走り初め、初氷と稲蔵トースト

手水の水の表面が凍ってました。

長い年末年始休暇で、しかも必ずや降るだろうと予想してた雪も全くでいい天気が続いたのになぜかロードバイクを駆る気が向かず、さすがにこのままうだうだと日を過ごすと乗ることが習慣から離れてしまうと思い、少しでも乗ろうと、近所で気になってた稲蔵神社まで。

なぜ気になっていたかと言うと、アルション東生駒本店に「稲蔵トースト」というメニューがあるのを見たその日の帰り道に稲蔵神社を見つけたからです。稲蔵トーストには米粉が加えられたハードトーストで、アルション東生駒本店にほど近い稲蔵は昔から米作りが盛んな土地で、その米をパンに活かしたいと開発されたという情報が、稲蔵神社のホームページに書かれていたりして、一度稲蔵神社を見て起きたいな、と思っていたのです。

 

稲蔵神社はこじんまりとした静かな神社です。矢田丘陵に差し掛かって在ります。168号線沿いの鳥居からまっすぐ1km程進むと辿り着きます。この168号の鳥居からの一本道がさながら表参道です。

 

稲蔵神社はこじんまりとした中に結構な数の鳥居があります。この石造りの鳥居が古くからのもののよう。

 


祭神は生魂明神と大宮能御膳神とのことで、「なんだろうその神様?」と思い、Googleで検索したのですが、生魂明神はこの稲蔵神社を紹介したページばかりヒットする。神社の神様というのは、有数で決まっていて、ある神様が祭られている神社が全国に複数あると思っていたので、ましてや「生魂」ならよく聞く名前なのでとても標準的な神様だろうと思ったので、何か腑に落ちないような感じ。更に調べて観て、生魂は生命の神、大宮能御膳神は五穀豊穣の神(こちらはいくらか情報があった)で、この二柱の神が、稲蔵の烏帽子岩に宿ったということで、稲蔵神社はこの烏帽子岩を磐座(いわくら)としています。

奈良は大神神社を始め、自然そのものを神体とする神社が多いと言われますが、僕の感覚としては、自然が神体ではない神社の神体は例えばなんだろう?と考え込んだりします。そのくらい、僕は日本的なアニミズムが感覚として身についているんだろうなと思います。

磐座と稲蔵。そして稲作。こういう言葉の音の連関を考えるのが昔から好きです。

 

境内は完全に無人。そんな中、本殿に御神籤があったのですが、「引かれたら御茶屋で番号を言ってください」と書かれていて、「御茶屋?そんなのあったっけ?」と思いつつ神社を後にして、ロードバイクを準備して漕ぎ始めた瞬間、脇のおうちの表に「お守り xxx円」等々書かれた張り紙を発見。「あそこだったのか~」と残念に思いながら、すぐ近くのアルションへ。今度、あの御茶屋に行ってみよう。

 

で、なぜかぼけている稲蔵トーストの写真(笑)。アルションのパンはおいしいので期待大、さっそく食べてみよう。

稲蔵神社の近くに稲蔵寺もあるので、今度御茶屋と併せて行ってみようと思ってます。

初雪、フラットペダルで往馬大社

新兵器「プラットフォーマー」を買ったので、試走に、家から2km強ながら行ったことのなかった往馬大社まで走ってきました。

プラットフォーマーというのは、ロードバイク用のビンディングペダルをフラットペダルに変えるパーツで、SPEEDPLAYというビンディングペダル専用のものです。普通の靴でもビンディングペダルを踏めないことはないのですが、とりわけSPEEDPLAYはペダルが小さくて、少し長く乗ると足の裏が痛い。できたらバイクを日常使いもしたいな、と思ってるので、プラットフォーマーを買いました。で、今日はジーパンに普通のパーカーにスニーカー、という普段着で、行ったことのなかった往馬大社へ。

往馬大社は創立年代不明というほどのたいへん古い神社だそうで、大神神社と同じで山を御神体として祀る神社だそうです。その山とはもちろん生駒山。同じ「いこま」でも「生駒」だったり「往馬」だったり、表記が複数あるのが奈良の地名のおもしろいところ。表記の変遷とか調べるとおもしろい。 

 

