僕は陶芸には何の造形もなく知識もなく、ではなぜ富本憲吉に興味を持ったのかと言うと:
- 第一回の人間国宝認定者であるほどの作陶家であるにも関わらず、大量生産の道を研究していったのはなぜか。そしてその歩みはどのようなものであったのか。
- 柳宗悦の民藝運動に、参加しながら離脱したのはなぜか。
この二点なので、富本憲吉記念館に行っても場違いだろうということは想像してました。記念館は恐らく、氏の作品が生家に展示されており、館の方にいろいろ解説してもらえることが主眼なんだろうと。でも、僕は、興味を持ったことは少しでも多くの触れ方をするように心がけるようになって、車で40分前後の安堵町に出向いたのでした。トップの写真は記念館ではなくて、記念館の近くの民家の壁に掛けられていた案内なんだけどいい雰囲気出てたので。
記念館では今日、「ならの会」という奈良在住の工芸家の会の、陶芸作品の発表会が行われていて、いよいよ場違いでしたが、館の方は見学ルートを説明してくれて落ち着いて見れました。やはり、作品展示がメインで、先の2点に関する情報はほとんどありませんでしたが、旧家出身という富本憲吉(それはこの記念館の大きさを見てもわかる)が遠い存在である面と近い存在に感じれる面と、双方得たことが収穫でした。
以下箇条書き:
- 展示でいちばん印象に残ったのは「絵具摺り」。釉薬をする道具で、工房で使うもので人に見せるものではないけれど氏はこの絵具摺りも美しく色づけしていた。「おしゃれの現れである」という解説文もかわいかった。
- 柳宗悦展のフライヤーが山積みになっていた。
- 建物は改築されているが、氏のお気に入りの部屋というのは当時からの現存。230年前のもの?
- 「師を持たなかったので、己を犠牲にするようなことなく、闊達に研究に没頭した」
- やはり名家の出身である。
- 元手=資本
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