『ノルウェイの森』/村上春樹

4062748681 ノルウェイの森 上 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社  2004-09-15

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406274869X ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社  2004-09-15

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映画を観る前に再読しておこうと思っていて、本屋に入った際それを思い出したので文庫本を買った。『ノルウェイの森』は何かの折に(何か節目になるような出来事があった際や特にそういうことがなくて単に思いついた際)再読しているけど、毎回、「こんな話だったっけ?」という印象を抱いている気がする。それにしても今回は、僕の読書におけるグッドラックを、自分で思い込んでる気に入った言い方でいうとセレンディピティを、一生分とは言わないけれど数年分は注ぎ込んだようなタイミングで読めたんじゃないかと思う。なにしろ、本屋で買って読み始め、端役も端役だけど全然記憶になかったけど「奈良」が登場し、iTSでビートルズがダウンロード可能となる日が訪れ、そして読み終えた。僕個人的にはこれでもう十分。十分、『ノルウェイの森』は僕に生きる力をくれた。実際、会社の人がお土産にくれたラーメンを食べ過ぎ胃を壊した翌日から、微熱が続き何も食べられなくなりみるみるおかしくなって精神的にも完全におかしくなってしまった僕をたった10時間足らずの読書が引っ張り上げてしまったのだ。

「こんな話だったっけ?」という印象以外で、今回抱いた印象で最も大きかったのは、「こんなにわかりやすい小説だったっけ?」というもの。これは、僕が村上春樹の作品を読み続けてきて慣らされてきたからなのか、僕の読書の能力が向上したからなのか、物語を注意深く受け取る感覚が失われ、通り一遍の筋書しか頭に入らなくなったからなのか、その辺は自分自身ではわからない。けれど、自分自身としてはとてもよく理解できる小説に感じられた。例えば「全てが終ったあとで僕はどうしてキズキと寝なかったのかと訊いてみた。でもそんなことは訊くべきではなかったのだ。」の部分。そりゃもちろん聞くべきではないよ。今の僕はそう思うし、その理由もパッパッと頭の中にひらめくけれど、若い頃にこれを読んだときは全然違うこを考えていたと思う。できないことの理由を問うことから始まる問答を。「訊くべきではない」というのは、単に「どうして寝なかったのか」という原因を訊くだけが対象じゃない。「寝る」ことに関わる様々な意味が、そう簡単に説明できるようなものではそもそもないから。そんなところに考えを飛ばしていたはずだ。でも今の僕はもうちょっとクリアに「なぜ訊くべきではなかった」のか、思いを巡らすことができる。

なぜ38歳の僕がこの本を今、それも再読の再読で読んで、精神的に立ち直ることができたのかはよくわからない。普通に仕事はできるものの、仕事に行きたくないとまで思うくらい、ちょっと崖っぷちだった状況から、なんとか戻ってこれたのは、この本の力が多少はあると思ってる。確かに、この本を読んでる最中、自分を覆っている時間の殻のようなもの、どうしてもそこに留まることはできないのに少しの希望の欠片みたいのを見つけては留まれるような気になっている自分の殻のようなものが、二つに割れて自分から剥がれ落ち、残念だけれどそれは剥ぎ取って前に進むしかない、そういう感覚が現れたのだ。そうしてこの間に僕にとって現れた変化というのは、無暗に本を読む速度が上がったということだった。

『真綿荘の住人たち』/島本理生

4163289402 真綿荘の住人たち
島本 理生
文藝春秋  2010-02

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北海道の善良な少年・大和君が大学生になり上京してレトロな下宿・真綿荘に。その真綿荘に暮らす大家と下宿人の一筋縄じゃない恋愛と生活。

ラスト、読み終えて、「なぜ結婚じゃだめだったんだ?」と考え込んだ。ほんと、すぐには理解できなかった。「君には、対等じゃあ、ダメなんだろう」この晴雨の言葉が、結婚ではだめなんだということはわかるものの、なんでその代わりに、養子縁組をしないといけないのか。そんなものなくても、今まで通り内縁でいいじゃないか。まったく理解できないものを突然1ページで見せられて、ぽーんと放り投げられたような気分だった。

