『ペルセポリスⅡ マルジ、故郷に帰る』/マルジャン・サトラピ

ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る
ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る マルジャン・サトラピ 園田 恵子

バジリコ  2005-06-13
売り上げランキング : 171787


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

僕はたいていの自分の悩みというのはしょうもない、取るに足らないものだと考えていて、自分の悩みだけでなく、周りの人の悩みも、たいていは取るに足らないものだと考える。なぜ取るに足らないかというと更に他人との比較論で取るに足らないものと考える訳で、その比較対象というのはこの『ペルセポリス』のマルジ、のような存在だ。もちろん、「わたし」から「あなた」の悩みを見て上だの下だの言ってはいけないと肝に銘じているものの、ワールドワイドクラスで考えると、途端にその物差しの目盛が変わるのだ。

マルジはイランの少女で、両親の計らいでオーストリア・ウィーンに留学している。この『ペルセポリスⅡ』では、留学先ウィーンでの4年間の人生と、テヘランに戻り学生結婚し破局するまでの過程が描かれている。そこにはイラン・イラク戦争、イラクのクェート侵攻、イランの凋落と体制主義などが淡々と、しかしくっきりと描かれる。自由を求めてウィーンに渡ったのに、どうしようもない流れに飲み込まれてテヘランに戻りたいと切実に思うその経緯は、自分の悩みをしょうもないことだと言うに十分だと思う。

読書体験というのは、実体験では補いきれないものを補ってくれる。それは確かに実体験ではないし、テレビモニタで見るような実際の映像つきでも音声つきでもない。でも確かに文学は実体験を補ってくれることができる。それは映像や音楽とは根本的に質の違うもの。本著は、その根本理由を説明できなくても、そう信じさせてくれる良い「漫画」だと思う。

ビブリオバトル#05 "夏「ビブリオバトル」フェス!"@奈良県立図書情報館 #bibliobattle

アツかった!企画が、企んだ人間の思惑を超える瞬間を垣間見た、夏「ビブリオバトル」フェス、でした。

8/13(土)、初めて僕が内容を考えたビブリオバトル、”夏「ビブリオバトル」フェス"が開催されました。夏休みらしく、夏休みっぽいイベントを、ということで、近年音楽の世界で非常に活発な「夏フェス」に引っ掛けて、"夏「ビブリオバトル」フェス"と題して、1日に2回のビブリオバトルを開催するスケジュールありきで構成しました。そのうちの1つのビブリオバトルは、図書情報館様からご紹介頂いて、奈良県下で活躍されているメディア関係者の方に発表者になって頂いて、「エキシビジョンマッチ」として開催(2nd Half)。もう1つは、「初参加者がチャンプ本を取りやすい」という傾向をとらまえて、初心者 vs チャンプ本獲得経験者によるビブリオバトル(1st Half)、という企画を立てました。

この日の様子は、奈良新聞8/14にて紹介され(http://www.nara-np.co.jp/20110814103813.html)、毎日新聞8/20夕刊でも取り上げて頂ける予定です。

いつものように、以下箇条書きで:

