『楽園への道』/マリオ・バルガス=リョサ

4309709427 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)
マリオ・バルガス=リョサ 田村さと子
河出書房新社  2008-01-10

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ポール・ゴーギャンと、その祖母で、女性解放と労働者の権利獲得のための活動に一生を捧げたフローラ・トリスタン。実在の二人の人物を用いた物語は、奇数章がフローラ、偶数章がゴーギャンの物語として交互に語られる。村上春樹の作品で慣れ親しんだこの構成は、「フローベールが交響曲の同時性や全体性を表現するために用いた方法」であり、「二が一に収斂していくのを回避しながら重ね合わせる手法」であること、また本作は「直接話法から伝達動詞のない話法への転換が用いられている」が、これは「騎士道小説の語りの手法を取り入れたもの」ということを、解説で学んだ。

ヨーロッパ的なるもの、偽善、性、読み込みたいよく知ったテーマが詰め込まれているけれど、物語の最終版、それらを押しのけるように衝撃的に登場した言葉があった。「日本」だ。

洗練された日出づる国では、人々は一年のうち九カ月を農業に従事し、残りの三カ月を芸術家として生きるという。日本人とはなんとまれなる民族だろうか。彼らのあいだでは、西洋芸術を退廃に追いやった芸術家とそれ以外の人々のあいだの悲劇的な隔たりは生じなかった。

戦後、日本人として日本の教育を受けてきた身にとっては、とても表面的で、とても要約された日本観に見えてしまう。19世紀と言えば日本はまだ徳川の世で、「日本の版画家たちよりこれをうまくやったものはいなかった」と書かれている通り、ゴーギャンが影響を受けたと言われている浮世絵師達が活躍した時代。僕の頭にはこれまた表面的で短絡的に「士農工商」という身分制度が思い出され、年貢によって貧困に喘ぐ「被搾取者」農家が、芸術家として生きるなんて考えられもしない。それでも、「ヨーロッパ的なるもの」を考えるとき、「芸術家とそれ以外の人々のあいだの悲劇的な隔たりは生じなかった」というのは頭に入れておかないといけないのかも知れない、と思った。なぜかと言うと、戦後から現代の間に、正にそれが起き、そしてそれが現代社会として当然の姿と思っている僕たちのような意識が存在するから。

芸術とは自然を真似るのではなく、技術を習得し、現実の世界とは異なる世界を創ることだった。

自分にとって「仕事」とは生きるためのものであり、生きることにとって芸術は必須のものではなく、芸術は自分の仕事の領域には含まれないし取り扱うこともできない、と考えてきた僕にとって、この一文は、-特に「技術(ワザ)を取得し、」の下り-新しいエリアへのきっかけになる力強い一文だった。

復活ブラックベリー

できない子ほどかわいい!愛用のBlackberry、4度めの復活!

復活してテーマ探してたらけっこうシャレた感じで気に入ったのがあったので、写真に撮ってみたんですが皆目映りません(笑)。
画面キャプチャして貼ってもつまんないしな。

今週頭の日曜、Blackberryが突如として電源入らない状態に。
電源入れたら起動画面が上がってくるけど、数秒したら落ちる。でまた起動。落ちる。の繰り返し。

この症状に悩まされたことは過去にも何度かあって、その度にdocomoショップに持ち込んでる。
1回目は買って1週間くらいで発症。
数か月でもう一回起きて、「これ、さすがにまた起きるんじゃないの?次起きたらどうしてくれるの?」と店員に詰め寄り、「次起きたら、好きな端末に交換させて頂きます」と口約束させてた。

ま、それから1年経ってるので、そりゃ無理だろう証拠もないし、と思いつつdocomoショップへ。

事情を話すと、いろいろ調べた結果、「購入して1年経ってるので、違う端末への変更はできないんです」との丁寧なお詫びとお断り。
「そんな期限、聞いてないよ?」と返したところ、
「特別措置なので、期限については案内しないのが対応上の取り決めとなってて、間違った対応ではない」との回答。

釈然としないしまだまだ突っ込めそうなものの、言ったところで変わらないだろうなと思い、本来は購入1年経過してるので預かり修理だけれど、端末に関しては全く同じ機種ながら良品交換してくれるとのことなので、それは承知するとして、バッテリは新品に交換してほしいと、それは譲れないと宣言。過去の経験上、バッテリは問題がないとして交換には応じないと言われ続けてきたのだけど、これで4回目の通電不良(自分では3回目と思ってたんだけど、修理履歴見てもらったら今回が4回目だった)、さすがにバッテリそのままという訳にはいかん!