じっと考えてみて、ああなるほど、親子か、とようやく分かった。このラストがすぐには飲み込めなかった僕は、ほんとうに幸せで満たされた子供時代を過ごせたんだと思える。千鶴は、水商売を生業とし、男に寄りかかって生きている母親の自分への愛情が、それほど深いものではないということを、生まれたときから知っていたような人生。だから、16歳のとき、何も言わずまったくの自分の責任だけで自分を抱きにかかった晴雨に、それ以来一度も抱こうとはしない晴雨に、捉えられ続けてきたのだ。同じように高校時代に強姦された経験を持ち、直接的にはその強姦ではなく、それ以降の経験から、男と付き合えなくなった椿に、「自分を強姦した相手と何事もないように住み続けるなんて気持ちが悪い」と詰られようと、千鶴が動じない理由がそこにある。千鶴にとっては、晴雨はそういう存在だったのだ。晴雨自身も、自分のすべてを自分のものにしようとした母親の呪縛に悩まされ不能で生きてきて、その母親が病に倒れ晴雨のこともわからない状態を見て、「俺はもう誰の子供でもない」と呪縛から解かれる。この小説は、恋愛の動きそのものよりも、千鶴、晴雨、あと、同じ真綿荘の住人である鯨ちゃんと付き合うことになる同じ大学の荒野、この3人の生い立ち、親との関わりあいの過去を通じて、人が大人になるための、周りの大人の、「親」という存在の重要さを感じれるものだった。

もうひとつ、まったくもってまともな大和君が、振り回されるように恋に落ちる相手、絵麻の恋愛。彼女に言い放つまともな大和君の言葉が、使い古された言葉だけどとても気が利いている。絵麻の相手は言わば高踏だけど、そんな生き方をして「結果」がよくても仕方がないよな、と思った。

朝練!

第二回目の朝練。6:15-6:45くらい?

ヒートテック+ウインドブレーカー、パッド付パンツ+ヒートテックレギンス+ニーウォーマー+五分丈パンツ、で挑んでみましたが、寒さは全然平気でした。ただ、グローブが指ぬきで、これはちょっとつらかった!あと、ウィンドブレーカーの袖口から入る風!!

道的には前回と同じ。信号が多いのを除けば、直線で走りやすいんだけど、もうちょっと長い距離を走ったほうがいいかなと思わなくもない。でも、壱分の向こうに越えようと思うと、信号待ちのロスタイムが長いのは避けられない。ルートを考え直すかな~。

朝練して、夜お酒飲んだけど、ぜんぜん平気!疲れもなし!健康になってきた証拠?(笑)

『寝ても覚めても』/柴崎友香

4309020054 寝ても覚めても
柴崎 友香
河出書房新社  2010-09-17

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すこし前、遠出した際、一冊買おうと思ってうろうろして、そう言えば日経か何かの書評見て読みたいと思ってたなと買ってみた。柴崎友香は好みで、結構読んでる。変にテンションを上げていかない、無暗な盛り上がりを作らないところが好きなのだ。

1999年22歳の朝子に始まった恋の、10年間の来歴が語られる恋愛小説。柴崎友香は3,4年振りだと思うんだけど、その昔は読んでいて脳裡にバシバシと響いた、「言葉にならない」感覚というのが、さすがに僕も歳を取ったのか、あまり響かなかったように思う。女の子の、人を好きになる不思議な感性というのが描かれていることは明確にわかるんだけど、気持ちに入っていかない。でもそれは、僕が歳を取って感性が鈍ったということだけではなく、本著の焦点が、単に恋愛だけではないということにもあったのかもしれない。読むとすぐ気づくのが、本著は、頻繁に、2,3行の点描が挟まれる。その2,3行の点描は、そこまでの筋とあんまり関係がないようなあるような。その点描も含めて、「目に見えるもの」を観察し、書き落としていくことに、力点が注がれてる。それが、本著の「読む楽しさ」だと思う。

ストーリーは、全体の2/3くらいまで、かなり緩やかに進むと思う。2/3過ぎから猛チャージが掛かって、胸を抉られるような現場を見せられて、終わる。どの書評も「驚きの結末」みたいなことが書かれてて、2/3過ぎくらいからある程度予想はつくのに、更にそれを裏切るような展開が待っている。この展開は、女の子の恋愛には確かによくあることかも知れない。でも、作者にとってはこの「恋愛」の筋というのは、今回はそれほど重要じゃなかったのかも知れない。

読み終えてまず最初に僕が思ったのは、僕に似てる人が現れてはほしくない、ということだった。僕に似てる人が、僕を知ってる人の前に現れたりしないでほしい、ということだった。遠出した場所で買ってくる本としては最善の選択肢だったんじゃないかと、思う。

四日市まで112km!