鎮守の森は奈良県の天然記念物に指定されているそうです。社の麓のこの鎮守の森を見上げると、生駒が如何に宅地開発された元「山」の街なのかというのがわかります。

 

今日は初宮詣の日だったようで、たくさんのご家族が来られてました。そんな中、本殿の前で柏手打つのも気が引けたので、石段途中の賽銭箱にお賽銭をあげて、境内を後にしました。

 

プラットフォーマーは、不思議なもので、ビンディングシューズ履いているよりもよっぽど安全なはずなのに、いつもと違うというだけでなぜか不安定に、特に漕ぎ始めが不安定に感じたものの、普通のスニーカーで十分乗れる普通のフラットペダルに早変わり、でした。ウィンドブレーカーを着て帰りの2kmを走るだけで十分体が温まりました。初雪の降った奈良ですが、ポタリングは寒くても楽しめるいい遊びです。

 

プラットフォーマーとはこれです:

B004GGOI0C スピードプレイ プラットフォーマー ホワイト(ZERO用)
スピードプレイ

by G-Tools

晩秋の遠足、若草山と古の墓参

太安万侶は、日本最古の歴史書である『古事記』を編纂した人物です。古事記編纂1,300年を思い出し、これを好機と遠足の行先に太安万侶墓を選びました。

最初はCYCLE SPORT.jpの「まんま・AO-HANI Cycling Team誕生」という記事を見て青葉仁会のことを思い出し、いつか行こうと思っていたハーブクラブに行こうと思ったんですが、若草山に登りたいとも思ってて、ハーブクラブまで行くとちょっとキツいかなと思い、その途中にある太安万侶墓を行先に選びました。

 

若草山へは春日山遊歩道で登ります。今日は春日大社で七五三があるようで人出が多かったんですが、春日山遊歩道もボーイスカウト風な集団や写真愛好家のご老人集団といった方々がたくさん登っていました。自転車も結構見ましたが、なにせ昨日の雨で、塗れ落ち葉がびっしり敷き詰められていて、スリップして大変でした。

 

若草山は何度来てもよい眺めです。今日もたくさんの人が登頂してきましたが、30歳前後と思われる、体格の良い男性二人(恐らく、バイクツーリングしてきたと思われる格好でした)が、「ええなあ」「な、結構ええやろ?」と言ってたのが嬉しかった。若草山に馴染みのある一方の人が、もう一方の人を連れてきたのでしょう。

 

登りも大変ですが、下りも大変。スリップしないよう気をつけながら下ります。途中、トレッキングをしている中年?女性にすれ違うときに「登り大変やったやろ?私もロードもってるけどなあ」とおっきな声で話し掛けられました。

 

お昼は、昨日なにげなく「食べログ」を見ていたら奈良のベストレストランの第3位だった「タリカロ」。注釈に「激辛カリー」と書かれていて、激辛好きとしては見逃すわけにはいきません。本日のスペシャルカレーを頂きましたが、確かに辛い。納得できる辛さです。周りを固めている豆カリーや豆せんべいが、その辛さを和らげるように、ごはんに混ぜて食べるということを教えてくれました。辛さも満足ですが、店員さんの説明や、席に書かれている説明なども親切で、よりカリーを味わえると思います。

 

高畑から県道80号で太安万侶墓を目指します。約7km、平均勾配6%の坂が続きます。最近、余りトレーニングをしていないので、心拍数がすぐ上がってしまうのと、どうも太腿の筋肉が疲れやすく疲れが抜けにくくなっていて、全然登れず、走り慣れたライダーに「こんにちは!」と元気に声を掛けられパスされました。

 

坂を上り切り、183号線に入ってからは、ロードバイクはおろか、通行人も車も全くありません。のんびり、山道を走ります。

 

「太安万侶の墓は茶畑の中にある」ということを読んでいたので、茶畑の広がるところが来たら注意しようと思っていたのですが、左手に茶畑が見えると同時に右手にトイレと思しき建物があったので、ちょっと休憩しようと停止したら、そこに「太安万侶墓」の文字。

 

こんな高台にそれはあります。

 

近くの茶畑で何かの作業をしているおじさんひとりだけ、後はほんとに人の気配は全くなし。太安万侶の生きた時代は人も少なくこんな気配だったのか、それともこの辺りも平城京周辺同様の賑わった場所だったのか。古事記が記しているのはそれよりももっとずっと過去のことな訳です。

