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funride (ファンライド) 2010年 11月号 [雑誌] アールビーズ 2010-10-20by G-Tools |
10/10に参加した「しまなみアイランドライド」でいちばん痛感したのが、自分は平地のスピードが圧倒的に不足してること。
これからのライドは、平地でのスピードを上げる練習にしようと思っていたところに、”強い「地脚」がほしい!”と書かれたfunride発見。即購入。
今週から平日も一日朝走ることに決めたし、頑張るぞ。
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funride (ファンライド) 2010年 11月号 [雑誌] アールビーズ 2010-10-20by G-Tools |
10/10に参加した「しまなみアイランドライド」でいちばん痛感したのが、自分は平地のスピードが圧倒的に不足してること。
これからのライドは、平地でのスピードを上げる練習にしようと思っていたところに、”強い「地脚」がほしい!”と書かれたfunride発見。即購入。
今週から平日も一日朝走ることに決めたし、頑張るぞ。
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「悪」と戦う 高橋 源一郎 河出書房新社 2010-05-17 by G-Tools |
なんて可愛くないと言い切られるミアちゃんが登場し、ミアちゃんのお母さんが”私は「悪」と戦っているのです!”と言い、そして大声で”わ!””た!””し!””は!””ミ!””ア!””を!””あ!””い!””し!””て!””る!”と叫ぶところまではわくわくしながら一気に読み進めた。そこから、ランちゃん(男の子)が「悪」と戦う夢とも現実ともつかない複数の戦いの話は、予想の範囲内というかなんというか。「何が”悪”なのか」を申し渡すことは自分以外の誰にもできない。だから自分の頭で考え抜いて生きていくしかない。そういう”説教の結論”じみたカンジは微塵もないけれど、だからと言って大人向けかと言われると違う気もするし、でも「使用済みのコンドームが」とかいう表現があるから、児童向けとはとても言えない。
僕はどうしても「言葉」「言語」に関するところで興味が膨らむので、「悪」と「言葉」がもうちょっと引っ張られてたら、頭の中をかき回されるような快感にもうちょっと長く浸れたのかな?この本を読みながら頭の中で歌っていたのはもちろんイエモンの『JAM』:
”あの偉い発明家も 凶悪な犯罪者も
みんな昔子供だってね”
(『JAM』/THE YELLOW MONKEY)
「あ、これで十分じゃん」なんて言うほど、僕ももう子どもではありません。
p33「キイちゃんにいうみたいに、パパにもいって」
p105「下駄をはかせてもらった」
p111「ヴァルネラビリティ」
p112「じゃあ、みんな、『隙間』に落っこちたって、気づいてないんだ」
p176「シロクマが立っていた」
p199「(ランちゃん、あなたの仕事をするのよ!それが、どんな仕事だとしても。イッツ・ショー・タイム!)」
p279「わすれものって・・・いみわかんない・・・ぱぱ」
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ウェブ人間論 (新潮新書) 梅田 望夫 平野 啓一郎 新潮社 2006-12-14 by G-Tools |
発言からうかがえる平野啓一郎の感覚が、自分の感覚に近いものなのが何より驚きだった。もう少し、線を引いた考え方をする人という印象を持っていたので、昔気質と言っていい感覚を持ってることに驚いた。