しまなみで130km走れたので、四日市まで走ることもできるだろうと、ルートを確認して四日市を目指すことに。

ルートラボで調べてみたら、110kmちょっと。距離的にはしまなみより楽なハズ。
当日は秋晴れのいい天気、絶好のツーリング日和!
130kmを7時間30分だったので、7時出発で余裕を見て16時着で計画。

例によって、後半になればなるほど余裕がなくなり、全然写真撮ってない!! 

ルートラボを埋め込みたかったんだけどどうしても表示されないのでpngでキャプチャしたものを。
URLはこちら。http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=fd100b51872826154ec35a519ff1c4e1

①出発-163号-24号-上狛四丁目(20.2km)

まずいきなり出発が1時間遅れ。準備に手間取る。
163号に出て、木津に出て一旦24号を走った後、再び163号で東に向かうルート。
木津自転車道で嵐山に行った際、163号を走るのがイヤで奈良市街を通るルートで行ったんだけど、今回走ってみたら全然大丈夫。確かにトラックはしょっちゅう通るけどそれほど怖くはなかった。24号から再び163に入るところで一区切りと考えていたのでそこまでは基本的にノンストップ。泉大橋だけ、ちょっと記念に撮影。ここまで50分くらい?ちょっと遅いけどいつものペース。

②上狛四丁目-163号-笠置-伊賀上野(23.1km)

163号はとにかくアップダウンがきついということは知っているので、この区間をどれだけのタイムで走れるかがポイント、と考えていて、くだりが見つかるたび全力で走る。平地で30km/h前後で走り抜けることができ、好調好調。出発してから基本的にノンストップだったので、笠置ドライブインでいったん休憩。もちろん笠置はよく知ってはいるけど、実際に降りてみたことはなくて、ああこういう場所だったんだな、ここだったんだな、としみじみ。

登りは確かにきついのと、向かい風が強いのとで、なかなか前に進まないときもあったものの、登り坂で止まることもなく、まずまず落ち着いて走る。ところが島ヶ原に差し掛かったあたりで、左膝が少し痛みだす。なんだろう?と思いながら走っていると、今度は買ったばかりのフルレングスのサイクルパンツの右足の裾がギアにこすれ、とうとう破れてしまう!パンツが破れたこと自体はしょうがないけど、このまま走ってたら危なくてしょうがない。とにかく裾を纏めることを考えないと、と、慎重に走りながら伊賀上野について最初のコンビニに。

安全ピンでもあればいいか、と思ったけど、なんとコンビニには安全ピンはおいてない!ローソンに寄ってみたものの同じ。マックスバリュとコメリがあったのでしばし考えてコメリへ。無事安全ピンを調達して裾を纏める。伊賀上野には10:50頃ついてて、再び走り始めたのが11:20くらいで、これで約30分のロス。

③伊賀上野-25号(旧道)-柘植(16.5km)

昔住んでいたいちばんよく知っている道で、いちばん楽に走れると思っていたルートなのに、予想外にいちばん苦労した難ルート。走っても走っても全然足が出ない。また足を使い切ったか??ほぼ直線のただの平地、風も吹いてないのにまったく足がでない。必死で回しても20km/hでない。そうなると精神的にも沈んで余計力が出ない。予想外の難ルート。それもそのはず、後からルートラボで見てみたら、180mアップの緩い延々登り坂だったのだ。よく知ってる道だと漫然とルートラボを見ていて、この登りが柘植から亀山に至るルートだと思っていたので、ここを走っているときはなんで自分の足がでないのかまったくわからなかった。

