街の本屋で本を買う - 2012/05/15 くまざわ書店小倉店

B007TVZ44K Discover Japan (ディスカバー・ジャパン) 2012年 06月号 [雑誌]
エイ出版社 2012-05-07

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 小倉での仕事が終わり、小倉駅に到着したのが14:40。新幹線の電光掲示を見てみると、次ののぞみは15:17発。30分時間があるな、ということで、XperiaでEX-ICで予約を済ませて駅ビルの本屋へ!いちばん近そうな書店は前回行ったので、朝、駅構内を歩いた際に見つけていた「くまざわ書店」へ。

 30分あると言っても実際のところ15分くらいしかいれないので、雑誌コーナーから巡回。文庫本は2冊読みかけなので、帰りの新幹線で読めるような軽い雑誌がいいかな、と思いつつ、いちおう地元情報的なコーナーを探してみたら、旅行系の雑誌を集めているコーナーに行き着き、そこで目に飛び込んできた「東京スカイツリーのお手本は法隆寺の五重塔だった!」の文字。『Discover Japan』。

 スカイツリーを設計した会社とおつきあいさせてもらっていて、なおかつ無類の地元びいき奈良県人としては、これは読まないわけには行きません!普段なら立ち読みで済ましてしまいそうなところですが、勢いで購入。西岡常一氏の映画や関連書籍を2月に鑑賞したところだし、改めて思い返しながら読んでみよう。¥980.


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街の本屋で本を買う - 2012/05/10 ブックキヨスク 尼崎店

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2012年 06月号 [雑誌]
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2012年 06月号 [雑誌]
講談社 2012-04-25
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 改札を通ったのが14:55,目的の電車15:01までの六分のうちに一冊にトライ。欲しい本を見つける、より、荷物が重いので軽いもの、に意識がいく。自転車系はこないだ買ったし、文庫も読みかけあるし、ビジネス書は駅だけあってキャッチーなのばっかだし…と諦めようかとしたとき見つけたのがクーリエジャポン。外資系に勤務する身としては興味を引くものの普段なら立ち読みで終わりだけど、ちょっと読むならってことで買ってしまう。レジも空いてたし店員の手際もよい、ちょっと硬いけど。¥780。


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街の本屋で本を買う - 2012/05/06 啓林堂書店奈良ビブレ店

4583103778 バイシクルトレーニングブック
竹谷 賢二
ベースボールマガジン社 2011-09

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 奈良公園は、奈良に住んでてよかったとしみじみ思うことのひとつ。何もすることのない日でも、ちょっと足を伸ばして奈良公園まで行けば、何をするでなくても、それこそ猿沢池も興福寺も東大寺も春日大社も見なくても、ただ公園をぐるっと回って帰ってくるだけでかけがえのない休日。

 今回はふらっと立ち寄って物色、という感じじゃなくて、買いたいものを思いついてて本屋に赴いて直行買い。いよいよサイクルシーズンを迎え、ロングライドに挑戦しようと思ってるので、今まで以上に充実したトレーニングをしたいと考え、いくつか下見した中では最も内容の充実していて、なおかつ自分でも理解できる内容だった『バイシクルトレーニングブック』。心技体にトータルでアプローチしてくれているし、食べ物のことも理論から書いてくれているので深く理解できます。¥1,890。


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「仏像はなぜ撮影禁止なのか」を考えることでわかること

白毫寺の宝蔵入ったところに、「仏像はなぜ撮影禁止なのですか」というQ&Aが書かれていた。

建物内が撮影禁止の寺院はめずらしくはないと思う。そしてだいたいの人は、いちいち言われなくても、建物内、とりわけ仏像の類は撮影禁止だろうな、と了解してると思う。でも、なぜ撮影禁止??と問われてみると、頭に抱いているその答えを言葉にするときに、躊躇のない人は少なくないんじゃないかと思う。

白毫寺は簡明にこう教える:

「仏像は信仰の対象であって、鑑賞の対象である美術品ではないからです」

それ以上でも以下でもない。仏像の撮影禁止を調べると、推測されているいろんな理由が出てくる-フラッシュの光も悪影響だとか、著作権とか。そして、実はそういうのが禁止をしている本当の理由で、「仏像は信仰の対象であって、鑑賞の対象である美術品ではないからです」というのは表向きの、建前の理由だろうと言われたりする。

ここに見え隠れするのは「心がけ」の問題だ。事が宗教という、特に日本ではあまり真剣に扱われないことの多いものであったとしても、だからと言って真の理由は経済的な事情に起因するもの-撮った写真で金儲けされたら困るとか-だと考えること自体が、「心がけ」がなっていないということだ。確かに仏像は信仰の対象なのだ。写真を撮ったその人が、写真に対して拝むことは教義に反することなのだろうし、そもそも写真を撮った人が後日綿々とその写真を見続けるということもあまり想像つかない。つまり、その写真はただの「記録」、よく言って時折の「観賞用」というものだ。仏像の本来の使われ方からは程遠い。

こういう理由であることを、正面から受け止めて正面から語ることができるかどうかというのが、「心がけ」を実現する基礎だと思う。

ちなみに写真は白毫寺で買ってきた「閻魔様手ぬぐい」です!手染めですって。

奈良ファンライド - 新薬師寺、白毫寺

GW中、いちばん天気に恵まれた5/4、仕事が一旦落ち着いたので気分転換に軽く流しました。

体調にもう少し余裕があってもう少し早く起きれれば、100km~150kmくらいの目的地を設定したかったんだけど、午後から天気が急変するかもと天気予報も言うし、午前中で帰れるくらいの軽いライドということで、どこに行くとも考えず、平城宮跡へ。

なんかこういうのがサイクリングの原点だよなあ~、と思わず頬が緩みつつ、とりあえず奈良市街までいってみるかと再び走り始めてみたら、天平祭をやってる平城宮跡内から聴こえてきたのはなぜか『ALONE』(笑)

なぜ朝っぱらから『ALONE』(笑)

走りながら、「そう言えば新薬師寺行ってないな?」と思いつき、新薬師寺へ。

新薬師寺は、高畑の東にあります。聖武天皇の病気の平癒を祈願して光明皇后が建立したと伝わるとのこと。本尊は薬師如来ですが、十二神将像という、干支のそれぞれの守り神がいらしゃいます。

本堂の側面がなぜかステンドグラス風。

奈良のお寺はなぜか鳥居があるところが結構あって惑わせます。

新薬師寺までの案内に、併せて白毫寺も出てたので、新薬師寺から1kmちょっとみたいだし、足を伸ばしてみました。

案内に「南都一望」と書いてたので、結構高台なんだな、と思ってたんですが、ご覧の通り結構石段を登ります。

ここは何と言うか、変わったお寺でした。ある意味ではとても奈良らしいです。案内の文字とかも優しいし、お寺の起源も諸説あるみたいな感じだし。本尊は阿弥陀如来ですが、ここはなんといっても閻魔様です。閻魔様の像ってあんまり聞いたことないと思う。すごいイメージ通りでした。それから、聖徳太子二歳像というのもあります。それぞれの仏像の拝み方を書き記してくれてあるところとか、庶民信仰の一切経の精神なのかな?とか、浅いことを考えます。

こんな感じでほんとに奈良盆地一望。いい眺めでした。

この後、いつも通り向かい風に押されまくりの帰路で、トータル3時間くらい?36kmのファンライドでした。気分転換にはこのくらいがちょうどいいですね。

 

『反哲学入門』/木田元

僕にとって哲学は、自分の考え方を壊すためにある。

「反哲学」とは、「従来の哲学にアンチを突きつける」という意味で、ニーチェ以降の「哲学」は「反哲学」なのだと解説されていて、今まで漠然としか判っていなかったこの点を明快にしてくれる。

