『After The Apples』/吉井和哉

BGMにしてオマエを深夜のドライブに連れていくぜ!オマエじゃなくて、オマエだぜ!

・・・という声が聴こえてきそうなアルバム。

正直、そんなに期待してなかったので、CDで買うかどうか悩んだのです。初回限定盤は「Flowers & Powerlight Tour 2011」のライブ音源CD付なので、ミニアルバムなのに¥3,000もするし(笑)。いつまで経っても通常版の案内出なかったし(笑)。そうこうしてるうちに発売日当日が過ぎ、「やっぱ聴きたい」と急に思ってiTSで購入。

#1『無音dB』の、「ムオンデシベル」って言葉の響きと意味の響きとダンスチューンな音!『After The Apple』というタイトルで、『VOLT』以上に「吉井和哉」のエッセンスを詰め込みまくってた総合色の強い『The Apple』の後、『The Apple』を発売した後の、東日本大震災を経験した後、そういうものを込めてくるのかなと思ったら、さに非ず、全然「流して」聴けるアルバムでした。#5『バスツアー』なんか、もう「ザ・ダンスフロアー!」なカンジで。『バスツアー』だけど(笑)。この曲聴いたとき、「これ流して夜、高速流したら気分いいだろうなー」と。

ただ、全体を通して、なんとなく漂う違和感というのがあって。「ここじゃない、ここじゃない」とじくじくと感じてるような。#4『ダビデ』と#6『Born』はその辺とてもわかりやすいし。#3『母いすゞ』なんて、「母」を持ち出してきたところが凄いし。なんだろうなこの違和感。でも全然声高じゃないんで、とりあえず違和感抱いたまま踊っとけ今は!ということなんだろうか、これは。東日本大震災のAfterも未だうだうだ言ってるし、何も先へ進んでるようにないし、けど今は踊っとけ、踊れる元気が出たなら、ということなんだろうか、これは。


B005LUJSPC After The Apples(通常盤)
吉井和哉
EMIミュージックジャパン 2011-11-16

by G-Tools

目指すは次の世界 明日はもうここにはいない

”別れとはつらく 新しいものだろ”

今更に盛り上がるご近所が
僕をやけに冷静に導いてくれる

ただ歩いているだけでもトライなのと同じように
なんのあてもなくても飛び出してみるのも時には無謀ではない

内輪受けも内輪揉めももうたくさん
それのためになら敵も味方も必要ない

吉井和哉/寺田亨「The Apples Gallery」行ってきました

仕事の合間のわずかな時間で、大丸心斎橋店14Fで開催中の「The Apples Gallery」行ってきました。

500円でポストカード3枚ついてお得です。

会場には大スクリーンで「Flowers & PowerLight Tour 2011」の映像が流れライブ音源が流れてました。吉井の衣装が3セットとギターが展示。

寺田亨さんって静岡出身だったんだ、『Bunched Birth』、『smile』のジャケットもやってたんだ、と撮影しながら読む。受付で聞いてみたら撮影自由とのことだったんで。Little DとD.D.のイラスト群が愛らしくてよかった。邪気が全然なくて、見てると無になれそう。

写真はIKEDA MICHIさんのが、撮ってるほうが完全に吉井の色気にはまってるな~と感じれていいのが多かったです。

『After Apples』、待ち遠しいー。

「五味岳久さんトーク&ライブ似顔絵&ライブショー」行ってきました

兄さんのトーク&ライブ似顔絵&ライブショー、行ってきました!!

 

僕にしては気の利いたことにちゃんと『#oshare in DICTIONAY』持参で行きました(笑)。

会場にはオーディエンスが65人いたそうですが(五味アイコン描いてもらえる人の抽選が、整理番号1から65の間で選んでたので)、さすがにスーツ着てネクタイしたサラリーマンは僕だけで居心地悪い悪い。その上、司会がぴあの高橋一さんとSPACE SHOWER TVの幸山由佳さんだった訳ですが、のっけから高橋さん「ぶっちゃけ、ここ二人はサラリーマンですわ」とのたまっていよいよ居心地悪い悪い(笑)。やっぱり、こういうイベントごとには、アートとかデザインとかに親密な業種の人はともかく、「ふつうの」勤め人は来ないっていう前提になってんだなあと。そういうバリアを改めて。ほんとのこと言うと、日本のカルチャーを、バックグラウンドを、状況を変えたいんだったら、そういうイロメガネから変えなきゃいけないと思うけどね。