 

途中、こんなダムがあるんですが、行きは寄ってみる気力もありません。

 

下山。見晴らしの良い下りの先に、馴染の盆地。

コースはこちら。

 

この後、春日野園地に立ち寄り、はっとして写真を撮り、フロレスタに寄り、TRANSITに寄ってコーヒー奢ってもらって、スペアチューブ買って帰ってきました。総獲得標高1,000km余り。まあまあ登った、晩秋の遠足でした。

海龍王寺、奈良公園でマハラジャ

秋の散歩ライド。ちょっと奈良まで。今シーズン初ロングスリーブ・ロングパンツライドでもあります。寒くなったね。

特にどこに行こうとも決めず、頑張って飛ばすつもりもなく、いわゆる「街乗り」したい、という気分で。思い切り長い距離走りたいのと、散歩みたいに走りたいのと、代わる代わる気分がやってくる。ま、とりあえず平城宮跡へ、という感じで。

平城宮跡では平城宮天平祭やってましたがスルー。なぜかと言うと、THROAT RECORDSの現地を確認しに行きたい、と思ってたのを思い出したから。で、みやと通りを通ってるとき、「これ、そのまま369に出ずに、あそこで左に曲がった方がいいんじゃないか?」と思ってた平城宮跡の南端の道へ。この道を出来る限り東に進んで奈良市役所に当たってから369に出るのがいちばんスムースと発見。収穫。

さて小川町への道。JR奈良駅前から三条通に入り、アミューズメントCUEを越えたところで左折したんだけど、なんとまあ三条を一本入るだけでこんな普通の住宅街が溢れてるなんて、知りませんでした。普通にブランコや滑り台のある公園がいくつもあって。

こんな近未来SF的な、あるいは古びた工業団地みたいな、不思議な景色に出くわしたり。

お目当てのTHROAT RECORDSは11/20オープンだそうでした。中に人がいたので、正面からアップで写真撮る勇気がなくてこれが限界。

特にアテもなくふらふら走ってたら、県庁前の奈良公園でC'festaに遭遇。奈良の著名店・人気店のメニューが楽しめる、今風に言うと野外バル、といった風情です。折角だからなんか食べようかな~と思って一周してみたら、なんと!!

「摩波楽茶屋」に再会!「あっ」と思って、僕のほうは店員さんも知ってる~って判ったんですが、行ってみたら「顔覚えてました」って店員さん言ってくれて嬉しかった(笑)。ここはほんとに旨いんです。

ココナッツチキンカレーヌードル。隠れちゃってますけど、大和肉鶏のおっきなツミレが入ってて、麺はフォーで、ちょっと辛めでおいしいです。散歩してきたおじさんにちょうどいい。店員さんに「また行くわ~」と言ってごちそうさま。

食後のコーヒーにcafe WAKAKUSAに、と覗いてみたらお客さん一杯だったので泣く泣く諦めて家路に着いたのですが、ふと思いついて、いつも通ってて気になってて行ったことのない海龍王寺へ。海龍王寺、ホームページもブログもfacebookページもツイッターもある、凄いIT先進寺院でした。びっくり。

これが気になってた表の看板?と言っていいのか。今年が辰年ということで名前に因むから建てられたのかな。

偶然、十一面観音菩薩の特別公開期間でした。この十一面観音、物凄く整った仏像です。顔も整っていれば、全体のフォルムも、装飾なんかも、とても整っていて美しいです。その整い加減から、現代に違和感がないので逆に親近感が湧くくらいです。偶然に身を任せていいものを観ることができました。

帰り際、「自転車ですか?」と話し掛けてくる女性が。聞くと、ボランティアで土日にお手伝いをしている学生さんだそうで、僕が手に取ったフリーペーパー「こしゃじ便り」も創っている「南都古社寺研鑽会」の方でした。このフリーペーパー、レイアウトがすっきりしていて、かつ、時流に乗って古社寺に惹かれた人が創ってるのではなくて、なんか地味に古社寺趣味な人が真面目に創ってる感じがとても良く出てます。ブログで見る限り第四号まで出てるみたいなので、各寺回って手に入れようかな。

本堂。びしっ と決まってるところと、若干田舎っぽさに通じる古風な感じが混じってるようで格好良い。

往復25kmあるかないか、たかだか3時間くらいの散歩でしたけど、ふらっと走るだけでこんなにいろんなことに出くわし、リフレッシュできるものです。今日は晴れてくれた天気に感謝。今度はどこに行こうかな~。

イオンバイクは文化か?