ということで、無事、新品ではないものの、別のバッテリをつけてもらうことで決着。docomoの対応は至極まっとうでした。

家に帰ってから、完全新品になったBlackberryにアプリをインストールしなおし、悩んだ末、OSはやっぱりver.5にあげることに。やっぱりフォントが明朝なのはどうしても好きになれず。ネットで調べてみたら、docomoが出している公式なアップデート手順があったので、それに従ってみたら…前の端末より起動がスムーズ!インターフェースもところどころ前よりカッコいい!前回はdocomo推奨ではなく、RIMのサイトに存在しているのを無理矢理入れたので、やっぱり少しおかしかったのか?今回の端末はfoursquareもスパッと動くし。ちゃんと使える端末に生まれ変わりました! 

『C'mon』/B'z

夢を問われ 答えられないのは罪でしょうか?

(『デッドエンド』/B'z)

まるでセルフトリビュートみたいなこのアルバム、僕にとっては『デッドエンド』しかない!

もちろん、どの曲がメインかと言われたら、東日本大震災後に完成した、というのがよくわかる『C'mon』だと思うし、最も人気が出そうなのは壮大なロックバラード『ピルグリム』だと思うし、『ひとしずくのアナタ』の切ないクライマックスや『ザ・マイスター』のノリの強さも一発で引き込まれる。

でも、僕にとってはこのアルバムは『デッドエンド』だ。

精一杯生きるうち 自分の力思い知り
はじける勢いが知らず知らず行き止まる 

ひとつ前のチューン『ザ・マイスター』で、”懸命に生きる 本能 そんなのあたりまえ”と歌っておきながら、これだ。

夢を問われ 答えられないのは罪でしょうか?
何もできず 一日が終わるのはダメですか? 

『Time Flies』に似たこのモチーフ。しかし、『デッドエンド』は厳しく猛省を促すようには進まない。

どんだけ似てるように見えても
昨日と今日は絶対に違う 

思い出すのは『BLOWIN'』。”繰り返しなんかぜんぜんない暮らしをしてるはずだぜハニー”。

そして突き刺さるのはここ:

夢を描けないのなら ひたむきに待てばいい
生きつづけることでしか 何も生まれない

時間を食おうといいじゃないか
無理矢理でも面白がれ 

個人的に当座の目標を失い、何を目指して頑張っていけばいいのか、まったくわからなくなったまま、数か月を過ごしていて、もっと長いスパンでも、自分はこうなりたい、こういうことがしたいという夢を語ることができない状態で、これじゃあ社会人失格なのかと、自信喪失気味にやってきてて、もう残された時間も少ない、焦れば焦るほど、やりたくてもできない、空回りすることの繰り返しだったんだけど、『デッドエンド』は”待つ”ことの大切さを改めて教えてくれる。これは『MAGIC』のモチーフと同じ。”ひたすら信じて待て”。

思えば、「努力しなければ何も得られない。努力すれば得ることができる。」という有難い星の下に生まれたらしい結果、自分の力でどうにかなることでなければ興味が出なくなっていた。だから、”待つ”という行為は、”何もしてない”のと同じことだった。けれど、時間がかかっても待った方がいい局面ってあるのだ。

行き止まりさえもひっくるめ
これこそ愛すべき我が道 

腹の底からこう言えるよう、繰り返し繰り返し考え抜きます。

B0055PDQOM C'mon(初回限定盤)(DVD付)
B'z
VERMILLION RECORDS 2011-07-27

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乾さんといっしょじゃない@奈良町おんどり 2011/07/16 #jbnsgt3k

乾さんにどうしても避けられない急用が入ったと12日に連絡をもらい、でもせっかくなのでと木下さんと前田先生というアフター奈良3自転車部の面々と、奈良町で一杯。そこで数々の偶然の果ての予想外の出来事が!

