稲葉ソロツアーとPREDATORSツアーとthe pillowsツアー

稲葉のソロツアー、ファンクラブ先行ですべて外れ、
意を決してe+とかで片っぱしから申し込んでみたら、
徳島と新潟と仙台が当選(それでも落選しているところも多数。広島とか)

仙台はACTIONで行った雰囲気が良くて忘れられないし、何より日にちがな~、とか
悩んだけれども、その3公演のなかでもっとも日にちが早い徳島を選択。

で、24日にファミマを探して振り込みにいったときにはたと気付く。

「PREDATORSの振り込み、忘れてる!!」

しまった~。なんで忘れてたんだろう…。
あわてて検索かけてみて、どうやら一般発売はまだ先のご様子。
PREDATORSは行きたいもんな~。絶対取りたいな~。

その逆で、ちょっと悩んでるのがthe pillowsのツアー。
対バンツアーで、大阪はCOLLECTORSとTOMOVSKYで魅力的ではあるんだけど、
いかんせん場所がBIG CATというのが、30代も後半の後半のオッサンには気後れするんだよな~。
どうしたもんかな~。
まあ、ライブするほうが"Born in the 60's"だから気後れも何もないっちゃないけどな~(笑)。 

唐招提寺

土曜日は雨だと予報はずっと言ってたけど、いざ土曜を迎えてみると、曇ってはいるけど持ちそうな天気。
天気予報を改めて確認してみると、奈良の降水確率は午前30%、午後50%。
短めだったら大丈夫だろうと、Real Streamで駆り出すことに。

先週買ったサイクルキャップは快適そのもの。
普通のキャップと違い、軽くてフィットするので、飛ばされる心配もない。

行き先は、距離的にちょうどよさそうだったので、前から自転車で行きたかった唐招提寺へ。
唐招提寺は奈良のお寺の中でも好きなお寺のひとつ。
地味で落ち着いたもの好きには堪りません。

ルートは、県道7号を車で走る際、「尼ヶ辻方面」と標識が出てるポイントを覚えていたので、そこを通るルートで。
過去何回も近鉄沿線沿いに西大寺まで出るルートは走っていて、
そのルートは走りやすいと知ってたんだけど、敢えて違うルートで。
県道7号を南に下って砂茶屋で308号を東に走る、というルート。
このルートが意外と便利だった。
図書館からの帰り、車で逆から走ったことはあったから分かっていたはずなんだけど、
このルートは最後に宝来付近に抜ける。
これは奈良市街に遊びに行くにはかなり楽で早いルート。次はこれで奈良まで行ってみよう。

唐招提寺は、駐輪場は無料でした!拝観料はおとな600円です。
道路は、西大寺あたりから秋篠川沿いに自転車道が整備されているので、快適に走れます。
唐招提寺は境内の木立が庭園っぽくもあり自然のままっぽくもあり、
独特の静けさがあってよいのです。
鑑真和尚が云々カンヌン、という説教臭さの全然ない静けさがとてもよいのです。
境内の茶店売店も周りの売店も、適度な数があってなおかつ観光商売に徹しているようなとこが好きです。

ついでに薬師寺ももちろん行ける距離ですが、薬師寺は次のお楽しみということで。

走行中、どうも4速がちゃんと入らない様子に気付いた。
ちょっとメンテナンスしてみよう。

Total Time: 01:28:35
Distance: 21:41 km
Avarage Speed: 16:49km/h
Max Speed: 35.1Km/h 

『下流の宴』/林真理子

4620107530 下流の宴
毎日新聞社  2010-03-25

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絵に描いたような中の上家庭を築いた福原健治と由美子の息子・翔は、高校を中退してバイト暮らしをし、取るに足らない親子喧嘩の末に家を飛び出したと思ったら、20歳の折、22歳の珠緒を連れ、「結婚する」と言いだす。自分は漫画喫茶のバイトの身、相手の珠緒も同じバイトの身と言うのに…。