とりあえず、お腹がすいたから、としか思い当たらず、ドライブイン伊賀に入って天ぷらうどん。こんな味だったっけな…。

補給食にウィダーインと、とりあえず体力を回復させようとリポビタンDを買って、リポDは速攻飲む。このときはまだ、ここからが登りの本番だと思っていたので…。12:30頃出発。

④柘植-25号(旧道)-亀山(19.4km)

名阪国道ではもちろんなく、旧道の25号を通って亀山へ。ウェブでこのルートで亀山に出たという方の記事を何件か見つけてたので大丈夫だろうと思ってはいたものの、自分の記憶に残っている25号のこのルートはとんでもない砂利道で、ほんとに大丈夫なのか…そもそもかなりの急勾配だったはず。柘植が50km地点だったはずなので、ここまでで4時間30分かかってるということは、このペースでは16時に亀山に到着できない。とにかくできる限り早く亀山にたどり着けるよう方針を決める。名阪国道の標識が「亀山20km」と書いていたので、坂道も計算して14:00までになんとか亀山にたどり着こうと決める。

ところが…柘植で少し登ったあとは、ひたすら下る!下る!下る!地図でみたら当たり前なんだけど、柘植で頂点にたどり着いていて、後は亀山に向かって下る一方だったのだ。しかも砂利道の記憶はもちろん間違ってなくて、車で走るのも必死だったもんな、と鬼の形相で路面を探りながら飛ばして飛ばしてくだっていく。このころになると、足の痛みとか感じなくなっていて、やっぱりウオームアップの延長というか、走っている間に出来てくる体があるんだな、と痛感。国道1号線に出たところで、13:09。亀山にたどり着いたのが13:30頃。

⑤亀山-1号-四日市(20.0km)

亀山にたどり着いたあたりで見た道路標識に「四日市30km」と書かれていて、20km/hペースで走って1時間30分…15:00着か、行けるかもしれない、と気持ちを立て直して1号線をひた走る。1号線に入ってからは絶好調で、目に見えるアップダウンがあるものの、登り坂でも30km/hをキープして走れることがあったくらい。きつい登りでも27,8km/hで走り切れた。今更リポビタンDが効いてきたか?やっぱり道がいいとスピードが出るのか?と思いながらひたすら飛ばし、ちょっとキツいかな、と思い始めた頃、残してた補給食を食べてまた回復。平均30km/hくらいで快調に飛ばす。

ロングライドの後半って、経験的に、疲れているので、ほんとは見たことのない道だったり、全然違う道だったりしても、ちょっと似ている建物や景色を錯覚して、「あ、ここ知ってる、あそこやんな」って思って安心してしまうんだけど、この1号線で四日市市に入ったときは「え、もう?」と思ったけど全然間違えなかったし、自信があった。言うほど通ったことのない道に違いないのに、まったく見間違えてるなんて思わないくらい自信があった。もうちょっとでたどり着ける。この闇の向こうに。市街に入ったので車と信号が多くて、今まで通りには飛ばせずそれがもどかしかったけれど、やり遂げるという喜びが全身を満たす。そして何の間違いもなく、無事近鉄四日市駅に到着。14:40くらいだったと思う。

 

近鉄四日市駅の周りをCRRを押しながら一周し、ヘルメットとグローブをバックパックに仕舞いサイクルキャップに着替えて、駐輪できるところを探してララスクエアに停めてサンマルクへ。何をするでもなくコーヒーを。この後、どこでロードバイクをばらして輪行袋にいれるかなあ、と、思いめぐらせながらずっとコーヒーを。

死んで花実が咲くものか

職場の同じチームの営業が、昨晩心筋梗塞で倒れたという連絡を受けた。その営業の奥さんからだった。幸い、カテーテルの手術も成功し、今は命に別状はないらしい。ICUに2,3日入った後、順調でも3週間は入院になるという。

僕は病気持ちで生まれてきた体の弱い身だったので(今は五体満足)、健康については人一倍感謝していると思う。だから、安易に病気を考える風情や、病気に憧れるような物言いに対しては、どうしてもちょっと眉をひそめてしまう。こういう出来事がないと命に感謝できないのはあまりいいことではないけれど、何か事あるごとに命について深く考え直すという姿勢は持っていていいと思うから。