1万円台の激安シティサイクルを買ってあまりメンテもせず錆だらけにする人と、高級ロードバイクを買って3,4年で乗らなくなる人、どっちが自転車を愛してる?そんなに差があると言える?

僕はロードバイクに乗ってるけれど、シティサイクルを否定する物言いには懐疑的。おおよそ、「自転車文化」を語る向きは、シティサイクルを目の敵にしてる物言いで、例えば、自転車文化が成熟しているヨーロッパではママチャリに乗ってる人なんていない、とか言うけれどそりゃ嘘で、ここ数年で何度かヨーロッパに旅行しているけれど、ママチャリはごまんとあるし、自転車を愛するヨーロッパでは放置自転車なんてないって言うけど、放置自転車もごまんとありました。それに、日本で街乗りレベルで自転車を楽しむなら、シティサイクル=ママチャリがいちばん快適なはず。そんなにスピード出す必要ないし、そんなに長距離走る必要もないし、専用のシューズを履く必要もない。

「自転車文化」を語る向きの言説に影響されて、イオンバイクのような激安シティサイクルショップを、僕も少し嫌悪してたんだけど、いざ実際の店頭を見てみると、直感的と言うか本能的と言うか、そういう部分では「ええなああれ、1台欲しいな」と思っちゃう。なんなんだろうこの感覚、と思ってじっと考えてみたんだけど、これは、低価格のモノに惹かれるというよりは、社会に浸透させようとしているものに惹かれるんだろうな、と思った。僕はとても平均的日本人なので、たぶん、普通の人びとも同じような感覚なんじゃないのかな、と思う。

「自転車文化」を喧伝する人達は、1,2年前から始まった「ブーム」をけん引して、今まではロードバイク・クロスバイクをメインにして、今年はやたらとシクロクロスを推してくる。そうやって、新しいモノを紹介して、新しい高額消費を誘引する。けれど、だいたい、僕たちは、こういうのが一過性の「ブーム」だと、自転車に限らず、日本に住んでいると本能的に知っている。なぜなら、実際、今、「自転車文化」を喧伝している中で、数十年前にも自転車ブームがあって、その頃こういうのに乗っててねえ、という向きが、結局、そのブームが終わって最近のブームが起きるまで、バイクに乗り続けていない事実を知っているからだ。

定着しないものは、ブームであって文化ではない。それを承知で手を出す訳だから、価格は安いに越したことはない。そういう日本の特性を理解したメーカーは、その理解度が製品デザイン・設計に出ているんじゃないかなと思う。

「一生モノです」なんて言って売っていて、それが実際に一生モノだった現場を、日本で僕たちは恐らく見たことがないと思う。よほどの高額商品なら別だけど、そういう高額商品も文化ではあるけれど、それはその価格帯の世界の中では一定の時に耐えうる価値があるから文化と成り得ているのであって、4,5年で終わるならそれもまたただの「ブーム」。

なので、僕は、いわゆるスポーツバイクだけを偏重する胡散臭い「自転車文化」を奉る人びとよりも、イオンバイクのほうが自転車文化の育成に貢献してくれると思うようになった。ただ、それも、イオンバイクに勤めている店員さんのレベルと熱意があっての話。物凄い知識量はなくていいけれど、「たかが自転車」みたいなのが透けて見える店員が多いようなら、やっぱりイオンバイクもただの「激安」ショップで終わると思う。

アームストロングのタイトル剥奪と永久追放に思う-『ラフ・ライド-アベレージレーサーのツール・ド・フランス』/ポール・キメイジ - justanotherlife

本屋でふと見つけたこの本を読んだのは去年の11月。『ラフ・ライド』というメインタイトルと、サブタイトルにある「アベレージレーサー」という単語から、スーパーヒーローでない選手が遮二無二戦う話かと思ったら、自転車界に蔓延する悪習、ドーピングを正面から扱った話で驚き、一気に読んだ。