「おわりに」に書かれている、”平野さんは「社会がよりよき方向に向かうために、個は何ができるか、何をすべきか」と思考する人である””私はむしろ「社会変化とは否応もなく巨大であるがゆえ、変化とは不可避との前提で、個はいかにサバイバルすべきか」を最優先に考える”というところと、「そうでない他者との軋轢ある関わりって、確かに自分を成長させる部分があるけど、でも嫌なことでストレスをためてしまうよりは、避けていきたいと思うよ うになりました」との組み合わせが、僕にとってこの本の要諦だった。もちろん、平野啓一郎により共感している。どうしようもないからとそこから一歩退いて、楽に生きられて居心地のいい場所を見つけて、それを「いろんなやり方を身につけられた」と世界を広げたふうに言うのはクレバーではあっても成長はない。そこにある苦難を避けて通るための理由づけは、どんなに聞こえが良くっても言い訳にしかならない。ダメでもやってみるところにしか、幸せはやってこないのだ。
p24「80年代に活躍したいわゆるニューアカ世代の一部の人たちには、今でも、あらゆる情報に網羅的に通暁して、それを処理することが出来るというふうな幻想が垣間見える」
p39「ブログを書くことで、知の創出がなされたこと以上に、自分が人間として成長できたという実感」
p52「ハンナ・アレント」
p53「そういうナイーヴな、一種の功利主義的な人間観は、若い世代の、とりわけエリート層にはますます広まりつつあるんでしょう」
p77「アレントの分析(公的領域)」
p78「私的なことを公の場所に持ち込まないという日本人の古い美徳は、今や単に社会全体の効率的な経済活動から、個人の思いだとか、思想だとかを排除するための、都合の良い理由づけになってしまっている」
p86「スラヴォイ・ジジェクというスロベニアの哲学者が、『存在の耐えられない軽さ』で有名なミラン・クンデラというチェコ出身の作家を批判している」
p145「世代的な感覚でいうと、『スター・ウォーズ』に熱中してるって、ちょっと珍しい気がしますね。」
p163「言葉による自己類型化には、安堵感と窮屈さとの両方がある。」
p170「そうでない他者との軋轢ある関わりって、確かに自分を成長させる部分があるけど、でも嫌なことでストレスをためてしまうよりは、避けていきたいと思うようになりました」
p177「確率的に存在する」
p179「フランスの哲学者のピエール・ブルデュー」
遂に行ってきました、しまなみアイランドライド!!
前日まで雨模様だったのですが、当日の10日は夏を思わせるくらいのいい天気。ほんとに爽快にロングライドできました!
何よりも自信になったのは、各エイドステーションでの休憩以外、一度もバイクを降りず足をつかず走り切れたことです!!
ロードバイクを初めて2か月、こういうイベントに参加するのも初めてだったし、130kmという距離を走ったのも初めてだったので、これからロードバイクを始めたりイベントに参加される方に参考になるかも知れないので、気のついたところなんかを書いてみます。
10/9 -前日・プレイベント-
大会前日は、エントリーとプレイベントがあります。プレイベントは、ロードバイク界で有名な方々のトークショーや、メーカーの展示会なんかがあり賑わってます。
まずネックになるのは荷物です。僕は奈良在住で、この大会を知ってエントリーした8月ではすでに尾道市内のホテルはどこも満室で、仕方なく三原に宿泊しました。 なるべくかける費用を抑えたかったので輪行したのですが、プレイベントの中に「ビギナーズミーティング」という、初心者向けの講習会があり、12:00と14:50からの2回あったのでこれに参加。奈良から12:00の講習会に間に合うよう移動するのは結構朝早くなるので14:50を予定していったの
ですが、そうするとホテルに先にチェックインできない。仕方なく、バイクと荷物を持って会場に行くことに。ということで、
ビギナーズミーティングは出たほうがいいです。いろいろ事前に調べて頭でっかちになるので分かった気になっちゃいますけど、最後の最後、直前に頭に入れておくべきことを丁寧に説明してくれます。タイヤ周りのことは特に参考になりました。
プレイベントは、興味がなければどっちでもいいと思います(笑)。友達と来てれば、回ると気持ちが盛り上がると思います。
10/10 -当日-
0.集合
僕がエントリーしたのは、多々羅130という、向島を出発して大三島を周回して帰ってくる130kmのコースです。集合時間は朝6:30、集合場所までは自走です。尾道から渡船で向島に渡ります。