医者の家庭に生まれ育ち、プライド高く育てられたおかげで、「自分たちの生きる世界は、あんたたちとは違うのよ」という意識丸出しの由美子に見下された悔しさから、「医者になる。そのために医学部に入る。」と一大決心をし、2年かけて見事合格を果たす珠緒の物語が主軸で、立身出世伝としては至って普通なんだけど、通信教育のやり取りとか、ディティールが効いてて珠緒を素直に応援しながら読めるし、こういう「やってやるんだ」という意思が大切なんだと感じれる。
けれど一方で、ふがいないとバカにしながらも、翔のスタンスを全否定はできない自分がいる。翔は言う。「将来のこと考えろとかさ、そんなこととっくにわかってるよ。わかってるからイヤな気分になるんだ」。親にうるさく言われた子どもが「わかってるよ!」という、そんな心性から全然成長していない。していないけど、自分もおんなじじゃないか?と寒々としてしまう。そんなに先のことも考えてないような気がするし、難しい局面からは常に逃げようとするところも同じなような気がする。そして、珠緒の合格を見届けた翔は、「努力する人って、重苦しいんだ。」と言い放つ。それも、穏やかに、大人びた微笑を浮かべて。

これはどういうことなんだろう。努力する人って重苦しい、というのは、かすかに理解できてしまう。言ってみれば「キリがない」のだ。努力して上に登り上に登り、一体いつまでやればいいんだ?というのが見えない世の中だから、最初から諦めてしまうのだ。それこそ健治や由美子の世代の世界には、「あがり」があった。上る途中で失敗し、そこで停滞してしまっても、あくまで「停滞」であり「停止」であって、「転落」はない。けど、現在は、健治と由美子のもうひとりの子どもである可奈の夫・北沢がうつ病になり解雇されるように、失敗は「停滞」では許されない。「喪失」に繋がるのだ。努力して上に登っても、資本主義の成長と破壊よろしく、「喪失」してしまうところまで上に登る努力をせざるを得ず、その努力を怠ることは許されない。つまり「キリがない」。そして、翔のような人間が生まれてしまう。それを見抜いていたのは健治だけのような気がする。つまり、「おそらく奮起、なんてことと一生無縁に暮らしていくんだろう」。

こういう人間を生み出してしまうのは、由美子のような偏った価値観だ、と断罪するのは簡単だけど、どうも座りが悪い。林真理子の作品を読むのは初めてだったんだけど、優れて現代小説で面白かった。

p38「自分たちは競争激しくて、受験勉強大変だったから、子どもたちにそんな苦労はさせたくないからって、個性だとか、自分の好きな道を、なんてやってたら、子どもはみんなニート、ニートなのよ。」
p49「社会人となれば、学生時代よりも1ランク、2ランク上の相手が見つかるに違いない」
p100「OLとの差は、こうしたちょっとした小物で決まるのだ」
p115「何かの調査によると、今の二十代の四割が、親の水準以上の生活はおくれないという」
p118「お金と縁のないくせに、お金を追っかけると品が悪くなる」
p139「将来のこと考えろとかさ、そんなこととっくにわかってるよ。わかってるからイヤな気分になるんだ。そういうこと」
p232「それは社会から受ける信用と尊厳というものだ。」
p304「人のやること見て、励ますなんて、マラソンの沿道で旗ふってるだけの人だよ。自分で走らなきゃ、何の価値もない。だけどもうじき、あんたにも走ってもらうかもしれない。」
p346「どうせみじめな老後が待ってるんだったら、何をしても同じだね、なんていうのはさ、まるっきり違うと思うよ」
p412「あなたっていつも、他人ごとのように言うのよね」

rin project サイクルキャップ

梅雨でしばらくReal Streamには乗れなさそうですが、サイクルキャップを買ってきました。
マルイにrotator storeという、少しファッション性が強めのサイクルショップが入ってると知って、足を伸ばしてみたら、そこで見つけたのがrin projectのサイクルキャップです。 いかにも、なキャップじゃなくて(電動アシストクロスバイクでホンモノのサイクルキャップは恥ずかしい)、サイクルキャップの形だけを残したようなのが欲しかったので、このシンプルなモノトーングレーのサイクルキャップはすぐ気に入りました。

店員さんに聞くと、

  • インディゴブルーのものだけ、染めの関係で生地感が違う
  • コットン生地で速乾性が高い
  • ツバのところに芯が入ってないので、洗濯機で洗える(ホンモノのサイクルキャップは芯が入ってる)