  • まず今回は、図書情報館様・乾さんを始め、吉野さん・岡田さん・松村さん・林さん・古川のスタッフの皆さんの強力なご協力あっての成功だったと思います。本当にありがとうございました。
  • 前回のコミュニケーションシートからフィードバックを受けた事項の解消は、9割方実践できたと思う。
  • 1st Halfは、初発表3名・チャンプ本獲得者3名で、奇数をチャンプ本経験者、偶数を初参加者で進行。想定した以上に、初発表者とチャンプ本獲得者のコントラストがはっきり出た。結果は僅差で初発表者の方がチャンプ本を獲得されたが、「初発表がチャンプ本を取りやすい」という状況を、肯定することも覆す可能性も見いだせるよいバトルだったと思う。
  • 1st Halfのチャンプ本獲得者の方は、選択された本を紹介したい、という気持ちとともに、その本が取り上げている人物を広めたい、という強い想いがあって、それが発表にも迸っているような内容だった。もちろんそれ自体は素晴らしいことだけど、この方が違う本でもう一度チャンプ本を取ることができるのか、というのを考えるのも興味深い。
  • そもそも、チャンプ本を取ること自体に、それほど重きを置く必要はないと思うが、開催ルールにある以上、その取扱いはやはり神経を使っていく必要がある。
  • 「読みたくなった”本”を選ぶ」というのはどういうことか?改めて原点に立ち返って考えるべき。
  • 2nd Halfは本当にヘビーなビブリオバトルで、取り上げられた本もそれぞれ重厚で深い内容のものばかり。ある意味、「ビブリオバトル」を説明して発表者を集めたらこんなふうになるのが普通、と思えるような真剣なものになった。
  • 「こんなふうになるのが普通」というのは、本好きが集まったら、という意味。
  • だから逆に、そういう「本好き」じゃない人も参加してくるような、そういう空気をつくっていこうとしているのが今のビブリオバトルだと思ってる。
  • 意外と参加者が増えない。マーケティング要。
  • 質問が今までよりも活発に出たと思う。これはMC岡田さんの振り出しの技術によるところが大きいと思う。
  • より、質問のクオリティを上げるための方法を考える。
  • 2nd Halfは「メディア関係者」ということで、ちょっと華やかなカンジ、著名な方の発表の「エキシビジョン」と打ち出して集客を狙ったんだけど、実際はほんとにビブリオバトルらしいビブリオバトルで、こういうヒリヒリした感触になるようなテーマでの開催を、数回に1度組み込んでいくことで、観覧の方の関わり方を広げていけるような気がした。
  • 「スタッフやってみたい」にチェックした人がゼロで大ショック。

アルバムエキスポニッポン@HEP HALL #albumexpo

実物の力と失くす力と想像力。

アフター奈良3仲間の今倉さんの紹介で、アルバムエキスポニッポンに行ってきました。人気の若手写真家浅田政志さんが東日本大震災の被災地を巡った記録を、藤本智士さんがプロデュース。被災地で出逢った人々の表情や言葉はもちろん、津波で流されたアルバムの復旧の過程やその様子、それにアルバム復旧を実際に遂行するにあたってのプロジェクトの体制や課題点なんかも紹介されてました。

会場にはプリンタが設置されてて、デジカメのデータを出力してアルバムを作成できるようになってたりして、もう一回行きたいなとほんとに思いました。

以下、いつも通り箇条書きで:

  • いちばん最初に思っていちばん強く思ったのは、経験にはどうしても勝れないのか?そんなことはないんじゃないかも?ということ。東日本大震災を被災した方の生きる力の凄さというのは、このアルバムエキスポでも十二分に知ることができる。とてつもない苦しみを味わってなお乗り越えていく力というのは、見習おうと思っても見習えない。真似できない。今の関西では、関西電力が節電要請をしたって、実際の生活上で、それをほんとに真摯に真面目に考えている(節電にするということばかりではなく、ほんとうに必要なのか等を考え抜くということ)人は数少ないと思う。それこそ、真摯に考えているようなことを口に出したらしらけられるような空気で、東日本との差はますます開いていく一方だと思う。だから、やはり経験に勝るものはなく、だからといって自然災害をわざと受けるというのもおかしな話で、ただ東日本との差が開いていくのをぼーっと見てるしかないのか、と思ったけど、想像力というのは本当に大きな武器になるなと思った。頭の中で考えるという意味ではなくて、想像力は大きな力になる。そういうふうに考えて想像力を使わなければならない。経験の力は重要だけれど、やろうとしては絶対にできない、しないですむならしないでおきたい自然災害のような出来事は、それに対する想像力をどれだけ働かせるかということは、経験の力と双璧を成せる可能性のある対象。
  • 溝口さんの話。情報学で世界を救うと実際に活動している20代後半の若者で、京大に入学して名前を言うと回りが「おお」となる、なぜかというと全国模試で何度も一位になってるからという凄い若者ですが、なにかひとつのメソッドに依って立てば、それはある種の暴力を受け入れることでもあって、その暴力を自覚して推進しているということなのかな、と思う。逆に僕は、これで世界を変えていくと思えるほどひとつのことを信じ切ることができないけど、ひとつのことを信じ切らないことで得られているスキルというのもまたあるように思った。
  • 毎年、チリ大地震で津波の被害にあった日は、防災訓練をしていたということを知った。
  • アルバムという実物は、津波で流されるという経験をして初めてあったほうがいいとその力を認められていると思う。時間が経てばまた忘れ去られるのか?仮にそうだとしても、僕は実物に拘っていきたい。