まず、僕は三原泊なので、三原から尾道まで走らないといけません。渡し船は朝5:00から出てるということなので、万一を考えて5:00に尾道につくように出発を予定しました。三原-尾道は約10km前後、ちょうどいいウォームアップになりました。国道2号線をひたすら東に走ればいいので、道に迷うこともありません。ということで、
尾道から渡船に乗って向島に渡り、更にそこから15分くらい?走ると、出発地点の向島運動公園に到着。向島運動公園の到着寸前に結構な坂があります。
到着したのは5:30くらい、あたりはまだ真っ暗。さすがにちょっと早すぎたかと思いましたが、なんでも余裕を持って行動するほうが気持ちも整えられます。ただひとつ失敗したのが朝食!何も考えてなかった僕は、朝起きたらホテルで朝食を食べてしまったのです。でもよく考えたら、3時にご飯食べて7時になったら、それって普段の昼食の時間。この状態で走り始めて大丈夫なのか若干不安がよぎる。周りはみんなバナナとか朝食食べてる。補給食は3つ持ってるから、一個食べるか。うーん…悩みましたが、とりあえず最初のエイドステーションに着くまでは様子を見ることに。
1.スタート~因島総合支所(第一エイドステーション) 25.5km
朝7:00、いよいよ多々羅130kmがスタート!スタートは、各コースで走力に自信のある人から順にA,B,Cに順に分かれてスタートします。しまなみアイランドライドはレースではないので、制限時間をめいっぱい使って観光して回る方もいますから、そういう方はCグループに分かれます。僕はまったく走力に自信がないので迷わずCに並びました。
スタートは各グループを更に40人くぎりくらいでインターバルをおいてスタートしました。スタートから第一エイドステーションまでは、ほぼ隊列になって走りますので、コースの心配とかもありません。でも、しまなみアイランドライドのコースガイドで立ってくれてる方々は、ほんとに分かりやすく立ってくれてるので、コースを間違う心配はまったくないと思います。で、僕は初めて2か月の超初心者ライダーなので、前を追い抜くつもりも全くなく、ちょうど自分のペースよりちょっとゆるいくらいだったので順調についていってたのですが、気づいたことがいくつかあって、:
この坂が、因島総合支所手前の最初の難関の坂で、標高100mまで上がります。勾配率10%はないのかな?というところだったと思います。自分はまずこの坂を登り切れるかどうかがポイントだったんですが、どうにか一度も休まず足をつけず登りきることができました。さすが生駒山を毎週登ってた効果が出ました。この後も、上り坂がきついと感じたことは1度を除いてなかったです。
それと、イベントのスタッフの方はほんとにどのスタッフの方も丁寧で優しくていい人ばかりだったんですが、唯一、この区間の伴走車だけは、あんまりよろしくなかったと思います。妙なポジショニング(道路の真ん中)とかをゆっくり走ってて、ウチから抜いたらいいのかどうかわかんないとか、急ブレーキとか、エイドステーションでも結構そういう話をしてる人が多かったです。
エイドステーションでいろはすもらって一休み。心配してたおなかは持ったので、とりあえずここで補給食のひとつ、ゼリータイプのを食べる。というか飲む。5分くらいインターバルして出発。
2.因島総合支所~多々羅しまなみ公園(第二エイドステーション) 21.1km
ここを走っているときは、ほとんど集団とも出会わず、集団に抜かれることもなく、ほんとにほとんど独り旅みたいな感じでした。途中、ちょうどいいペースで走ってる方がいたのでペースメーカーについていかせてもらいました。こういうのもイベントのいいところかも。
自分がいま渡ってきた橋を眺めて感慨に浸りつつ、10分くらい休憩して、出発。
3.多々羅しまなみ公園~ふるさと憩の家(第三エイドステーション) 26.0km
全ルートの中で最長のこの区間。ここまで、それほど自分のペースを乱さず、かつ、登りも止まることなくこれたし、腰が痛いくらいで疲れもあまりないので、このまま行ければ大丈夫かな~と思ってた矢先、思わぬアクシデント。
足がでない!!