秋の遷都祭へ

ポストしまなみの初ポタリングは秋の遷都祭へ!
なんのイベントに行く訳でもないので、見れるものは春とほぼ変わんないし、単に平城宮跡に行ってぶらぶらするだけなんですが、それでもいいんです。あそこはただ行って風に吹かれるだけでいいんです。

ルートはいつも通り、帝塚山大学前を抜けてとりみ通りを走り、学園前→菖蒲池で、西大寺。
15分もウォームアップできないまま東生駒から坂に入るので、急に心臓があがるんだけど、一度あがると楽になるのと、しまなみでの経験から、やっぱり坂は早く強く登れるようになってると思う。あとは平地のスピードをつけるための地脚を鍛えること。朝練、朝練。

会場では、例によって大極殿に入る訳でもなく、一度潜った朱雀門をもっかい潜るわけでもなく、遣唐使船も外から眺めるだけで、ただ宮跡内を淡々と散歩。今日の秋晴れは素晴らしかった。そして、結構な数の人が来てると思うのに、あの広大な敷地は物の数に入らないといったような顔をする。

お昼は韓国料理を出しているお店でビビン麺を。結構しっかりした甘辛味でうまかったです。オススメ。

遠目に見た大極殿。祭が終わっても、大極殿はそのまま居続けてくれるし、反対にもうあの何にもなかったただの広っぱの平城京跡には戻らないんだと思うと寂しいけど、きれいになって人が来てくれるんならそれもまたよし、とそんな気分。

Koshi Inaba LIVE 2010 ~enⅡ~徳島・神戸・福岡 総まとめ

LIVE 2004 enのときはまさかのチケット落選、そして今回もファンクラブ優先は全滅、直近のACTIONツアーの悪夢が甦った(ファンクラブ全滅、手当たり次第申し込んでようやく確保できたのが唯一日曜の仙台だった。でもこの仙台公演は大当たりで、それ以降余計に”遠征するのも十分アリ”という気持ちが定着)僕は、ファンクラブ全滅した翌日から、enⅡのチケット抽選が発表されるや否や片っ端から申し込み、その結果、徳島、仙台、そしてキャンセル不可の福岡、鹿児島といずれも遠方ばかり4か所のチケットをゲット。そこへきてファンクラブから神戸公演追加のお知らせがあり、速攻申し込み、無事入手。さすがに交通費もろもろ考えると全公演参加は厳しいと思い、仙台と鹿児島は泣く泣く諦め、8/29@徳島、10/7@神戸、10/11@福岡の3公演に参加。

3公演のレポはその都度mixiに書いてたんだけど、今回のツアーへの参加は、個人的なことも含めて自分の人生史に残さないといけないような大切な出来事なので、改めて纏めてみようと思いmixiから転記してみました。その上で加筆しようと思ったんだけど、意外なことに加筆する必要がないくらい、珍しくちゃんと書けてたので、そのまま3本並べてみます。よろしければ。

ひとつだけ書いてないこと、それは、徳島の翌日の帰り道、偶然にもツアートラックの後ろについたこと。徳島淡路鳴門自動車道を余韻満載で、真夏の名残残る青空のもと気持ちよく走っていたら、遠くに見えてくるのは紛れもなくツアートラック!慌ててケータイで撮影したのがこの写真です。ほんとはダメなんですけどね。

 

2010/08/29 Koshi Inaba LIVE 2010 ~enⅡ~@アスティとくしま 

”なぜに人は誰もただ生きるだけで傷つく 傷つける? 眠れぬ夜をまたひとつこえよう” (『エデン』/稲葉浩志)

アスティとくしま、行ってきました!!
稲葉のソロライブ、Koshi Inaba Live 2010 enⅡです!!
会場に車を停めたかったので、 6時起きで家を出発、ロードバイクも積んできました(笑)