まさかあれから一年、自転車界のスーパーヒーロー、ランス・アームストロングがドーピングでツール7連覇のタイトル剥奪と永久追放という事態が起こるなんて。事件はドーピングに手を染めた選手やチーム組織だけでなく、自転車界全体に問題が偏在しているという報道に進んでいるけれど、何にしても、これによって「自転車」に対するイメージが決定的に損なわれてしまうことだけはないように願うばかり。競技ではない、趣味で楽しむホビーライダーにとっては、ドーピングなんて全く無縁のことだから。

ロードバイクとか、そんな高級な自転車でなくっていいんだ。シティサイクルで、ママチャリで、自転車の楽しみは十分味わえる。みんなそれぞれの楽しみ方ができればそれでいいし、そこが自転車のいちばんいいところなんだ。

4915841863 ラフ・ライド―アベレージレーサーのツール・ド・フランス
ポール・キメイジ 大坪 真子
未知谷  1999-05

by G-Tools

今、日本は空前の自転車ブーム。ほぼ連日のようにニュースでは自転車に関するニュース(それはたいていピストの暴走とかのあまりよくないニュース)が取り上げられる。エコな移動手段、健康的、クリーンなイメージと共にある自転車。でも自転車がブームになったのは今が初めてじゃない。1960年代にも大流行したことがあるらしく、当然だけどその歴史は古い。

本著が取り上げているのはそれよりはまだ新しく、1980年代後半のツール・ド・フランスを中心に語られる。1980年代と言えば日本は高度成長期からバブルに向かおうとする、正に現代に通じる発展を遂げてきた時代で、世界ももちろんそう変わらない。にも関わらず、登場するエピソードはいったいいつの時代の話なんですか?と繰り返し聞きたくなるくらいに泥臭く闇の世界的なある行為が語られる。ドーピングだ。

自転車競技は1980年代、薬物に汚染される道をひた走っていたらしい。ドーピング自体は禁止行為だったが、バレなければ構わない。というよりも、バレずに済むことが判っていれば使用する者が当然のように現れ、使用しない者は使用する者にどうやっても勝てないとすれば、これも当然のように誰も彼も使用するようになる。正に悪化は良貨を駆逐する。そこまでして勝たなければいけない最大の理由はスポンサーだ。つまり、1980年代のロードレース界は、金によって薬にズブズブと使ってしまっていたのだ。

著者のポール・キメイジは本著のサブタイトルに「アベレージレーサー」とある通り、華々しい戦績を挙げた選手ではない。であるが故に、ドーピングの告発を込めたこの本も、その発言も、「ぱっとしない選手がああいうことよく言うんですよね」式に片づけられそうになったらしい。ルールを破ることが成功するための唯一の道で、その中でルールを守ることを貫き通す勇気を、この本から学ぶことには意味がある。どんな世界でも、常にルールと倫理を厳しく守り通して競い合うとは限らない。むしろ逆で、ルールの抜け道を探し出すことが勝利に大きく貢献したりする。それでも、自分はそのようなことはしないというスタンスを貫く勇気と、そういうルールを補正し続けて行こうという持続力の大切さを知ることのできる良書。

 

宇治田原 41.8km オーバーカロリーライド

新立麺館でデリシャスラーメン食べて、完全にオーバーカロリーです!

先週の土曜、まさかの宙転クラッシュをやらかし結構広範囲に打撲したので、今日は行けるところまでライド。あまり走ったことのなかった精華町・京田辺・宇治田原方面を、リハビリ的に走りました。

10月の絶好の天候で、今までの自転車生活の中でいちばんたくさん他のライダーを見たな~。皆さん気持ちよさそうでした。

行先は途中で適当に食べログ検索して見つけた新立麺館に。「デリシャスラーメン」という写真のラーメンを頼んだですが・・・これで「並」です。新地のラーメン屋いったら、肉、たぶんこれの1枚分の半分くらいしか入ってません。すっごいおいしかったです。満腹です。よく見たら食べログのサイドタイトルは「大食いさん、いらっしゃ~い」でした。

そのまま帰ってもよかったのですが、京都から生駒に帰るのはなんであれ結構登るので、大事を取って新田辺から輪行。この時期、軽く流すのはほんと気持ちよいです。

以下、恒例の箇条書き:

