初陣@ビブリオバトル天満橋 #bibliobattle

3回目にして、遂に初めて発表者として参加させて頂きました。結果は同点1位で、決選投票の結果チャンプ本を逃しましたが、非常に充実した時間を過ごせました。主催者の中津さんからは、「ぜったい発表者として出た方がおもしろい」と言われてて、そりゃもちろんそうだろうなあ、頭では理解してたんですが、いかんせん人前で喋るのが得意ではないので悩んでましたが、発表できて良かったです。

4309709575 クーデタ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-5)
ジョン・アップダイク 池澤 夏樹
河出書房新社  2009-07-11

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  • 初めてオーディエンスとして見たときから、「自分が発表したら絶対小説でやる」と心に決めてました。小説というのはビブリオバトルの発表にはあまり向かない、難しい、というのを小耳にはさんだので、小説を愛する僕としては、絶対に小説でやると決めてました。
  • 選んだのはジョン・アップダイクの「クーデタ」。
  • 発表者として挙手して、じゃんけんをしてるくらいのときに、「この本のチョイスでは、ウケないんじゃないか」と急に不安に。
  • 発表は4番手。「この本ではウケないんじゃないか」という思いを振り払って、自分の文学への愛を恥ずかしげもなく全面に出すよう心がけて、話す。
  • 結果は先に書いた通り、同点1位。自分の発表が終わったときは、質問が少なかったこともあるし、場の空気が静まり返ってたこともあって、「こりゃ一票も入らないんじゃないか。もうちょっとフレンドリーなテーマの本を選ぶべきだったのかも」と猛烈に後悔したけど、だからこそ、たくさんの人が票を入れてくれて嬉しかった。小説を勧めてみて、小説を読んでみたいと思ってくれる人がそれだけいたというのは、僕に取っては凄い救いだった。きちんと話せば、小説を読んでみたいと思ってくれる人がいるんだというのは。

初陣でチャンプ本が取れればそれは最高に良かったんですが、逃して残念というよりも、「小説を、それもとっつきやすい訳ではない小説を取り上げて、あれだけの人が票を入れてくれた」というのが、(自分に票を入れてくれたということではなくて、小説に入れてくれる人がそれだけいたという意味で)とても幸せな出来事でした。

今日のビブリオバトルはオーディエンスも非常に多く、多少かしこまった雰囲気でしたが、あの「少しパブリックな」緊張感というのは、それはそれでビブリオバトルのひとつの可能性かなと思いました。

    アフター「アフター2011奈良3 vol.2 『マイルストーン』」 #jbnsgt3 #jbnsgt3k

    1月の第一回から2ヶ月強、アフター奈良3 vol.2を、奈良県立図書情報館で開催できました!
    場所と機材を 快く都合してくださった乾さん、ほんとうにありがとうございました!!

    ちなみになぜ図書情報館にしたかというと、

    • 奈良3で知り合った仲間なので、たまに場所が奈良でもいいかな
    • 土日でないと参加が難しいという方がいらっしゃったので、土日なら奈良まででも来れるんじゃない?
    • 4月と言えば、図書情報館の前の佐保川の桜!川沿いに延々続く桜並木は絶景です

    という訳で図書情報館に(笑)。休み時間設けて桜並木を散歩してみましたが、ちょうど満開直後というところで、花びらも綺麗に舞うし、見ごたえ十分でした。例年ならもう1週間早いところなんですが、これはやはり幹事の人徳のなせる業でしょう!(笑)

     

    今回は、前回も参加された8名、今回初参加の3名の合計11名。前回参加で今回不参加の方についても、事前に近況を聞いておいて皆さんに報告しました。転職を実現されたり、自分のやりたい企画の実現に邁進されていたり、「思う」だけでなく実際に「する」に繋げている話は、やはり刺激です。

    さて今回は単なる宴会だけでなく、「語る」セッションを準備しました。

    1.  「トリセツ」 13:00 - 14:50
    2. 「自分の仕事を語る」 15:10 - 17:00

    「トリセツ」は、「自分の仕事について、10枚の写真を用いて10分で説明する」というもので、中津さんがアイデアをくれました。ペチャクチャナイトに想を得られたそうです。これは、有志5名にご準備を頂いて、プレゼンテーションして頂きました。