ライブは熱かった!!
鳥肌立ちました。 B'zよりも断然人間くさかった。
そういう意味でほんとにライブでした。

『Hadou』の曲からは、どれも「どんなふうに生きる?」という問いかけを受けるんだけど、
今回のセットリストは、『Hadou』以外の曲のいくつかがすごい重しとして効いてた。
スクリーンの効果からも、「時間」と「関係性」が軸になってると感じるんだけど、
『Hadou』以外の曲がほんとにそこをうまく引き立たせてた。

いやー交通費負担がキツいし諦めようと思ってた福岡も行きたくなってきた(笑) 

明日は持ってきたロードバイクで眉山を登るか悩み中…

2010/10/07 Koshi Inaba LIVE 2010 ~enⅡ~@神戸ワールド記念ホール 

思い切って行ってきました。enⅡ@神戸、二日目。

印象的だったのはセットリストの変更。
『エデン』が、『去りゆく人へ』に。

神戸二日目でいちばん印象に残ったのは、『赤い糸』。 

”ただ 真っすぐ 何かに突き進んでゆくあなたをね
ついついね 見つめてしまう” 
(『赤い糸』/稲葉浩志) 

これは僕だけかも知れないけど、 この日の稲葉さんはなんかちょっと固かった。 
何かを堪えているというか、そういう雰囲気があった。 

すごい楽しみにしてた『今宵キミト』も、 徳島のときより硬かった。
出だしの部分は、気合が入りすぎて空回りしてるみたいに。
そんな中、ときどきふっとリラックスしたように笑う瞬間があったんだけど、
特にこの『赤い糸』のときの笑顔が堪らなかった。
とても気持ちよさそうに、歌ってることで何かから解き放たれているようだった。
観てるだけで泣けてくるような、そんないい笑顔でした。

”すべてを知ることなんて できないよ
だから 目を閉じて祈る”
(『赤い糸』/稲葉浩志)

座席が結構前だったので、ラストの『手を振ろう』で、
稲葉さんが歌うとこの地声がちょっと聞こえたのが嬉しかった。

”問題は依然、解決しない 
うまい話も基本的にない
明日が怖い?怖いのは自分 
そんな毎日を生きるのも自分
今日の自分に向かって思い切って
手を振ろう さぁいま 手を振ろう
手を振ろう さぁいま 手を振ろう

知ってるはず 感じてごらんよ 
身体の奥で 炎のタネが芽吹いて 
パッと綺麗に燃える
その時が来る 絶対来る
明日の自分にしっかり見えるように
手を振ろう さぁいま 手を振ろう
手を振ろう さぁいま 手を振ろう”
(隠しトラック/稲葉浩志)

なかなか、タイミングが合わなかった。手を振るタイミング。

2010/10/11 Koshi Inaba LIVE 2010 ~enⅡ~@マリンメッセ福岡 

神戸に引き続き、 本当に本当に本当に当日の今日の、 

この新幹線に乗らないと間に合わないというところまで 様々に考え、
どうするか迷いに迷ったのですが、 考えに考えた末、福岡マリンメッセ、行くことにした。

これだけの思いと覚悟で来てるんだから、 応えてくれよ稲葉、
という勝手な祈りにも似た願いに、
なんと完璧に応えてくれたライブだった。

まず、僕にとってこれがenⅡの総決算なので、
一回目の徳島からわかっていたモチーフで、
僕にとっても大事だったところを。

”どしたら変わる?どしたら笑う? きっと簡単なスイッチだろう
でもそれが見つからないまま 人は苦い涙にくれる”
(『tamayura』/稲葉浩志)

”あなただけにしか触れられない 心のスイッチがある
きっとそれだけは 何が起きても 消えることはもうないでしょう”
(『この手をとって走り出して』/稲葉浩志)

僕は『この手をとって走り出して』はそれほど感動する曲ではないんだけど、
ライブでのこのコントラストは3回聴いても鮮やかとしかいいようがなかった。

そして印象的だったのは、神戸で変更のあったセットリストの部分、
今日は福岡の二日目だから、『去りゆく人へ』をやるんだろうと踏んでいたら、
なんと『主人公』だった。 『エデン』→『去りゆく人へ』→『主人公』。
これが印象に残らないはずがない。

そして気が付いた。これを自分の側のことだけで受け止めてはいけないのだと。
『今宵キミト』で気が付いたように、 この流れは相手に捧げなければならない流れ。
相手がどう思っていようと、捧げなければいけないんだ。