このルートが始まってすぐ、少しゆるいふつうの登り坂があるんですが、坂に差し掛かったので踏み入れようと思ったらまったく足が出ない。仕方なく、ギアをすべてローに入れて少しずつ漕ぐ。それでも思い感じがしてしょうがない。足を使い切るってこういうことか~と猛烈に実感しながら、とにかく必死で漕ぐ。もうほんとにダメだったら降りておそう、と思いつつ、ゆるゆる漕ぐ。途中さっき抜いた人とかにどんどん抜かれながら、じりじり登ってなんとか到達!この坂はほんとにつらかった。しばらく走ってて、どうも空腹感が否めないので、まだ中盤に差し掛かってないけど補給食食べてしまうおと、ウェハース系の補給食を食べる。するとこれがすごくうまい!そして元気が回復する!いろんな本を読んでると、消化がよく、食べやすい、セリー上のものや、ペースト状
のものが勧められてますけど、「食べた感」というのは、疲れてるときに結構体力を回復してくれます。なので、
僕はほんとにあの補給食のおかげでめちゃくちゃ救われました。この時点であれを食べてなかったら、ほんとに足が止まってしまったかもしれません。まだ足が出るからと言って、最初の方の登りで結構無茶をしてしまったのかと反省しつつ、ここからはとにかくいつもの自分よりローペース、20km/h前後で走ることに決めました。どんどんパスされますが、気にしません。とにかくふつうに走れるようになるまで、次のエイドステーションに着くまでは無理をしない。ひたすら、楽に走れるペースを守って走ります。そして、第三エイドステーションの手前、再び猛烈な坂が現れます。
が、ここの坂はもう大丈夫でした。確かにきつかったですが、たち漕ぎを使うこともありませんでした。リアの歯を1枚残して、自分のリズムで淡々と漕ぎ続けます。結構な人が下りたり押したりしてたと思いますが、そんな中坂を上り切れるというのはなんとも言えない得意な気持ちになれるものです。
ここで登り切ったあたりのところで、「これさあ、もう頂上超えたよねー?」と後ろの方から声をかけられて、ぶっちゃけ全然わからなかったので「わかんないっすー」と答えたところ、「わかんないー?これ怖いんだよねー、いつまで続くかわかんないからさー」と言って、下りを猛烈にかけて行かれました。あれ?あの人なんか見たことある・・・
ふるさと憩の家では、エアーサロンパスのサービスがありました。僕は使わなかったけど、あれは使ったほうがいいかも。あと、僕はビンディングを使ってなくて普通のスニーカーで参加してたんですが、左足の小指がちょっといたんだので、バンドエイドで応急処置。バンドエイドはサドルバッグに入れておくといいと思います。
4.ふるさと憩の家~多々羅しまなみ公園(チェックポイント) 15.3km
ふるさと憩の家を出るとすぐ坂が始まり、これが最大の難所の二つ目、標高100m程度の登りなんですが、ほんとに正直言って、全然きつくなかったです。体力が回復してるのと、坂に対する地力があったんだと思いますが、エイドステーションを出るとき相当気合と覚悟を持って走り始めたんですけど、くだりに入って「あれ?これで終わり?」というカンジ。そうこうしてるとスタッフ車が来て、「きつい登り坂はこれで終わりですー」とアナウンス。ほどなくして「この後は多々羅しまなみ公園に戻って昼飯ですー」と別のスタッフ車。俄然気楽になります(笑)。
登り坂と下り坂が二回連続するんですが、登りで追い抜いた人に、くだりで猛スピードで抜かれます。でも、次の登りでまた、その人は自転車を押してた
りします。トータルで早ければそれでいいという考え方もあるし、ロードに乗ってる以上は極力ロードで走破したいという僕みたいな考え方もあるし、なかなかほんとにおもしろいスポーツです、ロードバイクって。
5.多々羅しまなみ公園~万田酵素(第四エイドステーション) 23.1km
この区間も、2.の区間と同様、メインは橋です。ただ、気分は正直、もう帰りの気分になってるので、道中の記憶はあんまりありません(笑)。確か、いつの間にかスタッフ車が先導についてくれてたと思います。それはなぜかと言うと、このあたりから別ルートの参加者も合流した復路になるので、台数がすごく多くなるので。しかも生活道なので信号も車も多く、前を見てなかったのか急ブレーキの音が聞こえたこともありました。あと、僕の後ろを走る人が、ど
ういう訳か僕の後輪に自分の前輪を重ねるように走ったり止まったりするのがすごく気になりました。ああいうのが一般的なんでしょうか?パスしたいならパスしてくれたらいいのに、と何度も思いました。実際、パスしていく集団もあったわけで。
6.万田酵素~向島運動公園(ゴール) 16.4km
最後の2区間で気づいたことがあって、それは、
ということです。僕は結局最後まで、登りでペースを落とすことはなくって、最後の坂まで、自分の持ってるペースで登ることが出来たんですが、平地はほかの人のペースにどうしてもついていくことができない。これは心拍の鍛え方とか、身につけないといけないことが何かあるんだろうなあというのを実感しました。坂でパスした人に、平地でぶっちぎられることが結構何度もありました。ただ、そんな中でも言えることは、
スタッフ車が先導してくれてたとき、途中でどうにもついていけなくなって、こりゃ無理だと脱落し、他コースの人達にもバンバン抜かれたんですが、途中でその人達は休んでました。向かい風がきつかったし、僕も休んだら復活するって経験上わかってたんですが、とにかく下りないことと決めてたので、ゆっくりでもそのまま走りました。結果、また抜いていった人もいるし、結局ゴールまで抜かれなかった人もいるんですが、僕自身としては、うさぎとかめを地で行くような、マイペースの走りができてほんと満足でした。ロードバイクに乗ってるからには、単に早けりゃそれでいいということではなく、ロードバイクでずっと移動できるような体力を養おうと、気持ちを新たにしたのでした。
写真も何枚かとったのですが、それはまたぼちぼちアップしようかと思います。まずは、終わった翌日の感動をそのまま書いてみました。
また加筆したり気づいたりした点書くと思いますが、とにかくしまなみアイランドライドに携わられたすべてのスタッフの方々に感謝をお伝えしたいと思います。皆さんの熱意が、あの好天を呼んだんだと思えてなりません。ほんとうにありがとうございました!!
