『The Apples』/吉井和哉

平々凡々選んでも運命の指令はドSです
何かしら起きては治まって自分との戦いであります 

『VS』/吉井和哉

相変わらずエロい。そして、相変わらず愚直。楽勝楽勝、ではアルバム創らないのね、この人、やっぱり。

B004IRQBOA The Apples (初回限定盤)(DVD付)
吉井和哉
EMIミュージックジャパン 2011-04-13

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「ほとんどすべての楽器を吉井自身が演奏」と前知識があったので、『at the Black Hole』みたいに、吉井の陰鬱なフィーリングはどっぷりだけどグルーヴというかビートというかノリというか、そういうのは二の次になっちゃうのかなーやっぱり、と心配してた。やっぱり、Dragon Head Miracle Tourのときのジョシュ・フリーズは忘れられないし、それぞれのパートはそれぞれのパートの専門のスキルのほうが、バンドサウンドとして好みのものが出てきそうな気がするし。『VOLT』はそういう重厚感満載だったし。

で、聴いてみたら、確かに一度目は『LOVE & PEACE』がぐわっと前面にくるカンジだったんだけど、二度目からはそれぞれどの楽曲も前に出てくる。それと今回は歌詞がかなり書き込まれているというか、「このくらいの言葉遊びでいいだろう」的なのがない。どれもなんかちゃんと言おうとしてる。それが嬉しい。いちばん最初に耳にグッと来たのは『HIGH & LOW』。でもって、最初に引用した『VS』。『VS』の歌詞は年食った人間の味がめいっぱい出てる。

同じように歳喰った人間の味がめいっぱい出てて好きなのが『CHAO CHAO』。ちょっといつもの言葉遊びで埋めてるところもありつつ、どこまでも果てしなく目指していかなければいけない人生のタフさにめげそうになったとき、気力をくれるようなことを歌い上げてくれるカンジがいい。

the pillows HORN AGAIN TOUR@Zepp Osaka 2011/4/16

燃え尽きました!「”音楽”ってものを見せてやるぜ」という、ピロウズの魂がビリビリくる熱いライブでした。

(ネタバレありありです)

当日になってやっと発券したチケットは整理番号Dだったので、18時過ぎにZeppへ。物販に並んでみたものの、寒い寒い!風吹きすさぶ、南港の寒いこと寒いこと!おまけに列は全然進まない!買う人がもたついてるのか、スタッフがもたついてるのか…18:20にはなんと「AからDまですべて呼び出し完了しております~」のアナウンス。当日券出てるらしい、とか聞いたし、それって呼び出しかスムーズなのか、前売りが少ないのか!?と若干心配しつつ、会場にやっと入れたのは18:50。50分も物販並んだの初めてだよ、B'z以外で…。

さて会場は「これで当日券出てるの?」と僕は思いました、いつも通りに入ってたんじゃないかなあ。ぎりぎりに入ったものの、うまく隙間をついて、フロア後方の機材?エリアの真ん前、どセンターでさわおさんライン真正面に陣取りました。

セットリストは、BIGCATのときとずいぶん変わってた印象。でも見比べてみると、そうでもないような、いや結構変わってるような…。BIGCATのときは『サードアイ』と『RUNNERS HIGH』と『LAST DINOSAUR』があって、どれも好きな曲でZeppでも演るって思い込んでいってたんで、演らなくて「あれー?」ってカンジだったんだけど、その後半の盛り上がりはBIGCAT以上のものがあったと思う。BIGCATのとき、「大阪にはこの後Zepp Osaka 2daysでもう一度来るから、リクエストを募集しようと思う」って言ってた「懐かしの名曲リクエスト」をほんとにやって、選ばれたのが『Nowhere』!僕はまったく予想もしてませんでした。この『Nowhere』からの畳み掛け方はハンパじゃなかった。まったく息を継ぐところがないカンジ?そして『LITTLE BUSTERS』!煽るだけ煽って、もう一回『Doggie Howl』で畳む!!病み上がりのオッサンにはキツいです(笑)。