なかなか使い勝手がよさそうです。rin projectのページを見ると、ウェアやバッグにおもしろそうなのがたくさんあって、特にパンツは絶対いるな~と思ってるので、今候補に挙がってるのとじっくり比較検討です。

ヘルメットも買わなきゃなと思いつつ、今日はとりあえずサイクルキャップだけにしといたのですが、店員さんに勧められるがままにマルイのカード:エポスカードというのを作ったら、今日から1カ月間は10%オフらしいので、この間に買っちゃおうかな~と悩んでます。Real Streamのうちは、要らないかな~と思ってんだけどね~。

危ない目

梅雨入り前の最後の好天休日っぽかったので、昨日はReal Streamに乗ったんだけど、昨日は行き先がどうこうよりも、乗り始めて約2カ月、初めて少し危ない目に3度も遭った。改めて、他の交通手段もそうだけど、自転車って危険が多い乗り物だということを認識。

最初は、よくある出会い頭。
こちらが本線の歩行者・自転車道を走っていて、住宅街から本線に接続する道から出てきた車が右方向をよく確認せずそろそろと歩道まで出ようとしてきた。
基本的に常に「出てくるんじゃないかな」と思って身構えているので、スピードを抑えて事無きを得る。

次が、信号のある交差点内。
僕が渡ろうとする方向を横切る方の道が渋滞気味で、停止線を大きく越えて交差点内に入り、横断歩道の手前くらいまで車が来ていて、結局そこでその方向の信号が赤になり、僕の渡る信号が青になった。
このとき、渋滞しているその道は2車線で、2車線とも交差点内まで車が入ってきてしまってたんだけど、走行車線の車はさすがに僕の存在が見えるので、そのまま停車してたんだけど、追越車線の車が、前が動き出したので、横断歩道を渡る人間をよく確認せずに、発車しようとして、横断歩道を渡る僕を轢きそうになった。 
このときも、走行車線の車の窓越しに、追越車線に車がいることが分かってたので、「動くんじゃないかな~」と思ってたので事無きを得る。

最後が、コンビニからバックで出ようとする車。
10mくらい先で、本線に面してるコンビニに、頭から突っ込んでた軽自動車のバックランプがついたと思ったらたちまち動き出そうとしてきた。これがいちばん焦ったかも。遠目に人が乗ってることは分かったので、しかも申し訳ないが女性だったので、よく確認せず動き出すんじゃないかと思ったら案の定動き出したので急ブレーキ。ブレーキが鳴く音を始めて聞いた。
この件で改めて分かったのは、「自転車にはクラクションがない」ってこと。車だとクラクションをならせばいいんだけど、車相手に自転車のベルを鳴らしてもなんの効果もない。結局、自分で自分の身を守るしかない。

これ以外にも、歩道をケータイを見ながら前をまったく気にせず歩くオッサンに3人くらい出くわしたり。ほんとに直前にならないと気付かない。街を自転車で走っていて痛感したのは、自分のペースで走れる訳ではないということ。自分のペースで走れないことにもっと慣れないと、今以上自転車を楽しめるようになれないな。 

BlackBerry OS 5.0インストール

Lookout Mobile Securityをインストールしたら、なんか妙なメッセージが表示されることがあるなーと思い、
アンインストールしてしまおうとDELETEしたら、DELETE中に自動リブート。

この手のツールはなんかややこしいこと引き起こすかもなー、とインストールするときから思ってたら、
案の定、リブート後に画面にはセンターに小さくアイコンと「App Error 523」と表示され、起動しなくなった。

面倒だなーと思いつつ、いい機会だと思いなおして、BlackBerry OS 5.0をインストールしてみることに。
導入したのはv5.0.0.411。
インストール方法は「Blackberryな毎日」のこちらを参考にさせて頂きました。
http://b-berry.info/2010/01/blackberry-os-50.html

インストールはあっさり成功。アプリケーションも導入してたものがちゃんと残ってる。
ホームスクリーンでの配置とか、設定情報とかは飛んでしまってるけど、再設定は大した数ないし。
と思ってたら、日本語入力ができない!!
日本語は表示されてるんだけど、そもそも、日本語入力が選択できない。