そして最後まで読んでくださってありがとうございます!!
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シロクマ/ビギナー スピッツ ユニバーサルJ 2010-09-29by G-Tools |
6月のSPITZ JAMBOREE TOUR 2010@グランキューブ大阪で初めて聴いて、素直にいい曲だなあとほれぼれした。JAMBOREE TOUR 2010はアルバム発売前にアルバムツアーを演るというなんとも意欲的なツアーだったので初めて聴いて当たり前で、先行してた会場に行ってない限り参加してる誰もがみな初めてのはずだけれど、誰もがみんな知ってて楽しんでるみたいな雰囲気。
初めて聴いたはずなのに、なぜか「地平線を知りたくて ゴミ山登る 答え見つけよう」のとこが、まるで歌詞カードを見たかのようにくっきりはっきり聴こえて、くっきりはっきり文字になって頭の中に残ってた。だからリリースされたシロクマを聴いてびっくりした。これ、ライブで聴いたっきりだったよな?って。
言いたいことははっきり言おう、休み休みでも徒労に終わっても、それだけのことはしてみよう、そんな気にさせてくれます。
ちょうど10年程前、とあるプロジェクトに下請けみたいに送り込まれた際、そのプロジェクトのプライムのPMが、同じ会社の部下に対して言っていた印象に残ってる言葉がある。PMは当時35歳前後だと思う、その部下はたぶん入社3年目くらい。
「君たちPC世代は、すぐにPCに向かう。でも、アイデアを書く先というのは、別にPCじゃなくても構わない。紙でもなんでも構わないはずだ」
一方で、これとは別の親しくしていた某有名コンサルティング会社は、ほんとにペーパーレスを追究していた。社員は皆、資料をPCで見ていた。僕は全部の資料をPCで見、PCで作るというのはかなり困難だったけど、これに慣れないといけないのかこれからは、と悩んだりした。
で、長い長い逡巡の末、「やっぱりラフスケッチは紙に限る」という結論に。iPadが登場したり、Microsoft One Noteが登場したり、「書き込みの自由度」がアイデアに重要というのは枚挙に暇がないし、今現時点では「どうにかしてそれを無理やりデジタルでやれることで売上を稼ぐ」方向でしかないと思う。かつて、帯域不足のまま無理やり「できます」と言って始まったネットワークサービスが大量にあって沈んで今ようやく実現できたものがあるように。
ただ、ラフスケッチにA4ではちょっと小さい。A4を上回るサイズで、かつ、なるべく薄いノート(なぜか大きいノートは分厚いのしかない!PCが入ってるから鞄が重いのでノートまで思いと困るのだ)を探してみたら、ハンズで見つけたのがこれ:
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ツバメノート 白無地 A5009 ツバメノート by G-Tools |
40ページと薄いのが何より重要。そして、ツバメノートなら買えなくなることはないだろうということ。これも重要。仕事で使うものは、できる限り「これ」と決めたらずっと使えることが重要。なんたってワークフローに組み込む意気込みなんだから、そのツールがなくなるということはワークフローが変わってしまうってこと。
とりあえずまだ使ってませんが、使えるノートであることは間違いないと思います。いっとき流行したマインドマップなんかにもいいんじゃないかと。
しまなみアイランドライドをいよいよ来週に控え、最後の練習の機会。
府立図書館から予約していた本の確保ができましたという案内が来ていたので、大阪方面に軽く走ることに決定。
転倒して痛めた左足付け根が完治という訳じゃないので、ここでムリしてひどくしたらまずいし。
ルートは、使ったことのない163号にしようかと思ったけど、あまりに遠回りになるので、勝手がわかってる阪奈道路ルートで。
しかし…今回は全般的に最低の出来。
阪奈道路の頂点に出るまでの、市街地の道のりで、3回も止まってしまった。
心臓が上がりすぎる。足を踏み込めない。
思い当たるところは、登りに入るまでの10分弱の間に、ちょっと強めに走ってしまって心臓を急に上げたこと。