存在するものを見るとき、それを自分の問題に引き付けて考えることができるかどうかを最重要視してきた自分にとって、「存在者の全体を生きて生成するものと見るか、それを認識や製作のための死せる対象や材料として見るか」という、哲学と反哲学の系譜は大切なものだ。「それはなんであるか」と問うスタンスは、自分はその問題から十分距離を取れた安全地帯から、特権的位置からモノを言っているに過ぎないのだ。自分をその問題に引き寄せようとせず、外野からヤジを飛ばすがごとく物言いがどれほど不愉快なものか。そのスタンスが生み出されてきた歴史というものを、哲学史で深く理解することができる。

そしてハイデガーが行きついた「破壊(デストルクツイオン)」。それも、壊滅するということではない、二重の意味を含まされた「破壊」。自由を得たとき、その自由で何を成すのか。自由であるということは、モノを言える資格のある状態なのか。

心がけで、世の中を変えることなどできない。心がけで変えることができるのは、自分自身だけだ。それを知っている人だけが、心がけで変えることのできた自分自身で、世の中を変えることができるのだ。「ひとりひとりの思いで、世の中を変えられる」と、ひとりひとりに心がけを求める言説を、簡単に口にしたりいいね!といったりシェアしたりする人は、自分を問題の中に入れず、存在者を存在者全体として見ず、自分を特権的位置においてモノを言ってるだけなのだ。

4101320810 反哲学入門 (新潮文庫)
木田 元
新潮社 2010-05-28

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街の本屋で本を買う - 2012/04/27 ブックスタジオ小倉駅店

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)
ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) ウィリアム・ギブスン

早川書房 1986-07
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 小倉には今後仕事でしばしば来そうなので、駅前を少し時間をかけて歩いてみた。新幹線口から繋がる広いデッキを歩くと最初に目につく「くまざわ書店」の看板、初めて聞いたと思ったのでローカル展開の書店かと思ったら、調べてみたら東京本社で全国203店舗展開の大チェーンでした。そのくまざわ書店が入るビルから5分と歩かない、新幹線口により近いひまわり通りという商業施設にブックスタジオが入ってるのを発見。

 基本的には大阪で見るブックスタジオと似た陳列だけど、棚がグリーンなのが若干違和感。大阪駅のブックスタジオもグリーンだっけ?あの茶色のイメージが強くて。陳列される本は、よくもわるくも標準的というか、大阪駅ほど尖ってない。
 折角なので小倉ならでは、みたいなチョイスをしたいけどその土地ならではってチョイスは非常に難しい。『xx殺人事件』的なのもつまらないし、旅行ガイド買ってもしょうがないし。散々逡巡して、僕が小倉に初めて降り立って感じたのは「確かにここは都市だったんだなあ」という感慨。今も十分に大きな都市なんだけど、ここが工業都市で全国規模で栄えていた時代があったんだなあと。その感覚が、過去の近未来都市、を思わせて、そんな回想をしていたときにポップと共に棚に表紙見せされていたのが『ニューロマンサー』。三週回ってやっぱりこれが気になりお買い上げ。¥1,008。


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『サウスポイント』/よしもとばなな

どんなことにせよ、あまりに思い入れが強いとうまく行かないもんだという経験則があって、僕の目にはよしもとばななは凄くハワイが好きだと映っていて、その思い入れの強さがそのまま表れてるなあ、滲み出るというよりも隠すことなくそのまま出てるなあと、読みながらずっと感じてた。なので、他のばなな作品より、ストーリーよりも「ハワイの空気」みたいなところに心を寄せられるような小説だった。

よしもとばななの小説は、いつも「登場人物は正直に話す」その言葉の丁寧さにほとほと感心し、そして「時期が来るまで待つ」という、忍耐強い姿勢の大切さを再認識する。物事には、常に然るべきタイミングというのがあると思う。そのタイミングを逃してしまうのも自分の責任、だとは思うけれど、そう言い切るには現代経済の動きはあまりに苛烈すぎるようにも思う。その苛烈すぎる流れのなかで、自分はどういうタイミングで生きていくのか、いつもより少しだけ真剣に考えさせられた。

