p26 DejaVu 佐伯啓思
「72年に発表されたローマ・クラブの『成長の限界』に鮮明に示されていた」
「80年台の新自由主義、90年代のグローバリズム」
「脱成長世界」
p88 HIT MAKER
「筏邦彦」
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ザ・タートル 投資家たちの士官学校 遠坂 淳一 秦 由紀子 日経BP社 2009-02-11 by G-Tools |
考えたことは大きく���つ。
- 経営やマネジメントは、それ専門のスキル「だけ」を持てば業種・事業内容問わず勤まるというのは、やはり時代遅れの発想だ。
- 勝つためにルーチン化されてひたすら遂行するのであって、独創性は不要どころか許されない。これは、産業革命から変わらない。
ここから更に大きく引っ張り出されるのは、「何のために働くのか���」という根源的な問い。仮に必勝パターンがあるとして、その必勝パターンを繰り返せば無限に勝ち続けられるとして、それで豊かな人生と感じられるだろうか���
ビジネスマンとして学ぶべきは、やはり数字の重要性だ。そこに到達するためには、どれくらいの距離があって、何歩歩けば何分でつくのか���それがわかっていなければビジネスにならない。
もうひとつ、これは数年前から翻訳物を読むたび常々思うことだけど、アメリカ型・日本型という紋切型の無意味さ。
������「���・ジェリー・パーカー・ジュニア」
���������「マルコム・グラッドウェルの有名な言葉に、「一瞬脳裏をよぎる閃きには、理詰めで何ヶ月も考え続けるのと同じだけの価値がある」」
���������「ルールについて、とやかく言うべきではない。これは戦争だ」佐藤大佐���映画『戦場にかける橋』より���
���������「スティーヴン・���・グールド 「私たちは、アメリカは昔から平等主義の国であり、自由という理念によってうち建てられ、人類は平等につくられているという主張を信奉する国家だと考えようとする」
���������「遺伝子が人間の身体と行動の特徴を支配するという生物学的決定論を捨てきれずに、デニスとは違う主張をする人は今日でも数多い」
���������「������������年代ではもちろん、現在でもあまりお目にかかれない。たとえば���������取得者のようなエリートは、企業を経営するための知識をぎっしりと頭に詰め込んではいるが、自分の手を動かして働こうとはしない。������と人脈だけでうまくやっていけると考えている。ハードワークを嫌い、リスクをとるのを避けようとする」
���������「トップクラスの銀行に所属しているということ自体が、成功の要因の大部分を占めているかもしれないからである」
���������「ヒュームは、知性というものはもともと白紙���タブラ・ラーサ���」
���������「季節ごとに値動きのパターンが異なる市場から利益をあげようとした」
���������「平均回帰���中心極限定理���を信じて取引しているわけではない」
���������「デニスは銀を売り、その直後に、銀の価格もストップ安」���1978年11月1日���
������������「推理の法則」
- 疑問を定義する
- 情報と材料を収集する
- 仮説を立てる
- 実験を行って、データを集める
- データを分析する
- データの意味を理解し、新しい仮説の出発点となる結論を導く
- 結果を公表する
������������「シーズナル・スプレッド」「トレンドフォロー」
������������「週間トレーディング・ルール」「価格が過去二週間の高値を越えたら、ショート・ポジションを手仕舞って、ロング・ポジションをとる。価格が過去二週間の安値を下回れば、ロングを手仕舞ってショートする」1960年
������������
- 資金が増えても減っても、動じるな
- いつも落ち着いて、同じように行動しろ
- 結果ではなく過程で自分自身を評価しろ
- 市場が動いたときに、どう行動するかを考えておけ
- ときとして、ありえないことが起こる
- 明日やるべきことと、どのような結果が起こりうるかを、常に考えておけ
- 勝てばいくら儲けて、負ければいくら損するか���どちらの可能性が高いか���
- 市場の状態はどうなっているか���
- 市場の変動幅は���
- 資金の残高はいくらか���
- トレーディングの方法、つまり売買のルールは���
- トレーダーまたは顧客のリスク許容度は���
������������「資金量が同じなら、同じように取引するのが当然」
������������「オッカムのかみそり」「馬鹿みたいに単純に考えろ」
������������「ブレイクアウトの期間���������ある値を受け入れたら、一貫してそれにしたがう」
������������「���������トゥルー・レンジ���」「過去15日間の������を算出し、それらをすべて加算して������で割ればよい」
������������「手っ取り早く大金を稼ぐことに熱心な投資家は、何かを逃してしまうことをとても恐れている」
������������「特殊部隊は、平時にいくら予行演習しても有事に結果を残せないという前提に立って行動している」
������������「何年かあとにフェイスが会社を設立したときに、取締役に就任したことからもわかる」
