り具合は富雄の「ブランジェトミオ」に匹敵でした。

相変わらず写真を撮るという意識が徹底できず、一個(栗あんぱん)食べてしまってから思い出して慌てて撮るという体たらく。しかもパンの名前を全然覚えらず。左上から時計回りにチーズ(見ればわかる)、ぶどうパン(これだけは覚えてる)、ブルーベリー(だけじゃなかった)。ぶどうパン以外は、メインの食材以外の組み合わせが豪華。高揚します。

味はハードにもソフトにも寄りすぎていない絶妙なところをついてると思います。そして値段も至ってスタンダードです。これであれだけバラエティに富んだ品ぞろえされると、片っ端から買って帰りたくなるというもの。このタイプのパンを買うなら今後確実に候補に入りそう。行ってよかった。

独走会 2014/10/18 生駒-めえめえ牧場ラウンドトリップ ヴィア鉢伏峠

最高の秋晴れの中、遠足よろしく山添村にある「めえめえ牧場」までツーリングしました!牧場入り口まで…

14日の火曜から毎日、「週末どこ走ろう」と思いを巡らせ、おぼろげに「林道がいいな」と、過去に走った山間部の光景が頭に浮かんだのと、なるべく自走で距離を走りたいというのと、走ったことのない道で行ったことのないところに行きたいというのとで、Google Mapをぐるぐる回して思いついたのがめえめえ牧場。今年の夏は県内の鉄道沿線の草刈に大活躍したというニュースで有名になったし、一方で、布目ダムのように自転車ツーリングの目的地としてはあまり聞かないし、よし、めえめえ牧場に行こう!と思い立ったのでした。

ただ、県道80号は以前太安万侶の墓までツーリングした際に走ったので、今回は県道80号の少し南を走る林道、鉢伏峠を越えることにしました。

県道80号だとこんな感じで、

鉢伏峠越えだとこんな感じ。

ヘリポートあたりで合流してその先は80号。距離にすると80号のほうが1.2km長く、平均斜度は鉢伏峠のほうが1.8%きつい。5~6kmの距離で平均斜度1.8%変わるとこんなに違うのかというくらいきつかったです。途中、二回目の20%超の劇坂区間は、茶畑が広がってとても麗しい景色なんですが脚ついてしまいました。

この後、水間トンネル前も登らされ、布目ダム脇を通過した後もまた登らされ、「めえめえ牧場」という看板を見つけて右折した後も斜度8%前後の登らされ、

やっと「めえめえ牧場」入り口に到達したのに、

その先まだこんな坂登らされることを目の当たりして、もういいやここで、と完全に心が折れたのでした。

しかしさすが標高約500m、見晴は素晴しかったです。

でも登って下ったということは当然また登らないといけない訳で…。本当に這う這うの体で帰ってきました。ヘリポートにたどり着いて80号を下るだけになったときどれだけ安堵したことか。

なので下った先に待ち受けているノモケマナには寄ってしまう訳です。

獲得標高1,454m。自分的にはこれでも十分きつい数字ですが、その数字以上にきつい峠越えでした・・・。以下、箇条書き:

  • もうこの時期はショート+ニーウォーマーではダメだった。
  • 登り始めに足が攣る。これは以前からの課題。意識していないと登りで無暗に踏んでいる。
  • 左足のクリートが緩んでいるので直す。右のクリートの遊びを締めたのは良かった。
  • 下りでスピードを稼ぐとき、自信がないのか心拍が落ち着かないので休憩になっていない。下りの練習も必要。
  • 水分補給をもっと積極的にすること。

第3期いこま塾 第2回"“「あったらいいな」を形にする” 関西ワンディッシュエイド協会理事長 樽井雅美氏 に参加しました

詰まる所、「仕事をしている人は、市民活動などしなくてよい」ということか。

参加者6人でのワークショップの際、「樽井さんが自分と違うと思うところは何か」という問いに対して、「端的に主婦だということ。私は会社員でそれだけの時間がない」と言ったところ、「あなたぐらいの年齢の男性は仕事で脂がのっている時期だから、樽井さんと同じようなことはできないと思います。身近なところから始めればよいと思います」と、初老と見える女性が仰った。