たぶん、初めて正対してさわおさんのアクトを観たんですが(笑)、ライブを見始めた頃よりも、ここ最近どんどんソリッドになってる印象があります。ソリッドってのは尖がってるって意味じゃなくて、ものすごい真剣って意味で。ちょっと前は、「オレ天才だから、こんなくらい余裕で出来んだよ~ちょっと遊び持たせてさ~」みたいな空気をちょっとまとって、めいっぱいではやらないような(やってるんだけど)、そんなカンジを受けることがあったんだけど、今は、もちろんシャカリキにならないといいものが出せないという訳じゃぜんぜんないんだけど、ものすごい真剣に歌詞のいっこいっこも放ってくるカンジがあります。

ダブルアンコールは、ツイッタなんかでちょっと見ちゃっててなんとなく『No Surrender』が来ることは判ってたんだけど、判ってたんだけどあのカッコいいド真面目なMCと重ねられた日にゃあ、やっぱちょっと泣けますね。「5,6,7,8!」と叫んだあと、オッサンはちょっと心臓に不安を覚えたくらい、全力で楽しめたいいライブでした!

セットリスト(頂きものです)

01.Limp tomorrow
02.Give me up!
03.Hello,Welcome to Bubbletown's Happy Zoo(instant show)
04.YOUR ORDER
05.Biography
06.Purple Apple
07.Moon is mine
08.Sad Fad Love
09.Nobody Knows What Blooms
10.Comic Sonic
11.オレンジ・フィルム・ガーデン
12.Lily, my sun
13.EMERALD CITY
14.Nowhere
15.Brillinat Crown
16.Sweet Baggy Days
17.Movement
18.その未来は今
19.LITTLE BUSTERS
20.Doggie Howl
(encore-1)
21.TABASCO DISCO
22.HEART IS THERE
(encore-2) 23. No Surrender

目指すは次の世界 明日はもうここにはいない

鏡で自分ばっか 眺めて恨み節 うたうのはやめます
そして出てゆきます

(『さよなら傷だらけの日々よ』/B'z) 

もう何も言うことないです。力強いとかそんな一面的な言葉じゃ言い切れない。

B004OVDJ68 さよなら傷だらけの日々よ(初回限定盤)(DVD付)
B'z
VERMILLION RECORDS 2011-04-13

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この曲にはB'zファンにはおなじみの、稲葉の歌詞の2大要素が入ってる:

  • 自分を台無しにするのは、いつだって誰かのせいじゃなくて自分自身のせいだっていうこと。
  • 現状に満足するのではなくて常に次のステージを。そのとき、現状は捨ててしまおう。しがみつくのはやめよう。

ひとつめの「自分自身のせい」というのはこの辺に:

気づいてしまったよ ボクを傷つけたのは
このボクだったよ Baby そうさ So Sad

 (『さよなら傷だらけの日々よ』/B'z) 

ふたつめの「常に次のステージを。」というのはもう至るところに。「別れとは辛く 新しいものだろ」の一言なんかもそう。「初めの一歩は震えても」なんかもそう。そして、びっくりするのは「さよなら傷だらけの日々よ」という言葉が、「辛い過去から決別する」という印象を持たないこと。

普通、「さよなら傷だらけの日々よ」と言われると、「今までが相当辛く苦しい日々で、やっとそこから脱却できる、逃げ出せる、もうこんな生活嫌だ!だから新しい日々に行くんだ!」的な、逃走のような、そういう印象をまず受ける。僕も最初タイトルだけ知ったときはどんな展開にするんだろうと疑問だったけど、曲全体を聴いてみたら、「辛く苦しい日々から逃げ出す」みたいな印象はまるでない。むしろ、「いまこの場所でやるべきことは、もがきながらやりきった。だからここを出て行って、次の世界に行くんだ」という印象になる。一生懸命生きている人間にとっては、いつだって過去は「傷だらけの日々」のはず。その「傷だらけの日々」から、また新しい「傷だらけの日々」を過ごせる「次の世界」へ。果てしなく続く、挑戦の日々。

これが僕らB'zファンにとっておなじみの稲葉の歌詞のモチーフなんだけど、『さよなら傷だらけの日々よ』は、ラストに微妙に今までと香りの違う言葉が添えられる。「ありがと 悔いだらけの日々よ 今ならば言える」と前置きした後で:

人はたやすく変わらぬけど
いつの日か本当に戻るべき場所を知る

(『さよなら傷だらけの日々よ』/B'z) 

「いつの日か本当に戻るべき場所を知る」ここは結構、重要かなあと思う。「戻る」。すぐに連想できるのは『HOME』のモチーフだけど、もちろんあれだけじゃないと思う。

初陣@ビブリオバトル天満橋 #bibliobattle

3回目にして、遂に初めて発表者として参加させて頂きました。結果は同点1位で、決選投票の結果チャンプ本を逃しましたが、非常に充実した時間を過ごせました。主催者の中津さんからは、「ぜったい発表者として出た方がおもしろい」と言われてて、そりゃもちろんそうだろうなあ、頭では理解してたんですが、いかんせん人前で喋るのが得意ではないので悩んでましたが、発表できて良かったです。

4309709575 クーデタ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-5)
ジョン・アップダイク 池澤 夏樹
河出書房新社  2009-07-11

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  • 初めてオーディエンスとして見たときから、「自分が発表したら絶対小説でやる」と心に決めてました。小説というのはビブリオバトルの発表にはあまり向かない、難しい、というのを小耳にはさんだので、小説を愛する僕としては、絶対に小説でやると決めてました。
  • 選んだのはジョン・アップダイクの「クーデタ」。
  • 発表者として挙手して、じゃんけんをしてるくらいのときに、「この本のチョイスでは、ウケないんじゃないか」と急に不安に。
  • 発表は4番手。「この本ではウケないんじゃないか」という思いを振り払って、自分の文学への愛を恥ずかしげもなく全面に出すよう心がけて、話す。
  • 結果は先に書いた通り、同点1位。自分の発表が終わったときは、質問が少なかったこともあるし、場の空気が静まり返ってたこともあって、「こりゃ一票も入らないんじゃないか。もうちょっとフレンドリーなテーマの本を選ぶべきだったのかも」と猛烈に後悔したけど、だからこそ、たくさんの人が票を入れてくれて嬉しかった。小説を勧めてみて、小説を読んでみたいと思ってくれる人がそれだけいたというのは、僕に取っては凄い救いだった。きちんと話せば、小説を読んでみたいと思ってくれる人がいるんだというのは。

初陣でチャンプ本が取れればそれは最高に良かったんですが、逃して残念というよりも、「小説を、それもとっつきやすい訳ではない小説を取り上げて、あれだけの人が票を入れてくれた」というのが、(自分に票を入れてくれたということではなくて、小説に入れてくれる人がそれだけいたという意味で)とても幸せな出来事でした。

今日のビブリオバトルはオーディエンスも非常に多く、多少かしこまった雰囲気でしたが、あの「少しパブリックな」緊張感というのは、それはそれでビブリオバトルのひとつの可能性かなと思いました。

    アフター「アフター2011奈良3 vol.2 『マイルストーン』」 #jbnsgt3 #jbnsgt3k

    1月の第一回から2ヶ月強、アフター奈良3 vol.2を、奈良県立図書情報館で開催できました!
    場所と機材を 快く都合してくださった乾さん、ほんとうにありがとうございました!!

    ちなみになぜ図書情報館にしたかというと、

    • 奈良3で知り合った仲間なので、たまに場所が奈良でもいいかな
    • 土日でないと参加が難しいという方がいらっしゃったので、土日なら奈良まででも来れるんじゃない?
    • 4月と言えば、図書情報館の前の佐保川の桜!川沿いに延々続く桜並木は絶景です

    という訳で図書情報館に(笑)。休み時間設けて桜並木を散歩してみましたが、ちょうど満開直後というところで、花びらも綺麗に舞うし、見ごたえ十分でした。例年ならもう1週間早いところなんですが、これはやはり幹事の人徳のなせる業でしょう!(笑)

     

    今回は、前回も参加された8名、今回初参加の3名の合計11名。前回参加で今回不参加の方についても、事前に近況を聞いておいて皆さんに報告しました。転職を実現されたり、自分のやりたい企画の実現に邁進されていたり、「思う」だけでなく実際に「する」に繋げている話は、やはり刺激です。