さてショーは、最初30分くらいトークして、オーディエンスの中から選ばれた3名(当初は2名の予定だったみたいだけど、店側が時間おしてもいいってOK出して、3名に増えた)のアイコンを画伯がライブペインティングして、最後の弾き語りで二曲。スタンダードブックストアのページには、「LOSTAGEのアコースティックライブ」って書いてたので、ナニ拓人さんと岩城さんも来るの?と思ってたけど兄さんひとりでした。あれねえ、イベントタイトルには『#oshare in dictionaryの五味岳久さんって書いてるのに、ライブやるのは「LOSTAGE」って、ちょっと揺れてるねえ。

トークは、最初に高橋さんが「今日はUSTしません。なぜかと言うと、ここだけの話満載にするつもりだから」と言ってたワリにはそんなに危ない話もなかった気がするけど、それは、オーディエンスのあったまり具合の問題かも。同じく高橋さんがはじめに「飲み会気分で!」(スタンダードブックストアのページにも書いてる)と言ってたんだけど、五味さんが「みんなシャイやねん」と言う通り、LOSTAGEのファンってびっくりするぐらいほんとにシャイな人が集まるんよね。「奈良の人?」って聞いたとき、結構な数手を挙げてたんで、奈良県人がシャイなんだろうか(笑) 始まってすぐに、五味さんが会場に問いかけて、例によってノーリアクションで、「オレ、このコール&レスポンスが出来てないカンジ、キライじゃないねん」と言ってたのがめちゃおかしかった。

五味アイコンは、五味さんの無差別選択で選ばれた番号の方が、次の番号を選ぶってので、僕の整理番号は36だったんだけど、その方が仰ったのが39で、最後の一人はジャンケンで選んだんだけど、一回目は勝ってそれでもう10人くらいまで絞り込まれたんだけど、二回目で負けて。なんか惜しい感じでした。で、ほぼ1時間30分くらい、五味さんがアイコン描くとこをスクリーンで眺めながらダベる、という珍しいイベント(笑)。

途中、五味さんが似顔絵がうまくなりすぎてるという話になって(オーディエンス3名のアイコンも確かにめっちゃ似てた)、高橋さんが、「初期の味のあるアイコンのほうが好きな方」と聞いたらほとんどの人が手を挙げ、「今のうまくなったアイコンのほうが好きな方」と聞いたら誰も手を挙げなかったのに、アイコン描いてた五味さんが「え?オレ見てなかった。どれくらいの比率やったん?」と高橋さんに聞いて、詰まった高橋さん「んー五分五分かな?いや6:4くらいで・・・」と適当に答えたら五味さん、「6:4てめっちゃええ比率やと思うねん、音楽でも、”初期のアルバムのほうがいい”とかいう人でてくるやんか」みたいなこと言ってて痛々しい(笑)。あのくだりがめっちゃおもしろかった。

その他箇条書き:

  • 『oshare in DICTIONARY』は、初版は結構間違いがあるらしい。
  • アイコン展の話。アイコン展の話もそうだけど、今日のイベントのMCの高橋さんと幸山さんが、手弁当でノーギャラで引き受けた話。引き受けたというのか、そもそもお二人がやりたいと言って動いたのかまでは分からなかったけれど、幸山さんが五味アイコンブックを創るに至った経緯然り、動くことのおもしろさを伝えてもらった。
  • 反対に、五味アイコンブックを創る困難さも。幸山さんが高橋さんに「ぴあがあるじゃん(=出版できるという意味」と聞いたら、「ウチはちょっと・・・」と難色を示した話とか、これだけ親密にしている間柄でも、柵を通すことがあったりするのが当たり前だと改めて認識。
  • そして本を出すにあたっての五味さんのスタンス。「自分から、本にしたいと言って動くつもりはなかった」と。パルコの人とかに「本にするなら言ってくれたら」と、基本的には自主的なスタンスを求められてて、五味さんはそこまでの自主性は本に関してはなかったので腰を挙げなかったが、幸山さんが動いてくれたと。これは珍しい例で、普通は、やりたいなら自分が動かないとダメだと思う。
  • 五味さんは、いろんな人達が動いてくれて、こういうことが出来ていると頻りに言ってた。この1年、パンゲアとかいろいろあったけど五味さんを見続けてよかったと思った。自分の仕事にとっても。
  • 「もう五味アイコン飽きられてるやろ、ピーク過ぎてるやろと思ってるやろ、じぶんでもわかってます」と自虐的に言ってた五味さんがおもしろかった。
  • 会場に来てたのは、ほぼLOSTAGEファンだった。五味アイコンからLOSTAGEを知った、もしくは五味アイコンの作者、というので来た人はほとんどいなかったみたい。