その内容自体は全く私も同意見なんだけど、このやり取りに2つの違和感を持った。1つは、私の発言が、「何か大きなことを成し遂げたいと思っている」と前提されて受け取られていたこと、もう1つは、身近なことを何もしていないと前提されていたことだ。

私がこの「いこま塾」に参加しようと思った動機の中で最も大きいのは、「地域のことをほとんど知らない、地域活動に参加できていない」という反省。だいたいの中年サラリーマンは「地域のことをほとんど知らない、地域活動に参加できていない」という批判に当てはまると思う。確かに、仕事に24時間すべて注ぎ込むのは大変だけどやりやすいことだし、そのほうが仕事上の成果も上がるけれど、自分が住んでいる地域のことを何も知らない、地域に何も貢献できていないというのは生活者として不完全と確かに思うので、自治会やその行事や市のイベントにできるだけ参加するようにするようになった。この「いこま塾」への参加もそのひとつ。

今日の内容は全国的にも注目されている活動の主催者の方の話だったけれど、内容はともかく、私のような中年サラリーマンがこういったイベントに参加するだけでもかなり珍しいことだと思う。私はその「中年サラリーマンがこういったイベントに参加することが珍しい」という状況そのものを改善していかないと、市民の成熟というものはないと考えていた。

ところが、このイベントに参加している人の意識も大半は、「中年男性サラリーマンは、身近なことですら、地域活動には参加していなものだ」という前提を持っているという印象を受けた。仕事を持っている人は、仕事をしていればいいというのが大半の意識なのだ。

私はここで大きく落胆したが、更に一歩進めて樽井さんの言葉を思い返した。「育児のストレスが重なって、自分が社会と繋がっていないような感覚になって、何か少しでも社会と接したい一心で」。市民活動というのは、こういうことなのかも知れない。行政では不足する仕組みやサービスの遂行とか、いろいろなメリットは言われるものの、最大のメリットは社会との接続を生み出すということなのかも知れない。そう考えると、主婦や退職世代が市民活動の中心というのは改めて自然だと思える。そして、仕事をしている人間は、仕事によって社会と接続できているので、改めて市民活動で社会と接続しなくてもよいと言われているように思える。

そう言えば最近、会社で子持ちの男性3人が続けさまに「自分は仕事でおむつ代を稼がないと」「自分の稼ぎがなければ子どもを食べさせていけないのだから」と、仕事に没頭することを肯定するための「常套句」を言うのを聞き、なんと旧態依然としているのだろうと驚いたことを思い出す。最初に書いた通り、24時間フルに仕事に注ぎ込むのがいちばん容易いこと、けれど現代の我々は、そうではないやり方の実践を求められている。ルールがないからといって遮二無二時間を仕事に費やすことを当然視できない環境にいるのだ。もうひとつ、新聞の夫婦お互いに対する不満、といった特集で、「喧嘩の最後には「誰のおかげで食べていけるんだ」と言われる」という20代女性の声があって驚いた。その言葉は今や言ってはいけないものとして同意がとられている言葉と思っていたから。世代を超えてまだ使われているとしたら、国民性というのはそうそう変わらないということなんだろうか。

いろいろ考えたけれども、やはり地域活動に参加する市民は、老若男女まんべんなく参加している状態が自然であり理想だという考えは変わらない。だから、中年サラリーマンが地域社会に参画できるようなスケジュールや取組を真剣に考えないと、地域が歪になる時代がすぐそこまで来ていると思う。市民活動が助成金で育てられるとしたら、その助成金は誰が支払っているのか。市ではなくて、市民なのだ。税金なのだ。