    さて今回は単なる宴会だけでなく、「語る」セッションを準備しました。

    1.  「トリセツ」 13:00 - 14:50
    2. 「自分の仕事を語る」 15:10 - 17:00

    「トリセツ」は、「自分の仕事について、10枚の写真を用いて10分で説明する」というもので、中津さんがアイデアをくれました。ペチャクチャナイトに想を得られたそうです。これは、有志5名にご準備を頂いて、プレゼンテーションして頂きました。

    この「トリセツ」セッションがかなり盛り上がり、予定の時間を結構オーバーしたので、休み時間の佐保川散歩を経て、後半は、初参加の方2名の自己紹介と併せて、「トリセツ」発表者以外の方の自己紹介、という形で進めました。

    ※ちなみにもともとの「自分の仕事を語る」セッションは、3人1セットで、一人五分で自分の仕事を説明する、というのを、セットを変えて繰り返し繰り返しやり続けていく、という企画のセッションでした。

    結果的には、時間をうまく使うことが出来、万遍ないセッションが展開できて、おもしろい展開になってよかったなーと思ってます。そして、奈良3よろしく、今日の感想を皆さんに書いてもらって、セッション終了。


    そして、幹事としてやり終えた感想なんですが:

    • 体調がまだ万全でなかった、というか、頭がうまく働かなくて、仕切りが不十分でした。
    • 幹事としては、前回同様、「これでよかったのかな」という想いは多分にある。みんなが、どれだけのものを持って帰れたのか…。
    • ジェネラルな内容でなく、もっとゴリゴリに押していくようなセッションでも大丈夫なのかも知れない。
    • 自分も何かを得よう、というスタンスは、捨てないと続けられないなと思った。だからと言って、gainのない仕組は必ず頓挫する。
    • 夜の部で、人と話す体力は残ってなかったです。
    幹事として、絶対に口にしてはいけないことというのはもちろんあって、そのあたりはこの回のキモと完全にクロスしてしまうところなのでそこがかなり苦しいところなのですが、僕はやり遂げてみたいなと思います。

    緊急地震速報の経験

    緊急地震速報を、初めて経験しました。

    長めの東京出張もほとんど体調不良で何やってたのか分からないような過ごし方で、いよいよ最後の木曜の夜。テレビをつけたままうつらうつらしていたら、緊急地震速報が流れました。

    緊急地震速報自体は、電車乗ってるとき周りの人のケータイから流れたりしたのを聞いたことあったけど、なぜか「これは来る」と確信持たされるようなのは初めてで、揺れに備えてみました。

    果たして、確かに揺れました。

    この東京出張中、2度ほど震度1レベルの揺れをベッドで感じたんですが、震度1くらいだとテレビも速報しないんだなと思ってたところだったので、緊急地震速報が伝える地震の怖さを身を持って知りました。震度3だったと思うんですが、あの揺れを「結構」と書くべきなのか、「程度」と書くべきなのか、僕にはわかりません。

    ただ言えることは、あんな揺れがちょくちょくあるようじゃ、全然気が休まらないなというのはよくよくわかったということです。余震の怖さというのは、いつかほんとに終わるのか?という不安だということです。今、被災地にいない僕ができることは、忘れないことだと思います。

    一部は無神経な東京

    東京に来てます。今週の出張は長めです。

    自社のオフィスで、自社の社員が二人、話をしていました。どちらも、東京オフィス勤務の二人です。3/11の大地震に遭遇しています。僕がその場に居合わせたときから、大地震当時のアクシデントや大変だった出来事を、半ばおもしろおかしく話をしていたのですが、何かのはずみで、関西に大地震が来たらどうなる?という話に。たぶん、関東に本社機能を置く会社が、大阪に機能を移してるが、だいじょうぶなのか?というような話だったのでしょう。

    • 三重や和歌山の沿岸なんて、今回クラスの津波が来たら危ないんじゃないか?
    • 大阪市内は、四国があるし、直撃を食らうことはないから大丈夫なんじゃないの?
    • でも淀川流域はゼロ海抜地域が続くんでしょ?
    • もっと上流の、吹田市とかが危ないのかもね。