『楽園への道』/マリオ・バルガス=リョサ

4309709427 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)
マリオ・バルガス=リョサ 田村さと子
河出書房新社  2008-01-10

by G-Tools

ポール・ゴーギャンと、その祖母で、女性解放と労働者の権利獲得のための活動に一生を捧げたフローラ・トリスタン。実在の二人の人物を用いた物語は、奇数章がフローラ、偶数章がゴーギャンの物語として交互に語られる。村上春樹の作品で慣れ親しんだこの構成は、「フローベールが交響曲の同時性や全体性を表現するために用いた方法」であり、「二が一に収斂していくのを回避しながら重ね合わせる手法」であること、また本作は「直接話法から伝達動詞のない話法への転換が用いられている」が、これは「騎士道小説の語りの手法を取り入れたもの」ということを、解説で学んだ。

ヨーロッパ的なるもの、偽善、性、読み込みたいよく知ったテーマが詰め込まれているけれど、物語の最終版、それらを押しのけるように衝撃的に登場した言葉があった。「日本」だ。

洗練された日出づる国では、人々は一年のうち九カ月を農業に従事し、残りの三カ月を芸術家として生きるという。日本人とはなんとまれなる民族だろうか。彼らのあいだでは、西洋芸術を退廃に追いやった芸術家とそれ以外の人々のあいだの悲劇的な隔たりは生じなかった。

戦後、日本人として日本の教育を受けてきた身にとっては、とても表面的で、とても要約された日本観に見えてしまう。19世紀と言えば日本はまだ徳川の世で、「日本の版画家たちよりこれをうまくやったものはいなかった」と書かれている通り、ゴーギャンが影響を受けたと言われている浮世絵師達が活躍した時代。僕の頭にはこれまた表面的で短絡的に「士農工商」という身分制度が思い出され、年貢によって貧困に喘ぐ「被搾取者」農家が、芸術家として生きるなんて考えられもしない。それでも、「ヨーロッパ的なるもの」を考えるとき、「芸術家とそれ以外の人々のあいだの悲劇的な隔たりは生じなかった」というのは頭に入れておかないといけないのかも知れない、と思った。なぜかと言うと、戦後から現代の間に、正にそれが起き、そしてそれが現代社会として当然の姿と思っている僕たちのような意識が存在するから。

芸術とは自然を真似るのではなく、技術を習得し、現実の世界とは異なる世界を創ることだった。

自分にとって「仕事」とは生きるためのものであり、生きることにとって芸術は必須のものではなく、芸術は自分の仕事の領域には含まれないし取り扱うこともできない、と考えてきた僕にとって、この一文は、-特に「技術(ワザ)を取得し、」の下り-新しいエリアへのきっかけになる力強い一文だった。

復活ブラックベリー

できない子ほどかわいい!愛用のBlackberry、4度めの復活!