もともと、『乾さんといっしょ@乾さんち』で集まった面々と、僕の中で温めてたアフター奈良3 #03のアイデアを打ち明けて意見聞いてみようと思ってたので、木下さんと前田先生にぶつけてみようと思った訳です。かなりやってることに違いのある三人だしね。

まず最初の偶然は、乾さんからキャンセルの連絡があったこと。

次の偶然は、それでこの日の集まりを流してしまわずに声掛けしたら、木下さんと前田先生が乗ってきてくれたこと。

その次の偶然は、乾さんちに行く訳じゃなかったので、奈良にする理由もなかったんだけど、また場所相談とか始めたら面倒なので、(ふつう僕はこういうとき必ず場所決め直しするのに)もういいか、と思って奈良にしといたこと。

更なる偶然は、とりあえず三人で奈良は初めてなので、定番の「蔵」でいいか、6時なら流石に大丈夫だろう、と予約せずに行ったら案の定というか既に満席でお断りくらったこと。

こんな流れを経て、前々回の「乾さんといっしょ」で連れて行って頂いた「おんどり」に再び向かってみたら、ちょうど3人分空いてたので腰を落ち着けた訳です。
取りあえず最近の仕事っぷりとかから口火を切って、僕が来週のスケジュールが火曜大阪・水曜長崎・木曜大阪・金曜熊本→京田辺でなんでやねん!と喚いてみたり、そんな感じであったまってから、いざアフター奈良3のアイデアを話してみて合否判定を頂く、みたいなノリで結構盛り上がって。

そしたら次に起きた偶然は、先客の二名二組が帰ったこと。

帰って直後に、五人組が来たこと!!

「あ、詰めますよ、詰めますよ」って奥に詰めて、その五人組に入ってもらって、で、ぼちぼち飲み始めたところで前田先生がその五人組が写真を撮ろうとされているのに気付いて「撮りましょか?」ってカメラ預かって、僕は撮影確度的に邪魔になるカウンタの一升瓶二本を手に抱えて、前田先生が気合入れて撮影したショットを「どうやって確認したらええかわからん~」と四苦八苦されたのち「まあまあやな~」と衝撃の発言で大爆笑に巻き込まれたり、このあたりですでに木下さんと前田先生は五人組の中心人物が何者か気づいてはって。

くるみの木のオーナー、石村さんだったのです。

まあ僕たちはだからってちょっとお話していいものなのかどうなのか、加減のわからないまま引き続きアフター奈良3話で熱くなってたんですが、僕がとなりのお兄さんに二の腕をトンと合図され、「それなに?」とささみサラダポテトフライを尋ねられたところから会話が始まり。

「どういうつながりなんですか?」と尋ねられたところに、前田先生が「図書情報館で年初にやっていた『自分の仕事』を考える三日間、というイベントで知り合ったんです」と答え、僕が「失礼ながら…」とお尋ねし、「そうなのよーそれなら今から乾さんに電話したいくらいだわー」と仰り、「いや、それが、実は今日、乾さんちに遊びに行くはずだったんですけど、急用が入られたそうで僕たちだけで飲みに来たんですよ」、「まーそうなのー、皆さん学生さん?」、「いえ、実はこう見えて39歳です」、「まあーー!!」

…とまあこんな感じで異常なドライブがかかって場は盛り上がり、なぜか僕らの写真も撮影され、こちらが名乗らないのは無礼にあたるので名刺をお渡しし、そうすると隣のお兄さんが竹内ヤスヒロさんという、秋篠の森のウェディングカメラマンもされている方だということが分かり、 7/21まで秋篠の森で竹内靖博写真展を開催されてるということなので、覗きに行かせて頂きます、とお話をしてお別れしたのです。

で、今朝、いい天気だったので早速、秋篠の森にロードバイクで行ってきた訳です。それが先頭の写真。10:30 OPENだったので、とりあえずいつものルートで平城宮跡まで走り、頃合いを見計らって秋篠の森へ。

門が開いたので入ってみたら、ギャラリーにさっそく竹内さんがいらっしゃって。声を変えたら覚えててくださいました。奥さんも、秋篠の森のスタッフの方も。長くお話させて頂きました。

竹内さんの写真は、(恐らく)秋篠の森で結婚式を挙げられた夫婦のご家族を撮影されたものと、オーストラリア・ブリスベンの街のシーンを切り取ったもの。ブリスベンの写真は、ものすごい極細の線で精緻に書き上げられたような硬度と柔らかさの両方ある、海辺の街の気配がすごく印象的でした。色彩も硬度と柔らかさの両方ある。画面の全面が海岸で波しぶきがあがってて、右端に子ども三人がはしゃいでる写真があって、なぜかそれだけ価格が表記されてなくって、これは販売されないのかな、と思ったりして観てるうちにすごく印象に残りました。


そうそう、石村さんとのお話で、高松がいいよとオススメされ、これは行っとかなあかんちゃうか!となり、アフター奈良3自転車部ストイック組は速攻で高松行日程を組んだのでした。乞うご期待!