そう言えば、インストールメニューで「日本語」はあったけど「日本語入力」は見当たらなかったような?
と、v5.0.0.411より新しいモジュールはないのか?と探したら、ありました。v5.0.0.592。
さっそくダウンロードして、同じ手順でインストール。
loarderの画面で、「日本語ローマ字入力」があるのを確認。なるほど。さっきは確かになかったもんね。
これで大丈夫。よかったよかった。あ、そう言えば忌々しいLookout、そのまま再インストールにしてたな。
このタイミングでアンインストールしよ。チェック外して。
さ、再インストール!!

・・・なんかインストールで長いこと止まってるなー・・・

BlackBerry見てみたら、JVM Error 102・・・

Googleで検索してみると、JVM Errorは本体消去・完全再インストールしなさい、という案内がほとんど。
loaderでAdvanced選ぶと全消去が選択できるからそれで完全再インストールしろ、と。
そんな中、破損ファイルを特定してそれだけ直せば大丈夫、という手順を書いたサイトを見つけたんだけど、
http://supportforums.blackberry.com/t5/BlackBerry-Curve-BlackBerry-8300/JVM-Error-102-BEFORE-YOU-WIPE-YOUR-SYSTEM/m-p/92398
いざこの方法で調べても、JVM Error 102はログ上に出てなかったんだよね。

もうダメか、観念するか・・・と思いながらログを眺めてたら、
「SIMが入ってないからなんかが起動できません」みたいなログがある。
あともう一つ、「Out of memoryでアプリがロードできません」みたいなログ。

そこで。

・SIMを挿す。
・導入するアプリを削る。

これでどうだ・・・果たしてうまく行きました!!

OS 5.0でいちばんびっくりしたのは標準ブラウザのスピード。これは断然よくなってる。Operaの必要性がちょっと少なくなった気がする。
そしてゴシック文字。いろんなサイトのキャプチャを見てたら、「明朝体よりはマシだけど、かっこいいとは言えないよな・・・」と思ってたんだけど、実物を見ると全然悪くない。このフォントでいいんじゃないかな。
この2つだけでも、OS 5.0にする価値ありだと思います。 

秋篠寺

6月なのに快晴。もちろんReal Stream!
先日買ったdeuterのultra rideをさっそく使ってみる。
当たり前だけどやっぱりちゃんと背負えるバッグは楽でした。
次に欲しいグッズはキャップかな。

天気は申し分ないとは言え、金曜の夜徹夜作業をした疲労が抜けきってはいないので、今日は軽めの街乗りにすることに。
不足気味の靴下でも買おうかと、ちょうどいい距離のユニクロを探したりしてみたんだけど、最終的には西大寺からちょっと北に上がるだけで行ける秋篠寺へ。

菖蒲池から西大寺に向かう途中に「秋篠寺」の案内があるのでそちらに曲がると、目の前には競輪場と駐車待ちの車の列。
地図で見て分かってはいたけど、「こんなとこにあるの?」とちょっと訝しくなるけどちゃんとあります。
凄く静かなたたずまいです。中には入らず外周を回っただけですが、奈良のお寺としては珍しい佇まいな感じがする。
民家っぽいというのかな?塀がちゃんとあって、こじんまりとしてて。

自転車乗りの人のホームページを見てると、走った距離なんかを記録しておくのが習わしのようなので、僕もデータを書いとくことにしました。
と言ってもサイクルコンピュータじゃなくてandroidケータイの機能を使ってるので、正確じゃないですが。

 Total Time: 01:56:08
Moving Time:  01:28:49
Distance: 20.87km
Avarage Moving Speed:  14.095 km/h
Max Speed: 32.4 km/h 
Elevation Gain: 403m
Min elevation: 119m
Max elevation: 246m 

 

deuter ULTRA RIDE

deuter ULTRA RIDEを買ってきました!