4122054621 サウスポイント (中公文庫)
よしもと ばなな
中央公論新社 2011-04-23

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大飯に行って

仕事で、大飯に行く機会がありました。

大飯発電所には、2年前に一度行ったことがあり、今回二度目です。2年前ということは、東日本大震災の前になる訳ですが、当たり前ながら、敷地内に入るための手続きは厳重だったことを覚えていました。

僕は、何かを考え語る際は、できるだけ、現場の空気を経験してないといけないと信じているタチで、「なんであんなに数学の天才が輩出されるのか?」という疑問を、現地の空気を感じればなにかあるに違いないと思ってハンガリーを旅行したりするので、仕事で今、大飯に行く機会を得たのは幸運でした。

大飯には電車で行きました。自宅の最寄駅5:13という始発に乗って、新幹線と在来線各停を乗り継ぎ(朝早すぎて在来特急がない)、大飯発電所最寄駅の若狭本郷駅に到着したのは9:06でした。そこからわずか4時間30分の滞在、タクシーの運転手さんと、発電所の警備員さんと、現地の御客様と御客様の協力会社である東京の会社の方、若狭本郷駅の食堂の店員さん、若狭本郷駅の駅員のおばさん、僕が話できたのはわずかこれだけの人々でしたが、大飯はなんというか至って普通、でした。当たり前ですけど、至って普通でした。

何かモノを言うとき、目を瞑ってモノを言うなら、それほどたやすいことはありません。でも、何かモノを言うとき、それが誰かにとってはマイナスになる意見のときもあるわけです。その「誰か」の顔が具体的に浮かんでしまうとき、どうしてもそのモノ言いは鈍くなってしまいがちだけど、それでも、その「誰か」の顔を、目を瞑らずにしっかり見て言うことができるかどうかが、真剣に考えてモノを言えているかどうかを分けると思います。

大飯ではどうしても写真を撮る気になれませんでした。帰りの電車に乗って、若狭本郷駅をいよいよ離れるというときに撮った一枚がこれです。

街の本屋で本を買う - 2012/04/14 啓林堂書店奈良店


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 思いつきで、本屋で買った本をメモしていこうと思う。amazonの便利さを手ばなしで褒め称えてる僕なので、本屋で本を買うことにノスタルジーを覚えたりはしないけど、本屋を見つけたらなるだけ入って本を買うことにしてみたらどんな本が部屋に並ぶのか?出張の多い身なので、行く先々で本屋に入ってみたらなんか変わるのか?その程度の面白がり方でこんなことを始めてみる。

 その初回は、休日の時間潰しに奈良に行ったついでに入った啓林堂書店奈良店。小西通には啓林堂が2つあって、先に奈良ビブレ店に入ってた。奈良ビブレ店のが広いので、なんとなく先に奈良ビブレ店に足が向いてしまう。近鉄奈良駅からだと奈良店が先に現れるんだけど。
 啓林堂書店奈良店は、「奈良」という特色があるかというと、レジすぐ隣に、奈良関連書籍が集められているけど、控えめ。雑誌と文庫が表舞台で新書は奥手という、読書家に向けた頗る標準的な配置。

 「永遠の0」を探してた二人組が、店員に訊いたほうが早いよと店員へ。ところが店員は書籍リストを繰りながら、著者と出版社を調べたのか、調べ終わってから棚へ移動。無事に見つかりはしたものの、そんな著名な本くらい、どこに収めてるのか頭に入ってておかしくないんじゃないの?と顛末を見ててちょっと心配に。

 自分が選んだのは『青春の終焉』 三浦雅士。定年を過ぎても「青春」を謳う人種が増えた今、「青春」とは何なのかを整理しておく必要があると思えたから。日本最古の歴史を持つ、我が奈良で手に入れるにふさわしいテーマだと思う。三浦雅士って人、有名な人なんだろうと思いつつ、見たことあるなくらいに思ってたら、先週かった木田元『反哲学入門』の帯にコメント書いてた人だった。

青春の終焉
青春の終焉 三浦 雅士

講談社 2001-09-27
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