    話がこのあたりにきて、僕はこの二人を殴りつけるか、その場を立ち去るか、どちらかしか選択肢がなくなりました。

    まあ、関西人の僕がその場にいてるってことを理解してなかったんだろうけど、僕が頭に来たのは、そういうことじゃなくて、なんであんなひどい目にあってるのに、そんなに軽薄なんだってことで、正確でも詳細でもないことを、よくそんなにベラベラとあたかも正しいかのように喋るよな、という、その軽薄さ加減に嫌気が指したのだ。今はせめて軽口をたたくのは自分たちのことだけで、他地域のことを軽口叩くのは間違ってるでしょう。

    そうかと思えば、お上が「花見は自粛せよ!」と言えば粛々と自粛するし。なんなん?東京人。いつからそんな、腰抜け市民になったんや。自粛ってのは、自分で決めるから自粛やろ。おんなじ自粛するにしたってそんくらいのこと言えへんのか。

    僕はずっと、東京というものをリスペクトして来たけど、今度ばかりは見損なった。一部にね。

    B'z 『Brotherhood』の圧倒@4/1 ミュージックステーション 

    4/1のMusic Station。一ファンとして、どんな姿を見せてくれるのか、待ち侘びていました。

    僕は自他共に認めるB'zファンです。ほぼデビュー直後からのファンです(さすがに、デビューアルバムの『B'z』だけはオンタイムで買ってませんが後は買ってます)。B'zファンというと、いわゆる「音楽通」的な人たちから、「ははは」と嘲笑されるような、そんな時代も生き抜いてきました(一部では今でもそうかも知れないけど)。もう、臆面もなく「B'zファン」と言い切ってます。ライブももちろん毎回行きます。大阪のチケット事情はマナーの悪さからファンクラブ優先でも厳しく、『ACTION』のとき抽選で全滅した際は、とにかく手当たり次第申し込んで、仙台まで観にいきました。できる限り遠征もします。欠けているアイテムは、シングル・アルバム・ソロ・映像作品含めてありません。そのくらいファンです。

    何が好きかというとあの人達はほんとうに「プロ」だと思うからです。毎回ドーム公演を完売して、どの公演でもパーフェクトなアクトをする。「ライブは生き物だからいろんな調子のときがある」みたいなことを言うミュージシャンは、はっきり言ってそうやって寝言を言っとけと思う。お金を払って、時間を費やして、対峙しようとしてくれている人たちに、ベストを尽くすのがパフォーマーとしては当たり前だろう。その「当たり前」のことを、23年もの間粛々とやり続けている人達を僕はほかにほとんど知らない。

    僕は、稲葉の書く歌詞が大好きです。稲葉の歌詞は、ぜんぶ自分のせいだと歌う。ぜんぶ自分のせいだと歌うんだけど、そこに重苦しさだけが漂う訳じゃない。辛い時はちょっと休んだらいいし、自暴自棄のときは自暴自棄になっても構わない。でもそれ全部自分のことなんだよと、自分でしょってちゃんとやってこう、と歌う。そして、それを絶対に誰にも強制しない。「僕はこう思う。君の参考になれば嬉しい。」常にそういうスタンス。あの哲学を、ほとんどまるまる鵜呑みにして今までやってきてるような気がするくらい、彼の歌詞が好きです。その世界観はあまりに崇高過ぎて、自分の実生活で実践しようとしてもほとんどできずにボロボロになって打ちひしがれるばかりだけど、それでも諦めたりはしません。

    そして、4/1のMUSIC STATION。『さよなら傷だらけの日々よ』はもちろん良かった。

    「さよなら傷だらけの日々よ 目指すは次の世界 明日はもうここにはいない」

    次のステップを踏み出す時には、避けられない別れもある。でもその別れとは、いつも新しいものだろう。悲しむ必要なんてないよ。
    できれば避けたいことだけど、でもそのときには大きく構えようと思わせる、大事な大事な哲学。

    でも、やはり『Brotherhodd』だろう。

    ネットでは『PRAY』を予想する声が多かったけど、僕は正直言って『PRAY』は曲調が被災して3週間の今の時点には、暗過ぎるような気がしてた。いい曲に違いないんだけど、あの曲はもう少し、平時でこそ強い思いを重ねられるような曲だと思う。