    この「トリセツ」セッションがかなり盛り上がり、予定の時間を結構オーバーしたので、休み時間の佐保川散歩を経て、後半は、初参加の方2名の自己紹介と併せて、「トリセツ」発表者以外の方の自己紹介、という形で進めました。

    ※ちなみにもともとの「自分の仕事を語る」セッションは、3人1セットで、一人五分で自分の仕事を説明する、というのを、セットを変えて繰り返し繰り返しやり続けていく、という企画のセッションでした。

    結果的には、時間をうまく使うことが出来、万遍ないセッションが展開できて、おもしろい展開になってよかったなーと思ってます。そして、奈良3よろしく、今日の感想を皆さんに書いてもらって、セッション終了。


    そして、幹事としてやり終えた感想なんですが:

    • 体調がまだ万全でなかった、というか、頭がうまく働かなくて、仕切りが不十分でした。
    • 幹事としては、前回同様、「これでよかったのかな」という想いは多分にある。みんなが、どれだけのものを持って帰れたのか…。
    • ジェネラルな内容でなく、もっとゴリゴリに押していくようなセッションでも大丈夫なのかも知れない。
    • 自分も何かを得よう、というスタンスは、捨てないと続けられないなと思った。だからと言って、gainのない仕組は必ず頓挫する。
    • 夜の部で、人と話す体力は残ってなかったです。
    幹事として、絶対に口にしてはいけないことというのはもちろんあって、そのあたりはこの回のキモと完全にクロスしてしまうところなのでそこがかなり苦しいところなのですが、僕はやり遂げてみたいなと思います。

    緊急地震速報の経験

    緊急地震速報を、初めて経験しました。

    長めの東京出張もほとんど体調不良で何やってたのか分からないような過ごし方で、いよいよ最後の木曜の夜。テレビをつけたままうつらうつらしていたら、緊急地震速報が流れました。

    緊急地震速報自体は、電車乗ってるとき周りの人のケータイから流れたりしたのを聞いたことあったけど、なぜか「これは来る」と確信持たされるようなのは初めてで、揺れに備えてみました。

    果たして、確かに揺れました。

    この東京出張中、2度ほど震度1レベルの揺れをベッドで感じたんですが、震度1くらいだとテレビも速報しないんだなと思ってたところだったので、緊急地震速報が伝える地震の怖さを身を持って知りました。震度3だったと思うんですが、あの揺れを「結構」と書くべきなのか、「程度」と書くべきなのか、僕にはわかりません。

    ただ言えることは、あんな揺れがちょくちょくあるようじゃ、全然気が休まらないなというのはよくよくわかったということです。余震の怖さというのは、いつかほんとに終わるのか?という不安だということです。今、被災地にいない僕ができることは、忘れないことだと思います。

    一部は無神経な東京

    東京に来てます。今週の出張は長めです。

    自社のオフィスで、自社の社員が二人、話をしていました。どちらも、東京オフィス勤務の二人です。3/11の大地震に遭遇しています。僕がその場に居合わせたときから、大地震当時のアクシデントや大変だった出来事を、半ばおもしろおかしく話をしていたのですが、何かのはずみで、関西に大地震が来たらどうなる?という話に。たぶん、関東に本社機能を置く会社が、大阪に機能を移してるが、だいじょうぶなのか?というような話だったのでしょう。

    • 三重や和歌山の沿岸なんて、今回クラスの津波が来たら危ないんじゃないか?
    • 大阪市内は、四国があるし、直撃を食らうことはないから大丈夫なんじゃないの?
    • でも淀川流域はゼロ海抜地域が続くんでしょ?
    • もっと上流の、吹田市とかが危ないのかもね。

