『マッキンゼー 世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密』/ダフ・マクドナルド

この種の本を読むといつも思わされるのは、「アメリカは昔からカネ最優先の国だった訳ではない」ということ。

マッキンゼーというコンサルティング・ファームがどのようにしてその品質を維持し続けているのか、という漠然とした誰でも持っている疑問に迫れる内容と知って手にとってみましたが、マッキンゼーに関する著述そのものももちろん非常に興味深いのですが、アメリカ社会の変遷に関する記述がまた非常に面白いです。1970年前後生まれの世代は大抵、アメリカというと本質的に成果主義でカネが重要視される社会だと思い込んでいる節がありますが、高度成長期を経た日本と同様に、アメリカにも「会社人間」時代があって、その反動で「株主資本主義社会」に進んでいったことが本著を読むとわかります。

1970年代は単なるアメリカ経済の転換点でなく、アメリカの自己イメージの転換点でもあった。会社人間はようやく鏡をのぞき込み、他人がずっと見ていた顔を見た。画一的で何かが犠牲になり、戦後の繁栄が残したのは脂肪と怠惰だった。管理主義の時代は終わりつつあり、より攻撃的でもっと下品な、いわゆる株主資本主義の時代が取って代わろうとしていた(p122)

「若い専門職業人に大金が本当に必要なのか?もし社員の意欲の源が金になってしまうのを許したら、拝金主義が私たちの価値観を踏みつぶしてしまう。専門的サービスを提供する偉大な事務所は、拝金主義が根をおろすのを許してはいけない」(p244)


目に見えるモノを作ってカネを得ていた時代から、カネからカネを生もうとする時代に進展していった本質的な理由は「強欲」にあるといって差し支えないと思う。その点で、資本主義というのはそこそこで止めておくということを許さないシステムだということができると思う。その進展を滞りなく進めるためにコンサルタントが登場し、コンサルタントの強欲と共に経済システムも強欲になっていく。

「すぐれたビジネスリーダーはコンサルタントを雇わない。コンサルタントは、自分の組織を心配している不安定な権力亡者を食い物にしている。アメックスのCEOケン・シュノールトは、コンサルタントに電話しないとクソもできない。彼らはそこに深く入り込んでいて、電話帳に自分たちの番号を載せるんだ」(p243)


そして私がいつも不可解に思っている、「実際にやれたかどうかではなく、”どういうことをやると言うか”で評価やカネ(資金、資本、クラウドファウンディング)が膨らむシステムに対する疑義がエンロン事件を引き合いに出して語られる。

エンロンを批判する者があらわれて、会計手法に疑問を呈するようになると、マッキンゼーはいままで以上に熱烈な支持を表明した。「『取引』に関する技術は、ビジネスの規模や範囲よりも重要に、さらに戦略に関する洞察は、企業が全体に占める地位よりも重要になった。」この生命は不可解だー実際にしていることではなく、したいと思っていることが重要だと言っているのだ。エンロンでは最後に概念が現実するという、まさにマッキンゼーのコンサルタントが夢見ていた結果になった」(p286)


「職業」と「商売」が対立概念として記述されていることにはっとした。そして、先の引用にもあった、「社員の意欲の源が金になってしまったら」というところ、まさに「社員の意欲の源が金」でしかない(外資系の)会社に勤務している自分としては、周囲に流されないようにするというだけでは不十分だという辛い結論を受け入れなければならなかった。

組織は生き延びたが、ずっと大切にしてきた価値観はその途中でうち捨てられた。ラジャット・グプタのマッキンゼーは職業ではなく商売だった。それはもちろん、驚くほど成功した商売だったが」(p318)

「…会社を10年も率いてきた人物がマーヴィンが築き上げた価値観を見失ってしまったことで、私は二つの点に気付かされた。一つは、アメリカ社会全体がいかに金がすべてという方向に偏ってしまったかということ。もう一つは、現実の企業が現実の仕事をする手助けをするというみずからの存在理由を、金融界がすっかり見失ってしまったということだ…」(p370)


日本の政治は常にアメリカを手本として、成果主義や金融改革など言いますが、それが唯一の道ではないと思うし、世界の至るところでアメリカ的株主資本主義に抗う運動があることも理解できるようになりました。少なくとも、アメリカに先例があるなら、そこで起きている問題点は見えるはずだしそこを考慮してよりよい道を立案するべきだと思うのです。しかし現実は長らくそうだし現政権もそうですが「そんなこと言っても食えなきゃ意味がないだろ」と言わんばかりの進め方をします。そこには理想も何もないかのようです。
4478023514 マッキンゼー―――世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密
ダフ・マクドナルド 日暮 雅通
ダイヤモンド社 2013-09-21