    『Brotherhood』と聴いたとき、意外だったのと大きく納得したのと両方の感情が流れた。

    B'zのファンのことを「ブラザー」と呼ぶ端緒となった曲、Brotherhood。

    なんとプレイヤーはBarryとShane。

    そして、これまでTV出演の際は場合によっては生音は稲葉のボーカルだけで、 演奏はトラックを流してることがあったのですが、今回はすべて生音。

    松本さんまでもがコーラスに加わる。

    「いざというとき手を差し伸べられるかどうかなんだ」で、マイクスタンドをガンガンと床に打ち付けて絶唱する稲葉。


    稲葉はライブで観るとき、常に「プロのシンガー」としての稲葉の顔を崩さない。

    けど、今回、歌い終わった後の稲葉の顔は、人間・稲葉浩志だったと思う。

    言っては悪いけど、歳相応の、稲葉浩志が、そこにいたと思う。


    もう本当に、特にアンチB'zだという人に、この演奏を是非聴いてもらいたい。すべてが終わった後、「元気が出る応援ソング」みたいののベスト3が残ってたけど、スタジオはそんなものは霞んでしまい、ただただ圧倒された空気だけが残った、あの演奏を。

    あれこそが、「音楽にできること」だと思う。

    そして、どんな仕事でも、全力でやっていれば、「その仕事にできること」が、自分の力になって返ってくるはずだ、と。

    行けなかった「3月28日 奈良ネバーランド 東北地方太平洋沖地震チャリティーイベント」のその後

    3/28、奈良ネバーランドで実施された東北地方太平洋沖地震チャリテイーイベント、待ちわびていたのですがなんと間の悪いことに当日重症扁桃腺炎に陥ってしまい、諦めざるを得なくなったのです。

    ライブは見れなくても、せめてチケットだけは買いたい、募金したい、ネバランならここから30分もあれば、と思うのですが、重症扁桃腺炎というのは本当につらくてとてもじゃないけど行けそうにありません。

    そこで、ダメモトで、ツイッタで、五味兄さんとネバーランドのアカウントに、ツイートを飛ばしてみたのです。こんなカンジ:

    今日の整理番号16番の者です。楽しみにしていたのに扁桃腺炎と高熱でいけなくなってしまいました。でも五味さん&ネバランの活動に参加したく、後日ネバランにチケ代持ってってもいいでしょうか?いつまでなら間に合いますか?

    予想では、五味兄さんは、返してくれたとしても「その分他で募金してください。同じことです。」というにべもない答えだろうなーと。ネバランの方は、ひょっとしたら真面目にいつまでって答えてくれるかな?と期待したんですね。ただ、ツイッタなので、あんまり人目に触れたら収集つかなくなるし、答えもらえないかな、と思ってたら、ネバランの方からdを貰ったのです!

    それは、「立て替えておきますから、体調がよくなったら持ってきてくださいね。」という趣旨のものでした。

    もう僕はびっくりして、速攻お礼のdを打ちました。案の定、五味兄さんからはほぼ予想した通りの(ほぼというのは、「気持ちだけ頂いときます。ありがとうございます」という、意外と優しい言葉が添えられてたから・笑)リプライがあったのですが、ネバランの方も五味兄さんと話はしてくれたみたいでした。

    その時点で、僕の体調が完調するのは金曜以降だろうと予想されていたので、「金曜か土曜には必ずお返しにあがります」とdしました。

    そして、昨日、無事立て替えて頂いた分をお返しすることができた訳です。

    残念なことに、dでやり取りしてくださった方は、そのときたまたま不在にされていたのでお会いできなかったのですが、スタッフの方にほんとに心から感謝の言葉を伝えさせて頂いたつもり。もちろん、実際にお会いしてお礼を申し上げないことには礼儀が立たないので、近々、またネバランに行くつもりです。


    僕はそれほど音楽好きという訳でもないし、しょっちゅうライブハウスに行ったりする訳でもないので、近所なのにネバランに行ったのは今年1月のLOST IN TIMEのツアーが初めてでした。このときはLOSTAGE目当てで行って、案の定LOSTAGEに完全に当てられて、数年前からネットの友達が「LOSTAGEいいよ。奈良出身だよ。」と勧めててくれたのですが、目の当たりにして完全にハマりました。そして、LOSTAGE本拠地のネバランは、スタッフの方がとても元気がよくて、爽やかでいいライブハウスだなーと思いました。受け付けなんかも丁寧です。ドリンクは栓を開けて渡してくれたりします。そして今回の出来事。完全にネバランのファンにもなりました。