復活してテーマ探してたらけっこうシャレた感じで気に入ったのがあったので、写真に撮ってみたんですが皆目映りません(笑)。
画面キャプチャして貼ってもつまんないしな。

今週頭の日曜、Blackberryが突如として電源入らない状態に。
電源入れたら起動画面が上がってくるけど、数秒したら落ちる。でまた起動。落ちる。の繰り返し。

この症状に悩まされたことは過去にも何度かあって、その度にdocomoショップに持ち込んでる。
1回目は買って1週間くらいで発症。
数か月でもう一回起きて、「これ、さすがにまた起きるんじゃないの?次起きたらどうしてくれるの?」と店員に詰め寄り、「次起きたら、好きな端末に交換させて頂きます」と口約束させてた。

ま、それから1年経ってるので、そりゃ無理だろう証拠もないし、と思いつつdocomoショップへ。

事情を話すと、いろいろ調べた結果、「購入して1年経ってるので、違う端末への変更はできないんです」との丁寧なお詫びとお断り。
「そんな期限、聞いてないよ?」と返したところ、
「特別措置なので、期限については案内しないのが対応上の取り決めとなってて、間違った対応ではない」との回答。

釈然としないしまだまだ突っ込めそうなものの、言ったところで変わらないだろうなと思い、本来は購入1年経過してるので預かり修理だけれど、端末に関しては全く同じ機種ながら良品交換してくれるとのことなので、それは承知するとして、バッテリは新品に交換してほしいと、それは譲れないと宣言。過去の経験上、バッテリは問題がないとして交換には応じないと言われ続けてきたのだけど、これで4回目の通電不良(自分では3回目と思ってたんだけど、修理履歴見てもらったら今回が4回目だった)、さすがにバッテリそのままという訳にはいかん!

ということで、無事、新品ではないものの、別のバッテリをつけてもらうことで決着。docomoの対応は至極まっとうでした。

家に帰ってから、完全新品になったBlackberryにアプリをインストールしなおし、悩んだ末、OSはやっぱりver.5にあげることに。やっぱりフォントが明朝なのはどうしても好きになれず。ネットで調べてみたら、docomoが出している公式なアップデート手順があったので、それに従ってみたら…前の端末より起動がスムーズ!インターフェースもところどころ前よりカッコいい!前回はdocomo推奨ではなく、RIMのサイトに存在しているのを無理矢理入れたので、やっぱり少しおかしかったのか?今回の端末はfoursquareもスパッと動くし。ちゃんと使える端末に生まれ変わりました! 

『C'mon』/B'z

夢を問われ 答えられないのは罪でしょうか?

(『デッドエンド』/B'z)

まるでセルフトリビュートみたいなこのアルバム、僕にとっては『デッドエンド』しかない!

もちろん、どの曲がメインかと言われたら、東日本大震災後に完成した、というのがよくわかる『C'mon』だと思うし、最も人気が出そうなのは壮大なロックバラード『ピルグリム』だと思うし、『ひとしずくのアナタ』の切ないクライマックスや『ザ・マイスター』のノリの強さも一発で引き込まれる。

でも、僕にとってはこのアルバムは『デッドエンド』だ。

精一杯生きるうち 自分の力思い知り
はじける勢いが知らず知らず行き止まる 

ひとつ前のチューン『ザ・マイスター』で、”懸命に生きる 本能 そんなのあたりまえ”と歌っておきながら、これだ。

夢を問われ 答えられないのは罪でしょうか?
何もできず 一日が終わるのはダメですか? 

『Time Flies』に似たこのモチーフ。しかし、『デッドエンド』は厳しく猛省を促すようには進まない。

どんだけ似てるように見えても
昨日と今日は絶対に違う 

思い出すのは『BLOWIN'』。”繰り返しなんかぜんぜんない暮らしをしてるはずだぜハニー”。

そして突き刺さるのはここ:

夢を描けないのなら ひたむきに待てばいい
生きつづけることでしか 何も生まれない

時間を食おうといいじゃないか
無理矢理でも面白がれ 

個人的に当座の目標を失い、何を目指して頑張っていけばいいのか、まったくわからなくなったまま、数か月を過ごしていて、もっと長いスパンでも、自分はこうなりたい、こういうことがしたいという夢を語ることができない状態で、これじゃあ社会人失格なのかと、自信喪失気味にやってきてて、もう残された時間も少ない、焦れば焦るほど、やりたくてもできない、空回りすることの繰り返しだったんだけど、『デッドエンド』は”待つ”ことの大切さを改めて教えてくれる。これは『MAGIC』のモチーフと同じ。”ひたすら信じて待て”。