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フラット落車の理由(わけ)

去年買って、二回使って二回とも乗り始め10分くらいで転倒落車してお蔵入りしてたSPEEDPLAY PLATFORMER

「なんでフラットペダルにしてるのに転倒するんだ!?ビンディングで転倒なんてもうとっくにしなくなってるのに」と訝しんでたのですが、今日久し振りに歯医者と美容院に行くのにシューズは大袈裟かと思い、プラットフォーマーつけて走ってみて転倒の理由が判りました。たぶん高低差です。

 スピードプレイはとりわけクリートが出っ張ってるので、スピードプレイで調節したサドル高でプラットフォーマーつけて普通の靴で回すと、ちょっとサドルが高いのです。微妙に。微妙にペダルに足が届かない、下のほう回ってるときに。なのでたまに足がペダルを滑るときがあった。あれがもうちょっと早いスピードで回してて踏み外してると転倒するだろうなあと。

 だからと言って厚底靴買う訳にもいかず、勧められたエッグビーター+SPDもイチから全部投資になるのでなかなか思い切れないし。プラットフォーマーは今日みたいな近所乗りでしか使わないし、ちゃんと意識して乗ることで転倒回避することにしよう。

自転車保険を再検討しました:JCA vs ドコモサイクル保険

JCAは年会費5,000円で賠償責任補償1億円の自転車保険に加入だったのが、今年から年会費据え置きで保険は別加入になってしまいました。そうなるとJCA加入のわかりやすいメリットはサイクリングタッグだけ。それも無料という訳ではないし、JCAに加入して今まで一度も使ったことないので実質無意味。じゃあ加入の最大の目的だった自転車保険に加入しようと思うと、保険料は3,000円。つまり、年8,000円の保険料支払い。ちょっと高い気がする。

そこで比較対象にしたのがドコモのサイクル保険。知ってはいたけれどJCA加入のつもりだったので真剣に調べてませんでした。数字できっちり比較:



JCA

ドコモ

実質保険料(年)

8,000円

5,280円

賠償責任保証

1億円

2億円

日常生活賠償責任

対象

対象

死亡/後遺障害補償

272万円

500万円

入院補償

4,000円/日

3,000円/日

示談交渉サービス

あり

あり

入院補償がJCAのほうが1,000円多いけど、それ以外は軒並みドコモのほうが手厚い。おまけにドコモのほうが2,720円も安い。もちろんJCAの保険は保険料だけでみたら3,000円なのでドコモより安いんだけど、JCA会費5,000円も実質保険料なので。JCA会員特典にもう少し魅力的なものがあればよかったんだけど、そんなに乗れる訳でもないしイベントに行ける訳でもない人間にとっては会員になる魅力もそもそもあんまりない。

ということで、ドコモサイクル保険に申し込んだのでした。去年おっきな事故にあってますしね。保険は大事です。

それにしてもJCA、もう少し何とかならないものでしょうか。確かにほんとに活発に自転車を楽しめる環境の人にとってはいい内容だと思うけど、もうちょっと裾野を広げる中身を考えないと、全国の道路に自転車レーンを設置するとか夢のまた夢な気がしますよ。

独走会 - 2014/06/08 生駒ー香芝ー橿原ー郡山ーならまちー生駒

一時間あたり移動距離20kmで総走行距離80km練習。なので一切写真撮影なし!

自分の平地の遅さはよく判っていて、最低限一時間あたり移動距離20kmで80km走れるようになりたいと目標を立てました。で、まずは勝手知ったる奈良盆地の、起伏の少ないルートを選んで練習しました。ロングライドに向けた練習なので、今日の走行には不要な荷物もしょって。ロングライド時の状況でやらないと意味ないので。

最初の2時間は、移動時間各50分くらい、移動時の平均速度25km/h前後。50分走って5分休憩、を2回繰り返した形で、満足できたペースです。

3時間目はGARMINのルート案内をセットして、川西町のあたりからならまちへ。走り始めて15分くらいで空腹に耐えかね、見つけたローソンでおにぎりを食べて若干時間を食い、ならまちについたのが3時間目のスタートから46分後。移動距離16.3kmで平均速度21.0kmになりましたが、たぶん後10分あれば確実に20kmになったと思うので、1時間で20kmは達成できたと思います。