������������「わが国の裁判制度では、『私はリスクを理解していませんでした。こんなことが起こるなんて信じられません』と無知をさらけだせば、有利な勝負に持ち込むことができるんだ」
������������「その理由は、年金を運用するファンドマネージャーはベンチマークを基準に判断するからである」
������������「2000年秋に投資家たちが彼のファンドから資金を引き上げた瞬間が、トレンドフォロー型のトレーダーにとっての大底だった」
������������「企業家」
- 一般的な社会規範にとらわれない
- 超然としている
- スカイダイバーのようである
- リスクテイカーである
- 如才なく立ち回る
- 自立している
- 変革を追及する
- 精力的である
- 自己充足的である
������������「登山と同じだ。どの一歩が一番大事かなんて言えるわけがない。」
������������「大仕事を成し遂げようというのであれば、多少の浮き沈みは覚悟しなければならないはずだ」
������������「2005年のヘッジファンド業界における高額所得者の上位10人」
������������「ジョン・レスリーが公式化した終末論争」
������������「マイケル・ルイスの名著『ライアーズ・ポーカー』」
p3「私の分岐点」脚本家 両澤千晶さん
そうして生まれたのが『機動戦士ガンダムSEED』です。���������子どもには理解できない、大人のための作品もたくさん出てきました。だからこそ、私は子どもにこだわり続けたい。
ああやっぱり、という納得。ガンダムSEEDを初めて観たとき、どうにも引き込まれはしなかったのだ。翌週もたまたま見かけて、やっぱり興味わかないな、と思った記憶がある。あれは、やっぱり敏感に、これは子どもに向けたものなんだ、と感じ取っていたからだ。大人が、子どもの気持ちになって面白がれるという類のものではない、と。
p22「毎日が音楽」
これからもきっとあらゆるかたちで話題を提供し、リリースも繰り返されるのだろう。そしてそのたびごとに、世代を超えてファンが増えていくことを期待している。
尾崎豊とhideのベストアルバムリリースについて。ちょうど数週間前、関心空間に『太陽の破片』について書いたこともあって、例によってセレンディピティ。でもこれはLISMOのCMのせい���違うな、キヨシローだよな。
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良い広告とは何か 百瀬伸夫 ファーストプレス 2009-04-11 by G-Tools |
「マーケティング」と「広告」が、表裏一体で語られている。「広告」がなければ「マーケティング」ではない、という思想と言っていいと思う。いかに広告宣伝費を削減するか、更に進めていかに広告宣伝しないか、というセールス活動に触れてきたので、違和感を感じるけれど、納得できる。「マーケティング」とは売れる製品開発のための「市場分析」であって、広告やCMやセミナーでの露出を捻り回すことではない、という感覚でいたが、「良い広告とは何か」という問いに対し、「広告主の業績向上に繋がる広告だ」という定義で応える本書の思想は、根底で共感できる。
全般を通じて最も感じたのは、自社がいかに「上っ面」でしか、ビジネスをしていないか、ということ。様々な手法や戦略や言葉が社内外を通じて踊るが、すべて、どこかの会社の「成功事例」と言われるものを安易に借りてきただけだ。それに対して、適当に統計値を出して有効であった、と結論付ける。「成功事例」から学ぶべきはその本質であって、やり方ではない。これは、「ベスト・プラクティス」を謳って横展開で楽に稼ぐことを旨とするIT業界全体の体質なのかも知れない。
���������「広告計画の準備に入る段階で、最高に練りあげたコピー戦略を用意することが重要」
→ITプロジェクトに共通
���������「グローバル・ブランドは存在するが、グローバル・コンシューマーは存在しない」
���������「コピー戦略の重視
- Target: 訴求対象
- Promise:言い換えればwhat to say
- Support:言い換えればReason why
- Tone&Manner
���������「メンバーを選び、チームを組織するにあたり、以下の事柄について真剣に考慮」
- 一流のプロであること
- → 与えられたリソースで行うのもプロなら、リソースを選ぶのもプロ
- → 言い訳ではない姿勢が重要
���������「『統一性』と『連続性』」電通がネスレ日本が選ばれた理由「考え抜かれた統一性」
→スピードは、統一性を考え抜く時間を縮めることに意味がある
���������「遠藤周作『白い人』」
������������「阿川弘之『大人の見識』」
������������「その理由が日本政府の政策のまずさにある」���P&G)
������������「インテグリティ」「誠実さ、実直さ」「熱い気持ち」
������������「経営陣は社内において、顧客の側に立った発言をし、社員を啓発し、引っ張っていく役割を積極的にとること。その行動が効果を上げるには、顧客に関する深い洞察力が必要不可欠になる。」
→早く買い換えるほうが故障率が下がりお客様のためになる、と説く経営陣が率いる会社は、果たして顧客の側に立てるか。