思えば、「努力しなければ何も得られない。努力すれば得ることができる。」という有難い星の下に生まれたらしい結果、自分の力でどうにかなることでなければ興味が出なくなっていた。だから、”待つ”という行為は、”何もしてない”のと同じことだった。けれど、時間がかかっても待った方がいい局面ってあるのだ。

行き止まりさえもひっくるめ
これこそ愛すべき我が道 

腹の底からこう言えるよう、繰り返し繰り返し考え抜きます。

B0055PDQOM C'mon(初回限定盤)(DVD付)
B'z
VERMILLION RECORDS 2011-07-27

by G-Tools

乾さんといっしょじゃない@奈良町おんどり 2011/07/16 #jbnsgt3k

乾さんにどうしても避けられない急用が入ったと12日に連絡をもらい、でもせっかくなのでと木下さんと前田先生というアフター奈良3自転車部の面々と、奈良町で一杯。そこで数々の偶然の果ての予想外の出来事が!

もともと、『乾さんといっしょ@乾さんち』で集まった面々と、僕の中で温めてたアフター奈良3 #03のアイデアを打ち明けて意見聞いてみようと思ってたので、木下さんと前田先生にぶつけてみようと思った訳です。かなりやってることに違いのある三人だしね。

まず最初の偶然は、乾さんからキャンセルの連絡があったこと。

次の偶然は、それでこの日の集まりを流してしまわずに声掛けしたら、木下さんと前田先生が乗ってきてくれたこと。

その次の偶然は、乾さんちに行く訳じゃなかったので、奈良にする理由もなかったんだけど、また場所相談とか始めたら面倒なので、(ふつう僕はこういうとき必ず場所決め直しするのに)もういいか、と思って奈良にしといたこと。

更なる偶然は、とりあえず三人で奈良は初めてなので、定番の「蔵」でいいか、6時なら流石に大丈夫だろう、と予約せずに行ったら案の定というか既に満席でお断りくらったこと。

こんな流れを経て、前々回の「乾さんといっしょ」で連れて行って頂いた「おんどり」に再び向かってみたら、ちょうど3人分空いてたので腰を落ち着けた訳です。
取りあえず最近の仕事っぷりとかから口火を切って、僕が来週のスケジュールが火曜大阪・水曜長崎・木曜大阪・金曜熊本→京田辺でなんでやねん!と喚いてみたり、そんな感じであったまってから、いざアフター奈良3のアイデアを話してみて合否判定を頂く、みたいなノリで結構盛り上がって。

そしたら次に起きた偶然は、先客の二名二組が帰ったこと。

帰って直後に、五人組が来たこと!!

「あ、詰めますよ、詰めますよ」って奥に詰めて、その五人組に入ってもらって、で、ぼちぼち飲み始めたところで前田先生がその五人組が写真を撮ろうとされているのに気付いて「撮りましょか?」ってカメラ預かって、僕は撮影確度的に邪魔になるカウンタの一升瓶二本を手に抱えて、前田先生が気合入れて撮影したショットを「どうやって確認したらええかわからん~」と四苦八苦されたのち「まあまあやな~」と衝撃の発言で大爆笑に巻き込まれたり、このあたりですでに木下さんと前田先生は五人組の中心人物が何者か気づいてはって。

くるみの木のオーナー、石村さんだったのです。

まあ僕たちはだからってちょっとお話していいものなのかどうなのか、加減のわからないまま引き続きアフター奈良3話で熱くなってたんですが、僕がとなりのお兄さんに二の腕をトンと合図され、「それなに?」とささみサラダポテトフライを尋ねられたところから会話が始まり。