    話がこのあたりにきて、僕はこの二人を殴りつけるか、その場を立ち去るか、どちらかしか選択肢がなくなりました。

    まあ、関西人の僕がその場にいてるってことを理解してなかったんだろうけど、僕が頭に来たのは、そういうことじゃなくて、なんであんなひどい目にあってるのに、そんなに軽薄なんだってことで、正確でも詳細でもないことを、よくそんなにベラベラとあたかも正しいかのように喋るよな、という、その軽薄さ加減に嫌気が指したのだ。今はせめて軽口をたたくのは自分たちのことだけで、他地域のことを軽口叩くのは間違ってるでしょう。

    そうかと思えば、お上が「花見は自粛せよ!」と言えば粛々と自粛するし。なんなん?東京人。いつからそんな、腰抜け市民になったんや。自粛ってのは、自分で決めるから自粛やろ。おんなじ自粛するにしたってそんくらいのこと言えへんのか。

    僕はずっと、東京というものをリスペクトして来たけど、今度ばかりは見損なった。一部にね。

    B'z 『Brotherhood』の圧倒@4/1 ミュージックステーション 

    4/1のMusic Station。一ファンとして、どんな姿を見せてくれるのか、待ち侘びていました。

    僕は自他共に認めるB'zファンです。ほぼデビュー直後からのファンです(さすがに、デビューアルバムの『B'z』だけはオンタイムで買ってませんが後は買ってます)。B'zファンというと、いわゆる「音楽通」的な人たちから、「ははは」と嘲笑されるような、そんな時代も生き抜いてきました(一部では今でもそうかも知れないけど)。もう、臆面もなく「B'zファン」と言い切ってます。ライブももちろん毎回行きます。大阪のチケット事情はマナーの悪さからファンクラブ優先でも厳しく、『ACTION』のとき抽選で全滅した際は、とにかく手当たり次第申し込んで、仙台まで観にいきました。できる限り遠征もします。欠けているアイテムは、シングル・アルバム・ソロ・映像作品含めてありません。そのくらいファンです。

    何が好きかというとあの人達はほんとうに「プロ」だと思うからです。毎回ドーム公演を完売して、どの公演でもパーフェクトなアクトをする。「ライブは生き物だからいろんな調子のときがある」みたいなことを言うミュージシャンは、はっきり言ってそうやって寝言を言っとけと思う。お金を払って、時間を費やして、対峙しようとしてくれている人たちに、ベストを尽くすのがパフォーマーとしては当たり前だろう。その「当たり前」のことを、23年もの間粛々とやり続けている人達を僕はほかにほとんど知らない。

    僕は、稲葉の書く歌詞が大好きです。稲葉の歌詞は、ぜんぶ自分のせいだと歌う。ぜんぶ自分のせいだと歌うんだけど、そこに重苦しさだけが漂う訳じゃない。辛い時はちょっと休んだらいいし、自暴自棄のときは自暴自棄になっても構わない。でもそれ全部自分のことなんだよと、自分でしょってちゃんとやってこう、と歌う。そして、それを絶対に誰にも強制しない。「僕はこう思う。君の参考になれば嬉しい。」常にそういうスタンス。あの哲学を、ほとんどまるまる鵜呑みにして今までやってきてるような気がするくらい、彼の歌詞が好きです。その世界観はあまりに崇高過ぎて、自分の実生活で実践しようとしてもほとんどできずにボロボロになって打ちひしがれるばかりだけど、それでも諦めたりはしません。

    そして、4/1のMUSIC STATION。『さよなら傷だらけの日々よ』はもちろん良かった。

    「さよなら傷だらけの日々よ 目指すは次の世界 明日はもうここにはいない」

    次のステップを踏み出す時には、避けられない別れもある。でもその別れとは、いつも新しいものだろう。悲しむ必要なんてないよ。
    できれば避けたいことだけど、でもそのときには大きく構えようと思わせる、大事な大事な哲学。

    でも、やはり『Brotherhodd』だろう。

    ネットでは『PRAY』を予想する声が多かったけど、僕は正直言って『PRAY』は曲調が被災して3週間の今の時点には、暗過ぎるような気がしてた。いい曲に違いないんだけど、あの曲はもう少し、平時でこそ強い思いを重ねられるような曲だと思う。