→故障率だけが判断基準か。現代は、環境問題や資源の有効利用も視野に入れたコスト論議をしなければならない。一方で、低消費電力によるエコを喧伝しながら、買い替えを促進する姿勢が信用されるか。
������������「あくまで自社販売にこだわった営業によるコミットメント」���御手洗氏���
→様々な側面が人物にはある
������������「日本企業の一部も含めて欧米の一流企業でも、エリート層である若いプロダクト・マネジャーやブランド・マネジャーの間では、五年後、������年後のブランド育成に意を払わず、明日の売上にやっきになっている風潮が強くなっているようだ。」
������������「時代はまさに古きよきアメリカ���ジョン・マーティス教授���
������������「失敗の原因は必ず明確にし、これを正す必要がある」
������������「提案が広告主に受け入れられた場合は、すべてクリエイティブ・スタッフのおかげ、と公言すべき。���������受け入れられなかった場合や、���������うまくいかなかった場合は、すべて『自分の落ち度』として責任を取る。」
������������「セグメンテーション」「人口統計的変数」「ターゲット・オーディエンス」
������������
- 広告会社の経営陣の、広告主に対するコミットメントを求める
- 自社のために働いてくれる一流の人材を求める
- この二つの条件が満たされると、広告主と広告会社という関係であっても、その基本的姿勢は、相互理解と相互信頼に基づく強い「パートナーシップ」に変化する
������������「広告会社の社内ではコピー戦略の重要性が十分に認識されていない」���マイケル・ギャレット���
������������「世界的なトップ・クラスの企業は、美しい場所に位置する」
������������「意図したようには日本の消費者が反応しない」���ブライアン・ハリソン���
������������「アナログ���デジタル」
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ばかもの 絲山 秋子 新潮社 2008-09 by G-Tools |
大学生のヒデがバイト先で知り合った額子。二人の「ばかもの」が、取り返しのつかない転落を続けていく。
同じ失敗を繰り返すのが、いちばんの「ばかもの」だと思う。そして、その同じ失敗に自ら足を踏み入れる人間が、いちばんの「ばかもの」だと。僕は結構ラディカル���今となっては死語���な性質なので、それがよいことであれ堕落なことであれ、やるなら徹底的にやり切るのを旨としているが、他人を見ていて蔑みたくなるのは、それは失敗だと分かっていて、失敗だけども自分の本能や欲望に抗し切れず足を踏み入れているのに、そこそこの安全地帯で留まろうとする人、これが本当に最低の人間だと思う。
そういう意味では、本書のヒデも額子も「ばかもの」ではない。行き着くところまで行ってしまう。ヒデはアルコール中毒に陥ったりする。そして、そのループを予め予想できるのに、止めることができない怖さも認識している。でも中途では止まらない。欲の任せるままに突っ走ってしまう。だからといって、ヒデは単にだらしない人間ではない。同級生が宗教に傾倒した様を目の当たりにした際、「死ぬ という言葉がちょっと気の利いた買い物のように発されるのを聞いて、面倒だなと」思うくらい、いわゆる思慮分別があるのだ。
ヒデは頭でっかちだ。それも、割と謙虚な頭でっかちだ。淡々と人並みの人生を送れればよいと思いながら、なぜか転落を続けてしまう。こういう人が最も全うで、全うであるがゆえに弱くて、転落しやすいのかも知れない。けれど、「ばかもの」ではない、と思う。ヒデは、けして安全地帯に逃げ込んだりはしなかった。額子も然り。辻褄のあわないところは何もない。そういうヒデと額子の物語は読んでいて爽快だった。
ひとつ、若干冷めたのは「デュアルプロセッサの搭載されたパソコン」の下り。デュアルプロセッサの搭載されたパソコンなんて、普通の人はそうそう持っていないと思う。デュアルコアのパソコンなら普通だけど。僕はこの業界にいてるので、ドラマや小説にIT関連が登場するたび、些細な違和感を感じるものだったが、小説はなぜいつもこんなに世界を何でも俯瞰できるのだろうと思ってたけど、デュアルプロセッサの如く、本当はどこも少しずつ破綻してるもんなんだろう、と。
���������「東京の学生だったら、恥ずかしいなんてこれっぽっちも思わずに」
���������「部屋にはデュアルプロセッサの搭載されたパソコンがあった。」
���������「死ぬ という言葉がちょっと気の利いた買い物のように発されるのを聞いて、面倒だなとヒデは思う。」
���������「そして次の朝必ず後悔することを、飲む前から俺はもう知っている。そういう毎日を自覚するのもおぞましい。」
���������「もう何年間も、ヒデは自分のことしか考えていなかった。他人のことには殆ど関心がないか、非常識なほど楽観的だった。」
������������「俺はあらゆる人から軽蔑されることが怖い。」
������������「ただ、友達が減っていくことはたまらなく切ない。」
������������「俺は、かつて自分をアルコールに駆り立てたものが、行き場のない思いだったことを理解している」