ならまちデッドヒート。信号待ち時点から無法地帯な感じでした(笑)。

ここで『樫舎』に立ち寄り氷を。これで30分くらい休憩になったはずなのに、この後の15kmがなかなかきつく(富雄から東生駒までの若干上り区間があるものの)48分、平均速度18.8km/hまで落ち込んでしまいました。

目標の一時間あたり移動距離20kmで80km走行は出来ませんでしたが、ひとつの手応えは得ました。次の目標は、2時間で50km移動。最初の2時間で50km走れると、そこで1時間休憩してリカバリして、あと3時間で50km走って、トータル6時間で100kmという計算を立てられます。55分走って5分休憩、で計算すると、一時間単位での平均速度の目標は、25km / (55/60) =  27.3km/h。なので移動時はだいたい30km/hで走ってないといけない計算。当面、これが目標です。

  • やっぱり荷物が結構邪魔になる。輪行袋、履き替え用の折り畳み靴、スマートフォンの充電用バッテリ。基本的にこの3つが重さの源なんだけど、靴はビンディングで電車乗り継ぐ覚悟決めれば靴は抜けるなあとか。
  • 膝が冷える。最後の4時間目の途中、膝が痛くて回せなかった。登りは問題なかったので、風のせい?長距離走る際は膝が隠れているレーパンがベストかも。
  • 日焼けで痛い。日焼け止めの塗り直しが必要。
  • 食べる時間が必要。これをカットするためには予め補給食を(エナジー系以外に)持ってないと。

街の本屋で本を買う - 2014/06/07 ジュンク堂書店難波店 『Google Maps Hacks 第2版』

中身を見てからでないと絶対買えない本、そのひとつは参考書。

地図情報の活用方法を少し勉強したいなと思い、ウェブで見れる情報を少しずつ読んでいたのですが、そろそろまとまった知識として学びたいと思い、参考書籍を購入することに。重いし高いし、amazonで書評頼りに購入しようかと思ったのですが、この手の参考書籍は情報量とその見せ方の合う/合わないが個人差の大きいものなので、やっぱり中身を見てからにしようとジュンク堂へ。

amazonのなか見!検索は、物語とか雑誌とかはいいんですけど、参考書はなんというか使うときの「サイズ感」も大事なので、なか見!検索でディスプレイで見ても使い勝手がわからないんですよね。

という訳でジュンク堂でコンピュータの棚をうろうろしたんですが、意外と地図アプリに的を絞った開発書というのはないんですね。欲しい内容とは異なるんだけど『mapion・日本一の地図システムの作り方』が非常に興味をそそられる、参考になりそうな本だったんですがなんとか思いとどまり、GPS情報の詳細かGoogle Mapsの詳細かに的を絞って選んだのが『Google Maps Hacks』。既に開発スキルを持つ人向けの書籍ではありますが、調べたおしてみようかと。そういう決断も、なか見!検索ではできませんしね。

Google Maps Hacks 第2版 ―地図検索サービスをもっと活用するテクニック
Google Maps Hacks 2 Rich Gibson Schuyler Erle 武舎 広幸

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『Singing Bird』/稲葉浩志

円熟。円熟の歌手のアルバム、という表現がいちばんしっくり来ます。例えるなら由紀さおり?そんな感じ。

頑張らなくてもいいんだよなんて
今の僕には聞かせないで

(『Golden Road』/稲葉浩志)

ソロ3作目の『Peace Of Mind』がリリースされた時点で、「ソロはこれで終わりなんだろうな」と思ってました。なんとなく3作ってキリがいいし、『Peace Of Mind』というタイトルも象徴的だし、サウンド的にも素人の耳にも熟成していってるのが判ったし。ところが6年の時を挟んで『Hadou』がリリースされて、その破壊力に圧倒されて。『Hadou』はそれまでのソロ3作と違って、「稲葉浩志バンド」的な音で、歌詞もそれまで以上に稲葉スピリット全開で僕はソロ作品の中で最も好きです。アルバム構成も凄いし、ライブも凄かったし。『今宵キミト』の境地に呆然としたり、『絶対(的)』という(的)の使い方に驚愕したり。