  • 最近、とにかくgarminを切り忘れる!おかげで電車乗ってるときもログられるし、正確なデータが取れない。気を付けよう。
  • アップは大事。それ以上に、出発時の精神状態は大事。
  • インナーの調整すること。
  • 明らかにスタミナが落ちているので、ローラー台でトレーニング要。

大和から伊勢参りライド 132.8km

どこでも行ける、きっと行ける。
200km走破する自信が完全についた、そんな伊勢行でした。 

あわよくば200km走ろう、そう目論んで考えた行先が、三重・伊勢志摩方面。大王崎まで走ると200km。50km以上走れるチャンスが月に2回あるかないか、で2年間ロードバイクを続けてきたくらいの僕の実力にとって、過去の経験を踏まえるとこれはかなりのベストコースで、

  • 後半に登りが来ない。100km以降はほぼ平坦。
  • 100kmまでは信号のほとんどない道で、ペースを保ちやすい。
  • 100km以降、松坂・伊勢・鳥羽・志摩・大王崎と、小刻みにマイルストーンがある。
  • 帰りが近鉄で帰れるので、交通費が安くすむし早い。

しかも天気も願ってもない秋晴れ。もし、200km走るとするとどう考えても10時間+休憩1時間かかる。賢島からの最終が19時過ぎなので、2時間余裕を見て朝6時出発でいいのですが、更に余裕を見て5:30出発。前日から朝早く起きて、睡眠サイクルを少しずらす念の入れよう。

コースはこんな感じ:

高低差はこんな感じ:

春日山を越えて柳生に至る斜度5%・5kmと、伊賀上津から青山高原までの4%・7kmが、ホビーライダーの僕にとってのヤマ。

走るにあたって、経験上肝に銘じたのは:

  • 青山高原を10時(4時間30分)までに下り切る。
  • 最初の100kmを11時30分(6時間)で走り切る。
  • 休憩は5分以内に留める。
  • 携帯カメラで撮影したりチェックインしたりは出来るだけ手早く済ませる。

特に信号同様、携帯カメラの操作は意外と時間を食うもので、1時間に1回、5分食うと、6時間で30分も走ってないことになる。それ以外にも休憩をする訳だから、出来るだけ手際よく済ませるように気を付ける。

 

まずは大極殿。6時前。朝焼けが綺麗で一枚。

 

最初の関門、369号を登り切ったあたり。

 

柳生焼、知りませんでした。「柳生焼窯元井倉」。隣に喫茶店も併設されてて格好良かったので一枚。さすがに朝7時は開いてませんでした。


大きな地図で見る

 

月ヶ瀬に入り、名張川沿いを走ります。月ヶ瀬は梅の名所ですが、柳生からの道中、ときおり金木犀が香り、早朝の冷えた空気と相俟って爽やかに走れます。オートバイのツーリングの方もたくさん見かけました。びっくりしたのは、道路脇のちょっとした休憩所のようなところに、猪が寝ていたこと!!引き返して写真撮ろうかと思いましたが起こして追いかけられたら大変なのでやめました。


高校三年間を過ごした土地のローカル線。

 

8:45頃、伊賀上津手前のふるさと市場のようなところで休憩。手前の斜度8~10%の短めの登りを終えて一息。東大寺前を越えてからここまで、コンビニはひとつもありません。自販機もほとんど見なかった気がします。

ここから青山高原越えが始まるので、9時まで休んで補給食食べようとしたら、市場の人が車止めのチェーンを開けにきて中に入れてくれました。

「どっから来たの?」「どこまで行くん?」「まあ中に入って食べてもろたらええさかい」ありがとうおじさん、と思いつつ、この体のおじさんを「おじさん」と思ってるのは、たぶんオレがこの辺で過ごした中高校生の頃から変わってないよな、あの当時もこんな感じの人を「おじさん」と思い、それはたぶん40代だよな、この方はどう考えても50代ではない、ということはたぶん、オレとそんなに年は違わない、けれどオレはあの頃から20歳も年を取っている。そんなことを思いながら、青山高原に挑みました。

 

途中でなんどかイヤになりそうでしたが、回し続けることが出来、無事登頂。そして一気に下る!この下りは相当楽しいです。キツいコーナリングはないし、交通量も多くないし。