    対岸の火事だと思っているのは誰だ

    しかし、ウチの営業はいつになったら売ってくるようになるんだろう?担当してこの方、営業がドライブして成約に至った案件に出くわしたことがない。もちろん、小規模案件ならある。僕が言っているのは、僕たちが手掛けるべきサイズの案件のことだ。僕は今現在、ある程度僕の提案を信用して、あまり厳しい競合にさらさないで検討してくれる案件を提供してくださるお客様を、3社持っている。うち1社は担当変更で手放したけれど、これらのお客様と現在のような関係を築くのに掛かった時間は、1年前後だ。おまけに、それらの土台のあるお客様に対して、僕がフロントに立たないよう、なるべく後ろに下がって接するようにしている。なのに、この営業はいつまで経っても信頼が得られない。理由は簡単だ。その営業の存在価値が、ないからだ。出来あいの資料を持ってきたって、上司や上層部を連れてきたって、それがお客様にとって何のメリットがあるのか、組み立てられないようでは意味がないし、その営業本人のバリューって何?という話になる。人懐っこいかどうかという問題ではない。こんなに無愛想な僕でも、信頼は得られるのだ。確かに、僕はそれぞれのお客様に手数をかけている。でもそれは、営業がやるべき内容をやりきれないから、代わりに僕がやるから手数がかかるだけなのだ。そうして、僕のバリューが上がる。

     

    いやいや、こんな批判を書きたかったんじゃない。仕事のことはあんまり書かないようにしてるつもり。今日書きたかったのは、もう一度、「想定外」についての話。でも今回は、「想定」する際の、話。

    僕はシステム屋なので、「絶対に止まってはいけない」システムとか、「絶対に事故を起こしてはならない」と言われる会社様の仕事をさせてもらうことがある。そういう、「絶対にダメ」な会社の「絶対にダメ」なシステムは、いったいどういうふうに検討され、構築されているだろうか?

    誰でも想像がつくと思うけど、少しでも安価にするためには、複数の業者で競争させることになるけど、競争させればさせるほど、なんか危なっかしいところが出てきそうな気がする。思わぬところで安い部品を使われたりとか。思わぬ作業工数をケチってカットしてるとか。出てくるのが三流の技術者とか。

    かと言って、競争させない訳にもいかない。民間企業であれ公共体であれ、競争がないとぼったくられる。だから、普通は、RFP-提案依頼書というのを作成して、各業者に配布して、各業者はその仕様を満たすべく提案を作成する。そこに、「技術者は一流であること」(何が一流かって話はあるけど)と書いてあれば、三流の技術者を持っていくことはできない。

    しかしこのRFPというのが曲者で、僕ら提案者側からすれば、このRFPに、いかに自社独自の製品や技術が盛り込まれているかが勝負を決めると判っている。ウチしかできないことがRFPに書いてあれば、ヨソはRFPをすべて満たすことはできなくなるからだ。かくして、通常、RFP作成前段階で、いかにお客様と会話を重ねられるか、という勝負になる。通常は、こういう争いを避けるために、「検討会」「公聴会」みたいなのを事前に開いて1年かけたり、RFIを出したりするんだけど、まあそんな悠長なスケジュールが組める会社ばかりではない。

    で、「絶対にダメ」な会社の「絶対にダメ」なシステム担当者は、「絶対にダメ」なので、あまりにおかしいものを持ってこられたらやっぱり怖い。だから、過去に使ってきた業者や製品を変えたくない、という硬直性が絶対に発生する。そういう業者は、「絶対にダメ」なモノ用の部署とかを設置してたりもするので、過去に付き合いのある業者を変えなくて済むように、いろんなところで細工をする。

    これは、決して間違ったことだとは思わない。でも、そこに「淀み」が発生するのもまた間違いない。その「淀み」が高じた結果起きたのが、今回の福島第一原発の事故が起きるような設備状態の放置に繋がったのだと、思わなくはない。