    『Brotherhood』と聴いたとき、意外だったのと大きく納得したのと両方の感情が流れた。

    B'zのファンのことを「ブラザー」と呼ぶ端緒となった曲、Brotherhood。

    なんとプレイヤーはBarryとShane。

    そして、これまでTV出演の際は場合によっては生音は稲葉のボーカルだけで、 演奏はトラックを流してることがあったのですが、今回はすべて生音。

    松本さんまでもがコーラスに加わる。

    「いざというとき手を差し伸べられるかどうかなんだ」で、マイクスタンドをガンガンと床に打ち付けて絶唱する稲葉。


    稲葉はライブで観るとき、常に「プロのシンガー」としての稲葉の顔を崩さない。

    けど、今回、歌い終わった後の稲葉の顔は、人間・稲葉浩志だったと思う。

    言っては悪いけど、歳相応の、稲葉浩志が、そこにいたと思う。


    もう本当に、特にアンチB'zだという人に、この演奏を是非聴いてもらいたい。すべてが終わった後、「元気が出る応援ソング」みたいののベスト3が残ってたけど、スタジオはそんなものは霞んでしまい、ただただ圧倒された空気だけが残った、あの演奏を。

    あれこそが、「音楽にできること」だと思う。

    そして、どんな仕事でも、全力でやっていれば、「その仕事にできること」が、自分の力になって返ってくるはずだ、と。

    行けなかった「3月28日 奈良ネバーランド 東北地方太平洋沖地震チャリティーイベント」のその後

    3/28、奈良ネバーランドで実施された東北地方太平洋沖地震チャリテイーイベント、待ちわびていたのですがなんと間の悪いことに当日重症扁桃腺炎に陥ってしまい、諦めざるを得なくなったのです。

    ライブは見れなくても、せめてチケットだけは買いたい、募金したい、ネバランならここから30分もあれば、と思うのですが、重症扁桃腺炎というのは本当につらくてとてもじゃないけど行けそうにありません。

    そこで、ダメモトで、ツイッタで、五味兄さんとネバーランドのアカウントに、ツイートを飛ばしてみたのです。こんなカンジ:

    今日の整理番号16番の者です。楽しみにしていたのに扁桃腺炎と高熱でいけなくなってしまいました。でも五味さん&ネバランの活動に参加したく、後日ネバランにチケ代持ってってもいいでしょうか?いつまでなら間に合いますか?

    予想では、五味兄さんは、返してくれたとしても「その分他で募金してください。同じことです。」というにべもない答えだろうなーと。ネバランの方は、ひょっとしたら真面目にいつまでって答えてくれるかな?と期待したんですね。ただ、ツイッタなので、あんまり人目に触れたら収集つかなくなるし、答えもらえないかな、と思ってたら、ネバランの方からdを貰ったのです!

    それは、「立て替えておきますから、体調がよくなったら持ってきてくださいね。」という趣旨のものでした。

    もう僕はびっくりして、速攻お礼のdを打ちました。案の定、五味兄さんからはほぼ予想した通りの(ほぼというのは、「気持ちだけ頂いときます。ありがとうございます」という、意外と優しい言葉が添えられてたから・笑)リプライがあったのですが、ネバランの方も五味兄さんと話はしてくれたみたいでした。

    その時点で、僕の体調が完調するのは金曜以降だろうと予想されていたので、「金曜か土曜には必ずお返しにあがります」とdしました。

    そして、昨日、無事立て替えて頂いた分をお返しすることができた訳です。

    残念なことに、dでやり取りしてくださった方は、そのときたまたま不在にされていたのでお会いできなかったのですが、スタッフの方にほんとに心から感謝の言葉を伝えさせて頂いたつもり。もちろん、実際にお会いしてお礼を申し上げないことには礼儀が立たないので、近々、またネバランに行くつもりです。