登りは、柳生越えの時に気付いたことがあり、右手はブラケット、左手はアップバーにすると、すごく楽になる。 それに気づいて、青山高原の登りでも、きつくなったらときどきハンドルの位置をそうしてました。体が歪んでいるのか、ペダリングがなってないのか、足の長さの違いのせいなのか、いずれにしても困ったときに楽にできるポジションを知っておくと良いと思いました。

青山高原を下り切ったところでファミマ発見。9:45くらいで、起きてから時間は経ってるもののそんなに空腹感はなかったのですが、冷たい飲み物で水分補給を続けてるので胃が少し冷えた感じがして、温かいものを取った方がよさそうだと感じて、ミニどん兵衛を調達。駐車場の車輪止めに座って5分待とうとしたら、ガタイのいいおじさんが「これから登るんですか?」と声をかけてくれました。

「いや、向こうから登っておりてきたとこなんです」おじさんは何でも昔体操をやってたそうで、短時間で最大出力を出すトレーニングと、自転車とは違うんやろなあ、でも登りは出力要るやろしなあ、みたいな談義で盛り上がりました。トレーニング談義で盛り上がりながらどん兵衛で胃を温め、思わぬ形で15分休憩を取り、登りの疲れを癒して再出発。

 

今回のツーリングのベストルートを挙げるならば、近鉄大三駅近くから入る県道661号線、雲出川沿いのこの道を挙げたいと思います。亀ヶ広と言われるこのあたりは桜の名所だそうですが、枝だけの桜並木の足元に居並ぶ鮮やかな曼珠沙華。川土手らしく素直に平坦で、見通しもよく、どこまでもどこまでもこのまま足を伸ばしていきそうになる、至極のルートでした。ここを走りにもう一度行きたいと思っています。


松崎浦町の、三渡大橋のたもとで100km越えの休憩。目標としていた11:30に100km越えができ、途中で十分休憩も取れていたので余力もあり、大王崎を目指せるかな?と思っていたところ。

100km越えでちゃんとした昼食を取ろうと思ってたのですが意外にコンビニがない。いわゆるファーストフードもない。ようやく見つけたミニストップで糖分を取ろうとアイスクリームを食べ、取りあえず松阪には寄らずに伊勢に着こうと23号を走り始めた僕に最初の試練が!


パンク!右に曲がれば松阪駅近辺、という交差点を越えて2,3kmの養川交差点で後輪がパンク。調べてみたら、長さ5mmにも満たない太いホチキスの針のような針金が見事に刺さってました。写真がそれ(右上のは輪ゴムです)。交換を済ませ、側にあった自販機でリアルゴールドを飲んで再び走り始めた僕にすぐさま二つ目の試練が!

ガーミンがバッテリーロスト!!

最近、バッテリーが持たないので、ルートガイドとか極力させないように走ってたんですが、これから伊勢によったり鳥羽によったりと思ってたところでまさかのバッテリーロスト。国道を走ってると、出てくる案内が車向けなので意外と曲がるところが判らなかったりで、ここにきて結構テンションが落ちる。

ともかく、伊勢までは20km少しだし、そして、久居からこっち、平地ということもあって不思議なくらい足はよく出るんだけど、心臓も別に苦しくはないんだけど、痛みとまでは言わないけど微妙な違和感もあったりして、これは今日はこのくらいで切り上げろということかと思い、伊勢神宮はお参りして、伊勢うどんは食べようと気を取り直し、さっそく曲がるところが判り辛く、路地に入ると途端によく判らず、ケータイを使いながら伊勢市駅前の開けたところを目指そうと走った僕の眼に飛び込んできたのは・・・

 

 「伊勢まつり」で歩行者天国になっている大きな道路でした!

その道路の先で踊りを踊りながら進む着物姿の女性の列を見、なんだろうあれはと近づいて写真を撮っていたら脇のおじさんに「兄ちゃんは大学生か?」と恐ろしい間違われ方をし、そうこうしているうちに気持ちは外宮・内宮参りをしておかげ横丁回って帰ろうと言う気持ちになり、伊勢うどんを食べて家路についたのでした。

 

僕を大学生と間違えたおじさん(笑)

 

自転車は神社に入ってはいけないともちろん知ってますので、外宮も内宮も敷地の外から覗かせてもらいました。伊勢うどんはやっぱりおいしかったです。

200kmを走るための残りの課題は、ずっと課題として判ってはいることですが、

  • 体力的に問題なくても、100kmを越えるとどうしても飽きてくる。5,6時間同じことをしているので。
  • なので、より早く走るためには、平地の速度を上げる必要がある。できるだけ信号のないルートで、巡航を上げる。

この二つを頭において、近いうちに200kmにトライしたいと思います!