「どういうつながりなんですか?」と尋ねられたところに、前田先生が「図書情報館で年初にやっていた『自分の仕事』を考える三日間、というイベントで知り合ったんです」と答え、僕が「失礼ながら…」とお尋ねし、「そうなのよーそれなら今から乾さんに電話したいくらいだわー」と仰り、「いや、それが、実は今日、乾さんちに遊びに行くはずだったんですけど、急用が入られたそうで僕たちだけで飲みに来たんですよ」、「まーそうなのー、皆さん学生さん?」、「いえ、実はこう見えて39歳です」、「まあーー!!」

…とまあこんな感じで異常なドライブがかかって場は盛り上がり、なぜか僕らの写真も撮影され、こちらが名乗らないのは無礼にあたるので名刺をお渡しし、そうすると隣のお兄さんが竹内ヤスヒロさんという、秋篠の森のウェディングカメラマンもされている方だということが分かり、 7/21まで秋篠の森で竹内靖博写真展を開催されてるということなので、覗きに行かせて頂きます、とお話をしてお別れしたのです。

で、今朝、いい天気だったので早速、秋篠の森にロードバイクで行ってきた訳です。それが先頭の写真。10:30 OPENだったので、とりあえずいつものルートで平城宮跡まで走り、頃合いを見計らって秋篠の森へ。

門が開いたので入ってみたら、ギャラリーにさっそく竹内さんがいらっしゃって。声を変えたら覚えててくださいました。奥さんも、秋篠の森のスタッフの方も。長くお話させて頂きました。

竹内さんの写真は、(恐らく)秋篠の森で結婚式を挙げられた夫婦のご家族を撮影されたものと、オーストラリア・ブリスベンの街のシーンを切り取ったもの。ブリスベンの写真は、ものすごい極細の線で精緻に書き上げられたような硬度と柔らかさの両方ある、海辺の街の気配がすごく印象的でした。色彩も硬度と柔らかさの両方ある。画面の全面が海岸で波しぶきがあがってて、右端に子ども三人がはしゃいでる写真があって、なぜかそれだけ価格が表記されてなくって、これは販売されないのかな、と思ったりして観てるうちにすごく印象に残りました。


そうそう、石村さんとのお話で、高松がいいよとオススメされ、これは行っとかなあかんちゃうか!となり、アフター奈良3自転車部ストイック組は速攻で高松行日程を組んだのでした。乞うご期待!

『be with!』vol.90 p37

今晩の『乾さんといっしょじゃない@奈良おんどり』は予想外と言えばあまりに予想外の驚きの展開を見せ、それはもちろん書きたいんだけどちょっとこの興奮のまま残しときたくて(笑)、長らく待ってたB'z partyの会報でちょっと感心したことがあったのでそれを。

地味にこういう対応を取るところが好きです。B'zはB'z Partyも含めて、ほんとにファンのあらゆることを常に全方位で考えてるなーと思います。

 

たまりません。泣けます。アリーナ行きたいです。

タイヤ交換 MICHELIN PRO3 RACE

先日、かき氷食べに行こうとしたら家出て15分でまさかのバーストパンクしたので、タイヤ交換です!

今まではBRIDGESTONEのEXTENZA RR2X 23Cを使ってました。ロングライド向けと言うことで、程よい軽さ程よい耐久性程よい低摩擦なところが気に入ってたのですが、いつものY'sに行ってタイヤを見てみると、EXTENZAは安価な部類で、もう少し高い価格帯の製品をいろいろ物色してみて、展示数が多い=それだけポピュラーな製品なんだろう、という判断で、MICHELIN PRO3 RACEを購入。ほんとはRACEではなくGRIPというのが良かったんですが、展示が1本しかなく、GRIPとRACEがどう違うかもわからないので、店員さんに聞くのも大仰なので、RACEを2本購入。色はやっぱ黒だね。

今日はとりあえず交換のみ。ちょっと雨が降ってたし。後日、走ってみて感想書いてみよう。

B001QVTGLQ ミシュラン PRO3 RACE 700x23c ロードクリンチャータイヤ ブラック
MICHELIN(ミシュラン)

by G-Tools

ビブリオバトル#04 "BBBBQ"@奈良県立図書情報館 #bibliobattle

過去最高、約50名の集客しての奈良県立図書情報館ビブリオバトル!!