『be with!』vol.90 p37

今晩の『乾さんといっしょじゃない@奈良おんどり』は予想外と言えばあまりに予想外の驚きの展開を見せ、それはもちろん書きたいんだけどちょっとこの興奮のまま残しときたくて(笑)、長らく待ってたB'z partyの会報でちょっと感心したことがあったのでそれを。

地味にこういう対応を取るところが好きです。B'zはB'z Partyも含めて、ほんとにファンのあらゆることを常に全方位で考えてるなーと思います。

 

たまりません。泣けます。アリーナ行きたいです。

タイヤ交換 MICHELIN PRO3 RACE

先日、かき氷食べに行こうとしたら家出て15分でまさかのバーストパンクしたので、タイヤ交換です!

今まではBRIDGESTONEのEXTENZA RR2X 23Cを使ってました。ロングライド向けと言うことで、程よい軽さ程よい耐久性程よい低摩擦なところが気に入ってたのですが、いつものY'sに行ってタイヤを見てみると、EXTENZAは安価な部類で、もう少し高い価格帯の製品をいろいろ物色してみて、展示数が多い=それだけポピュラーな製品なんだろう、という判断で、MICHELIN PRO3 RACEを購入。ほんとはRACEではなくGRIPというのが良かったんですが、展示が1本しかなく、GRIPとRACEがどう違うかもわからないので、店員さんに聞くのも大仰なので、RACEを2本購入。色はやっぱ黒だね。

今日はとりあえず交換のみ。ちょっと雨が降ってたし。後日、走ってみて感想書いてみよう。

B001QVTGLQ ミシュラン PRO3 RACE 700x23c ロードクリンチャータイヤ ブラック
MICHELIN(ミシュラン)

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ビブリオバトル#04 "BBBBQ"@奈良県立図書情報館 #bibliobattle

過去最高、約50名の集客しての奈良県立図書情報館ビブリオバトル!!

まず初めに、今回のビブリオバトルは初めて主催者側に回らせて頂いたとは言え、今回の浴衣企画・BBBBQ企画は図書情報館ビブリオバトルを発起した中津さんと図書情報館様で練り上げられてたもので、僕はそのプランをなぞって当日運営すればいい、という状況でした。なのでとても主催者とは言えません。新聞各社や朝日放送などに取り上げられるまでに発展させ、50名も集客する浴衣企画・BBBBQ企画を立案された、中津さんと図書情報館様の努力の賜物だと思います。

僕個人は反省点だらけなんですが、それをここで詳らかにするのはどうかと思うので、内容について、いつも通り関係者サイドとしてギリギリの線で:

  • 僕は純文学大好きなので、純文学がチャンプ本になったことは素直に嬉しい。
  • 一方で、実は純文学というのは実はチャンプ本を撮り易いのではないか?という気も今回した。理由は、票が入りやすいのは(ビブリオバトルに限らず何でも)”意外性”という要素が大きく働く、そして、実は世の中でいちばん読まれていなのが”純文学”で、誰にとっても意外でありやすいから。
  • これはもちろん、ビブリオバトルの本質は、"チャンプ本を獲るということではない"ということをわかっての話。
  • ビブリオバトルの主旨は、”読みたくなった本"であり、もうひとつ、"自分の知らなかった本に出会える"ということ。だから、純文学が取り上げられるのはよいことだと思う。
  • クオリティとクオンティティの問題。50名という人数は率直に言って限界値だと思う。これ以上増えることを想定するとしたら、運営ノウハウもまた違う種類のものが求められそう。
  • クオリティの問題に関しては、以前書いたことのある、「発表者よりも質問者の質が大事」というのは、結構間違ってなかったと思う。
  • 発表者が固定するのではなく、柔軟にほどよいバランスで新しい人も入って来られたりするのが理想。
  • だから、常連として固定の見込めるオーディエンス側の質問のクオリティが、ビブリオバトルの充実度を決めていくと思う。
  • 今回、「ビブリオバトルとは私はこう思う」という趣旨の質問を発言された方がいらっしゃったが、上記を踏まえて、僕はビブリオバトルのカラーというのは、本質を外していなければ、個々の開催場での個性としての「揺れ」「ブレ」があっていいと思う。確かにビブリオバトルは「プレゼンテーション技術」の追求的な性格もある。だから、大して思い入れもないし読んでもいない本を、5分の口八丁で読みたいと思わせる職人技というのももちろんアリだと思う。でも、本気でその本に入れ込んでいて推薦したい人や、フラットにテーマに沿った本を持ってきて、それを解説する人もいる。そういう、より「本のオススメ」側に振れたカラーを持つビブリオバトルがあってもいいと思うし、図書情報館のビブリオバトルは、個人的にはそちらのカラーを意識して続けていくのが、ますます盛り上がっていくことに繋がるように感じてる。
  • ビギナーズラックというと語弊があるけれど、「初陣であるがゆえの朴訥な熱感」「受け入れてもらいやすい感」は、票を取り易い傾向にあるというのは最近のビブリオバトルで関係者が感じているところ。それに対して、ベテランはベテランの力でそれに対抗できるようになれるか、が、「書評会」としてのビブリオバトルを発展させ、レベルを上げ、おもしろくすることに繋がると思う。
  • フィードバック。この次はフィードバックが重要。「次回来てもらえる」だけではなく、「今回来てもらったことに対するフィードバック」が。
まだまだ書評会としてのビブリオバトルをおもしろくすることができると思う。本好きにとってももっとおもしろくできるだろうし、本がそんなに好きじゃない人もなぜか惹きつけるような、そんな会にできると思う。

LOSTAGE "SHOWNEN"@奈良NEVERLAND 2011/07/03

いやよかった。ほんまよかった!それしかないわ。オレらもほんまそれしかない、それしかないよ!!

自主レーベル「THROAT RECORDS」設立記念イベントということで、アルバム『CONTEXT』にも参加してるメンバーがいるkacicaとRopesとの対バン。

6/24のpangea以来、ほんとに心配と楽しみが入り混じったままずーっとこの日を待ちわびてて、7/1の「楽園」はすごく良かったみたいな情報も目にしてどんどん期待は高まってて、18:00の開場に間に合うよう、いそいそとLOSTAGEティーシャツ着て出動。

いつものように新大宮から歩いて佐保川沿いを歩いて、NEVERLANDの裏側から正面に行こうとしたら、裏口からギター爪弾きながら出てくる拓人さん発見。さすがに「LOSTAGE」と書かれたティーシャツを着て目があってどうしてええのかわからへん。視線を泳がせながら正面へ。

チケットは30番台で難なく入場。スタッフの向井さんが今日はいらっしゃらないということで、お名前お伺いしてた長友さんとあいさつ。NEVERLANDのスタッフの方はみんないい人です。自主レーベル立ち上げ記念ってことで缶バッジの特典あり。入場して即CD買いに。この超ニワトリ押しの『CONTEXT』、確か伊藤若冲観て心揺さぶられて…みたいなことなんかで見たようなないような。

まずkacica。名前はちょくちょく見てたんですが初めて見る機会を得ました。プログレ?思いっきりラウドな音に神秘的なタイプの女性ボーカル。僕はツインドラム、トリプルドラムになってたときの曲がいいなと思いました。曲がもう少し短いほうが好みかも。

二番手Ropes。アチコさんはもとより、やはりトディが巧い!巧すぎる!!途中のMCで「楽屋で喧嘩みたいになって」って話をあっけらかんとしてたのが印象的。「喉はいいよ」って笑かす(笑)。

そしてLOSTAGE!Ropesが「今日のLOSTAGEは凄いよ。あんなLOSTAGE見たことない」って繰り返し言ってたんだけど、僕はどうしても6/24の衝撃が大きくって、ほんとに凄いんかなあと思ってたんだけど、凄かった!!『CONTEXT』発売記念でもあるので最初から新曲ばかりで押してきて、途中のMCで