なので、今年5作目のソロアルバムを出すと知った時、「あれ以上のもの出てくるのかなあ」と、これはB’zと違って少し不安な感情を持ってしまってて、どんなアルバムになるのか、稲葉浩志は必ず進化すると思って予想するとしたら、ソロ活動での「バンド」サウンドは一旦『Hadou』で行き着いたと思うから、より「ボーカリスト色」の強い曲で来るかなあ、と思っていたらアルバムタイトルが『Singing Bird』でひょっとしたら意図的にあってるのかな?と思いつつ、届いたアルバムを通して聴いてみたらこれは非常に円熟したボーカリストの、聴かせるためのシンプルでメロディアスな曲が詰め込まれたアルバムでした。音数もそんなに多くないと思いますし、絵で言うと水彩画のような?なんだったら2,3色しか使ってない水彩画のような。昔から聞いたことのあるような、奇を衒わない、歌声を聴かせるための曲。童謡のようかも。

なので、一聴するとあまりインパクトのない、さらっと聴いてしまうかもしれないアルバムですけど、ずーっと聴き続けたくなる大人のサウンド。そして今までの稲葉の歌詞が、アウフヘーベンを実践するような観念に満ちた歌詞だったけれど、それも「激情的」だったと思えるくらい、更に先に進んで円熟した精神性を示してくれる歌詞の数々。感涙。

例えば『Stay Free』:

自由ってどんなものでしょ
逃げるだけじゃこの手には掴めない

『孤独のススメ』なんかはまるごと引用したくなります:

そして、今の世間に逆行するかのような『Golden Road』に痺れます:

頑張らなくてもいいんだよなんて
今の僕には聞かせないで

ムリをしたっていいんじゃない
笑われたっていいんじゃない
誰かのものでもない
僕だけのゴールデンロード

しかしこのアルバムは、『photograh』にトドメを刺すと思います。いつもながらの稲葉得意のいたたまれない未練感の歌で、いい曲だなあ・・・と思いきや、ふと耳を突き刺すフレーズ:

人は誰もがいつか旅立つと
わかっているつもりでいたけれど

ああそっちなのか、この曲はそっちなのかと、B’zでも珍しい、『TINY DROPS』くらいしか例のない、そっちの曲なのかと、自分の年も思い浮かべながらしんみりと聴き入ったのでした。本当にいいアルバムです。


B00JMOQTIM Singing Bird
稲葉浩志
バーミリオンレコード 2014-05-20

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独走会・街のパン屋でパンを買う - 2014/05/31 生駒山麓公園・みやけ・正暦寺・ノモケマナ

「山へ行くつもりじゃなかった」はもちろん、『海へ行くつもりじゃなかった』のオマージュです。


先週末ひどい喉風邪をひいて体力以上に気力を失い、いい天気だったのに走りにも行かなかったしそれどころか何にもしない週末を過ごし、今週末こそはと思ってたら週半ばでぶり返して滅入ってしまったのですが、なんとか走れるかな、くらいまで体調を回復させることができたので、じゃあと駆り出したものの、どの程度走れるか自信がない。まだ鼻は通りきらないし、喉もぜーぜー言う。なので、とりあえず阪奈道路のてっぺんまで、阪奈を通るのは無理だったとき引き返せないから危険なので裏道で出てみて、上りきれたら大阪市内の平坦を走って遠出しよう、無理そうだったら引き返して富雄にかき氷でも食べに行こう、と思ってたのに、気がついたら何故か生駒山麓公園に向かう上りを駆け上がるはめに・・・

宝山寺登るより距離も短く楽そうなのに、実感は宝山寺より厳しいと思ったら、ルートログ見ると平均斜度は宝山寺より少し緩い8.5%くらいですが距離が1km長かったです。いい練習ルートかも。公園に辿り着いたあと、大阪側に出るにはダートを走るしか無いようで、それが嫌なら結局坂を下りきって出直しのようで、そんな気が起きるはずもなく、意気揚々と坂を下って『みやけ』へ。

好きなかき氷五本の指に入ります。店構えも魅力。ロードバイクと氷は絶対的にあいます。


途中でTRANSITの人にあったので、お願いしていたチューブを買いに立ち寄り。最近、立ち寄るとお客さんが続々と来るシーンしか見たことない。儲かってはります。TRANSITの人が出たついでにまたまた改めて独走会について、独走会と言うのは富雄の超絶カッコいい自転車屋TRANSITの走行会「おいしいポタリング」の参加者の(すごくカッコよく言うと)スピンアウトで、「独りで走る愉しさ」を知る大人の集団、ということにしています。独りで走ればそれでもう「独走会」。