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この1冊ですべてわかる コンサルティングの基本 神川 貴実彦 日本実業出版社 2008-05-10by G-Tools |
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沖で待つ (文春文庫) 絲山 秋子 文藝春秋 2009-02 by G-Tools |
第134回芥川賞受賞作『沖で待つ』他���編収録。
『沖で待つ』は、小説を読む意義を再び僕に教えて与えてくれた小説だった。何のために小説を読むのか���小説から何を得るのか���そして、なぜその小説を読んだと表明するのか���その小説から何を得たと、人に伝えるのか���そういった悩みに一本筋を通してくれた。
小説を読むということは、自分をひけらかすことではない。「こういうものがわかるのだ」と、自分の偉さをひけらかすことでは全くない。そんなエゴやプライドに塗れたコミュニケーションのために利用されるものじゃない。そう思ってきたけど、『沖で待つ』は、まあそんなことがあってもいいじゃないか、となぜか思わされたのだ。これは不思議な感覚だった。
疲れた気分をぶちまけるような読み方があっても構わないし、そんな自分を戒めるような読み方があっても構わない。別に、明日からの日々の自分に反映するように読まなくったって構わない。自意識過剰はみっともないけれど、まあそれでも構わない。そんな感触が残った。
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顧客はサービスを買っている―顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント 北城 恪太郎 ダイヤモンド社 2009-01-17 by G-Tools |
北城恪太郎氏監修ということで期待して読んだが、概ね既知の内容だった。
- サービスサイエンスの視点。モデル化。
- ”事前期待”の可視化・顕在化と、マネジメント
- マネジメントとは、「管理」ではない。
このタイプの本を読むと、直に「自分はどう行動すればよいか���」という視点になる。そして、会社全体のことを考え、会社全体を改善するためにまず自分が働きかけられる部分はどこか、という発想になる。この思索には「マネジメント層」「フィールド」という���つの役割しかない。しかし、膨大なフィールド情報を読み込めるだけのスキルやシステムを持っているマネジメント層は稀で、フィルタリングするための役割が必要なはずである。それがない企業に勤めている間は、「自分はどう行動すればよいか���」と自分のフィールドの役割にあった行動を考えるのは無駄で、一足飛びに「マネジメント層」視点でモノを言うほうがよいのではないかと思う。
オムロンフィールドエンジニアリング社の情報システムやコールセンター見学の話が、「サービスの見える化」として紹介されている。こういうのを見聞きして、自社のコールセンター見学ツアーなどを企画しているのだなあ、と初めて謎が解けた思いだった。もう何年も前から、「いくらシステムが素晴らしくても、それがお客様に価値を提供できているかどうかは別問題」という問題意識が、少なくとも僕の周りにはあった。それなのに、よく嬉々としてコールセンター見学ツアーなどやるもんだと思っていたが、こういう「古い成功事例」を追いかけていたのだ。オムロンフィールドエンジニアリング社のコールセンター見学が説得力を持ち���今でも���成功するのは、①先駆者であるから②当時はシステム自体が他にないものだったから に尽きると思う。今じゃどこにでもあるような二番煎じのシステムを見せて、感動するようなお客様はいないだろうし、そんなものを見てサービスが素晴らしいと納得されるお客様なら、実際に提供したあとにトラブルが起きるだろう。「納得」が大事なのだ。
���ⅲ 「オムロンフィールドエンジニアリングのサービス・プロセスの「見える化」」
��������� 「お客様にとっては、お店の売上げ効率を上げることには何の関心もない」
������������ 「顧客満足の定義」「顧客満足は、事前期待の達成度を評価尺度としたサービスの総合品質」
������������ 「当社のアフターサービスが他社と比べてどういうレベルにあるかを関係者が知らなかったことこそが、一番の問題だと気づいた」
������������ 「トップ企業がこのようなサービスを提供しはじめると、ユーザーはこのレベルのサービスを当たり前のように期待することになる。」
������������ 「事前期待のマネジメントの実例・・・広げすぎた風呂敷をたたむ」
������������ お客様満足度向上の���つの方向
- 失点をなくす ・お客様を怒らせない ・お客様を失望させない ・競合との差を詰める
- 得点を増やす ・お客様の期待に応える ・お客様が思いもつかないサービスを提供する ・競合を大きく上回る
������������ 「サービスサイエンス的アプローチ」
- 観察する
- 分類・分解・モデル化
- 論理を明確にする
- 応用
������������ 「情報システム構築の目標のひとつは、お客様に電話のたらい回しの印象を与えないこと」