まず初めに、今回のビブリオバトルは初めて主催者側に回らせて頂いたとは言え、今回の浴衣企画・BBBBQ企画は図書情報館ビブリオバトルを発起した中津さんと図書情報館様で練り上げられてたもので、僕はそのプランをなぞって当日運営すればいい、という状況でした。なのでとても主催者とは言えません。新聞各社や朝日放送などに取り上げられるまでに発展させ、50名も集客する浴衣企画・BBBBQ企画を立案された、中津さんと図書情報館様の努力の賜物だと思います。

僕個人は反省点だらけなんですが、それをここで詳らかにするのはどうかと思うので、内容について、いつも通り関係者サイドとしてギリギリの線で:

  • 僕は純文学大好きなので、純文学がチャンプ本になったことは素直に嬉しい。
  • 一方で、実は純文学というのは実はチャンプ本を撮り易いのではないか?という気も今回した。理由は、票が入りやすいのは(ビブリオバトルに限らず何でも)”意外性”という要素が大きく働く、そして、実は世の中でいちばん読まれていなのが”純文学”で、誰にとっても意外でありやすいから。
  • これはもちろん、ビブリオバトルの本質は、"チャンプ本を獲るということではない"ということをわかっての話。
  • ビブリオバトルの主旨は、”読みたくなった本"であり、もうひとつ、"自分の知らなかった本に出会える"ということ。だから、純文学が取り上げられるのはよいことだと思う。
  • クオリティとクオンティティの問題。50名という人数は率直に言って限界値だと思う。これ以上増えることを想定するとしたら、運営ノウハウもまた違う種類のものが求められそう。
  • クオリティの問題に関しては、以前書いたことのある、「発表者よりも質問者の質が大事」というのは、結構間違ってなかったと思う。
  • 発表者が固定するのではなく、柔軟にほどよいバランスで新しい人も入って来られたりするのが理想。
  • だから、常連として固定の見込めるオーディエンス側の質問のクオリティが、ビブリオバトルの充実度を決めていくと思う。
  • 今回、「ビブリオバトルとは私はこう思う」という趣旨の質問を発言された方がいらっしゃったが、上記を踏まえて、僕はビブリオバトルのカラーというのは、本質を外していなければ、個々の開催場での個性としての「揺れ」「ブレ」があっていいと思う。確かにビブリオバトルは「プレゼンテーション技術」の追求的な性格もある。だから、大して思い入れもないし読んでもいない本を、5分の口八丁で読みたいと思わせる職人技というのももちろんアリだと思う。でも、本気でその本に入れ込んでいて推薦したい人や、フラットにテーマに沿った本を持ってきて、それを解説する人もいる。そういう、より「本のオススメ」側に振れたカラーを持つビブリオバトルがあってもいいと思うし、図書情報館のビブリオバトルは、個人的にはそちらのカラーを意識して続けていくのが、ますます盛り上がっていくことに繋がるように感じてる。
  • ビギナーズラックというと語弊があるけれど、「初陣であるがゆえの朴訥な熱感」「受け入れてもらいやすい感」は、票を取り易い傾向にあるというのは最近のビブリオバトルで関係者が感じているところ。それに対して、ベテランはベテランの力でそれに対抗できるようになれるか、が、「書評会」としてのビブリオバトルを発展させ、レベルを上げ、おもしろくすることに繋がると思う。
  • フィードバック。この次はフィードバックが重要。「次回来てもらえる」だけではなく、「今回来てもらったことに対するフィードバック」が。
まだまだ書評会としてのビブリオバトルをおもしろくすることができると思う。本好きにとってももっとおもしろくできるだろうし、本がそんなに好きじゃない人もなぜか惹きつけるような、そんな会にできると思う。