そして押しも押した22:00過ぎ、待望の弾き語り。曲目は『楽園』と、会場からのリクエストで『母乳』でした。

 

 

Sid Vicious My Way [Official] - YouTube

auの「未来は選べる」CMで聴いて、懐かしかったので。

Sid Viciousと言えばパンク精神の体現と言われているし僕もそう思う。でも「パンク」って何だ?破滅的なことがパンクなのか?無政府主義がパンクなのか?反体制がパンクなのか?

Sid Viciousの"Vicious"はJohnny Rottenが付けたらしいが、Rotten曰く「Sidから最も遠い名前を付けた」。Sidがどんな人物なのか追求したことはないけれど、ありのまま振る舞った結果がああいう人生だという訳ではなさそうだ。極度の麻薬中毒だったというのも、快楽主義や安直な手出しというよりは、Sid Viciousとしての振る舞いの皺寄せを麻薬でごまかしていたくらい、「まとも」な精神性を持ち合わせていたのだろう。

初期のパンクは、政治的な反権力ではなく、音楽的な反権力を志向していた。ロックがどんどん複雑になり権威主義に陥っていくことに逆らったのだ。もともと権威など纏わない、純粋な音楽の楽しさを愛する人間が、その権威と対峙しようとすれば、ただの純粋な音楽好きのままでは戦えない。勢い、自分の素の姿ではないかも知れない、「反権力的な」振る舞いで戦わなければいけない。

僕がパンクを愛するのはそういうところなのだ。求めるもののために、自分の生来を曲げて無理をしてでも反権力を貫こうとする、そういうところ。

『C'mon』/B'z

夢を問われ 答えられないのは罪でしょうか?

(『デッドエンド』/B'z)

まるでセルフトリビュートみたいなこのアルバム、僕にとっては『デッドエンド』しかない!

もちろん、どの曲がメインかと言われたら、東日本大震災後に完成した、というのがよくわかる『C'mon』だと思うし、最も人気が出そうなのは壮大なロックバラード『ピルグリム』だと思うし、『ひとしずくのアナタ』の切ないクライマックスや『ザ・マイスター』のノリの強さも一発で引き込まれる。

でも、僕にとってはこのアルバムは『デッドエンド』だ。

精一杯生きるうち 自分の力思い知り
はじける勢いが知らず知らず行き止まる 

ひとつ前のチューン『ザ・マイスター』で、”懸命に生きる 本能 そんなのあたりまえ”と歌っておきながら、これだ。

夢を問われ 答えられないのは罪でしょうか?
何もできず 一日が終わるのはダメですか? 

『Time Flies』に似たこのモチーフ。しかし、『デッドエンド』は厳しく猛省を促すようには進まない。

どんだけ似てるように見えても
昨日と今日は絶対に違う 

思い出すのは『BLOWIN'』。”繰り返しなんかぜんぜんない暮らしをしてるはずだぜハニー”。

そして突き刺さるのはここ:

夢を描けないのなら ひたむきに待てばいい
生きつづけることでしか 何も生まれない

時間を食おうといいじゃないか
無理矢理でも面白がれ 

個人的に当座の目標を失い、何を目指して頑張っていけばいいのか、まったくわからなくなったまま、数か月を過ごしていて、もっと長いスパンでも、自分はこうなりたい、こういうことがしたいという夢を語ることができない状態で、これじゃあ社会人失格なのかと、自信喪失気味にやってきてて、もう残された時間も少ない、焦れば焦るほど、やりたくてもできない、空回りすることの繰り返しだったんだけど、『デッドエンド』は”待つ”ことの大切さを改めて教えてくれる。これは『MAGIC』のモチーフと同じ。”ひたすら信じて待て”。

思えば、「努力しなければ何も得られない。努力すれば得ることができる。」という有難い星の下に生まれたらしい結果、自分の力でどうにかなることでなければ興味が出なくなっていた。だから、”待つ”という行為は、”何もしてない”のと同じことだった。けれど、時間がかかっても待った方がいい局面ってあるのだ。