    僕はそれほど音楽好きという訳でもないし、しょっちゅうライブハウスに行ったりする訳でもないので、近所なのにネバランに行ったのは今年1月のLOST IN TIMEのツアーが初めてでした。このときはLOSTAGE目当てで行って、案の定LOSTAGEに完全に当てられて、数年前からネットの友達が「LOSTAGEいいよ。奈良出身だよ。」と勧めててくれたのですが、目の当たりにして完全にハマりました。そして、LOSTAGE本拠地のネバランは、スタッフの方がとても元気がよくて、爽やかでいいライブハウスだなーと思いました。受け付けなんかも丁寧です。ドリンクは栓を開けて渡してくれたりします。そして今回の出来事。完全にネバランのファンにもなりました。

    対岸の火事だと思っているのは誰だ

    しかし、ウチの営業はいつになったら売ってくるようになるんだろう?担当してこの方、営業がドライブして成約に至った案件に出くわしたことがない。もちろん、小規模案件ならある。僕が言っているのは、僕たちが手掛けるべきサイズの案件のことだ。僕は今現在、ある程度僕の提案を信用して、あまり厳しい競合にさらさないで検討してくれる案件を提供してくださるお客様を、3社持っている。うち1社は担当変更で手放したけれど、これらのお客様と現在のような関係を築くのに掛かった時間は、1年前後だ。おまけに、それらの土台のあるお客様に対して、僕がフロントに立たないよう、なるべく後ろに下がって接するようにしている。なのに、この営業はいつまで経っても信頼が得られない。理由は簡単だ。その営業の存在価値が、ないからだ。出来あいの資料を持ってきたって、上司や上層部を連れてきたって、それがお客様にとって何のメリットがあるのか、組み立てられないようでは意味がないし、その営業本人のバリューって何?という話になる。人懐っこいかどうかという問題ではない。こんなに無愛想な僕でも、信頼は得られるのだ。確かに、僕はそれぞれのお客様に手数をかけている。でもそれは、営業がやるべき内容をやりきれないから、代わりに僕がやるから手数がかかるだけなのだ。そうして、僕のバリューが上がる。

     

    いやいや、こんな批判を書きたかったんじゃない。仕事のことはあんまり書かないようにしてるつもり。今日書きたかったのは、もう一度、「想定外」についての話。でも今回は、「想定」する際の、話。

    僕はシステム屋なので、「絶対に止まってはいけない」システムとか、「絶対に事故を起こしてはならない」と言われる会社様の仕事をさせてもらうことがある。そういう、「絶対にダメ」な会社の「絶対にダメ」なシステムは、いったいどういうふうに検討され、構築されているだろうか?

    誰でも想像がつくと思うけど、少しでも安価にするためには、複数の業者で競争させることになるけど、競争させればさせるほど、なんか危なっかしいところが出てきそうな気がする。思わぬところで安い部品を使われたりとか。思わぬ作業工数をケチってカットしてるとか。出てくるのが三流の技術者とか。

    かと言って、競争させない訳にもいかない。民間企業であれ公共体であれ、競争がないとぼったくられる。だから、普通は、RFP-提案依頼書というのを作成して、各業者に配布して、各業者はその仕様を満たすべく提案を作成する。そこに、「技術者は一流であること」(何が一流かって話はあるけど)と書いてあれば、三流の技術者を持っていくことはできない。

    しかしこのRFPというのが曲者で、僕ら提案者側からすれば、このRFPに、いかに自社独自の製品や技術が盛り込まれているかが勝負を決めると判っている。ウチしかできないことがRFPに書いてあれば、ヨソはRFPをすべて満たすことはできなくなるからだ。かくして、通常、RFP作成前段階で、いかにお客様と会話を重ねられるか、という勝負になる。通常は、こういう争いを避けるために、「検討会」「公聴会」みたいなのを事前に開いて1年かけたり、RFIを出したりするんだけど、まあそんな悠長なスケジュールが組める会社ばかりではない。