その心拍数のまま登りに入ってしまった。
確かに心臓が一度上がった後、走るのは楽になるんだけど、アップの仕方が大事だと痛感。
運動はじめ15分間はアップに充てるのが目安、と『ロードバイクバイブル』のエンゾ早川が書いていたので、一応それを目安にしてみよう。
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ロードバイクバイブル 改訂版 (エイムック 2024) エンゾ早川 エイ出版社 2010-08-28by G-Tools |
確かに草花的でバイブルというほど詳しくはないけど、「ロードバイク始めました」の人間にとっては一冊で全体がわかるので重宝です。
帰りに堺筋本町のY's Roadに寄って、懸案だったフロント用のエンド金具を購入。
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オーストリッチ エンド金具 フロント用 by G-Tools |
輪行する際、フロントフォークがむき出しなのが不安で、エンド金具が欲しいと思ってたんだけど、いざ買ってつけてみたら、地面に設置する面がエンド金具にはならないんだね。設置するところは相変わらずフォーク…。エンドを保護するものはまた別途買わないといけないのか。
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存在の耐えられない軽さ (集英社文庫) ミラン・クンデラ 千野 栄一 集英社 1998-11-20 by G-Tools |
もちろん本著の名前は知っていたし、著者が「プラハの春」以降、全著作を発禁されたというようなことも知っていた。でも本著のことは、結構なエロ小説であり、「存在の耐えられない」というのは、要は正式に付き合っていないので相手の心には存在しているのかどうかわからない、程度の意味合いに受け止め、しかも本著は傑作と呼ばれていることも予備知識としてあったので、その恋愛の心理描写が相当詳細で綿密なんだろうな、という具合な印象を持って、読んではいなかった。そこに来て、3年前に読んだ『放浪の天才数学者エルデシュ』以来の東欧への興味が重なって、文庫本で見つけたので買って読んでみた。
もう全然認識違いで情けなかったし恥ずかしかった。ただひたすらおもしろいという感想しか出てこない。恋愛の軸と社会情勢の軸、そして哲学の軸。読んでいて頭が刺激されるし、その底辺に流れる考え方みたいなものは頷けるけどひとつひとつの表現-タイトルの「存在の耐えられない軽さ」とか-を、自分なりに噛み砕いて話せない。言葉にできるところまで理解できない。これはあと2回くらい読まないとダメな小説。
そんな中、頭に浮かんだテーマをメモ:
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虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 伊藤 計劃 早川書房 2010-02-10 by G-Tools |
巷で評判の『虐殺器官』の文庫本が並んでたので購入。僕はSFはどうも苦手と言うか、空想の凄さや思いつかなさに驚嘆しながらページを捲れるタイプの読書家ではないので、突飛な感じのSFは遠慮してたんだけど、『虐殺器官』はどうやらそういう手合いではなくて、背後に社会的な背骨が通ってる雰囲気があったので思い切って手に取ってみた。文庫本の装丁はシンプルで”ソリッド”でとてもカッコいいと思うのだけど、僕はブックカバーをしないので、通勤電車でこの背表紙を見た人々にはやっぱり気味悪がられたのかな。
本当に偶然と言うのかセレンディピティと言うのか世間がそういうふうに回っているのか、マイケル・サンデルを読んで、『ドーン』を読んで、そしてこの『虐殺器官』と来た。改めて、9・11というのが以下に現代の人類に、社会に、政治に、衝撃と困難な課題をつきつけたのかを実感。『虐殺器官』は、アメリカ情報軍特殊検索群i分遺隊という、「暗殺」を請け負う唯一の部隊に所属するクラヴィス・シェパードが、後進諸国で続々と発生する内乱や大量虐殺の陰に必ず存在すると言われるジョン・ポールという男を追う物語だが、テロとの戦いにおける管理体制と国家関係を縦軸、自分の母親の生命維持装置を停止させたことと自分が遂行している暗殺との違い(あるいは同一性)にうち苦しむシェパードの姿を横軸に展開する。