行き止まりさえもひっくるめ
これこそ愛すべき我が道 

腹の底からこう言えるよう、繰り返し繰り返し考え抜きます。

B0055PDQOM C'mon(初回限定盤)(DVD付)
B'z
VERMILLION RECORDS 2011-07-27

by G-Tools

『be with!』vol.90 p37

今晩の『乾さんといっしょじゃない@奈良おんどり』は予想外と言えばあまりに予想外の驚きの展開を見せ、それはもちろん書きたいんだけどちょっとこの興奮のまま残しときたくて(笑)、長らく待ってたB'z partyの会報でちょっと感心したことがあったのでそれを。

地味にこういう対応を取るところが好きです。B'zはB'z Partyも含めて、ほんとにファンのあらゆることを常に全方位で考えてるなーと思います。

 

たまりません。泣けます。アリーナ行きたいです。

LOSTAGE "SHOWNEN"@奈良NEVERLAND 2011/07/03

いやよかった。ほんまよかった!それしかないわ。オレらもほんまそれしかない、それしかないよ!!

自主レーベル「THROAT RECORDS」設立記念イベントということで、アルバム『CONTEXT』にも参加してるメンバーがいるkacicaとRopesとの対バン。

6/24のpangea以来、ほんとに心配と楽しみが入り混じったままずーっとこの日を待ちわびてて、7/1の「楽園」はすごく良かったみたいな情報も目にしてどんどん期待は高まってて、18:00の開場に間に合うよう、いそいそとLOSTAGEティーシャツ着て出動。

いつものように新大宮から歩いて佐保川沿いを歩いて、NEVERLANDの裏側から正面に行こうとしたら、裏口からギター爪弾きながら出てくる拓人さん発見。さすがに「LOSTAGE」と書かれたティーシャツを着て目があってどうしてええのかわからへん。視線を泳がせながら正面へ。

チケットは30番台で難なく入場。スタッフの向井さんが今日はいらっしゃらないということで、お名前お伺いしてた長友さんとあいさつ。NEVERLANDのスタッフの方はみんないい人です。自主レーベル立ち上げ記念ってことで缶バッジの特典あり。入場して即CD買いに。この超ニワトリ押しの『CONTEXT』、確か伊藤若冲観て心揺さぶられて…みたいなことなんかで見たようなないような。

まずkacica。名前はちょくちょく見てたんですが初めて見る機会を得ました。プログレ?思いっきりラウドな音に神秘的なタイプの女性ボーカル。僕はツインドラム、トリプルドラムになってたときの曲がいいなと思いました。曲がもう少し短いほうが好みかも。

二番手Ropes。アチコさんはもとより、やはりトディが巧い!巧すぎる!!途中のMCで「楽屋で喧嘩みたいになって」って話をあっけらかんとしてたのが印象的。「喉はいいよ」って笑かす(笑)。

そしてLOSTAGE!Ropesが「今日のLOSTAGEは凄いよ。あんなLOSTAGE見たことない」って繰り返し言ってたんだけど、僕はどうしても6/24の衝撃が大きくって、ほんとに凄いんかなあと思ってたんだけど、凄かった!!『CONTEXT』発売記念でもあるので最初から新曲ばかりで押してきて、途中のMCで

「みんな乗りにくいやろ。乗りにくいはずや。新曲やからな。初めて聴く曲のはずやから。いかなる手段をもってしても。」

なんて言ってみたり。そして

「出たなー。いやーよかった。ほんま。それだけやわ、ほんま。」

と反芻したかと思ったら、

「(拓人さんを指して)オマエとか、岩城さんとか、どうおもてんの?」

なんていつもみたいに聞いてみたり(笑)。

僕はとにかく一切何も知らない真っ新の状態でライブで初めて聴きたかったので、「楽園」のPVも観ず、アジカンのコンピも買わず、ひたすらネバーランドを待ったんですが、その回十分ありました。「言う」とかいきなりノレるしね。拓人さんの音はもちろん轟音だし兄さんのシャウトは絶叫気味だし岩城さんは普通の顔はあんな温和で脱力系なくらいなのに相変わらずドラミングは般若かと思うくらいの暴れっぷり、なんだけど、なんだろう、あの妙に漂った安心感。のほほんとしてるというのとはまた違う…地に足が着いているというのともちょっと違う…6/24の反動でそう感じてるだけなんかも知れないけど、とりあえずは自信を持って、やっていける、という充実感に満ちた安心感みたいのがあって、緊張感ありつつリラックスしてて凄かったです。会場も凄く盛り上がってた。