さてどうしたものか、と思ったのですが、いくつか行き先で調べていた中から、正暦寺に向かうことに。距離的にちょうどいい長さだったのと、ちょうどいい上りだったので。

正暦寺は奈良市の南東、山間部にあります。北から169号線を帯解寺あたりまで下ったら、正暦寺に登る道に入れます。

約3km・平均斜度3%、ほとんど車も人も通らず、気ままに登りを楽しめました。


孔雀明王という大変珍しい像にお目にかかれました。猛毒を持つコブラの天敵ということで健康の願いを叶えてくれるとともに、消し難い己の煩悩を断ち切ってくださいとお願いすることも修行僧にあったそうです。


住職さんが優しくて、車両進入禁止だけど今の時期は人もいないし門まで自転車持ってきて写真撮ってもいいよとおっしゃってくれたのですが、やっぱりそれは甘えすぎなと思って控えました。

それにしても体調がいまいちとは言え走れなかった。

  • 50kmを過ぎて足が重くなり回せなくなり20km/hくらいしか出せず、富雄から阪奈沿いの登りも苦しかった。平地長距離走練習しないと。

  • 去年も、シーズン初の炎天下はバテバテだった気もする。初独走会の長谷寺。

  • まだ元気があったときも、ケイデンスあげるとおしりがポンポン跳ねてたので、ちゃんと回せてないと思う、回す練習を心がけよう。

帰りは久しぶりにノモケマナ。ハード系がおいしいお店ですが糖分摂取にあんぱんを。ノモケマナのあんぱんは「たい焼きか!」ってくらい餡が入ってます。例によって撮る前に食う体たらく…この食い意地は治りそうにありません。

B002WFMV0I three cheers for our side~海へ行くつもりじゃなかった
フリッパーズ・ギター
ポリスター 2010-01-27

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独走会・街のパン屋でパンを買う - 2014/05/17 くろんど池・秋篠寺・boulangerie ASH

独走会と言っても、別に「走るのは独りであるべし」とか言うわけでは全然ないのです。

またまた改めて独走会について、独走会と言うのは富雄の超絶カッコいい自転車屋TRANSITの走行会「おいしいポタリング」の参加者の(すごくカッコよく言うと)スピンアウトで、「独りで走る愉しさ」を知る大人の集団、ということにしています。独りで走ればそれでもう「独走会」。

ですが最初に書いたように「走るのは独りであるべし」と頑なな訳では全然ありませんで、どちらかと言うと必要に迫られたところのほうが大きいのです。割と忙しい業界に勤めるサラリーマンで、なおかつ勤務先は社員数がそんなにいなくて同じ趣味を持っている人がいないし、住んでいるところは生まれたところでも育ったところでもないので昔からの友人というのもいない訳で、必然的に独りで走る機会が増える訳です。

でも自転車というのは「独り」で愉しむことができるスポーツだし、パンクとか体力切れとかいろんなトラブルに遭遇しても自力でなんとかできてこそ愉しめるスポーツというところが、自立心を大切にする私の気風に妙にマッチして、TRANSITで知り合ったお友達の方々と走るのを愉しむ傍ら、「独り」で走るということも積極的に愉しもう、できればこの「独り」で走るということを、他の人とも共有したい、という、相反することをうまく融合したいという思いを形にしたのが「独走会」なのでした。


そんなTRANSIT一派の聖地・くろんど池。実は私はまともに行ったことがなくて今回初めてきちんと走りました。あれ、東側から来たら相当上りますね。今度、あの上りにもトライしてみようかな。


その下りを下りきった後、精華町に出てこの先どうしようかな~と考えた結果、県道52号を下って秋篠に出ることに。目的地はもちろん秋篠寺。


この苔だけを鑑賞に来られた方もいらっしゃいました。この日は日差しが抜群の明るさで、枝の影とのコントラストに見入りました。御朱印は年に一度しか貰えないそうです(ネットで調べると二回と書かれているサイトもありました)。


そしてこれもまた初めて、富雄の名店、boulangerie ASHに。店構えも可愛らしいので入ってみたくなる雰囲気満点なんですが、ドアをオープンした途端に目に飛び込んでくるパン達がどれもこれもすっごい綺麗。なんというか整っている、端正な、丁寧な綺麗さ。ガラス細工みたいでした、どれも。一気に「あれも欲しいこれも欲しい」モードになりましたがなんとか自分を落ち着けて厳選して4つ買いました。