これまで何度かポタリング(という言葉を覚えました)に出かけてみて、結構煩わしかったのが鞄。
愛用のOROBIANCOのスリムショルダーを使ってたんですが、特にこないだの暗峠のような傾斜のキツいとこだと、すぐに体の前に回ってきてしまってなかなか煩わしい。これはやっぱりサイクルバッグを買うしかないな、ということでいろいろ調べてました。

それほど荷物を詰める訳じゃない、まだまだお金を掛けられないので安価なもので十分、見た目がすっきりしているのが好み、この3点でネットで探してみたところ、このdeuterのULTRA RIDEがイメージにぴったり。しかもamazonに出品されてる!ということでオーダー。カラーはホワイト×チタンとステイールxチタンで悩んだけどホワイト×チタンで。

 と、思ったら・・・amazonのはマーケットプレイスだったのですが、出品者であるお店から、「在庫切れで入庫予定も立たないためキャンセルさせてほしい」とメールが。マジか!と思いつつないものはしょうがない。キャンセルしてください・・・とメールを返しつつ、そう言えばあの辺にTREKってお店あったな・・・とネットを見てみたら、そのショップのブログがあって、何気にスクロールアップ・ダウンしてみてたら、deuterのサイクルバッグが壁にずらっと並んでる写真が!そしてそこにはホワイト×チタンのULTRA RIDEが!

即効、買いにいきました!そうして、今手元にある訳です。今週末、さっそく使ってみたいなあ。

B003BEDDGU [ドイター] ウルトラライド
deuter(ドイター)

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『聖☆おにいさん(5)』/中村光

4063729060 聖☆おにいさん(5) (モーニングKC)
講談社  2010-05-24

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楽しみにしていた第5巻!amazonから届いて一気に読みました。

イエスとブッダが普通に立川で節約生活を営んでるというナンセンスな空気の中に漂うほのぼの感が凄くいいです。イエスは1,2巻あたりは妙にネットとかPCとかゲームとかにハマってる現代っ子感でギャップができててそこが面白かったりしたけど、5巻はあんまりそういう印象はないかな~。イエスとブッダの仲の良さが伝わってきて余計に面白い!

5巻の中ではカンタカがいちばんいい味出してて印象的。ちょっと涙ぐんでしまいそう(笑)。聖☆おにいさんは何巻から読んでもおもしろいのでオススメです。

『ストロベリー・ナイト』/誉田哲也

4334744710 ストロベリーナイト (光文社文庫)
光文社  2008-09-09

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ストーリーテリングは抜群にうまいと思う。隠された何かがもうすぐ出てくる期待で先へ先へと引っ張るうまさ。例えば玲子の過去、17歳の夏に何があったのか。語られそうで語られないまま先に進み、イライラしない程度のよいタイミングで語られる。飽きずに読み進められる抜群のテンポなんだけど、僕が小説で読みたいと思う肝心のところはなかったし、こういう「ドキドキハラハラ」みたいなのでストーリーを追うものは、僕にとってはわざわざ小説で読む必要はないと思ってる。テレビドラマとか漫画とか、他にいくらでもそれを楽しませてくれるものはある。小説は小説ならではのアレが欲しいんであって、活字を追っていくのが苦痛だから、ストーリーの起伏でぐいぐい引っ張りましょう、その「ぐいぐい引っ張りましょう」だけがあるような小説は読まなくても別にいいと思ってる。

主人公の玲子の感情、過去の事件を思い出したときの心情や、警察官になろうという動機、捜査での競争に面した際のメンタリティ、それらはさすがに記述がたくさん出てくるけれど、この小説に出てくる「玲子」独自のものはほとんどないように思う。玲子に起きた過去の事件がきっかけで起きる心情の変化も、何かのドラマとかで散々見たような話だと思うし、ましてや犯人の心情については、「なんかおかしなヤツがいました」くらいの扱いだと思う。犯人は複数いて、それぞれ過去や生い立ちに確かに不幸なものがあると描かれてはいるけれど、それが殺人につながるところまで追い込んで書かれてはいないから、「なんかおかしなヤツがいました」くらいの印象しか残らない。小説はそうではなくて、納得させたいなら納得せざるを得ないくらいこちらを追いこんで悩ませてほしいし、理解不能なものなのなら徹底的に理解不能加減を描いてほしいのだ。