    お勧め奈良サイクリングルート - 奈良盆地一周・大和三山と三輪山を拝む80km!

    奈良好きのサイクリストの僕が絶対の自信を持ってお勧めする気楽で楽しいツーリングコース!!
    今度の三連休、どこ走ろうかな~と決めかねているホビーサイクリストの方、ぜひ走ってみてください!
    大阪からなら生駒まで輪行でスタート・ゴール、京都からなら西大寺まで輪行でスタート・ゴールにすると楽々です。


    より大きな地図で 大和三山+三輪山周遊80km を表示

    奈良盆地のほぼ外周に沿ってぐるっと一周するルートです。厳しい登りはありません。気持ちよく楽しめると思います。ルートにはコンビニも潤沢にあって、休憩ポイントには困りません。初めて100km走破に挑戦しよう、という方にも、少しルートを伸ばして100kmにできる(例えば畝傍から明日香を訪れた後、香久山に向かう)、お勧めルートです。

    ちょうど走るのに飽きがくる40km越えあたりで、大和三山を拝めます。ここで、橿原神宮に立ち寄るのもよいです。ツーリングのメインを大和三山・三輪山・大神神社というちょっとシブめのポイントにしていますが、有名どころの法隆寺や明日香村、東大寺・薬師寺・唐招提寺や春日大社にも立ち寄れる、ほんとに奈良を満喫できるルートです!

    奈良を走ったことがある方にも、走ってみようと思っている方にも、参考になれば嬉しいです!

    宝山寺ミニヒルクライム1.6km +α

    生駒はほんとに楽しいワンダーランドです!サイクリストにとっても!

    なんてったって最難関峠の名を轟かせる「暗峠」がありますし、サイクリストにとって生駒は走りごたえ満点の土地なんですが、生駒山界隈にはおもしろいお店もたくさんあって、さながらワンダーランドなのです。

    そんな生駒の駅前に住んでいながら十分活かせてなかったので、今朝、TRANSITの皆さんと宝山寺に行く予定が雨で中止になったんですが、昼から天気になったので登ってきました。生駒駅前から宝山寺まで登り、宝山寺から南進して阪奈トンネルの上あたりで東を向いて下山、第二阪奈に沿って168号に出て北進して生駒駅に戻ってくるという8.2kmのコース。登りは駅から宝山寺までの約2km。この周回コース、ちょうどいい登りとちょうどいい直線でほどよくて気に入りました。

    宝山寺門前町の入口。
    登り口から1.6km、10:19かけて登りました。平均速度9.5km位?まだまだです。今日はいつもよりたくさんのサイクリストを見かけました。宝山寺にアタックする人、結構いるんですね~。この写真の場所はまだ宝山寺の入口ではないんですが、僕はお昼が食べたかったので・・・

    摩波楽茶屋に寄り道。

    ココナッツカレーヌードルセット、めちゃめちゃおいしかったです。

    バリかと思うような雰囲気、店員さんもみなインドネシアの方(と、思う、もしかしたら違う国の方もいるかも知れませんが少なくとも日本人はいないと思う)。楽しいお店でした。10分かけて山登ったらこんな店があるんだもんな~。
    そして宝山寺へ。
    ときどき小銭入れから出して置いておく小銭が溜まりに溜まったので、一気にお賽銭に。宝山寺では御神籤を安直に引いてはいけません、これは生駒市民の常識(笑)。
    宝山寺から南に下っていくと、「ケリノスギャラリーカフェ」発見。要事前予約のお店なので、ふらっと入ったりはできないんですけど、見た目にもかわいらしくて走るのを楽しくしてくれます。
    もう少し走ると、「Caito」。家の近所のお気に入りのカフェ「Cafua」が今月頭に開催したイベントのフライヤーで知ったお店。お気に入りのカフェと一緒にイベントをやるお店なので興味津々だったんですが、微妙に入れるのかどうかわからない雰囲気だったので、今回は素通り。次回また来よう。

    これが周回ルート。阪奈トンネル上からの下りも急こう配で楽しい!