この日の『今宵キミト』はパーフェクトだったんじゃないかなと思う。
その上で、いちばん心を揺さぶられたのは神戸に続いて『赤い糸』。
そしてこの曲すら、相手と自分の立場を入れ替えられるくらいのところまで来る。

3回のライブを通して、このライブで一番印象に残った曲は?と言うと 『遠くまで』。

”いつでも景色の片隅には君が映っているよ 花のように 微笑んで”
(『遠くまで』/稲葉浩志)

3回のライブのどれがいちばん良かったか?と言うと、徳島だったと思う。
ライブそのものの出来もそうだったし
(神戸は固かったし、福岡は声の調子は良かったみたいだけどシャウトが短いアレンジだったりした)、
個人的なことだけれどなによりあの徳島はほんとうに煌めいていたから。
何もかもひっくるめて、新しい自分のほんとうの第一歩を踏み出せたときだったから。

そして僕に残ったまんまの謎。
この部分がどういうことを歌っているのか?

”楽しい時をゆがめてしまう勇気を しぼり出せずに
わざと遠まわしな言葉 えらんでいたけど”
(『この手をとって走り出して』/稲葉浩志)

朝練!

週末乗りだけではスピードを出す心臓が鍛えられないことをしまなみで痛感し、週に一回は平日の朝に練習をする決意。

『Tarzan』や『funride』を買ってきて、紹介されてた朝練記事を熟読。「インターバルトレーニング30分」という、短時間の全速力ダッシュを繰り返し行うトレーニングが効果的ということで、30分ならすこし早起きすればなんとかなるのでこれにトライ。

今週の頭に一週間のスケジュールを眺めてみたところ、今日が少し遅め出発の東京出張だったので、急に予定が変わることもなく、いちばん計画しやすいと思って予定していたんだけど、昨日の夜の時点で天気予報は雨…。しかも急激に寒くなって。なんなんだよ…と思いながら支度して寝て6:00に起きてみたら、とりあえず雨は降ってない!

6:00起床、着替え等を済ませたら6:15。CRR担いで部屋を出ていざスタート。30分で帰ってこれる距離で走りやすそうなところをイメージした結果、東生駒に出るまでの5分でウォームアップにして、168号を南下して壱分で折り返すのがよいと思い、このルートで。結果…:

  • ウェアを気にしてたけど、真っ先にいるのは冬用グローブ!
  • 168は短い間隔でやたら信号がある。かといって川沿いは生活道なので、急に歩行者が飛び出してくるのが心配。
  • 一回目の全力ダッシュの後、二回目の全力ダッシュはかなりキツい。この辺がインターバルトレーニングの所以なんだろうな。

思ったよりは手軽だったので、週一でちゃんと続けていきたいと思います。

B0043AT0YA Tarzan (ターザン) 2010年 10/28号 [雑誌]
マガジンハウス 2010-10-14

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B004665R66 funride (ファンライド) 2010年 11月号 [雑誌]
アールビーズ 2010-10-20

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魂の健康

いつかの会報のQ&Aで、「歌詞を書くのに大切なことはなんですか?」と言ったような質問があって、それに対して稲葉さんは:

「魂の健康」

と答えていて、う~んと唸ったことを覚えている。

稲葉さんの歌詞って、弱くて情けなくてふがいないけどそれでも頑張ろうとする主人公を歌われたりもするけれど、とても悲劇的で辛い状況や心境の歌詞もたくさんある。ああいう追い詰め(られ)方をした言葉を紡ぐのって、実際にそういう境遇じゃないと無理なんじゃないの~?でもそんな境遇ばかりだったらしんどくて持たないんじゃないの~?って思ってたところにこの会報のQ&Aで、「そうなんだ、やっぱり」と納得した記憶がある。

どんなに悲劇的で辛いことを書くにしても、ある意味それが自分にとってフィクションとして書けないと、いいものは書けないし、長くは続けられない。私小説的なやり方は、どういう訳かはわからないけれど、長く続けると破綻する。やっぱり魂の健康が大切なんだな、と、最近改めてよく思う。まず平常心。