「みんな乗りにくいやろ。乗りにくいはずや。新曲やからな。初めて聴く曲のはずやから。いかなる手段をもってしても。」

なんて言ってみたり。そして

「出たなー。いやーよかった。ほんま。それだけやわ、ほんま。」

と反芻したかと思ったら、

「(拓人さんを指して)オマエとか、岩城さんとか、どうおもてんの?」

なんていつもみたいに聞いてみたり(笑)。

僕はとにかく一切何も知らない真っ新の状態でライブで初めて聴きたかったので、「楽園」のPVも観ず、アジカンのコンピも買わず、ひたすらネバーランドを待ったんですが、その回十分ありました。「言う」とかいきなりノレるしね。拓人さんの音はもちろん轟音だし兄さんのシャウトは絶叫気味だし岩城さんは普通の顔はあんな温和で脱力系なくらいなのに相変わらずドラミングは般若かと思うくらいの暴れっぷり、なんだけど、なんだろう、あの妙に漂った安心感。のほほんとしてるというのとはまた違う…地に足が着いているというのともちょっと違う…6/24の反動でそう感じてるだけなんかも知れないけど、とりあえずは自信を持って、やっていける、という充実感に満ちた安心感みたいのがあって、緊張感ありつつリラックスしてて凄かったです。会場も凄く盛り上がってた。

「NEVERLAND」、聴いてるだけで違う場所に行けそうなくらいいい曲だった。聴いてすぐ覚えた。違う場所に行けそうなんだけどこの曲はNEVERLANDの曲なんだよね。ここにいるだけで。泣きそうになるんだけどそれもまたちょっと違う。うまく言えないけど。この曲んときだったと思うけど、あ、違うな、「楽園」のときかな、Bメロの「ダダダッ ダダダッ」ってときだ、アチコさんに煽られてめっちゃ笑顔で笑って笑って激烈ドラミングする岩城さんがほんとに頼もしく見えました(笑)。

アンコールで「Routine」と「SURRENDER」聴けたのは嬉しかった!トディ参加で。「だいぶわすれとったなあ」という兄の言葉は予測可能(笑)。ほんとに楽し気で、こっちは楽しくて、ますますこれから楽しみになるなあーと思えるライブ。でも、ライブの合間に、スタッフの長友さんに「今回は祭だし、集客多かったですか?」と聞いたら、「目標ギリ、ってとこですね」と言ってたのがなんか正直で奈良っぽくてめっちゃおかしかった。ほのぼの。

最後に一言、NEVERLANDなんてあんないい曲を書いておきながら、「緊張の糸が切れました。もうできません」って、何言ってんだ兄!あんなすばらしい曲書いといて。ああいう曲を好きと言うと、「ウレセンに毒されてる」みたいなことを言う人がすぐいるけど、そんなことじゃない。あの曲にかけた魂ってのが絶対ある。まだまだいける。いってほしい。

LOSTAGE "Kill Surf City vol.3"@心斎橋Live House Pangea 2011/06/24

ビワイチのレポート、早くエントリしたいんだけど一週間経っちゃって、その一週間の間にまた新たな事件が。

 

6/24、心斎橋Pangeaに行ってきました。お目当てはLOSTAGE。ツイッタで見ると前日の横須賀かぼちゃ屋は五味兄さんがハイテンションだったりダイブしたり『手紙』大合唱したりとか、そうとう盛り上がったらしく、めちゃめちゃ期待して行きました。こないだ買ったLOSTAGEティーシャツ着てくかどうか相当悩んだ末、主催がLOSTAGEではなくThe Yasuno N°5 Groupだし、会場もたぶん、僕みたいなオッサンは未経験なくらいちっさいとこなんだろうし、持っていくけど着るの止めとこう、と思って会場入ったら予想以上のちいささ加減ファミリーフレンドリーな雰囲気で、嗚呼良かったそこまで気合入れなくて、と思ったりしてたんですけど、いざLOSTAGE始まったらそんなことあまりにささいってくらい大変なもの見てしまいました。

演奏開始前、やたらと首やら頬やらパンパン叩いてる五味兄さん見て、「前日横須賀でやって、夜移動してきて、プレス用の写真選別とかして、吉川尚弘さんの取材受けたりとか、やっぱ過密スケジュールで疲れてるんだろうなー」と少し心配に。ちょっと目が腫れてるのは飲んでるのか?とか思ったんですが、1曲目始まったら飛ばしてったので「おお。やっぱやるなあ。」と思ってたら。

残り2曲くらいの時間を残したMCで、五味兄さん:

「なんだこの空気は。」

「なにか言いたいことがあるのか。」

おいおい。なんだその不穏な空気づくりは?