テロとの戦いの部分は、ジョン・ポールと二度目の遭遇をした時点で、たぶん概ね筋が理解できてしまうと思う。悪人と思われる人にもそれなりの事情があって…という、ヒトラーの物語を借景したような筋書と、「必要悪」を是認せざるを得ないと主張しがちな国家の事情をミックスさせながら、「虐殺の器官」の正体を知ったシェパードが選択するラスト。このあたりは、ストーリーを楽しむところではなくて、それぞれが「自分の立場」でモノを考えるときに、正しく進めないと陥ってしまう悲劇の1パターンとして肝に銘じながら、自分の考えを練り上げる材料にすればいいのかな、と読みながら思った。政治の過程をよりリアルに描いていた『ドーン』のほうが、より実際的に考える材料になるし、『虐殺器官』はそういう意味では戒めというか、昔話のような効果を持つかなと思う。
どちらかと言うと、僕は「意識がなくなればそれは死か?」という、母親の生命維持装置を停止させる下りが印象に残っている。SFという力を借りて、現在における脳死状態等から更に一歩進めて、「脳の何が残っていればそれを意識と言えるか答えが出せない」という医者の見解を、脳の一部を操作すれば、「痛み」を受けたことは分かるけれども「痛み」は感じない、という芸当ができるほど技術が進んだ時代でも、意識に関してはそうなんだと語らせることが深みに感じられる。意識とは何なのか?それは、「何だから自分なのか?」というところに行き着く問い。
言葉についての軸は、読んでるときは面白いと思ってたけはずだけど、感想を書くときには全然意識に上らなかった。書くべきことを忘れてないか、付箋のつけたところをパラパラと捲ってみて、ああそういうテーマもあったな、と思い出したくらい。
しまなみアイランドライドに向けて、ロングライド練習ができる実質的な最後のチャンス。どうしても100kmオーバーを走っておきたくて、ルートをあれこれ試案した結果、万が一何かあっても土地勘が利くし、先週、八幡木津自転車道を走って「自転車道」の走りやすさというのを実感してたので、奈良県内の3本の自転車道を走破することに。ウチからこの3本をハシゴして帰れば、計算上100kmを越える。これならじゅうぶん練習になる!
これまであんまりルートを真剣に考えずに、途中で進路に迷うことがあったので、今回は地図を入念にチェック。そして昼食をどこで取るかもチェック。奈良サイクリングロードは、平城宮跡の北側をぐるっと回って秋篠川沿いに南下して法隆寺まで走る奈良自転車道、ファミリー公園と橿原神宮をほぼ飛鳥川沿いに走る大和中央自転車道、慈光院から葛城川沿いに下って石舞台古墳まで走る飛鳥葛城自転車道の3本。出発したらまず奈良公園を目指し、転害門から奈良自転車道を走り、法隆寺までは行かずに慈光院から飛鳥葛城自転車道に入る。これで石舞台古墳についたらトータル60km~70kmなので、たぶんちょうど昼食時。そこで八木あたりでうまいラーメン屋を探してみると、新ノ口にサクラというお店が見つかったので目星をつけとく。
朝8時出発、途中で補給食としてゼリータイプのものを2個買ったりして、転害門着は9時頃。そこから奈良自転車道に入っていく訳ですが…正直言って3本のサイクリングロードの中では奈良自転車道がいちばんつまらなかった!まず、転害門から入ったのが間違いだったのか、基本的にずーっと下り。逆から入ったら登りのいい練習になるかも。それ以外にも、
そんな訳で、奈良自転車道は、観光目的のサイクリングには適してますけど、ロードバイクでツーリングみたいなのにはほんと向いてません。まあ、市街地なのでしょうがないですけどね。
郡山城を抜けてからは勝手知ったるエリアなのですいすい走って慈光院に到達。ここで法隆寺を目指さず、飛鳥葛城自転車道にスイッチ。奈良自転車道とは打って変わって、飛鳥葛城自転車道はとっても走りやすい!!