    で、「絶対にダメ」な会社の「絶対にダメ」なシステム担当者は、「絶対にダメ」なので、あまりにおかしいものを持ってこられたらやっぱり怖い。だから、過去に使ってきた業者や製品を変えたくない、という硬直性が絶対に発生する。そういう業者は、「絶対にダメ」なモノ用の部署とかを設置してたりもするので、過去に付き合いのある業者を変えなくて済むように、いろんなところで細工をする。

    これは、決して間違ったことだとは思わない。でも、そこに「淀み」が発生するのもまた間違いない。その「淀み」が高じた結果起きたのが、今回の福島第一原発の事故が起きるような設備状態の放置に繋がったのだと、思わなくはない。

    東京に一泊出張してきました

    昨日・今日の二日間、一泊出張してきました。二日とも飯田橋近辺だったので、広い範囲を見た訳ではないのですが、それでも「関西とはやはり違うな」と感じることはありました。

    • 往復とも、新幹線の乗客が目に見えて少なかったです。出張が抑制されてるのがありありと感じられました。
    • 東京駅が消灯で薄暗かったです。
    • お客様のビルも、消灯しているフロアが多く薄暗い。
    • お客様への来客も少なく感じました。いつもは必ずと言っていいほど商談スペースが埋まっているのですが、今回はゼロでした。
    • 水道橋近くを歩いていると、ドームで何か騒いでいるなと思ったらみるみる道路沿いに人の列が出来、大きなカメラを抱えた報道関係らしき人がうろうろしだして何事かと思えば、巨人軍の選手が募金活動をしているとか。出張で来ている人間にとっては、報道関係らしき人がうろうろしたり人が行列作ったりするとすごく不安に駆られました。
    • コンビニは割とモノはありました。
    • 駅が寒かったのは、暖房も節約しているからと気づきました。
    • マックのコンセントが、電源供給されてませんでした(たまたまかも)。
    • お客様は意外とふつうに地震のことを話されていました。その「ふつう」ぶりは、やっぱり関西で話しているのとは少し次元が違いました。

    3/10 GRAPEVINE tour 2011@神戸WYNTERLAND 3/10

    書いてなかった活動を遡って振り返る!まずは3/10 GRAPEVINE@神戸WYNTERLAND。
    と言っても自分としては別のところで書いてるので、書いてないって感覚は全然ないんだけど。 

    今振り返れば、これって東北関東大地震の前日だったんだなあ…田中くん、頻りに「神戸は雪になるらしいですよぉ~大丈夫ですかぁ~」と言ってたけど、まさか翌日にあんな大きな災害が起きるなんて、ほんとあの晩は思ってなかったよなあ、という、嘆息にならない嘆息が出てくる。当日は開場時間くらいから雨が降り出して、傘を持ってなかった僕は、WYNTERANDが初めてだったこともあり、かつ、スーツのままで行かざるを得なかったこともあり、かなりの悪印象だったんですけど、そんくらいで文句言ってたのが情けなくなります。

    セットリスト(拝借ものです)

    01.Silberado
    02.This town
    03.Suffer child
    04.ミランダ(Miranda warning)
    05.ピカロ
    06.インダストリアル
    07.冥王星
    08.おそれ
    09.Dry November
    10.411
    11.夏の逆襲(morning light)
    12.風の歌
    13.ランチェロ'58
    14.Neo Burlesque
    15.Sanctuary
    16.VIRUS
    17.GRAVEYARD
    18.真昼の子供たち

    En.
    01.Come On
    02.スロウ
    03.その未来

    田中くんがMCで「ストレンジランドはみんで盛り上がっていこうってカンジのアルバムじゃない」「ストレンジランドの深いところに降りていく」と言ってたように、セットリストもかなりストレンジランドムードに沿ったつくりだったと思う。そもそもバインの進行はどの曲も大抵スリリングだし、単純にテンション上げていくようなノリじゃないと思うけど、今回のはみんな複雑な揺れ方してたなあー上級者だなーと観ながら思ってました(どこ見てんだ)。