「おまえか何か言いたいことがあるのは。」と拓人さんに振るも、「オレはない。」とすげない答え。

「最近は、こういう躁鬱激しい状態で…」

おいおい。昨日は偉い盛り上がったらしいじゃんよ。なんで今日こうなるよ?

五味兄さんは結局、拓人さんの「言いたいことがあるなら、そのまま言えばいいと思う。」という助け舟に乗ることができず、言いかけたことを言いきれず、「今日はもうできません」とベースを置きそうになり、拓人さんに「わかった。言えへんやったら無理にゆわんでもええ。けど、今日こんなに来てくれたお客さんを前にして、やめるはあかん。ちゃんとやれ。」と叱られ、1曲削って最後の一曲をやって、へたり込みました。

音源流出事件があって、だいじょうぶなんかなと思ってて、かぼちゃ屋は盛り上がったので大丈夫かなと思ってたらこの顛末。ほんとにいろいろ思うことはあるのですが、

  • 23日大丈夫で24日あかんくなったというのは、この間に、音源流出に関して何か新しいことが分かったということなんだろうか?それがいちばんの心配。
  • お客さんを前にしてパフォーマンスを飛ばすというのは、やっぱりあってはならないことだと思う。コンディション調整不足だけでもどうかと思うのに、目の前のことをきちんとできないようでは、どんな音楽がいいとか言う以前の問題だと思う。これは、「仕事」をする人間として思う。理不尽なこと言ってるお客さんがいるなら別だけど、僕らはチケット買ってパフォーマンス見にきてるだけだ。
  • もうひとつ、自分達が主催じゃないんだから、主催のバンドに対しても迷惑をかけたんじゃないかと思う。
  • その上で、たぶん、この原因は音源流出だと思うんだけど、そうだとして、やっぱりかなりのショックを受けるんだろうなあと改めて実感した。拓人さんもちょっと涙声だったし。
  • ましてや今回は自主製作で頑張ってきはった訳だし。
  • ITの側にいてる人間としては、デジタルと複製のメリット・デメリットというのはいつも考える問題で、技術的には極力これを防ぐ方法というのはいくらでもあるけれど、これを防ぐ方法というのは取りも直さずユーザの利便性を損なう方向に行くので、一般的にはあまり広まらない。ましてそれほどITに詳しくなる必要もないアーティストがそこまで技術的に武装することも考えにくい。テクニカルにはこれを解決していく道筋は、普段からユーザがある一定の不便さを受けて入れていく(=常にセキュリティが意識される)ようにするしかないけど、それは望めない。
  • とにかく僕たちファンは、『CONTEXT』をきちんと買うしかない。そして、6曲のミニアルバムなのに¥1,680もすることに対して、よくない作品だったら、「なんじゃこりゃ!金返せ!」というだけの勇気を持っていたい。

という訳で、僕は7/3の奈良NEVERLANDで『CONTEXT』をフライングゲットします!

天満橋ビブリオバトル#08 2011/06/15 #bibliobattle

気が付けば皆勤賞。すっかり馴染んできた天満橋ビブリオバトル。来月から奈良県立図書情報館のビブリオバトルの運営を引き継ぐということもあって、よりスタッフ側の動きを学ぼうと思って参加した回でしたが、この回の発表者はとても熱意のある方ばかりで、話がうまい方ばかりで、とてもハイレベルな印象を受けました。実際、かなり票が割れて拮抗しました。ビブリオバトル本来の盛り上がり方がアツかった回だったと思います。実は発表できるように準備をしていってはいたけど、しなくてよかったなーと思いました。

  • 終了後、中津さんに、奈良の告知のスケジュールとか、どういうタイムラインで動かして行ってるかを教えてもらった。
  • 今回の発表者の方の集まり方は、偶然だったのか、何か手をかけて熱心な人を集めたのか。
  • 「本」が主役であることの意識がかなり発表者とオーディエンスで共有できてたと思うけど、これはビブリオバトルの最中に特にそうなるような進行の工夫があった訳ではないので、偶然だと思う。