が、写真撮る前に食べてしまう食い意地は健在で、なんとか間に合ったのがこのカレーフランス。ここしばらくハード系のパンをずっと買ってたんですが、久し振りにソフト系でおいしいと思うパンでした。ふんわりでさっと食べられておいしい。ハード系とソフト系、どちらのほうがおいしさ出すのが難しいんだろうなあと考えてみたりしました。

独走会 - 2014/05/10 宝山寺

リハビリは順調。もう2,3本宝山寺こなせたら、いよいよ暗峠かな~。

前回は生駒総合公園への上りというなんとも弱気なコースでお茶を濁しましたので、少しまとまった時間の取れたこの日はいよいよ宝山寺までの上りを試すことにしました。家を出たときはあまりその気はなく、法隆寺まで行って帰ってくるド平坦コースをペース走、と思ってたのですが家を出て、あまりに爽快に晴れた陽の光の元緑眩しい生駒山を目の当たりにすると、アップもしないままするすると上りの入り口に向かってしまっていたのでした。


結果、14分くらい掛けてですが無事上りきれたので上々の復活具合と満足。あと2,3本、ペースを上げつつ練習して、暗峠に挑みたいなと思います。

そのまま降らず、南に進む道を流した後、第二阪奈を望むあたりで東進して下ったのですが、平均傾斜15度の坂を下るのは怖いです!下りなのに平地より全然スピード出てません。

コースはこちら。この周回、私のような週末ホビーライダーの方にはかなりオススメです。上りも下りもメリハリがあって、かつ全体的に車も少なく道も走りやすいです。


独走会 - 2014/05/06 東大寺戒壇院ー工場跡事務室

"裏"東大寺は連休中でもこんなに落ち着いた佇まいです。

改めて独走会について、独走会と言うのは富雄の超絶カッコいい自転車屋TRANSITの走行会「おいしいポタリング」の参加者の(すごくカッコよく言うと)スピンアウトで、「独りで走る愉しさ」を知る大人の集団、ということにしています。独りで走ればそれでもう「独走会」。

GW連休最終日、少し走る時間が取れたので、思い立って東大寺戒壇院へ。戒壇院は「独走会」を思いついた記念の場所です。戒壇院は「戒を受ける」施設、つまり出家者が正規の僧になるために戒律を授けられる施設。それは制度によって認められるという言い方もできるけれど、「独り立ちする」ということでもある。そして戒壇院で戒律を授けるため唐から招かれたのは鑑真、5回の渡航失敗にも屈せず渡航を成し遂げた鋼の精神。その6度目の航海で嵐に飲まれた際、鑑真の船を救うべく船に現れたのが戒壇院に祀られる四天王。去年戒壇院を訪れた際、戒壇院に纏わるこれらの伝承を知って、これは私が自転車に惹かれる核心にかなり近いものがあると感じました。

時を同じくして、スッタニパータの「犀の角のようにただ独り歩め」という言葉を知ります。もちろんこれは孤立せよということを言っているのではなくて、かなりの程度修行が進んだ僧に対する言葉なのですが、ロードバイクでツーリングするのは、道中何があっても自分の責任、誰のせいにもせず言い訳もせず自分の選んだ道を走っていく愉しみというのは、この「犀の角のようにただ独り歩め」という境地に近づけるものなのではないか、そう閃いたとき、「独走会」の骨格が固まったのでした。


戒壇院北側の門です。少し段を登ります。


戒壇堂の正面。昨年、戒壇院を訪れた際御朱印を書いて頂いた方がいらっしゃって話が弾みました。その方も、自転車を趣味にされているそうで、クロスバイクで約20kmを走って戒壇院に詰めておられるそうです。いつか一緒に走ってみたいなと思っています。

「戒壇院」の文字がシブい。当たり前なんですけどあらゆる品に、お堂の名前とかお寺の名前とか描かれてるんですよね、寺院って。ちょっとユーモラスでさえあります。


御朱印。四天王って言葉は誰でも知ってると思いますが、その像はあまり見ようとしたことがないのではないでしょうか。戒壇院でお会いされることをオススメします。


戒壇院の北すぐにあるカフェ「工場跡事務室」。昭和50年代半ばまで乳酸菌飲料の研究及び製造が行われていた建物、なので工場跡なんですね。木造の味が存分に活かされたレトロな喫茶で、コーヒーもトーストもすべて美味しいオススメの場所です。このエントリが"裏"東大寺の堪能のきっかけになれば幸いです。