    僕は、ピロウズ・グレイプバイン・トライセラトップスといういわゆる「売れそうで売れない御三家」を、結構昔から聴いてるクチなんですが、とりわけバインはいちばん売れそうで売れないというか玄人好みというか、繊細で、「簡単に分かってくれるな、そんな安易なメロディラインにするか!」みたいなところがあると思ってて、そこがまたオシャレでセンスな部分だと思うんですが、ストレンジランドはそれが前面に出てて僕は好みです。もっとパワフルでエネルギッシュなのもあってそれがバインだと、根っからのファンの人は言うと思うんですけど、ふつうのリスナーにとっては、やっぱりバインは通好みの洒落た音を出すバンドというイメージじゃないかなと思うんです。

    プロダクトデザイナー秋田道夫氏講演会「しあわせにするデザイン」 #jbnsgt3 #jbnsgt3k

    ここ最近の自分の活動でエントリしてないことがいくつかあるので、そういうとき、時系列に書き始めるべきか、それともとりあえずリアルタイム性を重視して最近のものから書き始めるべきか迷うんですけど、今回は昨日参加させてもらったこのセミナーから。

    art around NARA主催の、プロダクトデザイナー秋田道夫氏講演会「しあわせにするデザイン」。

    この講演会は水曜か木曜くらいに偶然知って、奈良でおもしろいセミナーがあったらなるべく参加してみようと思ってたので、申込みました。秋田道夫さんは、恥ずかしながら存じ上げませんでした。art around NARA/藝育カフェsankakuは以前から知っていて、奈良でめずらしいことやってるなあ、拠点も構えてるんだ、と思ってツイッターでチェックしたりはしてたんですが、今回、初めて活動されているものに触れられるなと思って申し込みました。「おもしろいセミナー」と思ったところは、

    • セミナー紹介で秋田さんが「信号機をデザインした方」と言うのを知って。
    • そんな凄い方が来るのに、セミナー会場が、(僕は土地勘あるのでイメージできるんですけど)あんな小っちゃいとこでやるのか。

    というちょっと種類の違う好奇心(笑)がいくつかあって、です。

    まずセミナーに参加するにあたって、いくら門外漢とは言え、ある程度の予習は必要だろうと、下記エントリを読んで行きました。

    秋田道夫さん:

    wikipedia 秋田道夫 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E7%94%B0%E9%81%93%E5%A4%AB
    information(秋田さんのブログ) http://www.michioakita.jp/whiteboard/ 
    (特に3/7の「継続性」というエントリ)

    やまもとあつしさん:

    移山倒海:(やまもとあつしさんのブログ) http://kentikugeinin.jugem.jp/?eid=970

    で、参加したメモから:

    • 一人称の普遍的問題。「私」≒自分 「私」にとっての「私」と、誰かにとっての「私」
    • ゲーム理論における「相手の立場」。「相手の立場」に道義的価値観を滲みさせ過ぎない。感じ過ぎない。もちろんあってもよい。
    • 捨てる≒減らす
    • 「不便」と「工夫」 promotionの問題 存在し続けるべきか?
    • suica 山中俊治
    • 「言い易い代表作」
    • 人は人に興味がない
    • ファッション≒デザイン
    • 楽しむことを優先する、かどうか
    • 言葉は、誰が言ったかで変わる → それに対峙する

    メモを観ながら、今改めて思いついたことをいくつか:

    • 参加前の興味として、僕はシステム設計をやっているんですが、システム設計の現場というのは、お客様は、必ずしもシステムに通じている訳ではないので、システムの用語でしか会話できなかったら、システム設計者としては三流にしかなれない訳です。秋田さんは、”「僕はあるときからデザインの勉強をやめた」そのかわり、「デザインを知らない人にデザインのことをわかってもらうための語彙を増やす勉強を始めた」と仰ったそうで、この感覚を持っている方のお話は少しでも聞きたいな、と思ったのでした。
    • 「言い易い代表作」の話。信号機とか、一本用ワインセラーが当たったので円筒形のものを立て続けて「円筒形が秋田道夫」みたいになるように仕向けてみたとか。「名刺代わり」というものを、その安易に判断される(というよりも、人々が安易に判断してしまうことで、人が人を考える力が弱まってしまうから)ところから好きじゃなかったんだけど、秋田さんは、もともと同じようなことばかりやっても詰まらない、でも、「言い易い」のがあってもいいんじゃないかと思ってやってみたと仰っていて、その「良かれとおもう価値観」が行ったり来たり試行錯誤するところは感じ入るところがあった。
    • 「言葉は、誰が言ったかで変わる」の話。「言い易い代表作」の話のエッセンスのひとつとクロスするけれど、これは現実であり、否定することはできないことだと思う。そして、その現実の普遍的なルールに乗っかっちゃったほうが、ものごとははるかにスムースに、楽に、進められることも事実である。けれど、ラングとパロールとエクリチュールの問いかけを引き合いに出すまでもなく、「まったく同じ言葉で組み立てられた一文なら、誰が言ったとしてもその価値は同じ」なはずである。その背景のコンテキストを読み取ることを、誰が強制できるというのだろう?その背景のコンテキストを、読み取らなければならないとしたらそんな不自由なコミュニケーションがあるだろうか?発信者は、表さないコンテキストの読み取りに、甘えてはいけないのではないか?発信するものがすべてであり、そこに発信されないコンテキストに裏口を隠して拵えておくような行為に思えてならない。

    そしていちばん興味があったのは「ケトル(だったと思う、たぶん)」の話。

    秋田さんがかつてケトルをデザインされたことがあって、そのケトルはクロムメッキ?っていうんですかね?たぶん、iPhoneの背面のような、ピッカピカのメッキ、なんだそうです。普通、ケトルをあんなメッキにはしない。指紋はべたべたつくし、使い辛い。普通は、ヘアラインにしたりするもの。それをなぜあえてピッカピカのメッキにしたかというと、中国の生産工場を見学に行って、そこで見た生産現場の環境の劣悪さ。ヘアラインなんかお願いすると、金属粉で働いている人が大変な目に遭ってる。だったら、まだ少しでもましなピッカピカのメッキのほうがいい。あれなら磨くだけだから。そこを変えることで、中国の働いている人の不幸を、少しでも減らして幸せに出来た、と思う。

    「なるほどな」、と思ったんですけど、少し疑問が出てくるところもあって、

    • それを買う側の僕らにとっては、どうなんだろう?「嫌なら買わなければいい」と言えばそれまでだけど、ヘアラインよりクロムメッキのほうが高いなら、たぶん買う人は少ない。それによって新たな使い勝手とか、新たな面白さがあれば別だけど、もし、買う人が少ないなら、生産そのものが中止になって、その中国の工場の仕事は減るのではないか。もちろん、独占契約してる訳じゃないだろうから、次から次へと仕事は来るんだろうけど、持続可能でなければ、プロダクトデザインとしては、どうなんだろう?そのときの一瞬だけでも、中国の労働者の健康被害を軽減できたなら、それがプロダクトデザインにとって出来たこと、なんだろうか?でもプロダクトデザインの第一対象はやっぱりユーザだと思う。
    • 仮にヘアラインのほうがコストも使い勝手も何もかも勝っていたとして、それでもピッカピカのメッキを選ぶことによる中国の労働者の健康被害軽減を優先したところに価値のあるプロダクトだったとして、買い手はそれがわかるだろうか?いちいち、売り場で、その説明文句を読まないとわからないのではないだろうか?確かに、コンシューマーは賢くなるべきで、その背景となるものを弛まず知ろうとする必要はあると思う、だけど、その努力をどこまで強いることができるのだろう?それをいちいち、文句(言葉)で伝えなければいけないというのは、やっぱりちょっと違うんじゃないだろうか。僕の仕事はシステム設計で、最終的には機能が満足に使えればそれでいいよ、としか言われない現場だけど、どうやってそれが満足に動いているか、という苦労を聞いて関心してくれるユーザはまずいない。というよりまず理解できない。そんなユーザへ向けて、それでもわかってもらえるようなアウトプットを日々生み出そうと奮闘しているのだ。