「NEVERLAND」、聴いてるだけで違う場所に行けそうなくらいいい曲だった。聴いてすぐ覚えた。違う場所に行けそうなんだけどこの曲はNEVERLANDの曲なんだよね。ここにいるだけで。泣きそうになるんだけどそれもまたちょっと違う。うまく言えないけど。この曲んときだったと思うけど、あ、違うな、「楽園」のときかな、Bメロの「ダダダッ ダダダッ」ってときだ、アチコさんに煽られてめっちゃ笑顔で笑って笑って激烈ドラミングする岩城さんがほんとに頼もしく見えました(笑)。

アンコールで「Routine」と「SURRENDER」聴けたのは嬉しかった!トディ参加で。「だいぶわすれとったなあ」という兄の言葉は予測可能(笑)。ほんとに楽し気で、こっちは楽しくて、ますますこれから楽しみになるなあーと思えるライブ。でも、ライブの合間に、スタッフの長友さんに「今回は祭だし、集客多かったですか?」と聞いたら、「目標ギリ、ってとこですね」と言ってたのがなんか正直で奈良っぽくてめっちゃおかしかった。ほのぼの。

最後に一言、NEVERLANDなんてあんないい曲を書いておきながら、「緊張の糸が切れました。もうできません」って、何言ってんだ兄!あんなすばらしい曲書いといて。ああいう曲を好きと言うと、「ウレセンに毒されてる」みたいなことを言う人がすぐいるけど、そんなことじゃない。あの曲にかけた魂ってのが絶対ある。まだまだいける。いってほしい。

LOSTAGE "Kill Surf City vol.3"@心斎橋Live House Pangea 2011/06/24

ビワイチのレポート、早くエントリしたいんだけど一週間経っちゃって、その一週間の間にまた新たな事件が。

 

6/24、心斎橋Pangeaに行ってきました。お目当てはLOSTAGE。ツイッタで見ると前日の横須賀かぼちゃ屋は五味兄さんがハイテンションだったりダイブしたり『手紙』大合唱したりとか、そうとう盛り上がったらしく、めちゃめちゃ期待して行きました。こないだ買ったLOSTAGEティーシャツ着てくかどうか相当悩んだ末、主催がLOSTAGEではなくThe Yasuno N°5 Groupだし、会場もたぶん、僕みたいなオッサンは未経験なくらいちっさいとこなんだろうし、持っていくけど着るの止めとこう、と思って会場入ったら予想以上のちいささ加減ファミリーフレンドリーな雰囲気で、嗚呼良かったそこまで気合入れなくて、と思ったりしてたんですけど、いざLOSTAGE始まったらそんなことあまりにささいってくらい大変なもの見てしまいました。

演奏開始前、やたらと首やら頬やらパンパン叩いてる五味兄さん見て、「前日横須賀でやって、夜移動してきて、プレス用の写真選別とかして、吉川尚弘さんの取材受けたりとか、やっぱ過密スケジュールで疲れてるんだろうなー」と少し心配に。ちょっと目が腫れてるのは飲んでるのか?とか思ったんですが、1曲目始まったら飛ばしてったので「おお。やっぱやるなあ。」と思ってたら。

残り2曲くらいの時間を残したMCで、五味兄さん:

「なんだこの空気は。」

「なにか言いたいことがあるのか。」

おいおい。なんだその不穏な空気づくりは?

「おまえか何か言いたいことがあるのは。」と拓人さんに振るも、「オレはない。」とすげない答え。

「最近は、こういう躁鬱激しい状態で…」

おいおい。昨日は偉い盛り上がったらしいじゃんよ。なんで今日こうなるよ?