橿原に入ったあたりから一部、案内標識がなかったり、グリーン塗装がなかったりするけれど、方向がそんなに分かりにくくないので、交差点名さえちゃんと覚えておけば全然大丈夫。明日香村に入ってからの道は秋にぴったり!途中で道路名が「飛鳥」だったり「明日香」だったりするのがよくわかんないけど、ロングライドを十分楽しめる道でした。
ほぼ迷うことなく、12時過ぎに石舞台古墳に到着。3時間30分程度で65km程度なのでペースとしては遅いけれど充足感。ここまでで気づいたことは、
ということで、上半身はCRAFTのインナー買ってたのでOKだけど、足は何か考えないといけないな、と、石舞台古墳で休憩しながら思ったのでした。
さて後半。30分ほど休憩して12時45分頃出発。来た道を引き換えし、大和中央自転車道と交差する四条町交差点に到達。ここから大和中央自転車道に入り、地図でマークしといた右折ポイントで「サクラ」に向かう…はずが通り過ぎてたことに気づき、「目印にしといた学校、なかったよなあ」と訝りながら引き返すと、学校はあったけど右折できない!そこにある線路を越えられない!四苦八苦しながら踏切を越えたら、もう一本線路があって、自動車は高架になってる。高架の下には踏切なし。ここで諦めてもよかったんだけど、完全に意地になってるのでカンを頼りにひたすら24号線を目指す。うまい具合に新ノ口駅に当たったので、ここからなら免許更新センターに行く際通ってるので道はわかる!やっとの思いで「サクラ」に到着。
「炙り鯛だしらーめん・つけ麺 サクラ」は、つけ麺がおいしいという評判をよく見かけたので、こってりの純濃厚豚骨スープのつけ麺とから揚げのランチセットに。「純」とついてるので豚骨だけなのかなと思ったんだけど、鯛だしは効いてました。魚介系と豚骨のダブルスープというのは食べ慣れてたけど、そのブレンド感はちょうどいい具合でおいしいです。つけ麺は、残りのつけ汁で雑炊をつくってくれるとあったんですが「そこまで食べられないな~たぶん」と考えてたら、つけ麺の種類に「釜たま」ってのがあって、麺に卵が入ってる代わりに雑炊はないというもので、迷わずこれにしました。卵が麺にうまくからんでつけ汁に通すとうまいです。この店はなかなか評判にたがわない良いお店でした。
しかし!自分はロングライド中だということをすっかり忘れていました。ロングライド中の食事にこってりした、しかもラーメンなんてまったく不向きであることを、身をもって知りました。むかつく胃。遮二無二水分を要求する喉。飲めば飲むほど腹は膨らむ。それでも人より頑丈な僕の胃は頑張ってあっと言う間に消化してくれましたが、こんな無茶は二度とすまいと固く胸に誓いました。
大和中央自転車道は、まったく通行量もなく迷うこともなく淡々と走れますが非常に退屈で、3本の中ではいちばんストイックな自転車道です。しかも南からの場合、到着するところがファミリー公園という、その先どうしたらええねん?という場所で途方にくれます。まあ僕は最初から予期してたのであわてず帰路を確認しましたが…しかし、疲れていると方向感覚もおかしくなるんだなということをこれまた身を持って知りました。線路を走る「西大寺行」が、思ってたのとまったく南北逆だったのです!
ここからはまたほぼ勝手知ったるエリアなのでひたすら帰路を走る。途中でemetersが100.00kmを示したので記念撮影して、大和中央道から県道7号に入って富雄方面へひたすら北上…が、何がどうしたのか強烈な向かい風。このエリアは遠くに矢田山を臨んでこちら側は一面田畑で吹きさらし。風を遮るものは何もない!100.00km越えてさすがにくったくたの体に足に、強烈な向かい風。そしてこの先には例によって帝塚山大学を頂点とする長ーいだらだらした登り…何度も気持ちがおれそうになりながら、ミニベロが坂を上っていくのを見て「負けられるか!!」と意地をだし、無事に完走することができました。トータル115kmの予行演習。到着は17時。さすがに充実感いっぱい。
さて全体を通してしまなみに向けて:
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