五味兄さんは結局、拓人さんの「言いたいことがあるなら、そのまま言えばいいと思う。」という助け舟に乗ることができず、言いかけたことを言いきれず、「今日はもうできません」とベースを置きそうになり、拓人さんに「わかった。言えへんやったら無理にゆわんでもええ。けど、今日こんなに来てくれたお客さんを前にして、やめるはあかん。ちゃんとやれ。」と叱られ、1曲削って最後の一曲をやって、へたり込みました。

音源流出事件があって、だいじょうぶなんかなと思ってて、かぼちゃ屋は盛り上がったので大丈夫かなと思ってたらこの顛末。ほんとにいろいろ思うことはあるのですが、

  • 23日大丈夫で24日あかんくなったというのは、この間に、音源流出に関して何か新しいことが分かったということなんだろうか?それがいちばんの心配。
  • お客さんを前にしてパフォーマンスを飛ばすというのは、やっぱりあってはならないことだと思う。コンディション調整不足だけでもどうかと思うのに、目の前のことをきちんとできないようでは、どんな音楽がいいとか言う以前の問題だと思う。これは、「仕事」をする人間として思う。理不尽なこと言ってるお客さんがいるなら別だけど、僕らはチケット買ってパフォーマンス見にきてるだけだ。
  • もうひとつ、自分達が主催じゃないんだから、主催のバンドに対しても迷惑をかけたんじゃないかと思う。
  • その上で、たぶん、この原因は音源流出だと思うんだけど、そうだとして、やっぱりかなりのショックを受けるんだろうなあと改めて実感した。拓人さんもちょっと涙声だったし。
  • ましてや今回は自主製作で頑張ってきはった訳だし。
  • ITの側にいてる人間としては、デジタルと複製のメリット・デメリットというのはいつも考える問題で、技術的には極力これを防ぐ方法というのはいくらでもあるけれど、これを防ぐ方法というのは取りも直さずユーザの利便性を損なう方向に行くので、一般的にはあまり広まらない。ましてそれほどITに詳しくなる必要もないアーティストがそこまで技術的に武装することも考えにくい。テクニカルにはこれを解決していく道筋は、普段からユーザがある一定の不便さを受けて入れていく(=常にセキュリティが意識される)ようにするしかないけど、それは望めない。
  • とにかく僕たちファンは、『CONTEXT』をきちんと買うしかない。そして、6曲のミニアルバムなのに¥1,680もすることに対して、よくない作品だったら、「なんじゃこりゃ!金返せ!」というだけの勇気を持っていたい。

という訳で、僕は7/3の奈良NEVERLANDで『CONTEXT』をフライングゲットします!

インディーといえばリバティーン

オレはフダツキだけど、ヒモツキにはならないぜ!!(逆)

 

こないだ、「やっぱインディーだな。スポンサーやタニマチつきは信用ならねえ」みたいなツイートをして、そのとき「インディーと言えばリバティーンズだよな」とふと過り、久し振りに聴いてみようと思ったらCDがない。iTunesにも取りこんでない。ということで、CD買おうと思って

amazonで探してみたものの、せっかくなので奈良にあるRecord Shop Djangoさんにツイッターでストックを尋ねてみました。残念ながらないとのことだったので、amazonで買っちゃうかなーと迷い中。

さてThe Libertines。改めて調べてみたら、「インディー・ロック」ってのは、けして自主独立でやってるバンド、というのではないことがわかる。ブラーだってオエイシスだって「インディー・ロック」に分類されてる。要は、「インディー・ロック」てのは、その時の流行や音楽的主流等に関わらず、自分達の音楽を貫いている姿勢のロックのことを「インディー・ロック」という訳で、清貧の思想を至上のものとしてる訳じゃない。自分たちのやりたいことを貫いて、それが広く受け入れられて成功したならそれでよい。

自分達のやりたいことを貫く、というのは容易ならざることなのは言うまでもなくて、まずそれでも食っていかなければならない以上、おのずとその足取りはindependentでなければならない。自分達のやりたいことをやるために、スポンサーやタニマチを得るというやり方は、independentではないし、どこかで自分達のやりたいことを貫けていない。それに自覚的であるかどうかは別として。今、僕は会社員として職を得ているからそんな上から見た言い方ができるけれど、もし、今この職を突然リストラで解かれたら、やりたいことを貫くどころの騒ぎではなくなってしまう。そういう状態に陥ったとしても、今自分が考えているようなスタンスを、生きるために食っていくために断腸の思いで曲げることがあったとしても、どう考えをおさめるべきか考えに考え抜いていけるかどうか、それが自分の値打ちを決めていくような気がする。だから、やっぱり「インディー・ロック」のアティチュードに惹かれてしまうのだ。スポンサーやタニマチやヒモツキは、どこまでいっても信用ならない。信用してるフリは、大人だからできるけどね。気づかれない自信も、あるけどね。

B000XJ5U5S Libertines
Libertines
Rough Trade Us 2005-01-25

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